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きちんと排卵に至る卵胞を育てる方法は?

コラム 不妊治療

きちんと排卵に至る卵胞を育てる方法は?

不妊原因のなかでも多いとされている排卵障害。排卵に問題がある場合、どんな治療をすれば妊娠することができるのでしょうか。

2018.8.24

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不妊原因のなかでも多いとされている排卵障害。排卵に問題がある場合、どんな治療をすれば妊娠することができるのでしょうか。大島クリニックの大島隆史先生に伺いました。



 



 


※2018年8月27日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn」の記事です。





Doctor’s Advice


〜基礎体温グラフできれいな2相性かチェック!〜
毎月生理がきちんときていても、排卵がうまくいっていないことがあります。排卵障害でも自覚症状はほとんどないので、まずは基礎体温をつけて、ちゃんと2相性が確保できているかどうかチェックしましょう。気になることがあれば早めに婦人科の受診を。



お話を伺った先生のご紹介

大島 隆史 先生(大島クリニック)


自治医科大学卒業。1982年、新潟大学医学部産科婦人科学教室入局。産婦人科医として3年間研修後、県内の地域病院の1人医長として4年間勤務。1992年、新潟大学医学部において医学博士号を授与される。新潟県立がんセンター新潟病院、新潟県立中央病院勤務を経て、1999年、大島クリニックを開設、院長に就任。

≫大島クリニック

卵胞が破裂しないLUFも多く見られる排卵障害の一つ


不妊原因の一つに排卵障害がありますが、そのなかでも多く見られるのが「LUF」と「PCOS」です。いずれも卵胞が正常に育たず、妊娠の大きな障害となります。
当院でも「なかなか妊娠に至らない」といって来られた方を調べると、LUFだったというケースが多いですね。
LUFとは黄体化未破裂卵胞のこと。通常、LHサージが起こってからおよそ36時間後に排卵します。成長した卵胞が破裂して卵巣の外に排出された卵子は、卵管を通って精子と受精します。ところがLUFの場合、何らかの原因で成熟卵胞が破裂せず、排卵をしないまま黄体化してしまうのです。排卵をしていないので、当然、その周期は妊娠することができません。
LUFは子宮内膜症、腹部の手術やクラミジア感染などによる骨盤内の癒着が関連しているといわれることもあるようです。しかし、はっきりした原因はわかっていません。年齢が高い方でも若い方でもLUFを認めます。周期によって起こる時もあれば、まったく起こらない時もあります。正常な方でも年数回はLUFが生じるとされていますが、頻繁なら不妊につながりますから、何かしらの対策が必要になってくるでしょう。
 症状がないのでご自身でLUFを自覚することはできません。妊活をしていてもなかなか妊娠しないという方は一度外来を受診し、1周期は超音波で診て、排卵後に卵胞がちゃんと潰れているかどうか、排卵しなかった卵胞が残っていないかを確認してもらうといいでしょう。
LUFは原因がはっきりわからないので、予防することは難しいと思います。ですからなるべく多く卵胞を育てて、LUFになる卵胞が出現する確率を減らすことが一番なのでは。当院では一般不妊治療の場合でも、クロミッドⓇなどの排卵誘発剤を3回くらい使って、あとは注射に切り替えて成熟卵胞を増やすような対策をしています。



 



日本人女性の7~8%に認められるPCOSとは?


PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は卵巣の中に10mm前後の小さな卵胞がたくさんできてしまい、排卵が起きにくくなってしまう状態です。排卵障害を引き起こす原因の7割を占めるといわれています。日本人では全女性の7~8%程度、WHOの統計だと15%程度にPCOSを認めると報告されています。
PCOSになる原因はまだはっきり解明されていませんが、現在のところ、ホルモンの分泌バランスの乱れやインスリン抵抗性が影響しているのではないかと考えられています。

診断基準としては
●月経の異常や無月経
●多嚢胞性卵巣
●血中男性ホルモンの高値または、
LH基礎値が高値でFSH基礎値が正常

などがあります。血中のホルモン検査や卵巣の超音波検査を受けることで診断できます。また、PCOSの人はAMH(抗ミュラー管ホルモン)が高齢の方でも高値のことが多く、10 ng/ml以上の場合は卵巣刺激をする際に注意が必要です。


排卵誘発法の工夫で卵胞をうまく育てていくことが大切


PCOSの方では、体外受精の時にロング法やショート法などを実施するとOHSS(卵巣過剰刺激症候群)になる危険があります。AMHが高値であれば高刺激は避けたほうがいいかもしれません。
当院ではなるべく体外受精へステップアップする前に妊娠を試みていますが、一般不妊治療でもあまり強い卵巣刺激はしないようにしています。クロミッドⓇを服用していただいて、その後低用量の注射を生理8日目や10日目に実施します。状態を確認しながらそのつど追加していく。この方法でうまくいかないときは、生理の2日目頃から自己注射を50単位で打っていくと反応して、妊娠される方が多いようですね。
 肥満ぎみの方は糖負荷検査を受けていただき、インスリン抵抗性があれば、糖尿病治療薬であるメトホルミンを排卵誘発剤と併行して使っていくとうまくいくようです。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.39 2018 Autumn
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