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男の約束
赤ちゃんエッセイ:男の約束 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ねえー、パパ。ゆうちゃん、まだ、産まれないの?」 5歳になったばかりの長男(りょういち)が心配そうな声を出した。 「もう少しだよ。ママも頑張っているから、応援してあげて」 長男に心配させないように言ったつもりだったが声が震えているのが自分でも分かった。「手術中」という赤いランプが点灯している以外は照明がほとんど無い薄暗い廊下。ベンチに息子と2人きりである。そう、嫁は手術室で闘っている。出産予定日よりも2か月も早い32週目に急に陣痛が起きた。すぐに救急車で大学病院に運ばれ、緊急の帝王切開となった。息子は5歳になったばかりだったが嫁が苦しみだして救急車で運ばれたことにただならぬことが起きたと感じている風であった。 「ママ、大丈夫?痛くないの?」 「大丈夫だよ、大丈夫。ママは頑張っているから」 「ゆうちゃんも頑張っているんだよね」 結婚した時から女の子には「優花」という名前をつけようと夫婦で決めていた。優しく花のようなかわいい女の子に育って欲しいからだ。だから、「ゆうちゃん」とお腹の中にいる時から呼んでいた。長男はだんだん大きくなる嫁のお腹に「ゆうちゃん、ゆうちゃん」と毎日声をかけていた。妹ができることをとても喜んでいたのだ。 「そうだよ。ママもゆうちゃんも頑張っている。絶対に大丈夫だから」と長男の両手を握り締めて言った。 「僕ね、ゆうちゃんが産まれてきたらお兄ちゃんになる。お世話をたくさんして、一緒にたくさん遊ぶんだ」 私は長男の言葉にびっくりした。まだまだ幼いと思っていたのだがいつのまにか成長し、産まれてくる妹のことをしっかり考えているのだ。 「そうか、えらいぞ」 私は長男の頭をぐりぐりさせながら言った。 「じゃあ、男の約束をするか。」 「約束?」 「ああ、パパとお前と2人だけの約束だ」 私はじっと息子の目を見ながら言った。 「それは絶対にママとゆうちゃんを悲しませないことだ」 「いいかい。パパとりょういちは男だろ。男は女の子を守らなければいけないし、悲しませてはいけないんだ」 「うん。」 「ママとゆうちゃんは今本当に頑張っている。ママは今まで生きてきた中で一番苦しい思いをしているし、ゆうちゃんもママのお腹から出るために必死になっている。それが二人に対する一番のごほうびだよ」 「分かったよ、パパ。ママとゆうちゃんを絶対悲しませない。僕がママとゆうちゃんを守る」 と私の目をみつめながら頼もしげに言った。 「よし、約束だぞ」 それから長男は眠ってしまった。夜も遅いし、疲れたのだろう。たくましく成長している息子を誇らしく思った。手術は無事に成功し、赤ちゃんも無事に産まれた。身長40㎝、体重1876gの未熟児だった。赤ちゃんはとても小さかったが泣き声は大きく元気だった。赤ちゃんはNICUにすぐに運ばれたが長男は元気な赤ちゃんを見て満足げであった。 「パパ、ゆうちゃん、かわいいね。絶対、僕が守るよ」 「ああ、頼むよ。お姫様をしっかり守ってくれよ」 「うん」 息子は自分の胸をどんと叩いた。 嫁が麻酔から覚めると家族みんな(娘も含む)で泣いて喜んだ。私は息子との約束を嫁に伝えた。 「りょうくん、ママを守ってくれるの?ありがとう。とっても嬉しいわ」 「任せといてよ。ママ、がんばってゆうちゃんを産んでくれてありがとう。ゆうちゃん、とてもかわいいよ」 嫁は微笑みなが息子を抱いた。息子は一晩ですっかりたくましくなった。 娘は2か月くらい病院に入院していたが特に健康にも問題なくすくすくと成長している。息子から娘中心の生活となってしまったが息子はあまり駄々をこねたりしなかった。それどころか本当に妹をかわいがっており、いつでも一緒にいる。 赤ちゃんがくれたもの。それは息子の成長と家族の強い絆だった。人は人のために強くなれる。人は誰かを守ることで強くなれる。赤ちゃんから大きなチカラをもらった。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 赤ちゃんエッセイ:男の約束 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「ねえー、パパ。ゆうちゃん、まだ、産まれないの?」 5歳になったばかりの長男(りょういち)が心配そうな声を出した。 「もう少しだよ。ママも頑張っているから、応援してあげて」 長男に心配させないように言ったつもりだったが声が震えているのが自分でも分かった。「手術中」という赤いランプが点灯している以外は照明がほとんど無い薄暗い廊下。ベンチに息子と2人きりである。そう、嫁は手術室で闘っている。出産予定日よりも2か月も早い32週目に急に陣痛が起きた。すぐに救急車で大学病院に運ばれ、緊急の帝王切開となった。息子は5歳になったばかりだったが嫁が苦しみだして救急車で運ばれたことにただならぬことが起きたと感じている風であった。 「ママ、大丈夫?痛くないの?」 「大丈夫だよ、大丈夫。ママは頑張っているから」 「ゆうちゃんも頑張っているんだよね」 結婚した時から女の子には「優花」という名前をつけようと夫婦で決めていた。優しく花のようなかわいい女の子に育って欲しいからだ。だから、「ゆうちゃん」とお腹の中にいる時から呼んでいた。長男はだんだん大きくなる嫁のお腹に「ゆうちゃん、ゆうちゃん」と毎日声をかけていた。妹ができることをとても喜んでいたのだ。 「そうだよ。ママもゆうちゃんも頑張っている。絶対に大丈夫だから」と長男の両手を握り締めて言った。 「僕ね、ゆうちゃんが産まれてきたらお兄ちゃんになる。お世話をたくさんして、一緒にたくさん遊ぶんだ」 私は長男の言葉にびっくりした。まだまだ幼いと思っていたのだがいつのまにか成長し、産まれてくる妹のことをしっかり考えているのだ。 「そうか、えらいぞ」 私は長男の頭をぐりぐりさせながら言った。 「じゃあ、男の約束をするか。」 「約束?」 「ああ、パパとお前と2人だけの約束だ」 私はじっと息子の目を見ながら言った。 「それは絶対にママとゆうちゃんを悲しませないことだ」 「いいかい。パパとりょういちは男だろ。男は女の子を守らなければいけないし、悲しませてはいけないんだ」 「うん。」 「ママとゆうちゃんは今本当に頑張っている。ママは今まで生きてきた中で一番苦しい思いをしているし、ゆうちゃんもママのお腹から出るために必死になっている。それが二人に対する一番のごほうびだよ」 「分かったよ、パパ。ママとゆうちゃんを絶対悲しませない。僕がママとゆうちゃんを守る」 と私の目をみつめながら頼もしげに言った。 「よし、約束だぞ」 それから長男は眠ってしまった。夜も遅いし、疲れたのだろう。たくましく成長している息子を誇らしく思った。手術は無事に成功し、赤ちゃんも無事に産まれた。身長40㎝、体重1876gの未熟児だった。赤ちゃんはとても小さかったが泣き声は大きく元気だった。赤ちゃんはNICUにすぐに運ばれたが長男は元気な赤ちゃんを見て満足げであった。 「パパ、ゆうちゃん、かわいいね。絶対、僕が守るよ」 「ああ、頼むよ。お姫様をしっかり守ってくれよ」 「うん」 息子は自分の胸をどんと叩いた。 嫁が麻酔から覚めると家族みんな(娘も含む)で泣いて喜んだ。私は息子との約束を嫁に伝えた。 「りょうくん、ママを守ってくれるの?ありがとう。とっても嬉しいわ」 「任せといてよ。ママ、がんばってゆうちゃんを産んでくれてありがとう。ゆうちゃん、とてもかわいいよ」 嫁は微笑みなが息子を抱いた。息子は一晩ですっかりたくましくなった。 娘は2か月くらい病院に入院していたが特に健康にも問題なくすくすくと成長している。息子から娘中心の生活となってしまったが息子はあまり駄々をこねたりしなかった。それどころか本当に妹をかわいがっており、いつでも一緒にいる。 赤ちゃんがくれたもの。それは息子の成長と家族の強い絆だった。人は人のために強くなれる。人は誰かを守ることで強くなれる。赤ちゃんから大きなチカラをもらった。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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お母さんと赤ちゃん
赤ちゃんエッセイ:お母さんと赤ちゃん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「私の赤ちゃんがどうしてこんな障害を持って生まれてきちゃったのかしら。身内には誰もこんな病気を持っている人はいないのに。」 私の顔をみるなり、涙を浮かべながら呟いた年若いお母さんがいた。 私は先天性の心臓疾患がありその手術の為に長期入院をしていた。先天性心臓疾患の専門機関であったので、生まれてくる子供、お母さんそのどちらかが心臓に悩みを抱えている人が多く入院していた。病棟の一角にガラス張りの新生児室があり掌にのるくらいの小さな赤ちゃん達がいた。鼻からのチューブ、大人の指よりも細い腕に沢山の点滴をしているのをみると涙が出て仕方がなく足早に通り過ぎていた。 ある時、ふと見ると看護師さんが赤ちゃんの足の裏をくすぐっている。何をしているのかと思い看護婦さんにたずねると、「まだお腹の中にいると思って時々息をするのを忘れちゃうんです。」と言う。びっくりして「忘れちゃうんですか?」と聞くと、「そうなんです。やんちゃな子、おとなしい子、性格がそれぞれで可愛いですよ。」と微笑みながら答えてくれた。 その日から新生児室の前にある椅子に座り、赤ちゃんの様子を眺めることが日課になった。鼻のチューブが気持ち悪いのだろう、一生懸命手で押しのけて取ってしまう子。足の裏をくすぐられると「ハッ」っとして息をしだす子。看護師さんがどんなにシートをかけても足を起用に動かしクチュクチュと押しのけてしまう子、タオルで身体を拭いてもらうと「本当に気持ちいい」と伸びをして目を細めている子、、。どの赤ちゃんも元気で明るく一生懸命に生きていた。日々眺めているだけでその赤ちゃんの性格までわかるようになるから不思議だ。 「またやんちゃしてるな。」「今日はご機嫌かな」と一人ひとりの赤ちゃんの様子を毎日見に行くので、看護師さんからは「赤ちゃんパトロールのお姉さん」と呼ばれだした。 そんなある日だった。悲しそうな顔をして赤ちゃんをのぞきこみ、ふと私の顔を見るとどこにも言えなかった気持ちがあふれたかのように呟いた。 どんな病気なのかと聞くと全く私と同じ疾患だった。「私と一緒だね。」と言うと、目を見開いて顔を見た。心臓が出来上がるまでの仕組み、赤ちゃんの時にわかって良かったこと、今手術して対応しておけばこれから先の生活に問題はないこと、気づかないだけで結構多くの人がその疾患を持っていること、そして誰のせいでもないことをゆっくりと顔を見ながら話した。 「誰のせいでもない?」と何度も聞くので、「そう、誰のせいでもない。それに貴女の赤ちゃんはとてもやんちゃで元気いっぱいだよ。」と毎日見ている様子について話すと、「小さくて怖くてどうしていいかわからなくて悲しくて、ちゃんと見ることができませんでした。」と涙をこぼした。 「お腹の中で大切に育てていたのにって思っちゃうよね。自分が悪いって思ってしまうよね。でも誰も悪くない。貴女は一生懸命頑張ったんだから。可愛いよ。貴女の赤ちゃん。大丈夫。」 お母さんはギュッと私の手を握って声をあげて泣いた。 数日後、お母さんとお義母さんが一緒に私の病室を訪ねてきてくれた。お母さんが先に退院するという。 赤ちゃんパトロールに出向き、お母さんの赤ちゃんに言った。 「あなたのお母さん素敵な人だよ。」と。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ 出産後の過ごし方(1) 産後に抜け毛が止まらない!産後抜け毛の2つの原因とは? 《長い?短い?》出産後、初セックスは【産後○○日】! 女性のための健康生活マガジン JINEKO 赤ちゃんエッセイ:お母さんと赤ちゃん 画像:Shutterstock.com はじめての妊娠、そして出産。楽しみでもあり、不安も少し…。そんな初心者ママを応援したいとスキナベーブでは毎年、赤ちゃんエッセイコンテストを開催しています。エッセイには、先輩ママや専門家の方の体験談がいっぱい。元気になれるエッセイが、きっと見つかります。ジネコでは、これまでの受賞作品の中から素敵なエッセイをピックアップしてご紹介してまいります。 「私の赤ちゃんがどうしてこんな障害を持って生まれてきちゃったのかしら。身内には誰もこんな病気を持っている人はいないのに。」 私の顔をみるなり、涙を浮かべながら呟いた年若いお母さんがいた。 私は先天性の心臓疾患がありその手術の為に長期入院をしていた。先天性心臓疾患の専門機関であったので、生まれてくる子供、お母さんそのどちらかが心臓に悩みを抱えている人が多く入院していた。病棟の一角にガラス張りの新生児室があり掌にのるくらいの小さな赤ちゃん達がいた。鼻からのチューブ、大人の指よりも細い腕に沢山の点滴をしているのをみると涙が出て仕方がなく足早に通り過ぎていた。 ある時、ふと見ると看護師さんが赤ちゃんの足の裏をくすぐっている。何をしているのかと思い看護婦さんにたずねると、「まだお腹の中にいると思って時々息をするのを忘れちゃうんです。」と言う。びっくりして「忘れちゃうんですか?」と聞くと、「そうなんです。やんちゃな子、おとなしい子、性格がそれぞれで可愛いですよ。」と微笑みながら答えてくれた。 その日から新生児室の前にある椅子に座り、赤ちゃんの様子を眺めることが日課になった。鼻のチューブが気持ち悪いのだろう、一生懸命手で押しのけて取ってしまう子。足の裏をくすぐられると「ハッ」っとして息をしだす子。看護師さんがどんなにシートをかけても足を起用に動かしクチュクチュと押しのけてしまう子、タオルで身体を拭いてもらうと「本当に気持ちいい」と伸びをして目を細めている子、、。どの赤ちゃんも元気で明るく一生懸命に生きていた。日々眺めているだけでその赤ちゃんの性格までわかるようになるから不思議だ。 「またやんちゃしてるな。」「今日はご機嫌かな」と一人ひとりの赤ちゃんの様子を毎日見に行くので、看護師さんからは「赤ちゃんパトロールのお姉さん」と呼ばれだした。 そんなある日だった。悲しそうな顔をして赤ちゃんをのぞきこみ、ふと私の顔を見るとどこにも言えなかった気持ちがあふれたかのように呟いた。 どんな病気なのかと聞くと全く私と同じ疾患だった。「私と一緒だね。」と言うと、目を見開いて顔を見た。心臓が出来上がるまでの仕組み、赤ちゃんの時にわかって良かったこと、今手術して対応しておけばこれから先の生活に問題はないこと、気づかないだけで結構多くの人がその疾患を持っていること、そして誰のせいでもないことをゆっくりと顔を見ながら話した。 「誰のせいでもない?」と何度も聞くので、「そう、誰のせいでもない。それに貴女の赤ちゃんはとてもやんちゃで元気いっぱいだよ。」と毎日見ている様子について話すと、「小さくて怖くてどうしていいかわからなくて悲しくて、ちゃんと見ることができませんでした。」と涙をこぼした。 「お腹の中で大切に育てていたのにって思っちゃうよね。自分が悪いって思ってしまうよね。でも誰も悪くない。貴女は一生懸命頑張ったんだから。可愛いよ。貴女の赤ちゃん。大丈夫。」 お母さんはギュッと私の手を握って声をあげて泣いた。 数日後、お母さんとお義母さんが一緒に私の病室を訪ねてきてくれた。お母さんが先に退院するという。 赤ちゃんパトロールに出向き、お母さんの赤ちゃんに言った。 「あなたのお母さん素敵な人だよ。」と。 提供:スキナベーブ 赤ちゃんエッセイコンテスト ■ あわせて読みたい ■ 出産後の過ごし方(1) 産後に抜け毛が止まらない!産後抜け毛の2つの原因とは? 《長い?短い?》出産後、初セックスは【産後○○日】! 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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出産後の過ごし方(2)
赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(2) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 心も不安定な状態になりやすい時期。周りにサポートしてもらいながら赤ちゃんとの時間を楽しんで キャリアウーマンの方は「産後うつ」に気をつけて 産後の1カ月間は体だけではなく、心も不安定になりやすい時期です。退院して自宅に戻ると、授乳、沐浴、おむつ替え……と、いろいろなことが一気に押し寄せてきて、頭も体もいっぱいいっぱいになってしまいます。育児は自分の思うようにならないし、自分の自由な時間も奪われてしまいます。特に初産の方だと、気持ちが追いつかなくて、育児ノイローゼや産後うつといわれる状態を引き起こしてしまう方もいます。 もともとうつ傾向の方は、妊娠中はホルモンの関係などで一時的にうつの症状がなくなるのですが、出産するとまた元に戻ってしまう、もしくは以前よりも症状が悪化してしまうことがあります。 また、出産前はうつの症状はなかったのに、出産後にうつ病になってしまうケースは、バリバリ働いていたキャリアウーマンの方に多く見られる傾向が。不安定な精神状態を引き起こす原因は、働いていた時と出産後の生活のギャップの大きさ、自分がいない間に職場のポストや仕事を奪われる不安などから来ているようです。 行政や産院でもサポート体制を整えています このようなことを起こさず、安定した気持ちで産後を乗り切るために、当院では、事情が許せば「1カ月間は実家で過ごしてください」とお伝えしています。ご両親と一緒なら、いろいろなことに煩わされず、リラックスした気持ちで育児のペースをつかんでいけます。 しかし、事情が許さず、ご夫婦で過ごさなければならないご家庭もあります。そのような場合は、ご主人のサポートが大切。お母さんは昼間1人で赤ちゃんの世話をして、不安だったり、不満やストレスもためています。ですから、ご主人になるべく早く帰ってきてもらい、話を聞いてもらったり、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうのがよいでしょう。それによって父性意識が芽ばえ、お母さんの心はだいぶ軽くなります。 また、行政にも育児の相談窓口が設けられています。自分ではどうしようもなくなったら、市役所や区役所、保健所などに駆け込んでご相談を。近所になければ、出産した病院に連絡をすれば助産師さんなどが対応してくれるはずです。心の状態が悪化する前に食い止めることが必要です。 初めての赤ちゃんのお世話をマイペースで楽しんで 初めて出産した人にとって、赤ちゃんはこれまで触れたことのない未知の存在。授乳や沐浴、どうしたらいいのか、赤ちゃんをどう扱えばいいのか、不安や疑問だらけだと思います。 初めてだからといって、本やインターネットなどで知識を詰め込む必要はありません。赤ちゃんの体は機械ではありませんから、本に書いてある通りにはいかないことも。頭でっかちになりすぎると、かえってストレスになってしまうことも。経験していくうちに「これくらいなら大丈夫だろう」と徐々につかめていきますから、マイペースで育児を楽しんでいただきたいですね。 産後1カ月は、このようにして育児のペースをつかむ期間。この時期は母性が芽生える時でもあります。新生児は抱きグセを気にしなくてもいいので、うんと赤ちゃんを抱きしめて、話しかけてあげてください。毎日毎日赤ちゃんの変化を楽しんで、母親の喜びを噛みしめながら過ごしていただきたいですね。 授乳 赤ちゃんを見ていればタイミングがわかります 「家では飲んだお乳の量を計量できないので、ちゃんと飲んでいるのか不安」という方が多いようです。心配だったら、赤ちゃんの表情をよく見ましょう。乳首を離したら泣き出すなど、足りなさそうだったらもっとあげて、満足しているようなら授乳を終えても大丈夫です。また、赤ちゃんは乳首を吸っていると満足するので、3時間授乳、2時間授乳など時間にとらわれず、あげられる時にあげてください。あまり神経質にならなくても、赤ちゃんを見ていれば自然と授乳のタイミングがわかってきます。 おむつ替え 思っているほど赤ちゃんは不快を感じていません 初めて子育てをするお母さんだと、何回も何回もおむつをチェックする方も。今市販されている紙おむつは吸水性がよく、おしっこをした後もサラサラしているので、赤ちゃんはそれほど不快に感じていません。ある程度の間隔を決めてチェックすれば十分だと思います。うんちの後はお尻をちゃんと洗ってあげることが望ましいのですが、排便の度にお風呂に連れて行って洗うのは大変。紙おむつなら水分を吸収してくれるので、おしり拭きをぬるま湯でしめらせて拭けばすっきり。便利な機能を活用して、ストレスのないおむつ替えを。 沐浴 ちょっとお湯がかかっても大丈夫!頭はまめに洗いましょう 怖いとか難しいと考えず、沐浴は「上から下まで洗えればいい」という程度に考えて。赤ちゃんはお腹の中でお水の中にいたので、少しくらいお湯がかかっても平気。まめに拭き取らなくても大丈夫です。体の部位の中でも「頭と顔を洗うのが怖い」という人が多いようですが、赤ちゃんの体は思っている以上に丈夫にできています。頭は新陳代謝が活発な部位で、脂っぽくなるとブツブツができてしまうので、石鹸をよく泡立ててしっかり洗いましょう。 部屋の環境 室温をこまめに変えるよりタオルの掛け物で調整を お部屋の環境は、赤ちゃんにあわせて、ということは特に必要なく、室温や湿度はお父さんやお母さんが不快にならない状態で構いません。冷房も「赤ちゃんが寒がるからかけない」などと思わず、暑くならない程度に調整してあげてください。気になる時は赤ちゃんの手や足を触って、冷たくなっていたら掛け物で調整を。タオルが1枚あれば、掛けたり、外すことで調節ができます。 衣服 季節に合わせた服+肌着で十分です 冬場に風邪を引かないように赤ちゃんをいろいろな物でくるんでいる人を見かけますが、衣服も神経を使い過ぎなくてOK。夏なら肌着+夏服、冬なら肌着+冬服と、季節に合わせた衣服で大丈夫です。ただ、赤ちゃんは汗っかきなので、あせもや冷えを防ぐための、着替えを準備しておきましょう。気候の変化がある時は、この場合も掛け物で調整を。頭でいろいろ考えるのではなく、赤ちゃん自体を情報源に。表情を観察したり、肌に触れれば、快適か不快かを教えてくれるはずです。 Q. 赤ちゃんを迎えるために産前に購入したものは? 赤ちゃんを迎えるために必要なものは出産前に準備したいもの。退院する赤ちゃんを車に乗せるためのチャイルドシート、赤ちゃんを寝かせるねんねスペースをつくるベビー布団とベッド、沐浴にはベビーバスも必要です。成長にあわせて使いましょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(1) 》 赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(2) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 心も不安定な状態になりやすい時期。周りにサポートしてもらいながら赤ちゃんとの時間を楽しんで キャリアウーマンの方は「産後うつ」に気をつけて 産後の1カ月間は体だけではなく、心も不安定になりやすい時期です。退院して自宅に戻ると、授乳、沐浴、おむつ替え……と、いろいろなことが一気に押し寄せてきて、頭も体もいっぱいいっぱいになってしまいます。育児は自分の思うようにならないし、自分の自由な時間も奪われてしまいます。特に初産の方だと、気持ちが追いつかなくて、育児ノイローゼや産後うつといわれる状態を引き起こしてしまう方もいます。 もともとうつ傾向の方は、妊娠中はホルモンの関係などで一時的にうつの症状がなくなるのですが、出産するとまた元に戻ってしまう、もしくは以前よりも症状が悪化してしまうことがあります。 また、出産前はうつの症状はなかったのに、出産後にうつ病になってしまうケースは、バリバリ働いていたキャリアウーマンの方に多く見られる傾向が。不安定な精神状態を引き起こす原因は、働いていた時と出産後の生活のギャップの大きさ、自分がいない間に職場のポストや仕事を奪われる不安などから来ているようです。 行政や産院でもサポート体制を整えています このようなことを起こさず、安定した気持ちで産後を乗り切るために、当院では、事情が許せば「1カ月間は実家で過ごしてください」とお伝えしています。ご両親と一緒なら、いろいろなことに煩わされず、リラックスした気持ちで育児のペースをつかんでいけます。 しかし、事情が許さず、ご夫婦で過ごさなければならないご家庭もあります。そのような場合は、ご主人のサポートが大切。お母さんは昼間1人で赤ちゃんの世話をして、不安だったり、不満やストレスもためています。ですから、ご主人になるべく早く帰ってきてもらい、話を聞いてもらったり、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうのがよいでしょう。それによって父性意識が芽ばえ、お母さんの心はだいぶ軽くなります。 また、行政にも育児の相談窓口が設けられています。自分ではどうしようもなくなったら、市役所や区役所、保健所などに駆け込んでご相談を。近所になければ、出産した病院に連絡をすれば助産師さんなどが対応してくれるはずです。心の状態が悪化する前に食い止めることが必要です。 初めての赤ちゃんのお世話をマイペースで楽しんで 初めて出産した人にとって、赤ちゃんはこれまで触れたことのない未知の存在。授乳や沐浴、どうしたらいいのか、赤ちゃんをどう扱えばいいのか、不安や疑問だらけだと思います。 初めてだからといって、本やインターネットなどで知識を詰め込む必要はありません。赤ちゃんの体は機械ではありませんから、本に書いてある通りにはいかないことも。頭でっかちになりすぎると、かえってストレスになってしまうことも。経験していくうちに「これくらいなら大丈夫だろう」と徐々につかめていきますから、マイペースで育児を楽しんでいただきたいですね。 産後1カ月は、このようにして育児のペースをつかむ期間。この時期は母性が芽生える時でもあります。新生児は抱きグセを気にしなくてもいいので、うんと赤ちゃんを抱きしめて、話しかけてあげてください。毎日毎日赤ちゃんの変化を楽しんで、母親の喜びを噛みしめながら過ごしていただきたいですね。 授乳 赤ちゃんを見ていればタイミングがわかります 「家では飲んだお乳の量を計量できないので、ちゃんと飲んでいるのか不安」という方が多いようです。心配だったら、赤ちゃんの表情をよく見ましょう。乳首を離したら泣き出すなど、足りなさそうだったらもっとあげて、満足しているようなら授乳を終えても大丈夫です。また、赤ちゃんは乳首を吸っていると満足するので、3時間授乳、2時間授乳など時間にとらわれず、あげられる時にあげてください。あまり神経質にならなくても、赤ちゃんを見ていれば自然と授乳のタイミングがわかってきます。 おむつ替え 思っているほど赤ちゃんは不快を感じていません 初めて子育てをするお母さんだと、何回も何回もおむつをチェックする方も。今市販されている紙おむつは吸水性がよく、おしっこをした後もサラサラしているので、赤ちゃんはそれほど不快に感じていません。ある程度の間隔を決めてチェックすれば十分だと思います。うんちの後はお尻をちゃんと洗ってあげることが望ましいのですが、排便の度にお風呂に連れて行って洗うのは大変。紙おむつなら水分を吸収してくれるので、おしり拭きをぬるま湯でしめらせて拭けばすっきり。便利な機能を活用して、ストレスのないおむつ替えを。 沐浴 ちょっとお湯がかかっても大丈夫!頭はまめに洗いましょう 怖いとか難しいと考えず、沐浴は「上から下まで洗えればいい」という程度に考えて。赤ちゃんはお腹の中でお水の中にいたので、少しくらいお湯がかかっても平気。まめに拭き取らなくても大丈夫です。体の部位の中でも「頭と顔を洗うのが怖い」という人が多いようですが、赤ちゃんの体は思っている以上に丈夫にできています。頭は新陳代謝が活発な部位で、脂っぽくなるとブツブツができてしまうので、石鹸をよく泡立ててしっかり洗いましょう。 部屋の環境 室温をこまめに変えるよりタオルの掛け物で調整を お部屋の環境は、赤ちゃんにあわせて、ということは特に必要なく、室温や湿度はお父さんやお母さんが不快にならない状態で構いません。冷房も「赤ちゃんが寒がるからかけない」などと思わず、暑くならない程度に調整してあげてください。気になる時は赤ちゃんの手や足を触って、冷たくなっていたら掛け物で調整を。タオルが1枚あれば、掛けたり、外すことで調節ができます。 衣服 季節に合わせた服+肌着で十分です 冬場に風邪を引かないように赤ちゃんをいろいろな物でくるんでいる人を見かけますが、衣服も神経を使い過ぎなくてOK。夏なら肌着+夏服、冬なら肌着+冬服と、季節に合わせた衣服で大丈夫です。ただ、赤ちゃんは汗っかきなので、あせもや冷えを防ぐための、着替えを準備しておきましょう。気候の変化がある時は、この場合も掛け物で調整を。頭でいろいろ考えるのではなく、赤ちゃん自体を情報源に。表情を観察したり、肌に触れれば、快適か不快かを教えてくれるはずです。 Q. 赤ちゃんを迎えるために産前に購入したものは? 赤ちゃんを迎えるために必要なものは出産前に準備したいもの。退院する赤ちゃんを車に乗せるためのチャイルドシート、赤ちゃんを寝かせるねんねスペースをつくるベビー布団とベッド、沐浴にはベビーバスも必要です。成長にあわせて使いましょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(1) 》
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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出産後の過ごし方(1)
赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(1) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 産後1カ月間は子宮が正常に戻る過渡期。まだ体は本調子ではないので注意して生活しましょう Q. 里帰り出産をしますか? 出産後、里帰りしない、またはしなかった人が約半数もいらっしゃいます。家庭や実家の事情などもありますが、自宅でマイペースに子育てをしたい、という方が増えているのは間違いないようです。 Q. 出産後に職場復帰する予定はありますか? 約半数近くの方が出産後も、なにかしら働きたいと思っているよう。3割の方は職場復帰するとのことで、これからの子育てと仕事の両立などを具体的に考える必要もあります。出産後の生活を充実したものにしたいですね。(※ジネコユーザー132人に2012年2月にアンケートを実施) 「出産は病気じゃないし、赤ちゃんを産んだあとは、そのうち普通の体に戻る」と思っていませんか。正常分娩の場合は、出産してからだいたい1週間で退院しますが、自宅に戻れるからといっても体はまだ本調子ではありません。実は、出産してから1カ月検診までの母体は、いろいろな面で不安定なのです。妊婦さんとほとんど変わらない状態だと思ってください。 赤ちゃんのベッドとなる子宮は、妊娠していない時は鶏卵くらいの大きさですが、生まれる直前は直径35㎝くらいまで大きくなり、みぞおちの高さくらいまで膨張します。出産して約1週間後、ちょうど退院する頃にはおへその高さくらいまでに収縮。そこから1カ月ほどかけて、通常の大きさに戻っていきます。 このように、産後の1カ月間は子宮の状態が正常に戻っていく過渡期。完全に戻っていないと、「産褥熱(さんじょくねつ)」といわれる熱が出やすくなったり、免疫力が低下して感染を起こしやすくなります。 分娩が終わると、しばらく「悪露(おろ)」と呼ばれる腟からの出血がありますが、これも1カ月ほど続いた後、なくなっていきます。産後1カ月間は、信号でいえば黄色から青色に変わる時期。危険な状態ではありませんが、まだ本調子ではなく、注意が必要です。 お母さんも赤ちゃんもこの時期、不要な外出は避けること では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。 まず、外出ですが、日常の買い物などは体調をみながら徐々にやっていけば問題はありません。旅行は体に負担がかかるので、できればこの期間は避けたほうがいいですね。温泉やスーパー銭湯もおすすめできません。自宅のお風呂は入っても問題ありませんが、不特定多数の人が入浴する場所だと、ウイルスなどに感染する心配があります。 赤ちゃんも、産後しばらくはまだ免疫力が高くないので、お母さんと同様に菌やウイルスに感染しやすい状態です。「自宅に帰ったら、お散歩に連れて行きたい」と思われるかもしれませんが、すぐに外気にさらしたり、人混みに連れて行くことは避けましょう。「公園デビューは産後1カ月が過ぎてから」と思っていただくといいですね。 それから、ご主人との性生活ですが、これも産後1カ月を過ぎてから。分娩時に会陰切開をしている場合は、性行為により傷が開いてしまったり、感染しやすくなってしまっています。1カ月を過ぎれば通常の夫婦生活を送っても支障ありませんので、それまではご主人にも理解してもらうようにしましょう。 一番問題なのは、出産を機に夫婦生活を避けるようになり、その後もセックスレスになってしまうというケースです。ご夫婦の愛を確認する手段は挿入行為だけではありません。産後だからといって触れ合いを拒むのではなく、一緒にお風呂に入ったり、手をつなぐなどして、スキンシップは忘れないようにしていただきたいですね。 軽い運動やマッサージでむくみを予防しましょう その他の生活習慣について、よく取りあげられるのが喫煙と飲酒。健康を考えたらどんな場合でもタバコはよくありませんが、授乳中は特に禁忌です。アルコールに関しては、過度な飲酒は避けてください。気分転換で週1回程度、適量を摂るというような飲み方なら問題はないかと思います。 食事については、妊娠中に太ってしまい、体型が気になるという方もいるかもしれませんが、授乳中は赤ちゃんに栄養を与えなければいけないので、ダイエットはおすすめできません。かといって、食べ過ぎるのも健康のためによくないこと。肥満が気になる方は、豆腐や納豆など植物性のタンパク質を中心に、お菓子などの間食は控えるようにしましょう。 また、注意期間ではありますが、横になって安静にしているばかりではなく、適度な運動も必要です。血液の流れが正常に戻るまで少し時間がかかるので、産後は足がむくみやすくなります。妊娠中ほどではありませんが、血流が滞り、血栓症などを引き起こしやすい状態に。ジョギングやエアロビクスなどの激しい運動はよくありませんが、軽いストレッチやマッサージをしたり、むくみ防止の靴下をはくなどして、血流を促すといいでしょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ 歳をとるにつれ、産後の子宮の戻りは悪くなる? 出産経験者の8割は、元の体型に戻れない!?原因は骨盤にあった 授乳表 少なくとも"○週間"は休むべき!?産後の休息期間はどのくらい? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 赤ちゃんもママも元気に!出産後の過ごし方(1) もうすぐ生まれる赤ちゃん!お腹が大きくなってきて、そろそろ出産後の準備も整えたい時期ですね。出産後のママの体はとってもデリケート。ママも赤ちゃんも大切な時期を元気に過ごすポイントを押さえましょう。 産後1カ月間は子宮が正常に戻る過渡期。まだ体は本調子ではないので注意して生活しましょう Q. 里帰り出産をしますか? 出産後、里帰りしない、またはしなかった人が約半数もいらっしゃいます。家庭や実家の事情などもありますが、自宅でマイペースに子育てをしたい、という方が増えているのは間違いないようです。 Q. 出産後に職場復帰する予定はありますか? 約半数近くの方が出産後も、なにかしら働きたいと思っているよう。3割の方は職場復帰するとのことで、これからの子育てと仕事の両立などを具体的に考える必要もあります。出産後の生活を充実したものにしたいですね。(※ジネコユーザー132人に2012年2月にアンケートを実施) 「出産は病気じゃないし、赤ちゃんを産んだあとは、そのうち普通の体に戻る」と思っていませんか。正常分娩の場合は、出産してからだいたい1週間で退院しますが、自宅に戻れるからといっても体はまだ本調子ではありません。実は、出産してから1カ月検診までの母体は、いろいろな面で不安定なのです。妊婦さんとほとんど変わらない状態だと思ってください。 赤ちゃんのベッドとなる子宮は、妊娠していない時は鶏卵くらいの大きさですが、生まれる直前は直径35㎝くらいまで大きくなり、みぞおちの高さくらいまで膨張します。出産して約1週間後、ちょうど退院する頃にはおへその高さくらいまでに収縮。そこから1カ月ほどかけて、通常の大きさに戻っていきます。 このように、産後の1カ月間は子宮の状態が正常に戻っていく過渡期。完全に戻っていないと、「産褥熱(さんじょくねつ)」といわれる熱が出やすくなったり、免疫力が低下して感染を起こしやすくなります。 分娩が終わると、しばらく「悪露(おろ)」と呼ばれる腟からの出血がありますが、これも1カ月ほど続いた後、なくなっていきます。産後1カ月間は、信号でいえば黄色から青色に変わる時期。危険な状態ではありませんが、まだ本調子ではなく、注意が必要です。 お母さんも赤ちゃんもこの時期、不要な外出は避けること では、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。 まず、外出ですが、日常の買い物などは体調をみながら徐々にやっていけば問題はありません。旅行は体に負担がかかるので、できればこの期間は避けたほうがいいですね。温泉やスーパー銭湯もおすすめできません。自宅のお風呂は入っても問題ありませんが、不特定多数の人が入浴する場所だと、ウイルスなどに感染する心配があります。 赤ちゃんも、産後しばらくはまだ免疫力が高くないので、お母さんと同様に菌やウイルスに感染しやすい状態です。「自宅に帰ったら、お散歩に連れて行きたい」と思われるかもしれませんが、すぐに外気にさらしたり、人混みに連れて行くことは避けましょう。「公園デビューは産後1カ月が過ぎてから」と思っていただくといいですね。 それから、ご主人との性生活ですが、これも産後1カ月を過ぎてから。分娩時に会陰切開をしている場合は、性行為により傷が開いてしまったり、感染しやすくなってしまっています。1カ月を過ぎれば通常の夫婦生活を送っても支障ありませんので、それまではご主人にも理解してもらうようにしましょう。 一番問題なのは、出産を機に夫婦生活を避けるようになり、その後もセックスレスになってしまうというケースです。ご夫婦の愛を確認する手段は挿入行為だけではありません。産後だからといって触れ合いを拒むのではなく、一緒にお風呂に入ったり、手をつなぐなどして、スキンシップは忘れないようにしていただきたいですね。 軽い運動やマッサージでむくみを予防しましょう その他の生活習慣について、よく取りあげられるのが喫煙と飲酒。健康を考えたらどんな場合でもタバコはよくありませんが、授乳中は特に禁忌です。アルコールに関しては、過度な飲酒は避けてください。気分転換で週1回程度、適量を摂るというような飲み方なら問題はないかと思います。 食事については、妊娠中に太ってしまい、体型が気になるという方もいるかもしれませんが、授乳中は赤ちゃんに栄養を与えなければいけないので、ダイエットはおすすめできません。かといって、食べ過ぎるのも健康のためによくないこと。肥満が気になる方は、豆腐や納豆など植物性のタンパク質を中心に、お菓子などの間食は控えるようにしましょう。 また、注意期間ではありますが、横になって安静にしているばかりではなく、適度な運動も必要です。血液の流れが正常に戻るまで少し時間がかかるので、産後は足がむくみやすくなります。妊娠中ほどではありませんが、血流が滞り、血栓症などを引き起こしやすい状態に。ジョギングやエアロビクスなどの激しい運動はよくありませんが、軽いストレッチやマッサージをしたり、むくみ防止の靴下をはくなどして、血流を促すといいでしょう。 柏崎 祐士先生 日本産科婦人科学会認定医。日本生殖医学会生殖医療専門医。埼玉県さいたま市大宮区で開院して40年余り、これまで1万人近くの分娩を取り扱ってきた「かしわざき産婦人科」同院では、母と子の安全を最優先と考え、できるだけ自然なお産を心がけている。出産後は母子別室というのも同院の特徴。回復期間でもある入院中は母体をしっかり休め、退院後、元気に子育てができるようにサポートしている。 関連記事: 《 出産後の過ごし方(2) 》 ■ あわせて読みたい ■ 歳をとるにつれ、産後の子宮の戻りは悪くなる? 出産経験者の8割は、元の体型に戻れない!?原因は骨盤にあった 授乳表 少なくとも"○週間"は休むべき!?産後の休息期間はどのくらい? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊娠・出産
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稽留流産の後はだるさや月経不順が続き体の調子が悪い。次の妊娠に向けて自分でできる対策は?
相談者 berry さん(34歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン・子宮筋腫】 ○なんだか疲れやすい ○朝、起きることができない ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○ため息をよくつく ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○眠れないことが多い ○血色が悪い ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○顔にシミやクマが出やすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○便が黒ずんでいる事がある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○のぼせやほてりがある ○寝汗をよくかく ○寝不足の日が多い ○顔色が青白い 体を総合的に活性化させて体質を改善すれば子宮や卵巣の機能が整い妊娠が継続する 初めての妊娠が残念な結果になってしまったberryさんの辛いお気持ち、お察しいたします。 妊娠が継続するためには、質の良い卵子と元気な精子の出会いの結果、良い受精卵ができることが原則です。そして何よりも理想的な子宮環境をつくることが大切です。良い卵子、良い子宮環境をつくるには、卵巣がしっかり働いていることはもちろんですが、自律神経やほかの内臓がバランス良く連係しながら働くことが重要です。体を総合的に活性化させ、体質を改善することで、おのずと子宮や卵巣の機能も整うのです。 胃腸機能が低下していたり血色が悪いなど、良質な血液が体内をめぐっていないサインに注意 症状を拝見しますと、手足がいつも冷たく、おなかや下半身が冷えるようですが、冷えは不妊の方に多い症状で妊娠の障害となっています。 加えて、そのほかの症状としてゲップやおならが出やすい、便が黒いなど胃腸系の症状が見られます。胃腸機能の低下は食べた物がしっかり消化吸収されて、体の栄養となる仕組みが不十分と思われます。体の栄養になることが不十分ということは、良質な血液もつくられにくいということになります。血色が悪い、肌が乾燥しやすい、のどが乾きやすいというのも、良質な血液が十分に体内をめぐっていないサインでもあります。 温灸でおなかを温め胃腸機能を活発にし足湯法で手足を温め全身の血流を良くすることを心がける 当院では、早く妊娠に近づけるよう、日々の体づくりの方法や食事指導を行っております。 このような症状を踏まえて、ご自分でできる方法としておすすめしたいのが、温灸でおなかを温め胃腸機能を活発にすること、さらに足湯法で手足を温めることです。この方法で全身の血流を良くすることによって、良質な血液が全身をめぐり、結果、内臓も元気になっていくはずです。 また、食事内容も良質な血液をつくるうえで大切です。玄米を主食とし、豆類、ごま、海藻類、野菜、きのこ類をバランス良く摂取しましょう。 これらを総合しますと、鍼治療で体全体と胃腸系を整えるとともに、ご自身でもおなかの温灸や足湯法で手足の血流を回復して体全体を良くし、レベルを上げることが元気な赤ちゃんを授かるための近道になります。一日も早く元気な赤ちゃんが訪れるようにお祈りいたします。 河村 拓躬先生 昭和57年開業以来、婦人科疾患を中心として施術。10年前よりは不妊治療専門鍼灸院として不妊治療の臨床と、研究をおこなっている。NPO法人日本不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー。日本鍼灸師会 東京都鍼灸師会会員。専門領域講習、婦人科疾患認定鍼灸師。日本不妊カウンセリング学会会員。(社)日本生殖医学会会員。 相談者 berry さん(34歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン・子宮筋腫】 ○なんだか疲れやすい ○朝、起きることができない ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○ため息をよくつく ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○眠れないことが多い ○血色が悪い ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○顔にシミやクマが出やすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○便が黒ずんでいる事がある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○のぼせやほてりがある ○寝汗をよくかく ○寝不足の日が多い ○顔色が青白い 体を総合的に活性化させて体質を改善すれば子宮や卵巣の機能が整い妊娠が継続する 初めての妊娠が残念な結果になってしまったberryさんの辛いお気持ち、お察しいたします。 妊娠が継続するためには、質の良い卵子と元気な精子の出会いの結果、良い受精卵ができることが原則です。そして何よりも理想的な子宮環境をつくることが大切です。良い卵子、良い子宮環境をつくるには、卵巣がしっかり働いていることはもちろんですが、自律神経やほかの内臓がバランス良く連係しながら働くことが重要です。体を総合的に活性化させ、体質を改善することで、おのずと子宮や卵巣の機能も整うのです。 胃腸機能が低下していたり血色が悪いなど、良質な血液が体内をめぐっていないサインに注意 症状を拝見しますと、手足がいつも冷たく、おなかや下半身が冷えるようですが、冷えは不妊の方に多い症状で妊娠の障害となっています。 加えて、そのほかの症状としてゲップやおならが出やすい、便が黒いなど胃腸系の症状が見られます。胃腸機能の低下は食べた物がしっかり消化吸収されて、体の栄養となる仕組みが不十分と思われます。体の栄養になることが不十分ということは、良質な血液もつくられにくいということになります。血色が悪い、肌が乾燥しやすい、のどが乾きやすいというのも、良質な血液が十分に体内をめぐっていないサインでもあります。 温灸でおなかを温め胃腸機能を活発にし足湯法で手足を温め全身の血流を良くすることを心がける 当院では、早く妊娠に近づけるよう、日々の体づくりの方法や食事指導を行っております。 このような症状を踏まえて、ご自分でできる方法としておすすめしたいのが、温灸でおなかを温め胃腸機能を活発にすること、さらに足湯法で手足を温めることです。この方法で全身の血流を良くすることによって、良質な血液が全身をめぐり、結果、内臓も元気になっていくはずです。 また、食事内容も良質な血液をつくるうえで大切です。玄米を主食とし、豆類、ごま、海藻類、野菜、きのこ類をバランス良く摂取しましょう。 これらを総合しますと、鍼治療で体全体と胃腸系を整えるとともに、ご自身でもおなかの温灸や足湯法で手足の血流を回復して体全体を良くし、レベルを上げることが元気な赤ちゃんを授かるための近道になります。一日も早く元気な赤ちゃんが訪れるようにお祈りいたします。 河村 拓躬先生 昭和57年開業以来、婦人科疾患を中心として施術。10年前よりは不妊治療専門鍼灸院として不妊治療の臨床と、研究をおこなっている。NPO法人日本不妊カウンセリング学会 認定不妊カウンセラー。日本鍼灸師会 東京都鍼灸師会会員。専門領域講習、婦人科疾患認定鍼灸師。日本不妊カウンセリング学会会員。(社)日本生殖医学会会員。
2015.4.3
コラム 妊活
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経血量が減り月によっては赤黒い塊も。内膜が厚くないから?
相談者 こたろう さん(39歳) 【不妊の原因:不明】 ○なんだか疲れやすい ○冷え性である ○ため息をよくつく ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○血色が悪い ○爪がもろく割れやすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい 月経不順は子宮内膜が厚くないためではなく、「気」、「血」の流れがスムーズではないことが原因 経血量が減ってきたり、粘膜のような赤黒い塊りが混じったり、慢性的な肩凝りや頭痛は血のめぐりがとどこおる「瘀血」という症状です。「気虚(エネルギー不足)」や「気滞(気のとどこおり)や「血虚(栄養を運ぶ血の不足)などが進むと「瘀血」になりやすいのです。 体内の「肝」・「心」・「脾」・「肺」・「腎」の五つの臓器それぞれが促したり抑えたりしてバランスを保っている 疲れやすい、冷え性、寒がり、むくみやすいなどの症状は生殖をつかさどる「腎」の失調による「気虚」であり、月経数や経血量が少なくなっている、血色が悪い、爪がもろく割れやすいなどの症状は蔵血をつかさどる「肝」の失調による「血虚」です。これらのことから、こたろうさんは「気血両虚」であると考えられます。 「気」、「血」の働きに関わる「肝」は、女性の月経に大きな影響を与えます。よくため息をつく、月経前に乳房や下腹部が張るのも「肝」の気のとどこおり「肝気鬱結」のときに見られる症状です。今の月経の状態は、内膜が厚くないことが原因というより、体全体の「気」、「血」の流れがスムーズに行われていないためにおきています。 卵巣や子宮に新鮮で栄養十分な血液が送られることで、経血量も増え月経日数も安定し、子宮内膜は着床に適した状態になります。そのためにも、「気」・「血」・「津液」の働きを整えることが重要です。 「気」・「血」・「津液」のめぐりを整える治療法の鍼灸で体が本来持っている力を取り戻す 「肝」が栄養ある十分な血を貯えるには、「脾胃」の機能を高め消化吸収を促し、体内に栄養を取り込むことが大切。「気」のエネルギーで血が全身をめぐります。「気」、「血」のめぐりが良くなると「津液」の不足も補われ、肌が乾燥しやすい、のどが渇きやすい症状も改善されます。 鍼灸は「気」・「血」・「津液」のめぐりを整える治療法で、悪い所だけを治すのではありません。足りないものを補い、余分なものを取り去ることで体が本来持っている力を取り戻すための治療です。妊娠を望むのであれば、自然な月経サイクルに戻し、妊娠しやすい柔らかくて厚みのある子宮内膜にして赤ちゃんを育める環境を整えましょう。 また、女性の体の周期とホルモンは密接な関係にあり、ストレスや生活習慣がホルモンバランスに大きく影響します。自律神経を整えることと「食事」「睡眠」「運動」の改善も妊娠には欠かせません。鍼灸や漢方で月経を整え、体を本来の軌道に戻し、体力を蓄えてから不妊治療を再スタートするのが、最も適切であると思います。 関口 眞美先生 鍼灸 青龍堂院長。不妊鍼灸ネットワーク会員。日本不妊カウンセリング学会会員。女性鍼灸師フォーラム会員。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・経絡リンパインストラクター・心理カウンセラー。不妊専門の鍼灸院であり、女性に優しい治療を心がけています。 相談者 こたろう さん(39歳) 【不妊の原因:不明】 ○なんだか疲れやすい ○冷え性である ○ため息をよくつく ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○血色が悪い ○爪がもろく割れやすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい 月経不順は子宮内膜が厚くないためではなく、「気」、「血」の流れがスムーズではないことが原因 経血量が減ってきたり、粘膜のような赤黒い塊りが混じったり、慢性的な肩凝りや頭痛は血のめぐりがとどこおる「瘀血」という症状です。「気虚(エネルギー不足)」や「気滞(気のとどこおり)や「血虚(栄養を運ぶ血の不足)などが進むと「瘀血」になりやすいのです。 体内の「肝」・「心」・「脾」・「肺」・「腎」の五つの臓器それぞれが促したり抑えたりしてバランスを保っている 疲れやすい、冷え性、寒がり、むくみやすいなどの症状は生殖をつかさどる「腎」の失調による「気虚」であり、月経数や経血量が少なくなっている、血色が悪い、爪がもろく割れやすいなどの症状は蔵血をつかさどる「肝」の失調による「血虚」です。これらのことから、こたろうさんは「気血両虚」であると考えられます。 「気」、「血」の働きに関わる「肝」は、女性の月経に大きな影響を与えます。よくため息をつく、月経前に乳房や下腹部が張るのも「肝」の気のとどこおり「肝気鬱結」のときに見られる症状です。今の月経の状態は、内膜が厚くないことが原因というより、体全体の「気」、「血」の流れがスムーズに行われていないためにおきています。 卵巣や子宮に新鮮で栄養十分な血液が送られることで、経血量も増え月経日数も安定し、子宮内膜は着床に適した状態になります。そのためにも、「気」・「血」・「津液」の働きを整えることが重要です。 「気」・「血」・「津液」のめぐりを整える治療法の鍼灸で体が本来持っている力を取り戻す 「肝」が栄養ある十分な血を貯えるには、「脾胃」の機能を高め消化吸収を促し、体内に栄養を取り込むことが大切。「気」のエネルギーで血が全身をめぐります。「気」、「血」のめぐりが良くなると「津液」の不足も補われ、肌が乾燥しやすい、のどが渇きやすい症状も改善されます。 鍼灸は「気」・「血」・「津液」のめぐりを整える治療法で、悪い所だけを治すのではありません。足りないものを補い、余分なものを取り去ることで体が本来持っている力を取り戻すための治療です。妊娠を望むのであれば、自然な月経サイクルに戻し、妊娠しやすい柔らかくて厚みのある子宮内膜にして赤ちゃんを育める環境を整えましょう。 また、女性の体の周期とホルモンは密接な関係にあり、ストレスや生活習慣がホルモンバランスに大きく影響します。自律神経を整えることと「食事」「睡眠」「運動」の改善も妊娠には欠かせません。鍼灸や漢方で月経を整え、体を本来の軌道に戻し、体力を蓄えてから不妊治療を再スタートするのが、最も適切であると思います。 関口 眞美先生 鍼灸 青龍堂院長。不妊鍼灸ネットワーク会員。日本不妊カウンセリング学会会員。女性鍼灸師フォーラム会員。鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・経絡リンパインストラクター・心理カウンセラー。不妊専門の鍼灸院であり、女性に優しい治療を心がけています。
2015.4.3
コラム 妊活
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冷房で体を冷やしてから月経が2か月に1度に。体を温めても月経周期が元に戻らない
相談者 しゅう さん(37歳) 【不妊の原因:高齢・多嚢胞性卵巣症候群・月経不順・無月経】 ○息ぎれをしやすい ○月経が乱れやすい ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○とくにおなかや下半身が冷える 鍼灸で「気滞」や「血瘀」の状態を改善し月経周期を整えスムーズな排卵を促す 1年にも渡り月経不順が続くととても心配になりますね。体質チェックから推察しますと、現在のお体の状態は「血瘀」のように思われます。全身に栄養を与える「血」の流れが悪くなり、渋滞を起こしているのです。そのため月経不順がおこっているのですね。 この状態が起きたのは1年前からのようですが、そのころ体を冷やしたのと同時に大きなストレスを感じたことはありませんでしたか? ストレスにより「気」の流れがとどこおり、それが引き金となって「血瘀」の状態を引きおこしたとも考えられます。 気の流れを整えるためのセルフケアー 体を温めるのはとてもいいことなので、ぜひ続けてください。同時に「気」の流れを良くするために、次の4つのことに気を付けてみましょう。 1) 治療のことや人間関係、将来のことなどを考えすぎず、「くよくよイライラ」を少し減らしてみましょう。 2) 私たちの生活はどんどん便利になっていますので、意識しないと最低限必要な運動ができなくなってきています。仕事場では一日パソコンの前に座りっぱなしで、歩くのは行き帰りのみという方や、家にいるときはほとんど外出しないという方もいらっしゃいます。運動不足と思われる場合は、特別な運動をされる必要はありませんので「歩く時間」を増やしてみましょう。 3) 朝起きたときや寝る前、仕事の合間など、気分転換に呼吸法を取り入れてみましょう。4カウント吸って、8カウント吐くというように、長くゆっくり息を吐く呼吸法をおすすめします。いつでもどこでもできますし、とても簡単ですのでぜひやってみてくださいね。呼吸法は心と身体の栄養になります。 4) お風呂もゆっくり入りましょう。5~10分ほど浸かっていられる温度にして、入浴してください。 鍼灸には卵子の質を上げる力があることを治療経験をとおして実感している 鍼灸治療は、自律神経のバランスを整え、心と体を緩め、「気血」の流れを整えることを得意としています。その結果、「気滞」や「血瘀」の状態を改善し月経周期を整えられます。そうなれば、排卵も安定してきます。 エビデンスはありませんが、経験値から卵子の質も上がっていくように思います。自宅でのお灸も効果がありますよ。思うように進まなくて、お辛い日々が続いていると思いますが、もう少し時間をかけてみてくださいね。 岩崎 千晶先生 予測のつきにくい不妊治療に対応するために、いつでも予約を受けられるよう14年前に自宅併設の女性専門鍼灸院を開設。木場公園クリニックで、週一日、「鍼灸治療」を受け持っている。生殖医療相談士の資格も取得し、患者様のストレスの軽減に努めている。 相談者 しゅう さん(37歳) 【不妊の原因:高齢・多嚢胞性卵巣症候群・月経不順・無月経】 ○息ぎれをしやすい ○月経が乱れやすい ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○とくにおなかや下半身が冷える 鍼灸で「気滞」や「血瘀」の状態を改善し月経周期を整えスムーズな排卵を促す 1年にも渡り月経不順が続くととても心配になりますね。体質チェックから推察しますと、現在のお体の状態は「血瘀」のように思われます。全身に栄養を与える「血」の流れが悪くなり、渋滞を起こしているのです。そのため月経不順がおこっているのですね。 この状態が起きたのは1年前からのようですが、そのころ体を冷やしたのと同時に大きなストレスを感じたことはありませんでしたか? ストレスにより「気」の流れがとどこおり、それが引き金となって「血瘀」の状態を引きおこしたとも考えられます。 気の流れを整えるためのセルフケアー 体を温めるのはとてもいいことなので、ぜひ続けてください。同時に「気」の流れを良くするために、次の4つのことに気を付けてみましょう。 1) 治療のことや人間関係、将来のことなどを考えすぎず、「くよくよイライラ」を少し減らしてみましょう。 2) 私たちの生活はどんどん便利になっていますので、意識しないと最低限必要な運動ができなくなってきています。仕事場では一日パソコンの前に座りっぱなしで、歩くのは行き帰りのみという方や、家にいるときはほとんど外出しないという方もいらっしゃいます。運動不足と思われる場合は、特別な運動をされる必要はありませんので「歩く時間」を増やしてみましょう。 3) 朝起きたときや寝る前、仕事の合間など、気分転換に呼吸法を取り入れてみましょう。4カウント吸って、8カウント吐くというように、長くゆっくり息を吐く呼吸法をおすすめします。いつでもどこでもできますし、とても簡単ですのでぜひやってみてくださいね。呼吸法は心と身体の栄養になります。 4) お風呂もゆっくり入りましょう。5~10分ほど浸かっていられる温度にして、入浴してください。 鍼灸には卵子の質を上げる力があることを治療経験をとおして実感している 鍼灸治療は、自律神経のバランスを整え、心と体を緩め、「気血」の流れを整えることを得意としています。その結果、「気滞」や「血瘀」の状態を改善し月経周期を整えられます。そうなれば、排卵も安定してきます。 エビデンスはありませんが、経験値から卵子の質も上がっていくように思います。自宅でのお灸も効果がありますよ。思うように進まなくて、お辛い日々が続いていると思いますが、もう少し時間をかけてみてくださいね。 岩崎 千晶先生 予測のつきにくい不妊治療に対応するために、いつでも予約を受けられるよう14年前に自宅併設の女性専門鍼灸院を開設。木場公園クリニックで、週一日、「鍼灸治療」を受け持っている。生殖医療相談士の資格も取得し、患者様のストレスの軽減に努めている。
2015.4.3
コラム 妊活
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服薬で不妊治療中で月経痛や前後の眠気だるさがひどいけど自然に卵胞が育ち排卵するには?
相談者 花巻はなまる さん(35歳) 【不妊の原因:高齢・多嚢胞性卵巣症候群・月経不順・無月経】 ○朝、起きることができない ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○気分によって食欲にムラがある ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○顔にシミやクマが出やすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のぼせやほてりがある、寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○体が重く、いつもだるい ○むくみやすい ○いつも眠い 鍼灸治療で体の力を高め体質改善すれば自然に卵胞が育ち排卵できるようになる 現在さまざまな不定愁訴を抱えていますが、体質改善をされることにより、それらが解消し、妊娠しやすい体になることができます。 肩こりや頭痛、冷え性、レバーのような経血の塊、顔や唇の色の黒ずみ、多嚢胞性卵巣症候群などの点から、「腎陰虚」による「瘀血症体質」だと考えられます。 「腎気」そのものが充実していることが大切であり「腎陽」と「腎陰」のバランスを整えることが必要 東洋医学では女性の卵巣機能を調節しているのは、「腎」だと考えます。「腎」の精気である「腎気」は、「腎陽」と「腎陰」の二つに分けられます。体を温めたり、機能させたりするエネルギーの大元である「腎陽」と、体を潤わせ、栄養を吸収する「腎陰」です。 「腎気」そのものの充実が大切ですが、二つのバランスを整えることが必要です。「腎陰」と比較して陽が不足している状態を「腎陽虚」といい、「腎陽」と比較して陰が不足している状態を「腎陰虚」といいます。「腎陰虚」は潤いや栄養が不足し、のぼせやすい、目が疲れやすい、目がかすむなどの症状が現れやすくなります。「瘀血症体質」は血流が悪くなり、冷えが強まった状態です。 体質改善をして、自然に卵胞が育ち排卵できるようにするには、体の力を高めることが肝要です。 白砂糖や炭水化物を摂り過ぎない、体を冷やす飲食物を摂らないなど食養生に気をつける 鍼灸治療では「腎」の「気」を補い、体内ホルモンのバランスを調節し、卵巣の働きを整えます。これは血液が、子宮や卵巣に充分に栄養や酸素を行き渡らせ、赤ちゃんがおなかのなかに入ったときに温かくて気持ちが良くなる状態をつくります。 具体的には、良い卵子を育て、子宮の内膜を厚くし、受精卵が着床しやすく、しっかりと育てていく環境を整えます。また、多嚢胞性卵巣症候群もこの治療でホルモンバランスが整って改善していき、さらに薬の効果があがりやすくなるので治療が前進します。 生活および食養生としては、以下のことに気をつけてください。体を冷やさない服装にする。お風呂ではしっかりと湯船につかり温まる。規則正しい生活のリズムを守る。睡眠時間を十分に確保する。疲労やストレスをためない。白砂糖を極力摂らない。炭水化物を摂り過ぎない。冷たいものや生ものなど体を冷やす飲食物を摂らない。食べ過ぎに注意し体重を管理する、などです。体質改善が進み、元気な赤ちゃんが授かりますように。 中村 陽先生 二松學舍大学卒。東海医療学園専門学校卒。日本不妊カウンセリング学会会員。日本受精着床学会会員。2000年CAREROOMS 開業。東洋医学に加え、酸素カプセル・ゲルマニウム温浴・韓国式よもぎ座浴・光線療法・自律神経測定など、多角的に妊娠しやすい体作りを行なっています。 相談者 花巻はなまる さん(35歳) 【不妊の原因:高齢・多嚢胞性卵巣症候群・月経不順・無月経】 ○朝、起きることができない ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○気分によって食欲にムラがある ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○顔にシミやクマが出やすい ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のぼせやほてりがある、寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○体が重く、いつもだるい ○むくみやすい ○いつも眠い 鍼灸治療で体の力を高め体質改善すれば自然に卵胞が育ち排卵できるようになる 現在さまざまな不定愁訴を抱えていますが、体質改善をされることにより、それらが解消し、妊娠しやすい体になることができます。 肩こりや頭痛、冷え性、レバーのような経血の塊、顔や唇の色の黒ずみ、多嚢胞性卵巣症候群などの点から、「腎陰虚」による「瘀血症体質」だと考えられます。 「腎気」そのものが充実していることが大切であり「腎陽」と「腎陰」のバランスを整えることが必要 東洋医学では女性の卵巣機能を調節しているのは、「腎」だと考えます。「腎」の精気である「腎気」は、「腎陽」と「腎陰」の二つに分けられます。体を温めたり、機能させたりするエネルギーの大元である「腎陽」と、体を潤わせ、栄養を吸収する「腎陰」です。 「腎気」そのものの充実が大切ですが、二つのバランスを整えることが必要です。「腎陰」と比較して陽が不足している状態を「腎陽虚」といい、「腎陽」と比較して陰が不足している状態を「腎陰虚」といいます。「腎陰虚」は潤いや栄養が不足し、のぼせやすい、目が疲れやすい、目がかすむなどの症状が現れやすくなります。「瘀血症体質」は血流が悪くなり、冷えが強まった状態です。 体質改善をして、自然に卵胞が育ち排卵できるようにするには、体の力を高めることが肝要です。 白砂糖や炭水化物を摂り過ぎない、体を冷やす飲食物を摂らないなど食養生に気をつける 鍼灸治療では「腎」の「気」を補い、体内ホルモンのバランスを調節し、卵巣の働きを整えます。これは血液が、子宮や卵巣に充分に栄養や酸素を行き渡らせ、赤ちゃんがおなかのなかに入ったときに温かくて気持ちが良くなる状態をつくります。 具体的には、良い卵子を育て、子宮の内膜を厚くし、受精卵が着床しやすく、しっかりと育てていく環境を整えます。また、多嚢胞性卵巣症候群もこの治療でホルモンバランスが整って改善していき、さらに薬の効果があがりやすくなるので治療が前進します。 生活および食養生としては、以下のことに気をつけてください。体を冷やさない服装にする。お風呂ではしっかりと湯船につかり温まる。規則正しい生活のリズムを守る。睡眠時間を十分に確保する。疲労やストレスをためない。白砂糖を極力摂らない。炭水化物を摂り過ぎない。冷たいものや生ものなど体を冷やす飲食物を摂らない。食べ過ぎに注意し体重を管理する、などです。体質改善が進み、元気な赤ちゃんが授かりますように。 中村 陽先生 二松學舍大学卒。東海医療学園専門学校卒。日本不妊カウンセリング学会会員。日本受精着床学会会員。2000年CAREROOMS 開業。東洋医学に加え、酸素カプセル・ゲルマニウム温浴・韓国式よもぎ座浴・光線療法・自律神経測定など、多角的に妊娠しやすい体作りを行なっています。
2015.4.3
コラム 妊活
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疲れやすくだるいのは体が冷えるせい?頭痛や首がこるのは血流が悪いせい?
相談者 みかんぱんな さん(37歳) 【不妊の原因:不明】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○カゼをひきやすい ○冷え性である ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○下痢をしやすい ○冷たい飲みもの・料理は苦手 鍼灸治療や温熱治療、自宅での施灸、食材選びを行うことで効果的な体づくりができる 疲れやすい、足腰がだるい、手足が冷えやすいという、みかんぱんなさんと同じ症状を訴える患者さんが、当院にもよくいらっしゃいます。 慢性的に疲れやすくだるい人は「八味地黄丸」が効果的ストレスを避け、胃腸の調子を整え体力を養う このような症状を東洋医学では「腎陽虚」といいます。不妊症にはさまざまな原因がありますが、東洋医学の場合には生殖機能は「腎」の機能のひとつと考えるためです。漢方薬としては「八味地黄丸」が良いでしょう。 肌が乾燥しやすく疲れやすい方や血色の悪い方は、月経周期の高温期も少なくなりがちです。このような症状から考えられるのは「血虚」です。「血虚」とは、体をうるおす「水」と体を動かすエネルギーである「血」の不足です。改善するには、血液をつくり出す食べものを意識して摂り、消化吸収をよくすることが大切です。胃腸のツボといわれる足の「太白」、「足三里」のツボが有効です。「血」が不足した冷え性には、造血作用がすぐれている黒ごま、黒豆、プルーン、ブルーベリー、トマトなど、レバー類、牡蠣、ほうれん草、小松菜がおすすめ食材です。 肩こりや頭痛、疲れやすさを助長させる冷えには全身の血流状態をよくすると効果がある 「血虚」を引きおこす、もうひとつの原因である睡眠不足やストレスを解消するのも大切です。睡眠不足に効果的なツボは足の「太谿」、「照海」、ストレス解消には手の「神門」、「労宮」です。鍼灸師にツボを教えてもらい、毎日、自分で施灸して体質改善をはかるといいでしょう。 不妊の患者さんに共通しているのは、体がとても冷えていることです。自律神経の過緊張から全身的に血流状態が悪くなり、冷えが肩こりや頭痛、疲れやすさを助長させている場合も多くみられます。当院ではスーパーライザーという最新の機器を導入して、そのような方に近赤外線温熱治療を行っています。この機械は鍼灸との相性がとても良く、脳の働きを良くして交感神経の過緊張を即座に緩和させることができます。卵巣の血流改善により卵巣の働きをより活発にして、卵胞の質を向上させます。卵巣の機能が良くなることで、排卵しにくい人は排卵しやすくなります。また、下腹部への照射は着床を助けるように働き、卵管の状態も良くなり、卵子や受精卵が通りやすくなります。 鍼灸治療や温熱治療、自宅での施灸、食材選びなどを行うことで、効果的な体づくりが可能になります。 寺澤 智栄子先生 全国鍼灸マッサージ協会会員、日本不妊カウンセリング学会会員、不妊鍼灸ネットワーク会員、機能訓練指導員。1990年に大阪府に開院後、中国中医研究院望京医院や米国ミルウォーキー州に留学し研修を積む。2007年に日本堂漢方基礎コースを終了。2008年に現在の女性専門の治療院を開院。登録販売者資格、中医薬膳師資格を取得している。 ■ あわせて読みたい ■ 手足の冷え、対策法を教えて! 気を付けても治らない冷え性。改善方法を具体的に教えて! 鍼灸治療で体質改善、8年目にして妊娠! 鍼灸さくら治療院 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 みかんぱんな さん(37歳) 【不妊の原因:不明】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○カゼをひきやすい ○冷え性である ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○下痢をしやすい ○冷たい飲みもの・料理は苦手 鍼灸治療や温熱治療、自宅での施灸、食材選びを行うことで効果的な体づくりができる 疲れやすい、足腰がだるい、手足が冷えやすいという、みかんぱんなさんと同じ症状を訴える患者さんが、当院にもよくいらっしゃいます。 慢性的に疲れやすくだるい人は「八味地黄丸」が効果的ストレスを避け、胃腸の調子を整え体力を養う このような症状を東洋医学では「腎陽虚」といいます。不妊症にはさまざまな原因がありますが、東洋医学の場合には生殖機能は「腎」の機能のひとつと考えるためです。漢方薬としては「八味地黄丸」が良いでしょう。 肌が乾燥しやすく疲れやすい方や血色の悪い方は、月経周期の高温期も少なくなりがちです。このような症状から考えられるのは「血虚」です。「血虚」とは、体をうるおす「水」と体を動かすエネルギーである「血」の不足です。改善するには、血液をつくり出す食べものを意識して摂り、消化吸収をよくすることが大切です。胃腸のツボといわれる足の「太白」、「足三里」のツボが有効です。「血」が不足した冷え性には、造血作用がすぐれている黒ごま、黒豆、プルーン、ブルーベリー、トマトなど、レバー類、牡蠣、ほうれん草、小松菜がおすすめ食材です。 肩こりや頭痛、疲れやすさを助長させる冷えには全身の血流状態をよくすると効果がある 「血虚」を引きおこす、もうひとつの原因である睡眠不足やストレスを解消するのも大切です。睡眠不足に効果的なツボは足の「太谿」、「照海」、ストレス解消には手の「神門」、「労宮」です。鍼灸師にツボを教えてもらい、毎日、自分で施灸して体質改善をはかるといいでしょう。 不妊の患者さんに共通しているのは、体がとても冷えていることです。自律神経の過緊張から全身的に血流状態が悪くなり、冷えが肩こりや頭痛、疲れやすさを助長させている場合も多くみられます。当院ではスーパーライザーという最新の機器を導入して、そのような方に近赤外線温熱治療を行っています。この機械は鍼灸との相性がとても良く、脳の働きを良くして交感神経の過緊張を即座に緩和させることができます。卵巣の血流改善により卵巣の働きをより活発にして、卵胞の質を向上させます。卵巣の機能が良くなることで、排卵しにくい人は排卵しやすくなります。また、下腹部への照射は着床を助けるように働き、卵管の状態も良くなり、卵子や受精卵が通りやすくなります。 鍼灸治療や温熱治療、自宅での施灸、食材選びなどを行うことで、効果的な体づくりが可能になります。 寺澤 智栄子先生 全国鍼灸マッサージ協会会員、日本不妊カウンセリング学会会員、不妊鍼灸ネットワーク会員、機能訓練指導員。1990年に大阪府に開院後、中国中医研究院望京医院や米国ミルウォーキー州に留学し研修を積む。2007年に日本堂漢方基礎コースを終了。2008年に現在の女性専門の治療院を開院。登録販売者資格、中医薬膳師資格を取得している。 ■ あわせて読みたい ■ 手足の冷え、対策法を教えて! 気を付けても治らない冷え性。改善方法を具体的に教えて! 鍼灸治療で体質改善、8年目にして妊娠! 鍼灸さくら治療院 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊活
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気を付けても治らない冷え性。改善方法を具体的に教えて!
相談者 うさ さん(38歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○朝、起きることができない ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○下痢と便秘を繰り返す ○ゲップやおならが出やすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○湯船にゆっくり浸かれない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊がでる ○とくにおなかや下半身が冷える ○冷たい飲み物・料理は苦手 ○太りやすい ○いつも眠い 食と運動と休息をうまく組み合わせることで冷え性や気になる症状の体質改善ができる 東洋医学的にいうと「肝気鬱血」のようですね。レバーのような経血がでるという点から「?血」体質であり、血のめぐりが極端に悪い状態がわかります。また胃腸が悪いようなので、冷たいものは厳禁です。飲酒や揚げ物など、胃にもたれる料理は控えましょう。 冷え性の体質改善にはショウガのしぼり汁とはちみつでつくるショウガ茶がおすすめです。ショウガは漢方では「乾姜」といわれ、薬の原料にもなるほどで、冷え性改善にはとてもよい食材です。 交感神経機能が落ちている人は運動をしていないケースが多い お爪がもろい点、めまいをおこす、肩こりなどは冷え性が改善されるとかなり良くなります。湯船にゆっくり浸かれないのは、お湯の温度が高すぎるからでは? ぬるめのお湯で半身浴を。衣服は腹巻を着用し、腰上までの大きめのパンツなどをはき、長めのスカートやズボンを着用します。ミニスカートは厳禁です。 太りやすい、いつも眠いなどの状態は交感神経機能が落ちている状態です。最近ブームの「自律神経ダイエット」を実践すると体質が変わっていくと思われます。 交感神経機能が落ちている方は運動をしていないケースが多いのですが、うささんはどうですか? 当院で採用している最新加圧VRC駆血療法は5分で終わり、運動の疑似体験にもなります。5分で終わるため鍼の前のプレウォーミングとして使用しています。 加圧トレーニングは妊娠しているとできませんが、これは加圧も1分ほどしか行わないので安全ですし、たった5分で暑いと感じるほどの血流改善効果があります。 この後、鍼灸治療、整体を行います。また不妊症クリニックで30件以上採用されている、サンビーマーを使用したり、よもぎ蒸しなどもご利用いただけます。 脚をよく動かして、むくみの改善を心がけるだけで、妊娠しやすい体質になることもある 下肢の筋肉をつけると女性ホルモンの分泌がよくなりますので、ウォーキングをしっかり行いましょう。また、女性器に効くツボは下肢に多いので、脚をよく動かして、むくみ改善を心がけるだけで、妊娠しやすい体質になることもあります。さらにバランスボールに乗って、お尻をぐるぐる回すだけで、骨盤矯正になり、子宮、卵巣を内在する骨盤内の血流が良くなります。このように体質改善は食と運動と休息をうまく組み合わせることで完結します。 永井 奈津子先生 針灸師、理学療法士、不妊カウンセラーVRC加圧トレーナー 北京中医薬大学研修 東京都針灸師会所属、経絡治療学会、全日本針灸学会所属。総合病院などでの臨床経験ののちに開院。平成20年に運動と治療の両輪で改善をめざす、女性専門サーナ治療院開業。患者さまの多様なニーズに応えることを心がけている。未妊にはVRC加圧と子授け鍼で最高年齢46歳の方の懐妊にも貢献。 ■ あわせて読みたい ■ 手足の冷え、対策法を教えて! 疲れやすくだるいのは体が冷えるせい?頭痛や首がこるのは血流が悪いせい? 鍼灸治療で体質改善、8年目にして妊娠! サーナ鍼灸治療院 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 うさ さん(38歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○朝、起きることができない ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○下痢と便秘を繰り返す ○ゲップやおならが出やすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○湯船にゆっくり浸かれない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊がでる ○とくにおなかや下半身が冷える ○冷たい飲み物・料理は苦手 ○太りやすい ○いつも眠い 食と運動と休息をうまく組み合わせることで冷え性や気になる症状の体質改善ができる 東洋医学的にいうと「肝気鬱血」のようですね。レバーのような経血がでるという点から「?血」体質であり、血のめぐりが極端に悪い状態がわかります。また胃腸が悪いようなので、冷たいものは厳禁です。飲酒や揚げ物など、胃にもたれる料理は控えましょう。 冷え性の体質改善にはショウガのしぼり汁とはちみつでつくるショウガ茶がおすすめです。ショウガは漢方では「乾姜」といわれ、薬の原料にもなるほどで、冷え性改善にはとてもよい食材です。 交感神経機能が落ちている人は運動をしていないケースが多い お爪がもろい点、めまいをおこす、肩こりなどは冷え性が改善されるとかなり良くなります。湯船にゆっくり浸かれないのは、お湯の温度が高すぎるからでは? ぬるめのお湯で半身浴を。衣服は腹巻を着用し、腰上までの大きめのパンツなどをはき、長めのスカートやズボンを着用します。ミニスカートは厳禁です。 太りやすい、いつも眠いなどの状態は交感神経機能が落ちている状態です。最近ブームの「自律神経ダイエット」を実践すると体質が変わっていくと思われます。 交感神経機能が落ちている方は運動をしていないケースが多いのですが、うささんはどうですか? 当院で採用している最新加圧VRC駆血療法は5分で終わり、運動の疑似体験にもなります。5分で終わるため鍼の前のプレウォーミングとして使用しています。 加圧トレーニングは妊娠しているとできませんが、これは加圧も1分ほどしか行わないので安全ですし、たった5分で暑いと感じるほどの血流改善効果があります。 この後、鍼灸治療、整体を行います。また不妊症クリニックで30件以上採用されている、サンビーマーを使用したり、よもぎ蒸しなどもご利用いただけます。 脚をよく動かして、むくみの改善を心がけるだけで、妊娠しやすい体質になることもある 下肢の筋肉をつけると女性ホルモンの分泌がよくなりますので、ウォーキングをしっかり行いましょう。また、女性器に効くツボは下肢に多いので、脚をよく動かして、むくみ改善を心がけるだけで、妊娠しやすい体質になることもあります。さらにバランスボールに乗って、お尻をぐるぐる回すだけで、骨盤矯正になり、子宮、卵巣を内在する骨盤内の血流が良くなります。このように体質改善は食と運動と休息をうまく組み合わせることで完結します。 永井 奈津子先生 針灸師、理学療法士、不妊カウンセラーVRC加圧トレーナー 北京中医薬大学研修 東京都針灸師会所属、経絡治療学会、全日本針灸学会所属。総合病院などでの臨床経験ののちに開院。平成20年に運動と治療の両輪で改善をめざす、女性専門サーナ治療院開業。患者さまの多様なニーズに応えることを心がけている。未妊にはVRC加圧と子授け鍼で最高年齢46歳の方の懐妊にも貢献。 ■ あわせて読みたい ■ 手足の冷え、対策法を教えて! 疲れやすくだるいのは体が冷えるせい?頭痛や首がこるのは血流が悪いせい? 鍼灸治療で体質改善、8年目にして妊娠! サーナ鍼灸治療院 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.3
コラム 妊活
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冷え性なのに汗っかきなので温めると逆に冷えてしまう。なにか対策はある?
相談者 ラペ さん(30歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○朝、起きることができない ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○下痢と便秘を繰り返す ○ゲップやおならが出やすい ○眠れないことが多い ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○夜中にトイレに数回行く ○のぼせやほてりがある ○寝汗をよくかく ○寒がりである ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい ○むくみやすい 冷えを解消するには運動と食事を基本とした養生が重要 「冷えは万病の元」という言葉を聞いたことがあるかと思います。冷えは頭痛、肩こり、腰痛、月経痛などの症状を引きおこします。不妊症に冷えは大敵。冷たい足から流れてくる静脈は、卵巣のすぐ近くを通っておなかに入ってきますから、卵巣は冷えの影響を受けやすく、冷えが卵巣の機能を低下させる恐れがあります。 汗冷えが心配なら速乾性のあるインナーや吸湿性のあるウェアを着用して 体のバランスの乱れが「冷え」に現れているので、体全体のバランスを取ることが必要となります。冷えを解消するためには、運動と食事を基本とした養生が重要です。 湯船に浸かり体を温めたり運動をするのはいいことです。女性は男性に比べ、筋肉量が少ないので、筋での熱産生も少なめになる傾向にあります。運動することで熱産生を補うことができるので、冷え解消にはとても重要です。汗冷えが心配でしたら、速乾性のあるインナーを用いるのもいいのではないでしょうか。さらに吸湿性のあるウェアを着れば、より汗冷え対策になります。 足はもちろん、おなかを温めておくことも大切です。とくにおへその下には「臍下丹田」というとても大切なところがあります。「臍下丹田」を温めることは体全体を温めることにつながります。ここがしっかり働くことで、全身の「気血」のめぐりも良くなります。 運動や食事の養生のほかに鍼灸治療や自分でお灸をするのもおすすめ 食事では、生野菜や果物の摂り過ぎは体を冷やす原因になるので気をつけてください。甘いものの摂り過ぎも良くありません。 子どもを授かるために必要なのは血です。血をつくるのにいいのは、ごはんと味噌汁、煮物、漬物です。一汁一菜を念頭においておくと良いでしょう。一汁はその季節の旬のものが具として入っている味噌汁、一菜は煮物や和え物など、季節の野菜料理に香の物を併せたものです。 養生のほかに鍼灸治療もいいと思います。ご自分でお灸をするのもおすすめです。お灸が気持ちいいなら、それは体がお灸の暖かさを必要としている証拠です。 お灸をする場所は、足の内くるぶしの最も出ているところから指4本上のつぼ「三陰交」やおへそから指4本下のつぼ「関元」がいいですね。 以上のことをトライすることで冷えが解消し、子宝に恵まれるといいですね。応援しております。 木村 雅洋先生 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸学校教員資格をもつ。現在、鍼灸院での鍼灸マッサージ治療と、鍼灸学校非常勤講師を兼務している。初めて自分の子供を抱っこした時の嬉しい体験から、主に不妊症でお悩みの方へ鍼灸マッサージ治療を行うことで、妊娠に向けたサポートを行う。不妊鍼灸ネットワーク会員。 ■ あわせて読みたい ■ 半身浴や運動も効果無い40年来の冷え性。33歳以降の月経変化。気になるこの2点は改善できるの? 冷え性や月経不順、イライラや落ち込みを解消して、妊娠力を上げたいのですが ひどい冷え性と不妊治療でストレスを感じていること に悩んでいます 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 相談者 ラペ さん(30歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○朝、起きることができない ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○下痢と便秘を繰り返す ○ゲップやおならが出やすい ○眠れないことが多い ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○夜中にトイレに数回行く ○のぼせやほてりがある ○寝汗をよくかく ○寒がりである ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい ○むくみやすい 冷えを解消するには運動と食事を基本とした養生が重要 「冷えは万病の元」という言葉を聞いたことがあるかと思います。冷えは頭痛、肩こり、腰痛、月経痛などの症状を引きおこします。不妊症に冷えは大敵。冷たい足から流れてくる静脈は、卵巣のすぐ近くを通っておなかに入ってきますから、卵巣は冷えの影響を受けやすく、冷えが卵巣の機能を低下させる恐れがあります。 汗冷えが心配なら速乾性のあるインナーや吸湿性のあるウェアを着用して 体のバランスの乱れが「冷え」に現れているので、体全体のバランスを取ることが必要となります。冷えを解消するためには、運動と食事を基本とした養生が重要です。 湯船に浸かり体を温めたり運動をするのはいいことです。女性は男性に比べ、筋肉量が少ないので、筋での熱産生も少なめになる傾向にあります。運動することで熱産生を補うことができるので、冷え解消にはとても重要です。汗冷えが心配でしたら、速乾性のあるインナーを用いるのもいいのではないでしょうか。さらに吸湿性のあるウェアを着れば、より汗冷え対策になります。 足はもちろん、おなかを温めておくことも大切です。とくにおへその下には「臍下丹田」というとても大切なところがあります。「臍下丹田」を温めることは体全体を温めることにつながります。ここがしっかり働くことで、全身の「気血」のめぐりも良くなります。 運動や食事の養生のほかに鍼灸治療や自分でお灸をするのもおすすめ 食事では、生野菜や果物の摂り過ぎは体を冷やす原因になるので気をつけてください。甘いものの摂り過ぎも良くありません。 子どもを授かるために必要なのは血です。血をつくるのにいいのは、ごはんと味噌汁、煮物、漬物です。一汁一菜を念頭においておくと良いでしょう。一汁はその季節の旬のものが具として入っている味噌汁、一菜は煮物や和え物など、季節の野菜料理に香の物を併せたものです。 養生のほかに鍼灸治療もいいと思います。ご自分でお灸をするのもおすすめです。お灸が気持ちいいなら、それは体がお灸の暖かさを必要としている証拠です。 お灸をする場所は、足の内くるぶしの最も出ているところから指4本上のつぼ「三陰交」やおへそから指4本下のつぼ「関元」がいいですね。 以上のことをトライすることで冷えが解消し、子宝に恵まれるといいですね。応援しております。 木村 雅洋先生 鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・鍼灸学校教員資格をもつ。現在、鍼灸院での鍼灸マッサージ治療と、鍼灸学校非常勤講師を兼務している。初めて自分の子供を抱っこした時の嬉しい体験から、主に不妊症でお悩みの方へ鍼灸マッサージ治療を行うことで、妊娠に向けたサポートを行う。不妊鍼灸ネットワーク会員。 ■ あわせて読みたい ■ 半身浴や運動も効果無い40年来の冷え性。33歳以降の月経変化。気になるこの2点は改善できるの? 冷え性や月経不順、イライラや落ち込みを解消して、妊娠力を上げたいのですが ひどい冷え性と不妊治療でストレスを感じていること に悩んでいます 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2015.4.3
コラム 不妊治療
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検査で問題ないのに2年たっても子どもができない。冷え性や飲酒習慣が不妊の原因では?
相談者 sakurasaku さん(31歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン】 ○なんだか疲れやすい ○カゼをひきやすい ○冷え性である ○下痢と便秘をくり返す ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○気分によって食欲にムラがある ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい ○冷たいものをよく取る ○痰が出やすい 冷えは万病のもと、鍼灸治療と体が温まる食事や栄養バランスを意識して改善する 昔から冷えは万病の元といわれています。体が冷えることで血管が収縮し、血液の流れが低下します。血液は栄養や酸素を細胞に運ぶだけでなく、ホルモンを運ぶ役割があります。妊娠にも深く関与するホルモンは、血液によって細胞に運ばれます。血液の流れを良くするには、鍼灸治療で手足のツボを刺激して末梢の循環を改善することが有効です。 また、胃腸を冷やすことで腸内環境のバランスが崩れ、消化酵素の働きが低下して、食べたものが消化しきれず下痢や便秘の原因になります。腸内環境の低下による免疫力低下により、カゼをひきやすい、肌が荒れるなどの原因にもなります。冷たいものを摂取することをひかえ、体が温まる食事と栄養バランスを意識してください。 飲酒は血液の流れを促進しストレス解消になるがお酒を飲み過ぎると逆効果なので適量を心がける お酒は「百薬の長」ともいわれ、血液の流れを促進し、体が温まる効果があります。また気分転換にもなりストレス解消にもなります。しかし、飲み過ぎは逆効果です。お酒に強い人や弱い人がいるように、アルコールを消化分解するには個人差があります。飲みすぎて気分が悪くなったり、飲酒後に寒冷刺激を受けると急激に体温が下がることもあります。お酒は適量を心がけてください。 のどや肌が乾き、痰が出やすく、レバーのような経血の塊が出るのに対して、むくみやすい症状があるのは、体内で水分の循環が一部でとどこおり、濃縮した状態です。水分を積極的に摂取して、体内の老廃物を汗や尿として排出しましょう。それには鍼灸治療が効果的です。 プロラクチンが高いと排卵障害や黄体機能不全に主治医の指示に従って薬の服用でしっかり治療して 高プロラクチンの原因として考えられるのが、薬の長期服用や脳の腫瘍、甲状腺機能低下などがあります。プロラクチンとは脳の下垂体から分泌されるホルモンで、乳汁分泌する役割があります。 プロラクチンが高いと排卵障害や黄体機能不全による月経不順になります。ただ、プロラクチンは日内変動があり、昼間は正常値でも夜間に値が高くなることがあります。潜在性高プロラクチン血症の場合、自然治癒することもありますが、高プロラクチン血症と診断された場合、ほとんどの人が血中のプロラクチン値を下げるための薬物を服用します。高プロラクチン血症の場合はきちんと主治医の指示に従われたほうがいいと思います。 村上 直人先生 鍼灸師・柔道整復師 水泳で全国大会出場経験ありスポーツ選手をケアしていたが、逆子を鍼灸で治したことがきっかけで女性疾患に携わるようになり、東京都町田市と神奈川県厚木市に未妊・逆子鍼灸専門院を営んでいる。 相談者 sakurasaku さん(31歳) 【不妊の原因:不明・高プロラクチン】 ○なんだか疲れやすい ○カゼをひきやすい ○冷え性である ○下痢と便秘をくり返す ○ゲップやおならが出やすい ○イライラをため込みやすい ○気分によって食欲にムラがある ○めまいや立ちくらみがよくある ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい ○冷たいものをよく取る ○痰が出やすい 冷えは万病のもと、鍼灸治療と体が温まる食事や栄養バランスを意識して改善する 昔から冷えは万病の元といわれています。体が冷えることで血管が収縮し、血液の流れが低下します。血液は栄養や酸素を細胞に運ぶだけでなく、ホルモンを運ぶ役割があります。妊娠にも深く関与するホルモンは、血液によって細胞に運ばれます。血液の流れを良くするには、鍼灸治療で手足のツボを刺激して末梢の循環を改善することが有効です。 また、胃腸を冷やすことで腸内環境のバランスが崩れ、消化酵素の働きが低下して、食べたものが消化しきれず下痢や便秘の原因になります。腸内環境の低下による免疫力低下により、カゼをひきやすい、肌が荒れるなどの原因にもなります。冷たいものを摂取することをひかえ、体が温まる食事と栄養バランスを意識してください。 飲酒は血液の流れを促進しストレス解消になるがお酒を飲み過ぎると逆効果なので適量を心がける お酒は「百薬の長」ともいわれ、血液の流れを促進し、体が温まる効果があります。また気分転換にもなりストレス解消にもなります。しかし、飲み過ぎは逆効果です。お酒に強い人や弱い人がいるように、アルコールを消化分解するには個人差があります。飲みすぎて気分が悪くなったり、飲酒後に寒冷刺激を受けると急激に体温が下がることもあります。お酒は適量を心がけてください。 のどや肌が乾き、痰が出やすく、レバーのような経血の塊が出るのに対して、むくみやすい症状があるのは、体内で水分の循環が一部でとどこおり、濃縮した状態です。水分を積極的に摂取して、体内の老廃物を汗や尿として排出しましょう。それには鍼灸治療が効果的です。 プロラクチンが高いと排卵障害や黄体機能不全に主治医の指示に従って薬の服用でしっかり治療して 高プロラクチンの原因として考えられるのが、薬の長期服用や脳の腫瘍、甲状腺機能低下などがあります。プロラクチンとは脳の下垂体から分泌されるホルモンで、乳汁分泌する役割があります。 プロラクチンが高いと排卵障害や黄体機能不全による月経不順になります。ただ、プロラクチンは日内変動があり、昼間は正常値でも夜間に値が高くなることがあります。潜在性高プロラクチン血症の場合、自然治癒することもありますが、高プロラクチン血症と診断された場合、ほとんどの人が血中のプロラクチン値を下げるための薬物を服用します。高プロラクチン血症の場合はきちんと主治医の指示に従われたほうがいいと思います。 村上 直人先生 鍼灸師・柔道整復師 水泳で全国大会出場経験ありスポーツ選手をケアしていたが、逆子を鍼灸で治したことがきっかけで女性疾患に携わるようになり、東京都町田市と神奈川県厚木市に未妊・逆子鍼灸専門院を営んでいる。
2015.4.3
コラム 妊活
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夏場も寝るときは足首が冷たいが足の裏はとても熱い。いい改善法はない?
相談者 はんなさ さん(30歳) 【不妊の原因:不明】 ○冷え性である ○気分によって食欲にムラがある ○肌や髪にツヤがない ○爪がもろく割れやすい ○顔にシミやクマが出やすい ○湯船にゆっくり浸かれない ○便が黒ずんでいる事がある ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○下痢をしやすい ○肌は脂性で吹き出物が出やすい ○むくみやすい ○冷たいものをよく摂る まずは「肝」を整えて流れのいい状態にしてから足首を温めて体の上部にいく熱を下部に下げる 漢方医学では、日中は冷たく、夜になると足の裏が熱く不快感があるのは『五心煩熱』といい、足の裏だけではなく手のひらや胸なども熱がこもります。 「なぜこの症状が出るのか」というと、血の不足が主な原因だと考えられます。血が不足すると、体質チェックにあるようなさまざまな症状が出てきます。 「肝」の疏泄作用が落ちると熱の循環も悪くなると漢方医学では考える 気と血は身体をめぐり、すみずみまで栄養を届け、細胞を養っています。まず、血が不足すると、潤いがなくなりますので「肌や髪にツヤがない」という症状がでます。また、「爪がもろく割れやすい」というのも末端に血がいかないことによる症状と考えます。 「肌は脂性で吹き出物が出やすい」「顔にシミやクマが出やすい」のは血液(水分)が少ない状態で、熱の循環が上手くいかないため、余計に乾燥が強くなり、それを補おうと顔面部の脂質が過剰に分泌されるのです。熱の循環が悪いのは、漢方医学では「肝」の疏泄作用が落ちているからだと考えられます。「肝」の疏泄作用は、血液の運行と「津液(リンパ液などをイメージしてください)」を代謝しています。 22時~2時に睡眠をとることが「五臓六腑」をしっかりと養生する この疏泄作用が損なわれるとストレスを受けやすくなるので、交感神経が優位に働きます。交感神経とは自律神経のひとつで、『活動・興奮』の神経になります。 もうひとつは副交感神経という『休息・鎮静』の神経です。副交感神経が優位になると、全身の血液循環が良くなりますので、睡眠時にはしっかりと体を休められて、体の生理機能がしっかりと働きます。しかし、交感神経が優位に働きすぎると、休みたい時にしっかりやすめなくなり(活動の神経が活発になりやすいため)、体に不調が出てきます。 まずは「肝」を整えて流れのいい状態にするのが先決かと思われます。内臓のゴールデンタイムは22時~2時です。この時間に睡眠をとることが、内臓および漢方医学でいう「五臓六腑」をしっかりと養生することにつながります。 次に足首を温め、体の上部にいく熱を下部に下げることが重要です。自宅で「太衝」穴や「合谷」穴にお灸をすると、肝を養うのでおすすめです。はんなさんの症状は、漢方鍼灸が得意とするところ。ぜひ試してみてください。 上野 晃先生 株式会社ゆとりら代表。ゆとり鍼灸治療院院長。国際東洋医療鍼灸学院元学科長補佐、大阪医療技術学園専門学校元学科長を経て、森ノ宮医療大学で東洋医学の専門講師を務める。鍼灸の可能性を婦人科の分野に広めるべく不妊専門治療院を開業する。 相談者 はんなさ さん(30歳) 【不妊の原因:不明】 ○冷え性である ○気分によって食欲にムラがある ○肌や髪にツヤがない ○爪がもろく割れやすい ○顔にシミやクマが出やすい ○湯船にゆっくり浸かれない ○便が黒ずんでいる事がある ○のどが乾きやすい ○寒がりである ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○下痢をしやすい ○肌は脂性で吹き出物が出やすい ○むくみやすい ○冷たいものをよく摂る まずは「肝」を整えて流れのいい状態にしてから足首を温めて体の上部にいく熱を下部に下げる 漢方医学では、日中は冷たく、夜になると足の裏が熱く不快感があるのは『五心煩熱』といい、足の裏だけではなく手のひらや胸なども熱がこもります。 「なぜこの症状が出るのか」というと、血の不足が主な原因だと考えられます。血が不足すると、体質チェックにあるようなさまざまな症状が出てきます。 「肝」の疏泄作用が落ちると熱の循環も悪くなると漢方医学では考える 気と血は身体をめぐり、すみずみまで栄養を届け、細胞を養っています。まず、血が不足すると、潤いがなくなりますので「肌や髪にツヤがない」という症状がでます。また、「爪がもろく割れやすい」というのも末端に血がいかないことによる症状と考えます。 「肌は脂性で吹き出物が出やすい」「顔にシミやクマが出やすい」のは血液(水分)が少ない状態で、熱の循環が上手くいかないため、余計に乾燥が強くなり、それを補おうと顔面部の脂質が過剰に分泌されるのです。熱の循環が悪いのは、漢方医学では「肝」の疏泄作用が落ちているからだと考えられます。「肝」の疏泄作用は、血液の運行と「津液(リンパ液などをイメージしてください)」を代謝しています。 22時~2時に睡眠をとることが「五臓六腑」をしっかりと養生する この疏泄作用が損なわれるとストレスを受けやすくなるので、交感神経が優位に働きます。交感神経とは自律神経のひとつで、『活動・興奮』の神経になります。 もうひとつは副交感神経という『休息・鎮静』の神経です。副交感神経が優位になると、全身の血液循環が良くなりますので、睡眠時にはしっかりと体を休められて、体の生理機能がしっかりと働きます。しかし、交感神経が優位に働きすぎると、休みたい時にしっかりやすめなくなり(活動の神経が活発になりやすいため)、体に不調が出てきます。 まずは「肝」を整えて流れのいい状態にするのが先決かと思われます。内臓のゴールデンタイムは22時~2時です。この時間に睡眠をとることが、内臓および漢方医学でいう「五臓六腑」をしっかりと養生することにつながります。 次に足首を温め、体の上部にいく熱を下部に下げることが重要です。自宅で「太衝」穴や「合谷」穴にお灸をすると、肝を養うのでおすすめです。はんなさんの症状は、漢方鍼灸が得意とするところ。ぜひ試してみてください。 上野 晃先生 株式会社ゆとりら代表。ゆとり鍼灸治療院院長。国際東洋医療鍼灸学院元学科長補佐、大阪医療技術学園専門学校元学科長を経て、森ノ宮医療大学で東洋医学の専門講師を務める。鍼灸の可能性を婦人科の分野に広めるべく不妊専門治療院を開業する。
2015.4.3
コラム 妊活
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卵子提供について考える(2)
不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがある 前回「卵子提供について考える(1)」では、法律による規制の考えにいてジネコアンケートに答えていただいた方のほとんどが容認すべきという意見であることが分かりました。今回は、実際にどれくらいの方が、卵子提供による不妊治療を考えたことがあるかその実態をレポートいたします。 約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがある ジネコアンケートでは、約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがあるという結果になりました(グラフ4)。年齢階層別でみると、やはり高齢になるほど、検討する方の割合が増えています。(グラフ5) また、そのうち半数の方が海外やエージェントを通じた卵子提供による不妊治療について調べたことがあると答えており、日本で課題が浮き彫りになりました。 卵子提供について検討したのは、何度治療をしても結果がでなかったとき 卵子提供を考えたことがある人に、どんな時に考えたのか聞いたところ、治療の結果がうまくいかなかった時というコメントが多数を占めていました。 順調だった生理が突然不定期になり、あれ?と思って病院へ行くと、「早発閉経」と言われました。その後、不妊治療を続けても、採卵すらできないまま、年齢だけがどんどん上がっていきました。子どもを望んでいた夫は、私を責めることはありませんでしたが、家族連れの姿を羨ましそうに見ている夫を見ていると、申し訳ない気持ちが強くなっていきました。その時、自分の卵子でなくてもせめて夫の遺伝子を引きついた子を授かれるのなら…と卵子提供を考えました。(とーりゅさん・40歳) 生理開始からずっと生理不順で病院に通い、低用量ピルなどで生理を起こしていました。その間基礎体温を計測しても二層にならず、血液検査やエコー等行ったところ、排卵がないと言われました。当時は学生でしたが、妊娠を希望するときには早めに治療をしていきましょうと言われました。とても悲しい気持ちと、早くわかってよかったという気持ちで、複雑でしたが、自分なりにいろいろ調べ、卵子提供もひとつの方法として考えました。私の場合、生理はずっときませんでしたが、自然に妊娠することができ、先月出産しました。奇跡だと思いました。自分ではどうすることもできないまま諦めるしかないのは、あまりに辛いと思います。方法があるのであれば、広く普及してほしいと思います。(みゆきちさん・23歳) 不妊治療が失敗続きでなかなか結果が出なかったとき。体外受精にステップアップする前。体外受精を何回もして授からなかったら、資金の残ってるうちにタイに行く方法もあるなと思っていた。(なっつんさん・37歳) 野田聖子さんの本を読んで考えさせられた。望んでも恵まれないことを考えると海外へ行ってでも欲しい気持ちは痛いほどわかる。本を読み、いろいろ調べたりした。(むまふさん・30歳) 体外受精を繰り返しても妊娠が継続できなかった時(めいさん・42歳) 体外受精の結果がなかなか出なかったとき(はっさくさん・37歳) 体外受精をしても授からなかった場合に選択肢の一つとして考えた(どらりえもんさん・33歳) 早発閉経で卵胞が育たなくなってきたとき(匿名希望・39歳) 早発閉経と診断された時(えみっちょさん・39歳) 治療を始めた時にダメだった時の事を考えて選択肢の一つとして考えた(みみみのさらさん・41歳) 自分の卵子の質がわるく受精に至らないため、妹のを提供してもらえればと考えたことがある。(まつさん・39歳) 自分自身に、卵子がないと医師から告げられ卵子提供の選択もあると聞かされたとき(さとさん・25歳) 何度も顕微授精後の移植で失敗した時。年齢的にも40歳になっており、良い卵子が取れず悩んでいた時だった。(kisaluさん・41歳) 何度受精卵を移植しても妊娠しない時。歳を感じる時。空胞が増えたり、受精卵が育たなかったり、衰えを感じる時。(Koalaさん・44歳) AMHの数値が低く、自分の卵子では妊娠できないかもしれないと思った時に医師に相談した。(サリオさん・46歳) 卵子提供について考える(1) はこちら 卵子提供について考える(3) はこちら 最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定) 卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定) 関連記事: 《 卵子提供、考えたことありますか?(彼女たちの広場) 》 《 不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(Jineko.net/2012年冬号) 》 《 海外レポート!卵子提供の現場に迫る(特別号カランタン/2014年冬) 》 不妊治療経験者の3割が卵子提供による不妊治療を検討したことがある 前回「卵子提供について考える(1)」では、法律による規制の考えにいてジネコアンケートに答えていただいた方のほとんどが容認すべきという意見であることが分かりました。今回は、実際にどれくらいの方が、卵子提供による不妊治療を考えたことがあるかその実態をレポートいたします。 約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがある ジネコアンケートでは、約3割の方が卵子提供による不妊治療を考えたことがあるという結果になりました(グラフ4)。年齢階層別でみると、やはり高齢になるほど、検討する方の割合が増えています。(グラフ5) また、そのうち半数の方が海外やエージェントを通じた卵子提供による不妊治療について調べたことがあると答えており、日本で課題が浮き彫りになりました。 卵子提供について検討したのは、何度治療をしても結果がでなかったとき 卵子提供を考えたことがある人に、どんな時に考えたのか聞いたところ、治療の結果がうまくいかなかった時というコメントが多数を占めていました。 順調だった生理が突然不定期になり、あれ?と思って病院へ行くと、「早発閉経」と言われました。その後、不妊治療を続けても、採卵すらできないまま、年齢だけがどんどん上がっていきました。子どもを望んでいた夫は、私を責めることはありませんでしたが、家族連れの姿を羨ましそうに見ている夫を見ていると、申し訳ない気持ちが強くなっていきました。その時、自分の卵子でなくてもせめて夫の遺伝子を引きついた子を授かれるのなら…と卵子提供を考えました。(とーりゅさん・40歳) 生理開始からずっと生理不順で病院に通い、低用量ピルなどで生理を起こしていました。その間基礎体温を計測しても二層にならず、血液検査やエコー等行ったところ、排卵がないと言われました。当時は学生でしたが、妊娠を希望するときには早めに治療をしていきましょうと言われました。とても悲しい気持ちと、早くわかってよかったという気持ちで、複雑でしたが、自分なりにいろいろ調べ、卵子提供もひとつの方法として考えました。私の場合、生理はずっときませんでしたが、自然に妊娠することができ、先月出産しました。奇跡だと思いました。自分ではどうすることもできないまま諦めるしかないのは、あまりに辛いと思います。方法があるのであれば、広く普及してほしいと思います。(みゆきちさん・23歳) 不妊治療が失敗続きでなかなか結果が出なかったとき。体外受精にステップアップする前。体外受精を何回もして授からなかったら、資金の残ってるうちにタイに行く方法もあるなと思っていた。(なっつんさん・37歳) 野田聖子さんの本を読んで考えさせられた。望んでも恵まれないことを考えると海外へ行ってでも欲しい気持ちは痛いほどわかる。本を読み、いろいろ調べたりした。(むまふさん・30歳) 体外受精を繰り返しても妊娠が継続できなかった時(めいさん・42歳) 体外受精の結果がなかなか出なかったとき(はっさくさん・37歳) 体外受精をしても授からなかった場合に選択肢の一つとして考えた(どらりえもんさん・33歳) 早発閉経で卵胞が育たなくなってきたとき(匿名希望・39歳) 早発閉経と診断された時(えみっちょさん・39歳) 治療を始めた時にダメだった時の事を考えて選択肢の一つとして考えた(みみみのさらさん・41歳) 自分の卵子の質がわるく受精に至らないため、妹のを提供してもらえればと考えたことがある。(まつさん・39歳) 自分自身に、卵子がないと医師から告げられ卵子提供の選択もあると聞かされたとき(さとさん・25歳) 何度も顕微授精後の移植で失敗した時。年齢的にも40歳になっており、良い卵子が取れず悩んでいた時だった。(kisaluさん・41歳) 何度受精卵を移植しても妊娠しない時。歳を感じる時。空胞が増えたり、受精卵が育たなかったり、衰えを感じる時。(Koalaさん・44歳) AMHの数値が低く、自分の卵子では妊娠できないかもしれないと思った時に医師に相談した。(サリオさん・46歳) 卵子提供について考える(1) はこちら 卵子提供について考える(3) はこちら 最先端で治療するドクターの見解をインタビュー(4月24日更新予定) 卵子提供による不妊治療で妊娠・出産したAさん インタビュー(5月初旬予定) 関連記事: 《 卵子提供、考えたことありますか?(彼女たちの広場) 》 《 不妊治療と卵子提供、医師が語るその現状と課題(Jineko.net/2012年冬号) 》 《 海外レポート!卵子提供の現場に迫る(特別号カランタン/2014年冬) 》
2015.4.2
コラム 不妊治療
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子連れで行きたいお花見!全国の桜の名所・穴場まとめ
子連れで行きたいお花見!全国の桜の名所・穴場まとめ 春と言えば、桜!春と言えば、お花見の季節です!! 本特集では、「お花見におすすめの桜の名所」を取り上げたcozreマガジンの記事をピックアップ。子どもと一緒に家族で桜を楽しみたい!、と検討されているママパパは是非、参考にしてみてください。 定番のお花見スポットを取り上げた記事だけではなく、子連れならではの楽しみ方ができるスポットもありますよ! 画像:http://weheartit.com/ 続きを読む 提供:cozreマガジン <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // --> 子連れで行きたいお花見!全国の桜の名所・穴場まとめ 春と言えば、桜!春と言えば、お花見の季節です!! 本特集では、「お花見におすすめの桜の名所」を取り上げたcozreマガジンの記事をピックアップ。子どもと一緒に家族で桜を楽しみたい!、と検討されているママパパは是非、参考にしてみてください。 定番のお花見スポットを取り上げた記事だけではなく、子連れならではの楽しみ方ができるスポットもありますよ! 画像:http://weheartit.com/ 続きを読む 提供:cozreマガジン <!-- new media_line_me.LineButton({"pc":false,"lang":"ja","type":"e"}); // -->
2015.4.2
コラム 子育て・教育
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妊娠中の食事と栄養(2)
妊娠中の食事と栄養(2) ~バランスのよい食事を摂る方法は?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 一汁三菜と五味五色でバランスのいい食事を バランスよく栄養を摂るには、「一汁三菜」の食事を心がけましょう。ご飯が中心にあり、汁物がついて、主菜と副菜が2つ。エネルギーの50%は主食であるご飯から摂ります。肉や魚で作られた主菜からたんぱく質を摂り、野菜や海藻、芋などのおかずである副菜からはビタミン、ミネラルを摂ります。一汁三菜が揃うと、あまり栄養素のことを考えなくても、自然とバランスがとれるのです。いきなり一汁三菜を揃えるのが難しいという人は、ご飯と汁物から始めてみるのもおすすめです。 それから「五味五色」で考えるという方法もあります。「五味」とは、いろいろな味つけをすること。調理方法だったら炒め物ばかりではなく、蒸したり煮たりと変えてみます。そうすると、おのずと油ものに偏らなくなります。味つけも辛いものばかりとか、甘いものばかりにならないようにして、いろいろな味にします。 「五色」は、さまざまな色の食材を取り入れて、彩りをよくするということです。肉や魚など動物性のものに偏ると、茶色っぽくなりますが、緑、黄色、赤い野菜や豆、芋類が入っていると栄養バランスが整います。 食事を作ったり食べたりする時に、あまり難しく考えすぎるのは、体によくありません。自分の感覚を大事にしながら、「一汁三菜」「五味五色」でバランスがとれるようになると、すごく楽になると思います。 外食をする時も単品ではなく定食を 外食をする時も、栄養バランスには気をつけたいですね。女性が好きな、パスタ類にスープがついたくらいのランチ。これは脂肪と炭水化物しか摂れず、バランスにはよくありません。やはり定食ものがおすすめです。ご飯があって、おかずがあって、汁物があって、サラダか煮物がついているもの。ちょっと気をつけてメニューを選ぶだけで、すごくよくなります。 外食をするにしても、家で食べるにしても、「一汁三菜になるとバランスがいい」ということをいつも頭の中においておくといいですね。もしすぐにその通りにできなくても、あまり気にしなくて大丈夫。心がけていれば、だんだんとできるようになっていくと思います。 今お母さんが食べている食事は、子どもへと受け継がれていくのです。自分の食事のあり方が、子どもの健康、将来の健康づくりにまで関わっていくということを常に考えて、食生活を整えていけるといいですね。 妊娠 初期 この時期は栄養を摂ろうと思わないで、「乗り切る」ということを第一に。その時に食べられるものを食べるという気持ちで大丈夫。おなかがすくと気持ち悪くなることが多いので、少量ずつ分けて食べるといいですね。酸味を上手に使うと、さっぱり食べられると思います。あっさりした麺類や果物もおすすめです。 妊娠 中期 つわりが終わって、食欲が戻る中期は食べ過ぎに注意。よく咀嚼するようなものを食事に取り入れましょう。おやつも甘いものはエネルギーだけで、ほとんど栄養がない場合も。干し芋やフルーツチップスは体にいいし、噛みごたえがあるので食べ過ぎを防げます。和菓子もおすすめ。小豆はむくみの改善にも役立ちます。 妊娠 後期 後期は出産時のリスクを減らすために、貧血を改善することが大切。バランスのいい食事を摂りましょう。あとは残りのマタニティライフを楽しんで。歩くのもおすすめ。中国では「気血同行」といって、気と血の流れは一緒にあるとされています。歩いて血行がよくなると、気の巡りもよくなり気持ちがすっきりします。 妊婦におすすめの献立 岡本先生が助産院で妊産婦さんのために作る「一汁三菜」ごはんをご紹介します。彩りがきれいで、食欲をそそりますね。もちろん栄養バランスは完璧!どれも簡単にできるものばかりなので、早速作ってみては? 春のちらし寿司 ● 五目ちらし寿司 ● わかめスープ ● オーブン焼き大根の甘辛煮 さいころ形の大根、にんじんを高温のオーブンで焼いた献立です。煮きりみりんと減塩しょうゆのたれに焼き大根をからめるので、内部まで塩分が浸透せず、減塩できます。 ● 高野豆腐の白和え 鉄分たっぷり! ● 清見オレンジ うどんの御膳 ● とろろうどん だしにすりおろした長芋を加えて、コトコト煮こんだおつゆ。加熱することで一層、体にやさしくなります。温かくしても冷やしても。うどんの御膳 ● 焼きおにぎり おかかふりかけを混ぜ込んだおにぎりにしてフライパンで焼きます。 ● 車麩の治部煮風 車麩をさっと下煮して、汁気を絞って小麦粉をつけて焼きました。 ● 安納芋のサラダ 玉ねぎと小松菜入り。 ● 切り干し、ひじきのごまあえ これも鉄の豊富なメニュー。 ● ぽんかん 彩りごはん 小松菜は、根も捨てずに使いました。だしに使った昆布も圧力鍋でさっとやわらかく煮ました。食べものの全部をいただく献立。 ● ドライトマトにんにくご飯 塩味をつけない炊き込みご飯。ごま塩をふってメリハリをつけて減塩。 ● 豆腐コーンスープ 昆布だしで和風味。脂肪や乳製品を使わない、赤ちゃんにあげられるメニューです。 ● 高野豆腐の信田煮 油揚げに高野豆腐を入れて、コトコト煮ました。小松菜を添えて。 ● 蒸しにんじんの生姜あえ ● 小松菜の根のきんぴら ● だし昆布の梅干し煮 ● ココナッツミルク入りスイートポテト 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 関連記事: 《 妊娠中の食事と栄養(1) ~マタニティ期 何をどれだけ食べる?~ 》 妊娠中の食事と栄養(2) ~バランスのよい食事を摂る方法は?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 一汁三菜と五味五色でバランスのいい食事を バランスよく栄養を摂るには、「一汁三菜」の食事を心がけましょう。ご飯が中心にあり、汁物がついて、主菜と副菜が2つ。エネルギーの50%は主食であるご飯から摂ります。肉や魚で作られた主菜からたんぱく質を摂り、野菜や海藻、芋などのおかずである副菜からはビタミン、ミネラルを摂ります。一汁三菜が揃うと、あまり栄養素のことを考えなくても、自然とバランスがとれるのです。いきなり一汁三菜を揃えるのが難しいという人は、ご飯と汁物から始めてみるのもおすすめです。 それから「五味五色」で考えるという方法もあります。「五味」とは、いろいろな味つけをすること。調理方法だったら炒め物ばかりではなく、蒸したり煮たりと変えてみます。そうすると、おのずと油ものに偏らなくなります。味つけも辛いものばかりとか、甘いものばかりにならないようにして、いろいろな味にします。 「五色」は、さまざまな色の食材を取り入れて、彩りをよくするということです。肉や魚など動物性のものに偏ると、茶色っぽくなりますが、緑、黄色、赤い野菜や豆、芋類が入っていると栄養バランスが整います。 食事を作ったり食べたりする時に、あまり難しく考えすぎるのは、体によくありません。自分の感覚を大事にしながら、「一汁三菜」「五味五色」でバランスがとれるようになると、すごく楽になると思います。 外食をする時も単品ではなく定食を 外食をする時も、栄養バランスには気をつけたいですね。女性が好きな、パスタ類にスープがついたくらいのランチ。これは脂肪と炭水化物しか摂れず、バランスにはよくありません。やはり定食ものがおすすめです。ご飯があって、おかずがあって、汁物があって、サラダか煮物がついているもの。ちょっと気をつけてメニューを選ぶだけで、すごくよくなります。 外食をするにしても、家で食べるにしても、「一汁三菜になるとバランスがいい」ということをいつも頭の中においておくといいですね。もしすぐにその通りにできなくても、あまり気にしなくて大丈夫。心がけていれば、だんだんとできるようになっていくと思います。 今お母さんが食べている食事は、子どもへと受け継がれていくのです。自分の食事のあり方が、子どもの健康、将来の健康づくりにまで関わっていくということを常に考えて、食生活を整えていけるといいですね。 妊娠 初期 この時期は栄養を摂ろうと思わないで、「乗り切る」ということを第一に。その時に食べられるものを食べるという気持ちで大丈夫。おなかがすくと気持ち悪くなることが多いので、少量ずつ分けて食べるといいですね。酸味を上手に使うと、さっぱり食べられると思います。あっさりした麺類や果物もおすすめです。 妊娠 中期 つわりが終わって、食欲が戻る中期は食べ過ぎに注意。よく咀嚼するようなものを食事に取り入れましょう。おやつも甘いものはエネルギーだけで、ほとんど栄養がない場合も。干し芋やフルーツチップスは体にいいし、噛みごたえがあるので食べ過ぎを防げます。和菓子もおすすめ。小豆はむくみの改善にも役立ちます。 妊娠 後期 後期は出産時のリスクを減らすために、貧血を改善することが大切。バランスのいい食事を摂りましょう。あとは残りのマタニティライフを楽しんで。歩くのもおすすめ。中国では「気血同行」といって、気と血の流れは一緒にあるとされています。歩いて血行がよくなると、気の巡りもよくなり気持ちがすっきりします。 妊婦におすすめの献立 岡本先生が助産院で妊産婦さんのために作る「一汁三菜」ごはんをご紹介します。彩りがきれいで、食欲をそそりますね。もちろん栄養バランスは完璧!どれも簡単にできるものばかりなので、早速作ってみては? 春のちらし寿司 ● 五目ちらし寿司 ● わかめスープ ● オーブン焼き大根の甘辛煮 さいころ形の大根、にんじんを高温のオーブンで焼いた献立です。煮きりみりんと減塩しょうゆのたれに焼き大根をからめるので、内部まで塩分が浸透せず、減塩できます。 ● 高野豆腐の白和え 鉄分たっぷり! ● 清見オレンジ うどんの御膳 ● とろろうどん だしにすりおろした長芋を加えて、コトコト煮こんだおつゆ。加熱することで一層、体にやさしくなります。温かくしても冷やしても。うどんの御膳 ● 焼きおにぎり おかかふりかけを混ぜ込んだおにぎりにしてフライパンで焼きます。 ● 車麩の治部煮風 車麩をさっと下煮して、汁気を絞って小麦粉をつけて焼きました。 ● 安納芋のサラダ 玉ねぎと小松菜入り。 ● 切り干し、ひじきのごまあえ これも鉄の豊富なメニュー。 ● ぽんかん 彩りごはん 小松菜は、根も捨てずに使いました。だしに使った昆布も圧力鍋でさっとやわらかく煮ました。食べものの全部をいただく献立。 ● ドライトマトにんにくご飯 塩味をつけない炊き込みご飯。ごま塩をふってメリハリをつけて減塩。 ● 豆腐コーンスープ 昆布だしで和風味。脂肪や乳製品を使わない、赤ちゃんにあげられるメニューです。 ● 高野豆腐の信田煮 油揚げに高野豆腐を入れて、コトコト煮ました。小松菜を添えて。 ● 蒸しにんじんの生姜あえ ● 小松菜の根のきんぴら ● だし昆布の梅干し煮 ● ココナッツミルク入りスイートポテト 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 関連記事: 《 妊娠中の食事と栄養(1) ~マタニティ期 何をどれだけ食べる?~ 》
2015.4.2
コラム 妊娠・出産
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妊娠中の食事と栄養(1)
妊娠中の食事と栄養(1)~マタニティ期何をどれだけ食べる?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 妊娠をきっかけに食べるものを考える 妊娠すると、誰でも「健康な赤ちゃんを産みたい」「おなかの中の赤ちゃんのためにいい食事をしたい」という気持ちが芽生えると思います。今まで栄養のことはあまり気にせず、好きなものばかり食べていた人も、おなかの赤ちゃんのためには何を食べたらいいのかということを考えるようになります。そうすると、食べものに対して観察する力がついてきます。今まで何気なく食べていたものが、「これは本当にいいのかしら」と考えるようになるのですね。また情報を求めていると、知識もいろいろなところからたくさん入ってくるようになります。 そうやって得た知識と自分の中にある感覚の両方で、「食べるものはこれでいいのかな」と自分自身に問いかけをし、見極めていく。妊娠期は食べるものを見直す、いい機会だと思います。 バランスよく食べて貧血を予防する 今は貧血の女性がとても多いです。ダイエット志向がすごく強くて、厚労省が出している報告では、20代~30代の女性の20%くらいがBMI18.5以下の“痩せ”です。“痩せ”は、単純に言ってしまうと栄養不良の状態。体重が軽いということは、きちんと食べていないということなのです。 また、動物性のものはいけないと極端に考えている人がけっこう多いと思います。しかし、動物性のものを食べないと、ますます鉄分が不足します。鉄分には植物性と動物性がありますが、植物性の鉄分は体への吸収率が非常に低いのです。ひじきばかりを毎日食べても、貧血は改善されないですね。しかもひじきを毎日食べていたら飽きてしまう(笑)。 貧血があったら、動物性のものも取り入れながら、バランスよく食べることが大切です。 乾物やたくさんの野菜から必要な栄養を同時に摂取 カルシウムは妊娠中に積極的に摂りたい栄養素。赤ちゃんの骨や、筋肉をつくるためにも必要です。おすすめなのは高野豆腐や切り干し大根などの乾物類。これはカルシウムと鉄分が同時に摂れる、日本古来のすばらしい食品です。切り干し大根は、もとの大根には鉄分がほとんどないのですが、干すと栄養素がギュッと凝縮されるので、単位当たりの栄養価がとても高くなるのです。切り干し大根は本当に優等生です。また乾物類は水分量がほとんどないので、保存性が高くて便利です。調理してからでも冷凍できるので、出産前に切り干し大根やひじきの煮つけを作って冷凍しておくと、産後にそのまま解凍して食べることができます。 妊娠初期に葉酸を摂ったほうがいいといわれていますが、普通の食事をしていれば、葉酸不足にはなりません。しかしある研究では、葉酸不足の妊婦さんが多いという結果が出ています。葉酸とビタミンB12は赤血球の生成にも関わりがあるので、貧血予防のためにも両方とも摂ることが大事です。1日300gの野菜、そのうち100gを緑黄色野菜で摂れていれば、サプリメントに頼らなくても大丈夫です。300gは、ちょうど両手を広げてのるくらいの量。積極的に野菜を食べるようにしましょう。 同じものばかりを食べるとアレルギーの原因に 好きだから、または体にいいからと同じものばかりを食べ続けると、食物アレルギーが出やすくなります。特に今、日本では小麦アレルギーがものすごく増えていて、3大アレルゲンは卵、牛乳、小麦となっています。若い女性の食事診断をすると、パン、麺、パスタなど、こんなに食べているの、というくらい、小麦から作った食品が多いです。 また輸入された農産物にはポストハーベスト農薬が使われていることも多いので、安全性も心配です。小麦や、最近アレルギーが増えているフルーツは輸入ものがほとんど。やはり住んでいる土地でその季節に採れたものを食べるというのが体に合うし、安全でもあると思います。 摂りたい栄養素(1)カルシウム カルシウムはおなかの赤ちゃんの骨や歯をつくる大事な成分。体内で生成することができないので、食物から摂取する必要があります。妊娠中は胎盤を通して、産後は母乳を通して赤ちゃんにいくので、積極的に摂りましょう。 ★☆★ 枝豆ご飯 ★☆★ 材料 ● 米 2カップ ● 鮭中骨缶 1缶 ● 枝豆 1/3袋 ● 水菜 1株 作り方 1)米は洗って缶詰の汁気の分、水を減らし鮭を加えて炊く。枝豆は塩ゆでし、さやからはずす。水菜はよく洗い、みじん切りにする。 2)炊きあがったご飯に水菜と枝豆をさっくり混ぜる。 摂りたい栄養素(2)鉄 鉄は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために重要な栄養素。不足すると鉄欠乏性貧血になり、ひどくなると出産の際、微弱陣痛や大量出血を起こす危険も。特に妊娠後期は注意を。 ★☆★ 高野豆腐の冷や奴風 ★☆★ 材料 ●だし 2カップ ●高野豆腐 4枚 ●えのき 1パック ●しょうゆ、みりん 各大さじ2 ●ねぎ 10㎝ ●塩、ごま油 適宜 作り方 1)高野豆腐はさっと水にくぐらせ、だしに浸ける。十分にもどったら、10分ほどだしで煮て、冷ましておく。 2)えのきは石づきをとり、3㎝ほどに切って、みりんとしょうゆで汁気がなくなるまで煮る。 3)ねぎは小口切りにして、塩とごま油に漬け込む。 4)高野豆腐は4つに切って皿に盛り、(2)と(3)をこんもりのせる。 摂りたい栄養素(3)葉酸 葉酸は水溶性のビタミンB群の一つで、神経管閉鎖障害のリスクを低減させたり、貧血予防にも関わる成分。緑黄色野菜や豆類、海藻類に多く含まれています。体内で蓄積できないので毎日の食事に取り入れて。 ★☆★ モロヘイヤとホタテのスープ ★☆★ 材料 ●だし 4カップ ●ホタテ 4個 ●モロヘイヤ 1わ ●塩 小さじ1 ●しょうゆ 大さじ1/2 作り方 1)モロヘイヤは葉をつんでゆでる。細かくたたく。 2)だしは調味料で味をととのえ、薄切りにしたホタテを入れ、ひと煮立ちさせる。(1)のモロヘイヤを入れて、混ぜる。 摂りたい栄養素(4)ビタミンB12 葉酸とともに赤血球の生成に関わり、貧血を予防。また胎児の脳や脊髄の発育にも必要な成分。動物性食品に多く含まれているため、菜食だと不足することも。バランスよく食べることが大切。 ★☆★ さんまの焼き南蛮 ★☆★ 材料 ●さんま一夜干し 2尾 ●だし 1/2カップ ●しょうゆ 小さじ1 ●酢 大さじ3 ●砂糖 大さじ1 ●玉ねぎ 1/4個 ●カラーピーマン 1/2個 ●貝割れ菜 適宜 作り方 1)玉ねぎ、ピーマンはせん切りにする。さんまは頭をとり、4つに切る。グリルで焼く。 2)鍋に、だし、しょうゆ、砂糖、酢を合わせ、煮立たたせる。さんまをたれに漬け込み、玉ねぎ、ピーマンを合わせて混ぜる。 3)皿にさんまと野菜を盛りつけ、貝割れ菜を散らす。 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 ■ あわせて読みたい ■ つわりで食事が食べられないけど、赤ちゃんは大丈夫? 妊娠中の貧血を改善する食材や調理法はありますか? 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 女性のための健康生活マガジン JINEKO 妊娠中の食事と栄養(1)~マタニティ期何をどれだけ食べる?~ 妊娠中の食事は、トラブルなく出産する体をつくるために、そしておなかにいる赤ちゃんの体をつくるためにとても大切。食材や栄養、食べ方など、気をつけるポイントを日々、妊産婦さんのための食事を作っている管理栄養士・国際薬膳師の岡本正子さんにお聞きしました。 妊娠をきっかけに食べるものを考える 妊娠すると、誰でも「健康な赤ちゃんを産みたい」「おなかの中の赤ちゃんのためにいい食事をしたい」という気持ちが芽生えると思います。今まで栄養のことはあまり気にせず、好きなものばかり食べていた人も、おなかの赤ちゃんのためには何を食べたらいいのかということを考えるようになります。そうすると、食べものに対して観察する力がついてきます。今まで何気なく食べていたものが、「これは本当にいいのかしら」と考えるようになるのですね。また情報を求めていると、知識もいろいろなところからたくさん入ってくるようになります。 そうやって得た知識と自分の中にある感覚の両方で、「食べるものはこれでいいのかな」と自分自身に問いかけをし、見極めていく。妊娠期は食べるものを見直す、いい機会だと思います。 バランスよく食べて貧血を予防する 今は貧血の女性がとても多いです。ダイエット志向がすごく強くて、厚労省が出している報告では、20代~30代の女性の20%くらいがBMI18.5以下の“痩せ”です。“痩せ”は、単純に言ってしまうと栄養不良の状態。体重が軽いということは、きちんと食べていないということなのです。 また、動物性のものはいけないと極端に考えている人がけっこう多いと思います。しかし、動物性のものを食べないと、ますます鉄分が不足します。鉄分には植物性と動物性がありますが、植物性の鉄分は体への吸収率が非常に低いのです。ひじきばかりを毎日食べても、貧血は改善されないですね。しかもひじきを毎日食べていたら飽きてしまう(笑)。 貧血があったら、動物性のものも取り入れながら、バランスよく食べることが大切です。 乾物やたくさんの野菜から必要な栄養を同時に摂取 カルシウムは妊娠中に積極的に摂りたい栄養素。赤ちゃんの骨や、筋肉をつくるためにも必要です。おすすめなのは高野豆腐や切り干し大根などの乾物類。これはカルシウムと鉄分が同時に摂れる、日本古来のすばらしい食品です。切り干し大根は、もとの大根には鉄分がほとんどないのですが、干すと栄養素がギュッと凝縮されるので、単位当たりの栄養価がとても高くなるのです。切り干し大根は本当に優等生です。また乾物類は水分量がほとんどないので、保存性が高くて便利です。調理してからでも冷凍できるので、出産前に切り干し大根やひじきの煮つけを作って冷凍しておくと、産後にそのまま解凍して食べることができます。 妊娠初期に葉酸を摂ったほうがいいといわれていますが、普通の食事をしていれば、葉酸不足にはなりません。しかしある研究では、葉酸不足の妊婦さんが多いという結果が出ています。葉酸とビタミンB12は赤血球の生成にも関わりがあるので、貧血予防のためにも両方とも摂ることが大事です。1日300gの野菜、そのうち100gを緑黄色野菜で摂れていれば、サプリメントに頼らなくても大丈夫です。300gは、ちょうど両手を広げてのるくらいの量。積極的に野菜を食べるようにしましょう。 同じものばかりを食べるとアレルギーの原因に 好きだから、または体にいいからと同じものばかりを食べ続けると、食物アレルギーが出やすくなります。特に今、日本では小麦アレルギーがものすごく増えていて、3大アレルゲンは卵、牛乳、小麦となっています。若い女性の食事診断をすると、パン、麺、パスタなど、こんなに食べているの、というくらい、小麦から作った食品が多いです。 また輸入された農産物にはポストハーベスト農薬が使われていることも多いので、安全性も心配です。小麦や、最近アレルギーが増えているフルーツは輸入ものがほとんど。やはり住んでいる土地でその季節に採れたものを食べるというのが体に合うし、安全でもあると思います。 摂りたい栄養素(1)カルシウム カルシウムはおなかの赤ちゃんの骨や歯をつくる大事な成分。体内で生成することができないので、食物から摂取する必要があります。妊娠中は胎盤を通して、産後は母乳を通して赤ちゃんにいくので、積極的に摂りましょう。 ★☆★ 枝豆ご飯 ★☆★ 材料 ● 米 2カップ ● 鮭中骨缶 1缶 ● 枝豆 1/3袋 ● 水菜 1株 作り方 1)米は洗って缶詰の汁気の分、水を減らし鮭を加えて炊く。枝豆は塩ゆでし、さやからはずす。水菜はよく洗い、みじん切りにする。 2)炊きあがったご飯に水菜と枝豆をさっくり混ぜる。 摂りたい栄養素(2)鉄 鉄は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンをつくるために重要な栄養素。不足すると鉄欠乏性貧血になり、ひどくなると出産の際、微弱陣痛や大量出血を起こす危険も。特に妊娠後期は注意を。 ★☆★ 高野豆腐の冷や奴風 ★☆★ 材料 ●だし 2カップ ●高野豆腐 4枚 ●えのき 1パック ●しょうゆ、みりん 各大さじ2 ●ねぎ 10㎝ ●塩、ごま油 適宜 作り方 1)高野豆腐はさっと水にくぐらせ、だしに浸ける。十分にもどったら、10分ほどだしで煮て、冷ましておく。 2)えのきは石づきをとり、3㎝ほどに切って、みりんとしょうゆで汁気がなくなるまで煮る。 3)ねぎは小口切りにして、塩とごま油に漬け込む。 4)高野豆腐は4つに切って皿に盛り、(2)と(3)をこんもりのせる。 摂りたい栄養素(3)葉酸 葉酸は水溶性のビタミンB群の一つで、神経管閉鎖障害のリスクを低減させたり、貧血予防にも関わる成分。緑黄色野菜や豆類、海藻類に多く含まれています。体内で蓄積できないので毎日の食事に取り入れて。 ★☆★ モロヘイヤとホタテのスープ ★☆★ 材料 ●だし 4カップ ●ホタテ 4個 ●モロヘイヤ 1わ ●塩 小さじ1 ●しょうゆ 大さじ1/2 作り方 1)モロヘイヤは葉をつんでゆでる。細かくたたく。 2)だしは調味料で味をととのえ、薄切りにしたホタテを入れ、ひと煮立ちさせる。(1)のモロヘイヤを入れて、混ぜる。 摂りたい栄養素(4)ビタミンB12 葉酸とともに赤血球の生成に関わり、貧血を予防。また胎児の脳や脊髄の発育にも必要な成分。動物性食品に多く含まれているため、菜食だと不足することも。バランスよく食べることが大切。 ★☆★ さんまの焼き南蛮 ★☆★ 材料 ●さんま一夜干し 2尾 ●だし 1/2カップ ●しょうゆ 小さじ1 ●酢 大さじ3 ●砂糖 大さじ1 ●玉ねぎ 1/4個 ●カラーピーマン 1/2個 ●貝割れ菜 適宜 作り方 1)玉ねぎ、ピーマンはせん切りにする。さんまは頭をとり、4つに切る。グリルで焼く。 2)鍋に、だし、しょうゆ、砂糖、酢を合わせ、煮立たたせる。さんまをたれに漬け込み、玉ねぎ、ピーマンを合わせて混ぜる。 3)皿にさんまと野菜を盛りつけ、貝割れ菜を散らす。 岡本 正子先生 管理栄養士、国際薬膳師。3人の子どもを育てながら40歳で栄養士の資格を取得。矢島助産院、さかもと助産所にて講習会や食事作りの仕事に携わるかたわら、地域で母と子に向けた講演や講習会活動を行う。著書に『自然なお産献立ブック』『妊娠&授乳中のごはん150』などがある。 ■ あわせて読みたい ■ つわりで食事が食べられないけど、赤ちゃんは大丈夫? 妊娠中の貧血を改善する食材や調理法はありますか? 妊娠中のコーヒーはNG?専門家に聞いてみた 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.2
コラム 妊娠・出産
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黒いのは「瘀血」だから? 体を温めても冷え性が改善しない
相談者 夏みかん さん(29歳) 【不妊の原因:男性不妊】 ○胃腸が弱い ○めまいや立ちくらみがよくある ○朝、起きることができない ○目がかすんだり疲れる ○冷え性である ○寝不足の日が多い ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○寒がりである ○下痢と便秘を繰り返す 血不足からおきている「瘀血」状態 お灸は「気血」を補うのに最適な治療方法 舌の裏の血管が黒くて浮き出ているようですが、東洋 医学の舌診では「舌下脈絡」といって、典型的な「瘀血」 症状のひとつといわれています。これ以外にも、舌面上 に青紫色の斑点が見られる状態や、舌が紫色や青色に なっている状態は、「瘀血」の症状になります。 「瘀血」 の症状は舌の裏の血管だけで判断せず いろいろな自覚症、他覚症状を総合して判断する 日によってあるいは一日のうちで舌の裏の血管が変化 するようですが、それは舌の状態に限らず、たとえば脈 状もそうですし、おなかの硬さなども、その時々の体の 状態、周囲の環境からの影響などによって変化します。 ただし、「瘀血」の症状は舌の裏の血管だけで判断は しません。舌のほかに脈の状態、おなかの状態、女性の 場合は月経の症状など、いろいろな自覚症状や他覚症 状などを総合して判断していきます。 「瘀血」の原因にはさまざまなものがあります。夏み かんさんの体質をみますと、胃腸が弱いようですし、目 のかすみやめまい立ちくらみがよくあるようなので、「気 血」が不足していることがうかがえます。 体を温めることに加えて 気血 を増やすような生活改善をする必要がある 「気血」が不足していると、体を温める力が不足する ので、冷えやすい体になります。また、「気」は血液循環 を促す働きもあるので、「気」が不足することは血液循環 が悪くなり、手足の末端までしっかり血液が送られない ため、結果的に「瘀血」になる可能性が高いといえます。 日常的に体を温めたり、冷たいものを摂らないように 気を付けるのはとても大切ですが、体を温めることだけ ではなく、もともと「気血」が不足している体質ですので、 体を温めることに加えて「気血」を増やすような生活改 善をする必要があるでしょう。 睡眠中は「気」を養う時間でもありますので、しっかり睡 眠をとるように心がけたり、胃腸が弱いので、暴飲暴食は せず、腹八分目で消化の良いものを摂るようにしましょう。 お灸は「気血」を補うには最適の治療方法ですので、 できれば自宅で毎日お灸をされることをおすすめしま す。胃腸の調子を整える「足三里」「天枢」、「気血」を 補う「関元」「血海」、生殖機能を整える「腎兪」「三陰交」 などの経穴にお灸をしてみましょう。 男性不妊が原因とのことですので、ご主人にもお灸を してあげてみてください。 神薗 克也先生 芝浦工業大学工学部卒、日本鍼灸理療専門学校卒、鍼灸師、医薬品登録販売者。不妊鍼灸ネットワーク会員。2004年翠明館治療室を開設。2009年より漢方専門薬店を併設。不妊症や月経不順、PMSなど婦人科疾患を中心に、鍼灸と漢方を用い て、体の内外より総合的に治療を行って いる。 相談者 夏みかん さん(29歳) 【不妊の原因:男性不妊】 ○胃腸が弱い ○めまいや立ちくらみがよくある ○朝、起きることができない ○目がかすんだり疲れる ○冷え性である ○寝不足の日が多い ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○寒がりである ○下痢と便秘を繰り返す 血不足からおきている「瘀血」状態 お灸は「気血」を補うのに最適な治療方法 舌の裏の血管が黒くて浮き出ているようですが、東洋 医学の舌診では「舌下脈絡」といって、典型的な「瘀血」 症状のひとつといわれています。これ以外にも、舌面上 に青紫色の斑点が見られる状態や、舌が紫色や青色に なっている状態は、「瘀血」の症状になります。 「瘀血」 の症状は舌の裏の血管だけで判断せず いろいろな自覚症、他覚症状を総合して判断する 日によってあるいは一日のうちで舌の裏の血管が変化 するようですが、それは舌の状態に限らず、たとえば脈 状もそうですし、おなかの硬さなども、その時々の体の 状態、周囲の環境からの影響などによって変化します。 ただし、「瘀血」の症状は舌の裏の血管だけで判断は しません。舌のほかに脈の状態、おなかの状態、女性の 場合は月経の症状など、いろいろな自覚症状や他覚症 状などを総合して判断していきます。 「瘀血」の原因にはさまざまなものがあります。夏み かんさんの体質をみますと、胃腸が弱いようですし、目 のかすみやめまい立ちくらみがよくあるようなので、「気 血」が不足していることがうかがえます。 体を温めることに加えて 気血 を増やすような生活改善をする必要がある 「気血」が不足していると、体を温める力が不足する ので、冷えやすい体になります。また、「気」は血液循環 を促す働きもあるので、「気」が不足することは血液循環 が悪くなり、手足の末端までしっかり血液が送られない ため、結果的に「瘀血」になる可能性が高いといえます。 日常的に体を温めたり、冷たいものを摂らないように 気を付けるのはとても大切ですが、体を温めることだけ ではなく、もともと「気血」が不足している体質ですので、 体を温めることに加えて「気血」を増やすような生活改 善をする必要があるでしょう。 睡眠中は「気」を養う時間でもありますので、しっかり睡 眠をとるように心がけたり、胃腸が弱いので、暴飲暴食は せず、腹八分目で消化の良いものを摂るようにしましょう。 お灸は「気血」を補うには最適の治療方法ですので、 できれば自宅で毎日お灸をされることをおすすめしま す。胃腸の調子を整える「足三里」「天枢」、「気血」を 補う「関元」「血海」、生殖機能を整える「腎兪」「三陰交」 などの経穴にお灸をしてみましょう。 男性不妊が原因とのことですので、ご主人にもお灸を してあげてみてください。 神薗 克也先生 芝浦工業大学工学部卒、日本鍼灸理療専門学校卒、鍼灸師、医薬品登録販売者。不妊鍼灸ネットワーク会員。2004年翠明館治療室を開設。2009年より漢方専門薬店を併設。不妊症や月経不順、PMSなど婦人科疾患を中心に、鍼灸と漢方を用い て、体の内外より総合的に治療を行って いる。
2015.4.2
コラム 漢方・鍼灸
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漢方の病院と温灸に通って治療中だけど温灸と鍼灸ではどちらがいいの?
相談者 ななさん(37歳) 【不妊の原因:卵が採れない(少ない)】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○冷え性である ○ゲップやおならが出やすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○レバーのような経血の塊が出る ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○寒がりである ○とくにおなかや下半身が冷える ○肌は脂性で吹き出物が出やすい ○口の中がよく粘つく ○いつも眠い どちらも本人の自然治癒や潜在能力の向上を 目指すので温灸と鍼灸は比べようがない 温灸と鍼灸は比べようがありません。どちらも良いと思います。ななさんの症状は、全体的に体が疲れており、生命を宿すだけの力が足りないようです。そのため採卵もなかなかうまくいかないのではないでしょうか。 鍼灸や独自に開発しているサプリメントや 自宅灸などが効果を発揮する 最新の日本産婦人科学会の報告によると体外受精、胚移植などで出生した子どもが2012年には 37953人で、総出生数に占める割合は1999年に100人に1人だったのが、2012年には27人に1人と増えています。これだけたくさんの子どもが体外受精技術で生まれているから、成功率も高いのだろうとほとんどの人が思っているのではないでしょうか。 しかしそうではなく、採卵あたりの妊娠率は7.2%、 妊娠あたりの流産率は26.1%、移植あたりの生産率は14%。これは出産まで到達する割合です。これらの数値がなにを表しているかというと、採卵できない空胞の可能性や採卵しても受精するとは限らないことです。また、妊娠したとしても流産するなど、移植できても出産にいたるのはわずかだということです。 実は、この数字はここ数年横ばい状態が続いています。体外受精技術はこの年でたくさんの進歩や革新があり、派生技術も多く生まれました。現在はすべてが出そろった感じで、妊娠率はそう上がらないと思います。現在の生殖医療では受精や着床はコントロールできませんし、最後は卵子と精子、そして受精卵が持っている力と母体の受け入れ能力にかかっています。 温灸や鍼灸にも限界があるので 最後には患者自身の体調管理にかかってくる さらに妊娠率を上げるには、医療技術ではなく患者さん自身が体質を変える以外に方法はありません。 そこで、私たちの行っている鍼灸や独自に開発しているサプリメントや自宅灸が効果を発揮するのではないかと考えます。本人の自然治癒能力、潜在能力の向上を目指します。ただし、温灸や鍼灸にも限界があり、最後には患者さんご自身の体調管理にかかってきます。 基本的に、治療は週に1回ですが、治療後の体の管理が悪ければ、1週間後には元に戻ってしまいます。それは、患者さんに結果を残してさしあげたいと願う者にとってとても残念なことです。「想い」が「喜び」にかわる瞬間を共有できるよう、体の管理に努めましょう。 徐 大兼先生 不妊鍼灸ネットワーク事務局長、日本不妊カウンセリング学会評議員。代々鍼灸を営む家系の4代目として生まれる。2002年、渋谷・表参道にてアキュラ鍼灸 院開業。2004年、統合医療の一環として、不妊治療に特化したサプリメント・お灸「プレママプラス」の販売を開始。著書「カラダを温めれば不妊は治る!」 ■ あわせて読みたい ■ どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか? 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産 40代の不妊治療~時間がない……治療以外にできることはある?~ アキュラ鍼灸院 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 ななさん(37歳) 【不妊の原因:卵が採れない(少ない)】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い ○冷え性である ○ゲップやおならが出やすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○レバーのような経血の塊が出る ○のどが乾きやすい ○寝不足の日が多い ○寒がりである ○とくにおなかや下半身が冷える ○肌は脂性で吹き出物が出やすい ○口の中がよく粘つく ○いつも眠い どちらも本人の自然治癒や潜在能力の向上を 目指すので温灸と鍼灸は比べようがない 温灸と鍼灸は比べようがありません。どちらも良いと思います。ななさんの症状は、全体的に体が疲れており、生命を宿すだけの力が足りないようです。そのため採卵もなかなかうまくいかないのではないでしょうか。 鍼灸や独自に開発しているサプリメントや 自宅灸などが効果を発揮する 最新の日本産婦人科学会の報告によると体外受精、胚移植などで出生した子どもが2012年には 37953人で、総出生数に占める割合は1999年に100人に1人だったのが、2012年には27人に1人と増えています。これだけたくさんの子どもが体外受精技術で生まれているから、成功率も高いのだろうとほとんどの人が思っているのではないでしょうか。 しかしそうではなく、採卵あたりの妊娠率は7.2%、 妊娠あたりの流産率は26.1%、移植あたりの生産率は14%。これは出産まで到達する割合です。これらの数値がなにを表しているかというと、採卵できない空胞の可能性や採卵しても受精するとは限らないことです。また、妊娠したとしても流産するなど、移植できても出産にいたるのはわずかだということです。 実は、この数字はここ数年横ばい状態が続いています。体外受精技術はこの年でたくさんの進歩や革新があり、派生技術も多く生まれました。現在はすべてが出そろった感じで、妊娠率はそう上がらないと思います。現在の生殖医療では受精や着床はコントロールできませんし、最後は卵子と精子、そして受精卵が持っている力と母体の受け入れ能力にかかっています。 温灸や鍼灸にも限界があるので 最後には患者自身の体調管理にかかってくる さらに妊娠率を上げるには、医療技術ではなく患者さん自身が体質を変える以外に方法はありません。 そこで、私たちの行っている鍼灸や独自に開発しているサプリメントや自宅灸が効果を発揮するのではないかと考えます。本人の自然治癒能力、潜在能力の向上を目指します。ただし、温灸や鍼灸にも限界があり、最後には患者さんご自身の体調管理にかかってきます。 基本的に、治療は週に1回ですが、治療後の体の管理が悪ければ、1週間後には元に戻ってしまいます。それは、患者さんに結果を残してさしあげたいと願う者にとってとても残念なことです。「想い」が「喜び」にかわる瞬間を共有できるよう、体の管理に努めましょう。 徐 大兼先生 不妊鍼灸ネットワーク事務局長、日本不妊カウンセリング学会評議員。代々鍼灸を営む家系の4代目として生まれる。2002年、渋谷・表参道にてアキュラ鍼灸 院開業。2004年、統合医療の一環として、不妊治療に特化したサプリメント・お灸「プレママプラス」の販売を開始。著書「カラダを温めれば不妊は治る!」 ■ あわせて読みたい ■ どこの鍼灸院も不妊のツボは同じで同じ治療をするのでしょうか? 周期療法を始めて5か月経って排卵がなくなったけど続けていていいの? 漢方を取り入れながら体外受精、人工授精で出産 40代の不妊治療~時間がない……治療以外にできることはある?~ アキュラ鍼灸院 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.4.1
コラム 不妊治療
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妊娠しやすい体に近づく体質改善方法のアドバイスがほしい
相談者 うみ さん(42歳) 【不妊の原因:男性不妊・高齢・卵が採れない(少ない)・受精卵が育たない・卵管閉塞・子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い, 冷え性である ○イライラをため込みやすい ○血色が悪い ○肌や髪にツヤがない ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○顔にシミやクマが出やすい ○湯船にゆっくり浸かれない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○とくにおなかや下半身が冷える ○下痢をしやすい 体質改善は一朝一夕にはいかないが努力をすれば必ず体は応えてくれる 東洋医学では、女性は0歳より7年周期で心身が変化するといいます。うみさんはちょうど42歳。女性としての生き方にも変化が現れる時期です。白髪やシミが目立ち始めたり、月経サイクルが乱れてくるなど、お子さまを望まれている女性にとって、喜べないことも出てきます。 加齢によって「先天の精」が減少しても養生で増した「後天の精」で補える 生殖機能を支える「先天の精(持って生まれたエネルギー)」は、加齢によって少しずつ減少しますが、正しい生活習慣でそのスピードを遅らせることが可能です。さらに鍼灸や漢方できちんと養生をすることで、呼吸や食事から得られる「後天の精」が増し、すでに減ってしまった先天の精をある程度補うことが可能になります。 うみさんの症状から、「腎」と「肝」の働きが弱いようです。とくに「腎」は「先天の精」を貯蔵し、生殖器のエネルギーの源なので、働きが弱ると、妊娠を阻害することがあります。抜け毛や白髪が多くなるというのは、この腎の働きが落ちているサイン。活動と休息のバランスが取れた規則正しい生活を心がけることです。黒豆、黒ごま、海苔などの黒い食べ物を積極的に摂取してください。 「肝」は過剰なストレスに弱い臓器です。不安やイライラはため込みすぎず、できるだけ発散しましょう。自分の気持ちを表現しづらければ、紙に書いたり、歌うだけで十分。自分を抑圧しすぎないようにしてください。 足湯でいつまでたっても額から汗が出ないのは骨盤内の冷えが深刻であるサイン 冷えがかなり深刻だと、そのせいで胃腸が弱っている可能性もあります。消化吸収が悪いと栄養(後天の精)を取り込めずに、腎の負担が大きくなってしまいます。 湯船に長く浸かれない方は、足湯を毎日しましょう。足で温められた血液が、心臓に戻る過程で骨盤内を温めてくれるからです。20~30分くらいで額から汗が出てきたら完了です。いつまでたっても額から汗が出ない場合は骨盤内の冷えが深刻であるサイン。足、腰、下腹部のツボへのお灸も加えるのもいいですね。定期的なウォーキングも基礎代謝が上がり、冷えはもちろん、婦人科疾患の原因となる「?血( ヘドロ血)」が軽減します。 体質改善は一朝一夕にはいきませんが、努力をすれば必ず体は応えてくれます。40歳を超えると年単位での余裕は無いかもしれませんが、治療や養生により月単位では、現状より若返る可能性も。あせらずにできることから初めてみてください。 菅田 裕子先生 早稲田医療学園卒業後、11年前に独立開業。月経周期に合わせてホルモンバランスと血流を調整する鍼灸治療に、骨盤矯正を加えた独自の「セラキュア・ファティリティ・メソッド」を考案し、8年前に鍼灸治療院セラキュアを立ち上げる。婦人科疾患に悩む女性が安心して通えるように、スタッフは全員が国家資格を取得している女性鍼灸師。 相談者 うみ さん(42歳) 【不妊の原因:男性不妊・高齢・卵が採れない(少ない)・受精卵が育たない・卵管閉塞・子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫】 ○なんだか疲れやすい ○胃腸が弱い, 冷え性である ○イライラをため込みやすい ○血色が悪い ○肌や髪にツヤがない ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○顔や唇の色が黒ずんでいる ○顔にシミやクマが出やすい ○湯船にゆっくり浸かれない ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○とくにおなかや下半身が冷える ○下痢をしやすい 体質改善は一朝一夕にはいかないが努力をすれば必ず体は応えてくれる 東洋医学では、女性は0歳より7年周期で心身が変化するといいます。うみさんはちょうど42歳。女性としての生き方にも変化が現れる時期です。白髪やシミが目立ち始めたり、月経サイクルが乱れてくるなど、お子さまを望まれている女性にとって、喜べないことも出てきます。 加齢によって「先天の精」が減少しても養生で増した「後天の精」で補える 生殖機能を支える「先天の精(持って生まれたエネルギー)」は、加齢によって少しずつ減少しますが、正しい生活習慣でそのスピードを遅らせることが可能です。さらに鍼灸や漢方できちんと養生をすることで、呼吸や食事から得られる「後天の精」が増し、すでに減ってしまった先天の精をある程度補うことが可能になります。 うみさんの症状から、「腎」と「肝」の働きが弱いようです。とくに「腎」は「先天の精」を貯蔵し、生殖器のエネルギーの源なので、働きが弱ると、妊娠を阻害することがあります。抜け毛や白髪が多くなるというのは、この腎の働きが落ちているサイン。活動と休息のバランスが取れた規則正しい生活を心がけることです。黒豆、黒ごま、海苔などの黒い食べ物を積極的に摂取してください。 「肝」は過剰なストレスに弱い臓器です。不安やイライラはため込みすぎず、できるだけ発散しましょう。自分の気持ちを表現しづらければ、紙に書いたり、歌うだけで十分。自分を抑圧しすぎないようにしてください。 足湯でいつまでたっても額から汗が出ないのは骨盤内の冷えが深刻であるサイン 冷えがかなり深刻だと、そのせいで胃腸が弱っている可能性もあります。消化吸収が悪いと栄養(後天の精)を取り込めずに、腎の負担が大きくなってしまいます。 湯船に長く浸かれない方は、足湯を毎日しましょう。足で温められた血液が、心臓に戻る過程で骨盤内を温めてくれるからです。20~30分くらいで額から汗が出てきたら完了です。いつまでたっても額から汗が出ない場合は骨盤内の冷えが深刻であるサイン。足、腰、下腹部のツボへのお灸も加えるのもいいですね。定期的なウォーキングも基礎代謝が上がり、冷えはもちろん、婦人科疾患の原因となる「?血( ヘドロ血)」が軽減します。 体質改善は一朝一夕にはいきませんが、努力をすれば必ず体は応えてくれます。40歳を超えると年単位での余裕は無いかもしれませんが、治療や養生により月単位では、現状より若返る可能性も。あせらずにできることから初めてみてください。 菅田 裕子先生 早稲田医療学園卒業後、11年前に独立開業。月経周期に合わせてホルモンバランスと血流を調整する鍼灸治療に、骨盤矯正を加えた独自の「セラキュア・ファティリティ・メソッド」を考案し、8年前に鍼灸治療院セラキュアを立ち上げる。婦人科疾患に悩む女性が安心して通えるように、スタッフは全員が国家資格を取得している女性鍼灸師。
2015.3.31
コラム 不妊治療