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陽性判定後のプレマリン
るびさん(40歳)D12 卵黄21㎜でAHI hcg5000注射 D14 腹痛位より多分この日に排卵 D15 排卵チェック この日からプレマリン・ルトラール 各2錠/日 × 12日間服用 D29 妊娠検査薬陽性 血液検査 hcg212.4 E266 PROG20.9 D29の今日陽性判定をいただきました。 その際、一応念のためということで、プレマリンのみを1週間分処方されました。 プレマリンは黄体補充では無いようなのですが、 このような指示というのはあるのでしょうか?それともルトラールと間違えてるのでしょうか? 奥 裕嗣 先生 (レディースクリニック北浜) 私共は患者様一人ひとりとの出逢いを大切に、 徹底したインフォームド・コンセントを理想に掲げ、 スタッフ一同、すべての患者様に赤ちゃんのご縁がありますよう 切に願いながら、日々生殖医療に全力で取り組んでおります。 当院では最先端の生殖医療技術をご利用いただくとともに、 永く愛されるオリジナルの漢方療法もお受けいただけます。 また患者様の心理的なご負担にたいして優しいサポートが 出来るように、心理カウンセリングを備えました。 多様化する患者様の生活条件に合わせて、便利で快適に、 高度で確かな不妊治療を安心して受けていただけるように、ここ 「ザ・北浜プラザ」の医療モールにて開院することとなりました。 どうぞお気軽に、ご安心なさって、まずは扉をたたいてみてください。 ■略歴 1987年 愛知医科大学卒業 愛知医科大学産婦人科学教室入局 1988年 愛知医科大学大学院入学 女性ホルモンの動脈硬化抑制についての研究を行う。 (更年期障害の基礎的研究) 1992年 同大学院卒業 エラジン酸の抗酸化作用 (アンチエージング作用)の研究にて博士号修得 総合大雄会病院勤務 1995年 蒲郡市民病院勤務 1998年 アメリカ合衆国に留学 Diamond Institute for Infertility and Menopauseにて、体外受精、顕微授精等 最先端の生殖医療技術を3年間研修 2001年 IVF大阪クリニック勤務 2004年 IVFなんばクリニック勤務 2005年より副院長として勤務 2010年 レディースクリニック北浜開設 ≫ レディースクリニック北浜まず当院では、排卵後7日目頃に黄体ホルモンを調べ、黄体機能不全があれば、着床障害の原因となりますので、次周期からルトラールを処方します。 例えば、自然周期での体外受精や、ホルモン補充周期の凍結融解胚移植などで、エストロゲンが下がる場合は、エストロゲンを補う必要がありますが、この方は、排卵後のエストロゲンの分泌に問題ありませんので、プレマリンを投与するのは、あまり一般的ではないと思います。 妊娠後は赤ちゃんになる胎盤の組織から、エストロゲンとプロゲステロンが自然に出てきます。妊娠経過が順調であれば、本来、薬はいらないと思います。 当院では、自然妊娠の方は、妊娠陽性反応が出たら、プレマリンもルトラールも処方せず、いい意味で自然の成り行きに任せます。
2014.7.19
専門医Q&A 女性の健康
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陽性判定後のプレマリン
るびさん(40歳)D12 卵黄21㎜でAHI hcg5000注射 D14 腹痛位より多分この日に排卵 D15 排卵チェック この日からプレマリン・ルトラール 各2錠/日 × 12日間服用 D29 妊娠検査薬陽性 血液検査 hcg212.4 E266 PROG20.9 D29の今日陽性判定をいただきました。 その際、一応念のためということで、プレマリンのみを1週間分処方されました。 プレマリンは黄体補充では無いようなのですが、 このような指示というのはあるのでしょうか?それともルトラールと間違えてるのでしょうか? 石川 弘伸 先生 (醍醐渡辺クリニック) 院長プロフィール 私たちは、子供が授からず悩んでおられる方々にそれぞれのご夫婦に一番適した治療を考え、なるべく早く夢がかなうよう、できる限りの努力をしていきます。不妊で悩まれこれから治療をお考えの方、また何度かトライしてみたけれどまだ赤ちゃんが授からない方、ぜひ一度ご相談ください。 思いきって早く行動をおこされるのも、念願の赤ちゃんを早く授かる1つのファクターであると考えます ≫ 醍醐渡辺クリニック結論から言いますと、プレマリンの投与は問題ありません。 排卵後にホルモン剤を投与するのは、いわゆる黄体補充療法とよばれるもので、子宮内膜の状態を整えて、受精卵の着床を助ける目的で行います。 プレマリンは卵胞ホルモン、ルトラールは黄体ホルモンですから、黄体補充療法として、プレマリンを用いるのはおかしいのではと、お感じになるかもしれません。実は、黄体からは黄体ホルモンだけでなく、卵胞ホルモンも大量に分泌されているため、プレマリンを単独で、あるいはルトラールと同時に投与することは、理にかなっています。体外受精における黄体補充では、ほとんどの場合併用していますし、一般治療でも多く用いられています。 妊娠後は、黄体からの卵胞ホルモンの分泌量はどんどん増加し、初期の受精卵は自然の卵胞ホルモンにさらされて着床・発育していきます。るびさんの卵胞ホルモン値は266ですが、今後、何千という数値レベルまで上昇するはずです。この時、薬が受精卵の発育を助けるかもしれません。プレマリンを1〜2錠投与しても血液中の値は50〜100上昇する程度ですから、この程度であれば、理論上は赤ちゃんに異常が出るとは考えにくいと思います。 ちなみに当院では、子宮内膜を排卵時に計測して、内膜が薄ければプレマリンを処方します。プレマリンで内膜を厚くして、ルトラールで成熟させるというイメージです。この先生は妊娠判定時の266という卵胞ホルモン値を低いと判断されたのかもしれませんし、あるいは、40歳以上の方に一律にプレマリンを補っているのかもしれません。それもひとつの見識だと思います。
2014.7.19
専門医Q&A 女性の健康
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陽性判定後のプレマリン
「D29の今日陽性判定をいただきました。その際、一応念のためということで、プレマリンのみを1週間分処方されました。」
2014.7.19
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ディナゲスト服用について
りりーさん(36歳)顕微受精の分割胚を2回と分割胚と胚盤胞の2段階を1回と移植しましたが、陰性。着床障害の可能性ということと、子宮が人より少し大きいこと、子宮筋層に筋腫があることからディナゲストの服用を提案されました。チャレンジしてみようか、副作用の心配もあり迷っています。あと、凍結杯が胚盤胞が一つと分割胚が一つ残っています。今月また2段階でディナゲストを服用せずに戻しても可能性は低いのでしょうか…。 絹谷正之 先生 (医療法人 絹谷産婦人科) ■略歴■ 昭和51年 広島市立千田小学校卒業 昭和57年 修道高校卒業 平成元年 愛媛大学医学部卒業、医師国家試験合格 平成元年 広島大学医学部産科婦人科学教室入局 平成9年 山王病院リプロダクションセンター(東京)井上正人院長のもとで高度生殖補助医療研修、顕微授精修得 平成9年 広島大学医学部産科婦人科助手(体外受精部門担当) 平成11年 McGill大学医学部産婦人科(カナダ、モントリオール)、Toronto大学Toronto Centre for Advanced Reproductive Technology (TCART)(カナダ、トロント)、Diamond Institute(アメリカ、ニュージャージー)、Bourn Hall Clinic(イギリス、ケンブリッジ)にて高度生殖補助医療研修 平成12年3月 絹谷産婦人科副院長 平成12年6月 博士号(医学、広島大学)取得 平成14年5月 絹谷産婦人科院長 趣味 サイクリング、旅行、映画鑑賞 資格 日本生殖医学会認定生殖医療専門医 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 母体保護法指定医 日本産科婦人科学会会員 日本生殖医学会会員 日本受精着床学会会員 日本IVF学会会員 日本哺乳動物卵子学会評議員 日本レーザーリプロダクション学会会員 アメリカ不妊学会(ASRM)会員 ヨーロッパ生殖学会(ESHRE)会員 広島県産婦人科医会常務理事 ≫ 医療法人 絹谷産婦人科ディナゲストは、一般的には子宮内膜症や子宮筋層内にできた内膜症である子宮腺筋症の治療に使用されます。ディナゲストの服用を提案されたのであれば、筋腫ではなく腺筋症なのかもしれませんね。 子宮腺筋症の方にディナゲストを使用して妊娠しやすくなるかどうかはまだよく分かっていません。一般的には、妊娠を希望していて子宮腺筋症がある場合は、子宮腺筋症はそのままにしておいて積極的に不妊治療を進めていくか、手術をするかどちらかだと思います。 りりーさんの場合は、先生にディナゲストの服用を提案されたとあるように、トライアルというか試験的なことだと思います。副作用の問題や妊娠にとって逆効果の可能性も考えられるけどチャレンジしてみますか、ということではないでしょうか?きっと先生もこれまで不妊治療が上手くいっていないことを鑑みて、ディナゲストを使うことで子宮腺筋症が少しでも改善され、着床にプラスになるのでは…と考えられたのではないでしょうか? 副作用として予想されるのは子宮出血やのぼせ、ほてり等で、実際に使用してみないとわかりませんが、重篤になることはないと思いますよ。これまで3回の胚移植で妊娠に失敗している状況を考えると、僕ならディナゲストの服用にチャレンジするかもしれませんね。 あと、子宮腺筋症の手術をするかどうかも考えてみる必要があるでしょう。また、着床に失敗している原因として、子宮腺筋症以外に何か考えられないのかをよく調べてみることもお勧めしたいですね。
2014.7.4
専門医Q&A 女性の健康
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次の採卵でも変性卵だったらと思うととても不安です
相談者 kumiさん(34歳)私は2回の異所性妊娠で両卵管を切除しているため、現在、体外受精を行っています。3年前に2回体外受精をして、2回目で妊娠しました。その時はどちらも受精卵のグレードは一番いいと言われました。でも、今回の体外受精では、採卵はできたのですが変性卵とのこと。医師には“古い殻”があったからじゃないかと言われましたが、次は前みたいにいい卵が採れるでしょうか?とても不安です。回答をよろしくお願いします。 ジネコ:変性卵はどんな時に生じるものですか? 藤野先生:体外受精においては、何より前周期からある程度のエストロゲンとプロゲステロンを補充したうえで卵巣機能をコントロールして採卵することが、質の良い受精卵を育てる秘訣ともいえます。kumiさんは「また次も変性卵?」と不安を感じていらっしゃるようですが、変性卵は何度もくり返すかというと、そういうものではありません。「古い殻」と表現されていますが、卵子の透明帯だけが残っていて、受精するべき卵子の細胞質がすでに死滅していたのかもしれません。卵巣には、以前の排卵周期に途中まで発育して、その後、閉鎖卵胞化してしまうものも多数残っています。そのような卵胞が今回の卵巣刺激で大きくなってきたものかもしれません。また、高温期のエストロゲンとプロゲステロンの分泌が不十分ですと、高温期の途中から中途半端な卵胞が大きくなってきたりします。このような場合、変性卵となってしまうかもしれません。前周期の高温期から、中用量ピルなどを使って高温期を14日くらいしっかりとつくり、卵巣のコンディションを整えてあげることが大切です。卵胞が育ち始めるのは月経が始まってからと皆さん解釈されているようですが、月経のリズムが乱れている方や、卵巣の機能が落ちている方というのは、前周期の高温期の半ばくらいから、すでに卵胞が育ってきている場合があるんですね。そこでエストロゲンやプロゲステロンを補いながら、LHやFSHの分泌を抑え込み、卵巣を整えた状態で、採卵に臨んだほうがいい。担当医のおっしゃった“古い殻”については、前周期の古い卵胞が残っていたことを、“古い殻”と表現されたのかなと思います。 ジネコ:排卵誘発の方法についてはいかがですか? 藤野先生:治療方針のところで気になったのは、月経の3日目からプ※レマリン®、5日目からクロミフェンを服用されているということ。プレマリン®は通常、FSHの値が高くて、卵巣の反応が悪い方によく処方される薬です。エストロゲンをあらかじめ補充しておくと、FSHの値が下がってきて、排卵誘発剤の効果が高まるので、年齢の高い方や、FSHの高い方に排卵誘発剤とエストロゲン製剤の併用を試みることがあります。ですから、30代でいきなりプレマリン®やクロミフェンから治療が始まっているのは、年齢の割にFSHの値が高め、あるいは排卵の周期に乱れがあるから、ということなのかなと。AMHやその他のホルモン値の記載がないので、なかなか内分泌、卵巣のコンディションを把握しづらいのですが、そこを治してからという担当医のご判断なのでしょう。変性卵だけが出てくるリスクを減らして、均質な前胞状卵胞がそろい、卵巣刺激に対して均等に大きくなってくるような状態をつくり出すことが必要ではないでしょうか。 ジネコ:今後の治療にアドバイスはありますか? 藤野先生:まだ年齢もお若いので、万全の準備をされて、卵巣刺激・採卵の準備をされれば、また良い卵子が採れる可能性は十分あると思います。2度の子宮外妊娠はつらい経験だったと思いますが、今後の治療の目標としては、スタートラインに立つ卵胞(前胞状卵胞)を均等な大きさにそろえることが大切。そのためにも前周期からしっかり卵巣をコントロールすることをすすめます。 藤野 祐司 先生 大阪市立大学医学部卒業。米国留学、同大学医学部婦人科学教室講師を経て、1997年にクリニックを開業。現在、同大学で非常勤講師も務める。B型・おとめ座。絵画と同様、先生が大好きなのが写真。若い頃は自分の手で現像やプリントするほど凝ったこともあるそう。「のんびりした台湾の田舎の風景などが好きですね。いつか時間ができたら風景写真を撮りにゆっくり出かけたいな」。 ■ あわせて読みたい ■ 13個採卵できたのに空胞や変性卵の数の説明がありません。 低AMH値で採卵しても変性卵のくり返しです。どんな採卵法がいい? 33歳でAMHの値が低く採れるのは変性卵か未熟卵。低刺激法しか無理ですか? なかむらレディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる 相談者 kumiさん(34歳)私は2回の異所性妊娠で両卵管を切除しているため、現在、体外受精を行っています。3年前に2回体外受精をして、2回目で妊娠しました。その時はどちらも受精卵のグレードは一番いいと言われました。でも、今回の体外受精では、採卵はできたのですが変性卵とのこと。医師には“古い殻”があったからじゃないかと言われましたが、次は前みたいにいい卵が採れるでしょうか?とても不安です。回答をよろしくお願いします。 ジネコ:変性卵はどんな時に生じるものですか? 藤野先生:体外受精においては、何より前周期からある程度のエストロゲンとプロゲステロンを補充したうえで卵巣機能をコントロールして採卵することが、質の良い受精卵を育てる秘訣ともいえます。kumiさんは「また次も変性卵?」と不安を感じていらっしゃるようですが、変性卵は何度もくり返すかというと、そういうものではありません。「古い殻」と表現されていますが、卵子の透明帯だけが残っていて、受精するべき卵子の細胞質がすでに死滅していたのかもしれません。卵巣には、以前の排卵周期に途中まで発育して、その後、閉鎖卵胞化してしまうものも多数残っています。そのような卵胞が今回の卵巣刺激で大きくなってきたものかもしれません。また、高温期のエストロゲンとプロゲステロンの分泌が不十分ですと、高温期の途中から中途半端な卵胞が大きくなってきたりします。このような場合、変性卵となってしまうかもしれません。前周期の高温期から、中用量ピルなどを使って高温期を14日くらいしっかりとつくり、卵巣のコンディションを整えてあげることが大切です。卵胞が育ち始めるのは月経が始まってからと皆さん解釈されているようですが、月経のリズムが乱れている方や、卵巣の機能が落ちている方というのは、前周期の高温期の半ばくらいから、すでに卵胞が育ってきている場合があるんですね。そこでエストロゲンやプロゲステロンを補いながら、LHやFSHの分泌を抑え込み、卵巣を整えた状態で、採卵に臨んだほうがいい。担当医のおっしゃった“古い殻”については、前周期の古い卵胞が残っていたことを、“古い殻”と表現されたのかなと思います。 ジネコ:排卵誘発の方法についてはいかがですか? 藤野先生:治療方針のところで気になったのは、月経の3日目からプ※レマリン®、5日目からクロミフェンを服用されているということ。プレマリン®は通常、FSHの値が高くて、卵巣の反応が悪い方によく処方される薬です。エストロゲンをあらかじめ補充しておくと、FSHの値が下がってきて、排卵誘発剤の効果が高まるので、年齢の高い方や、FSHの高い方に排卵誘発剤とエストロゲン製剤の併用を試みることがあります。ですから、30代でいきなりプレマリン®やクロミフェンから治療が始まっているのは、年齢の割にFSHの値が高め、あるいは排卵の周期に乱れがあるから、ということなのかなと。AMHやその他のホルモン値の記載がないので、なかなか内分泌、卵巣のコンディションを把握しづらいのですが、そこを治してからという担当医のご判断なのでしょう。変性卵だけが出てくるリスクを減らして、均質な前胞状卵胞がそろい、卵巣刺激に対して均等に大きくなってくるような状態をつくり出すことが必要ではないでしょうか。 ジネコ:今後の治療にアドバイスはありますか? 藤野先生:まだ年齢もお若いので、万全の準備をされて、卵巣刺激・採卵の準備をされれば、また良い卵子が採れる可能性は十分あると思います。2度の子宮外妊娠はつらい経験だったと思いますが、今後の治療の目標としては、スタートラインに立つ卵胞(前胞状卵胞)を均等な大きさにそろえることが大切。そのためにも前周期からしっかり卵巣をコントロールすることをすすめます。 藤野 祐司 先生 大阪市立大学医学部卒業。米国留学、同大学医学部婦人科学教室講師を経て、1997年にクリニックを開業。現在、同大学で非常勤講師も務める。B型・おとめ座。絵画と同様、先生が大好きなのが写真。若い頃は自分の手で現像やプリントするほど凝ったこともあるそう。「のんびりした台湾の田舎の風景などが好きですね。いつか時間ができたら風景写真を撮りにゆっくり出かけたいな」。 ■ あわせて読みたい ■ 13個採卵できたのに空胞や変性卵の数の説明がありません。 低AMH値で採卵しても変性卵のくり返しです。どんな採卵法がいい? 33歳でAMHの値が低く採れるのは変性卵か未熟卵。低刺激法しか無理ですか? なかむらレディースクリニック 女性のための健康生活マガジン JINEKO 専門家に相談してみる
2014.7.4
コラム 不妊治療
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5w1dで胎のう2.7mm
「内膜は13mmで出血はなしでした。子宮口が少し開きぎみと言われたのも気になります。Hcg5000を打ち、トウキシャクヤクサンを処方されました。」
2014.6.25
専門医Q&A 女性の健康
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5w1dで胎のう2.7mm
「今後の可能性はどうなのでしょうか?子宮口が開いているのはなぜでしょう?またデメリットは?」
2014.6.25
専門医Q&A 女性の健康
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(不妊治療を考えている中年世代の)生理に関して
「気がかりと思っていた生理時の出血が、今年の4月から さらに減っていると実感し、不安と供に恐怖を感じてしまい、今回 こちらのコーナーの先生方に ご相談させていただくに至りました。」
2014.6.16
専門医Q&A 女性の健康
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生理が2日で終わりました
プチトマトさん(34歳)今月生理が2日で終わりました。 予定日は6月1日で予定通りにきました。量もそれなりだったと思います。月末より腹痛や目眩などもあり、いつもの生理と思っていましたが、6月2日には量が少なくなり3日には出血が無くなりました。以降、下腹部の圧迫感やおなら、チクチクなど違和感があります。嘔吐はありませんが、胃のムカムカした気持ち悪さもあります。 1年前右卵巣に卵巣嚢腫、左卵巣にチョコレート嚢腫が見つかりました。 まだサイズが小さいので治療法として妊娠を希望していますが、未だに授かりません。 これは腫瘍の痛みでしょうか? 無排卵になってしまったのでしょうか? 妊娠はしてないですよね? 田中雄大 先生 (メディカルパーク湘南) メディカルパーク湘南は、産婦人科専門病院です。 最先端の不妊治療、熟練の内視鏡技術、最新鋭の医療機器。全てにおいて妥協を許さず、粋を極めた理想を追求しました。構想から足掛け7年、長くかかってしまいましたが、私が予てから目指していた理想の産婦人科医療が漸く実現します。 「メディカルパーク」という言葉には、この病院が、患者様の様々な要望に応え、皆さんが集う公園のような場所になればという思いが込められています。医療は常に変革しています。そして患者様のニーズも多様化し続けています。私たちはこの湘南の地から、新しい医療を発信して参ります。そして多くの患者さんに1つでも多くの幸せを運べるように、職員一同、全力で邁進して参ります。 メディカルパーク湘南が皆様に愛される病院になることを願って止みません。末永く、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 【略歴】 1991年 慶應義塾志木高等学校卒業 1997年 慶應義塾大学医学部卒業 1997年 在沖縄アメリカ海軍病院インターン 1998年 慶應義塾大学医学部産婦人科学教室入局 2004年 慶應義塾大学医学部医学博士取得 2009年 聖マリアンナ医科大学非常勤講師就任 2011年 中国蘭州大学第2附属病院 名誉教授就任 【資格】 医学博士 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医 日本産科婦人科内視鏡学会 技術認定医 日本外科内視鏡学会 技術認定医 母体保護指定医 日本生殖医学会 生殖医療専門医 【学会賞受賞】 2004年 第20回ヨーロッパ生殖医学学会 最優秀ポスター賞受賞 2005年 第57回日本産科婦人科学会学術講演会 グッドプレゼンテーション賞受賞 2007年 第49回日本産科婦人科内視鏡学会 最優秀ビデオ賞受賞 【著作本】 「最新 不妊治療・体外受精がわかる本」 大規模なアンケート調査から多くの方が悩まれている症状や治療に対する疑問に 最新情報を交えてお答えしています。 セカンドオピニオンブックとして、お守りのように持っていただきたい1冊です。 ( ジネコSHOPで発売中 http://bit.ly/1KtsKZo ) ≫ メディカルパーク湘南生理の量が少なくなると、卵巣機能が急激に下がったのではないかと心配される方が多いですが、そんなことはありません。無排卵とも明確な因果関係はないと思います。今回はたまたまだったのではないでしょうか。 また、卵巣嚢腫、子宮内膜症が原因で月経不順になったり、無排卵になったりすることは基本的にありません。 チョコレート嚢腫、子宮内膜症の3大症状としては、 1.生理痛、性交痛、排便痛、2.不妊、3.がん化があります。 下腹部の違和感は、生理痛を伴う明確な痛みでなければ、内膜症との因果関係は弱いと思われます。 内膜症は不妊の原因になり、妊娠しない期間が長くなると内膜症が悪化するという、悪循環を起こします。一方で妊娠すれば生理がなくなるので、徐々に内膜症が小さくなることはあります。しかしそれで治るということはありません。妊娠が治療法だと考えているのは少し誤解があると思います。 プチトマトさんは両側の卵巣に嚢腫があるということなので、だいぶ進行している可能性があります。がん化の心配をなくすためにも手術を念頭においた治療を考え、病院で相談されるといいと思います。 妊娠を希望しているのに授からないということであれば、不妊治療と手術療法が一緒にできる病院を受診されることをお勧めします。
2014.6.11
専門医Q&A 女性の健康
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病気ではないけれど マタニティであることを 意識した行動を
自転車や車の運転には注意が必要。電車や車は基本OK。 妊婦さんのなかには日々の移動で、電車や車を使う人も多いはず。特にワーキング妊婦さんならバスや電車通勤は避けて通れないケースも多いでしょう。バスや電車の振動自体に問題はないのですが、心配なのは人がたくさん乗っていて身体を圧迫されることです。妊娠中は脳貧血を起こしやすい状態でもあるので、できれば、通勤ラッシュを避けた時差通勤をおすすめします。自転車に関しては、妊娠初期で身体のバランスがとれていれば大丈夫ですが、中期以降はおなかが出てきてバランスが取りにくくなります。それによって倒れた時の衝撃はかなり大きいので、これは避けましょう。また、車の運転は妊婦さんだから禁止されている、ということはありません。ただ、妊娠中はどうしても身体がのぼせやすく頭がぼーっとしたり、注意散漫になりがちなので体調を考えながら運転するよう心がけてください。 旅行やおでかけは、身体に負担のないスケジュールで 安定期に入ると「気分転換に旅行をしたい」という方が増えてきます。旅行そのものはタブーではありませんが、やはり通常とは違う身体です。行った先でのトラブルやリスクを考えて、余裕をもった日程を組んでください。また、それまでに何の異常がなくても、切迫早産などの異常が発生する危険性はゼロではないことを忘れないでください。旅行や里帰り出産で飛行機を利用する場合、飛行の高度が赤ちゃんに影響を与えることはありません。ただ、航空会社によって、国際線ならだいたい32〜36週以降になると診断書の提出が必要になります。また、国内線なら36週未満までは普通に搭乗できますが、それ以降となると診断書が必要になるので注意してください。温泉旅行はのんびりできてよいのですが、特に源泉かけ流し温泉などは不純物が除去されていないことがあるので、衛生面で安心できる場所を選びましょう。また、温泉だとどうしても長湯をしてしまい、それが原因でのぼせてしまうことも。湯につかるのは目安としては10分程度。体調を考慮しながら短めに切り上げるがよいでしょう。 気になる性生活。切迫早産、前置胎盤などトラブルのある人は控えて なかなか声に出して聞きにくいのが性生活ですが、挿入行為そのものが胎児に影響があるか否かはまだよく分かっていないのが現状です。ただ、挿入行為が細菌感染の原因になってしまうことは分かっています。また、精子が頸管の熟化を促したり、破水のきっかけを起こすことも分かっていますので、どうしても、という場合には必ずコンドームをつけるようにしましょう。それから腟への刺激、乳首への刺激は子宮収縮を促します。負担のかかるような行為はやめて、おだやかなセックスをするようにしてください。ただ、もともとおなかの張りが強い、切迫早産、前置胎盤だと分かっている人は控えたほうがいいですね。 煙草は当然NG!腰を圧迫するようなベルトも避けて 当然のことですが、妊娠したらタバコはやめましょう。喫煙で赤ちゃんが小さく生まれてしまうケースも報告されていますし、常位胎盤早期剥離の原因になるともいわれています。ご主人が喫煙者なら、一緒にやめるチャンスになりますね。妊婦さんは下半身を冷やさないようにとよくいわれます。冷え防止のためにと、幅広でウエストを締めつけるような帯やベルトは避けましょう。背骨と子宮の間にある下大静脈を締めつけるため、特に高齢出産の方に多い「静脈瘤りゅう」やむくみを起こしやすいからです。静脈溜はひどくなると立っているのもつらくなってきますので、もともと脚の血管が浮き出ている人は、着圧ソックスを履くなどして、脚の血行を促して静脈瘤を予防しましょう。ヒールの高いパンプスは転びやすいので危険なのはもちろんですが、身体が前のめりになることによって腰への負担がかかり、腰痛の原因になることも。歩きやすい低めのヒールやスニーカーなどにしましょう。 妊娠期間は食生活の見直しや、運動を取り入れる絶好のチャンス! 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8〜12週といわれています。英語ではモーニングシックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2〜4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。ひとつの目安として、つわりの時期に1〜2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊娠中期〜後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期〜後期。体重制限が気になる方も多いのでは?実はつい5〜6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMassIndex)が18〜22と一般的なものであれば9〜12㎏増やしてもよいとされています(※指数の計算は右コラムを参照)。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16〜20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 川端 伊久乃 先生 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会周産期(母体・胎児)専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。 自転車や車の運転には注意が必要。電車や車は基本OK。 妊婦さんのなかには日々の移動で、電車や車を使う人も多いはず。特にワーキング妊婦さんならバスや電車通勤は避けて通れないケースも多いでしょう。バスや電車の振動自体に問題はないのですが、心配なのは人がたくさん乗っていて身体を圧迫されることです。妊娠中は脳貧血を起こしやすい状態でもあるので、できれば、通勤ラッシュを避けた時差通勤をおすすめします。自転車に関しては、妊娠初期で身体のバランスがとれていれば大丈夫ですが、中期以降はおなかが出てきてバランスが取りにくくなります。それによって倒れた時の衝撃はかなり大きいので、これは避けましょう。また、車の運転は妊婦さんだから禁止されている、ということはありません。ただ、妊娠中はどうしても身体がのぼせやすく頭がぼーっとしたり、注意散漫になりがちなので体調を考えながら運転するよう心がけてください。 旅行やおでかけは、身体に負担のないスケジュールで 安定期に入ると「気分転換に旅行をしたい」という方が増えてきます。旅行そのものはタブーではありませんが、やはり通常とは違う身体です。行った先でのトラブルやリスクを考えて、余裕をもった日程を組んでください。また、それまでに何の異常がなくても、切迫早産などの異常が発生する危険性はゼロではないことを忘れないでください。旅行や里帰り出産で飛行機を利用する場合、飛行の高度が赤ちゃんに影響を与えることはありません。ただ、航空会社によって、国際線ならだいたい32〜36週以降になると診断書の提出が必要になります。また、国内線なら36週未満までは普通に搭乗できますが、それ以降となると診断書が必要になるので注意してください。温泉旅行はのんびりできてよいのですが、特に源泉かけ流し温泉などは不純物が除去されていないことがあるので、衛生面で安心できる場所を選びましょう。また、温泉だとどうしても長湯をしてしまい、それが原因でのぼせてしまうことも。湯につかるのは目安としては10分程度。体調を考慮しながら短めに切り上げるがよいでしょう。 気になる性生活。切迫早産、前置胎盤などトラブルのある人は控えて なかなか声に出して聞きにくいのが性生活ですが、挿入行為そのものが胎児に影響があるか否かはまだよく分かっていないのが現状です。ただ、挿入行為が細菌感染の原因になってしまうことは分かっています。また、精子が頸管の熟化を促したり、破水のきっかけを起こすことも分かっていますので、どうしても、という場合には必ずコンドームをつけるようにしましょう。それから腟への刺激、乳首への刺激は子宮収縮を促します。負担のかかるような行為はやめて、おだやかなセックスをするようにしてください。ただ、もともとおなかの張りが強い、切迫早産、前置胎盤だと分かっている人は控えたほうがいいですね。 煙草は当然NG!腰を圧迫するようなベルトも避けて 当然のことですが、妊娠したらタバコはやめましょう。喫煙で赤ちゃんが小さく生まれてしまうケースも報告されていますし、常位胎盤早期剥離の原因になるともいわれています。ご主人が喫煙者なら、一緒にやめるチャンスになりますね。妊婦さんは下半身を冷やさないようにとよくいわれます。冷え防止のためにと、幅広でウエストを締めつけるような帯やベルトは避けましょう。背骨と子宮の間にある下大静脈を締めつけるため、特に高齢出産の方に多い「静脈瘤りゅう」やむくみを起こしやすいからです。静脈溜はひどくなると立っているのもつらくなってきますので、もともと脚の血管が浮き出ている人は、着圧ソックスを履くなどして、脚の血行を促して静脈瘤を予防しましょう。ヒールの高いパンプスは転びやすいので危険なのはもちろんですが、身体が前のめりになることによって腰への負担がかかり、腰痛の原因になることも。歩きやすい低めのヒールやスニーカーなどにしましょう。 妊娠期間は食生活の見直しや、運動を取り入れる絶好のチャンス! 妊娠中期以降は自分自身の食生活や運動をチェック 最近の妊婦さんの傾向として、30代にめいいっぱい仕事をして、それから妊婦になる方が多くいらっしゃいます。おそらく食事や運動に気を使う時間も少なかったのではないでしょうか。妊婦だからといって「こうでなければいけない」という決まりは特にありません。ただ、妊娠は栄養面や生活面を見直すいいチャンスともいえます。出産後は忙しくてゆっくり考えられませんから、時間のある妊娠中に一度食生活を見つめ直したり、今までできなかったマタニティ用の運動を始めてみるのもおすすめです。 つわりの時期は無理をせず食べられるものを口にして 妊娠すると、たいていの人にやってくる「つわり」。ピークは8〜12週といわれています。英語ではモーニングシックネスといわれ、朝気分が悪かったり、嘔吐する人もいますが、仕事が終わって夕方からダウンしてしまう、という方も増えています。この時期は「一日三食は気にせず、食べたいときに食べられるものを」が基本です。しょっぱいものばかり食べたい人、さっぱりしたものしか食べられない人、はたまた何も受け付けない人……など人によって好みは大きく違ってきます。一気に食べると胃が張り、さらに気持ちが悪くなることも多いので、食べたい時には小分けにして食べましょう。ただ、食べたいからといって、合成着色料などの添加物が多いものをたくさん食べるのは考えもの。ベビーはまだ2〜4㎝くらい。栄養やカロリーはそれほど必要ありませんが、明らかに身体に悪そうなものは控えたいものです。また脱水症には注意しましょう。吐きづわりの人はもちろんですが、冬は暖房、夏は暑さで、妊婦さんは脱水症を起こしやすくなっています。脱水症により血液が濃くなるだけでなく、血液中のナトリウムやカリウムのバランスが崩れて身体への負担が大きくなってしまいます。水分はこまめに摂ることが第一。水が飲めない場合は、氷や冷たい飲料など口に含めるものでOKです。ひとつの目安として、つわりの時期に1〜2週間で体重が5%も落ちてしまう場合は要注意です。入院管理が必要な場合もありますから、すぐに主治医に相談してください。16週くらいまでにはほぼ落ち着いていきます。 妊娠中期〜後期の食事は栄養のバランスを意識して 妊娠初期に落ちていた食欲が、つわりの落ち着きとともに回復してくる妊娠中期〜後期。体重制限が気になる方も多いのでは?実はつい5〜6年前までは体重を制限することが多かったのですが、厳しい体重制限により赤ちゃんの出生時の体重が低くなることが問題になり、ここ最近ではさほど厳しくなくなってきました。目安としては出産前のBMI(BodyMassIndex)が18〜22と一般的なものであれば9〜12㎏増やしてもよいとされています(※指数の計算は右コラムを参照)。BMIが30を超える場合は、体重制限が必要になりますので、注意してください。また、母体自体がやせていると切迫早産のリスクが高まり、赤ちゃんの低体重も予想されますので、この場合も主治医との相談が必要になります。妊婦さんの身体は、血液中のコレステロールや中性脂肪が高くなりやすいのが特徴です。まずはスナック系の油の成分や塩分はなるべく控え、バランスのいい食事をできる限り摂りたいですね。貧血にもなりやすいので、鉄分やビタミンB12が豊富なレバー、海藻類、豚肉などを積極的に摂るとよいでしょう。また、便秘にもなりがち。朝起きたらすぐに水を飲み、排便する習慣をつけたいものです。ただ、あまりに苦しい場合は、下剤を処方してもらいましょう。特に年齢の高い妊婦さんの場合は、動脈硬化を防ぐビタミンCや葉酸を、サプリメントでもかまわないので積極的に取り入れてほしいです。また、20代とは骨密度も異なりますから、ヨーグルトや小魚などのカルシウムも意識的に摂取するとよいと思います。 妊娠中の運動は専門の教室で受けるのが安心 妊婦さんが運動をしてOKなのは16〜20週以降とされています。実際に、妊娠中に運動をしていた人のほうが動脈硬化を抑えられた、不眠を解消できた、またお産が楽だったというデータもあります。切迫早産や前置胎盤の危険がなく、健康な状態で生活を送れている方は積極的にやってほしいですね。ただし、ジャンプをしたりして身体に負担のかかる運動や格闘技系のものはおすすめできません。自分で運動するならウォーキング、また家のなかでスクワットをして下半身を鍛えたり、あぐらの姿勢をして身体を柔軟にしておくのもおすすめです。教室であればマタニティビクス、マタニティスイミングなどが、最近さまざまあります。妊婦さん専門のクラスなので、運動の強度を考慮し、メディカルチェックされたプログラムのはずなので安心でしょう。また、こういった教室に行くことで妊婦さんの友達ができる、という大きなメリットもあります。同じ状況の友達が見つかることで、妊婦ならではの悩みや不安を分かち合うこともできますので、ぜひトライしてみてはいかがでしょう。 川端 伊久乃 先生 医学博士。女性スポーツ医学研究会幹事、日本周産期新生児学会周産期(母体・胎児)専門医として活躍。プライベートでは小学校2年の女の子をもつワーキングママでもあります。
2014.5.16
コラム 妊娠・出産
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市販薬、漢方薬、サプリメント。 必ず相談しながら服用しましょう
市販薬には必要でない成分も含まれるので注意が必要! 今まで普通に買って飲んでいた市販薬には、場合によっては使用をおすすめできないものもあるので注意しましょう。ただ、妊娠に気づかない時期に市販薬を服用してしまったということがありますが、妊娠1カ月まで(妊娠4週未満)の服用であれば問題ありません。まず風邪薬ですが、市販薬には複数の成分(特に多いものでは10種類以上)が含まれていて、なかには必要でないものもあります。妊娠が分かっていればやめる、もしくは主治医に処方してもらうのがベストです。特に、熱を下げる成分である非ステロイド性抗炎症薬のイブプロフェンは、妊娠後期に続けて使うと、胎児の心臓に近い動脈管に影響がある場合があり、生まれてからも後遺症が残ることがあります。また、最近、痛みどめとしてよく市販されているロキソニンも妊娠後期の服用は避けましょう。湿疹など皮膚疾患の治療に使う外用薬は、塗布した部分だけに作用するので、通常の用法・用量を守れば使用できます。また点鼻薬や目薬は用法、用量を守っていれば問題ありません。 漢方薬は専門家に相談して服用を いろいろな症状に対して、漢方、生しょう薬やくのほうが安心なのでは?という声がよくありますが、漢方、生薬だから安心、とは言い切れません。海外の例ですが、甘かん草ぞうという成分を摂り過ぎたために、妊娠後期に悪影響が出たという報告もあります。もちろん安全性が高いものはいろいろあるので、必要な場合には専門家に相談して正しく摂取するようにしましょう。 サプリメントは種類によっては積極的摂取を ウイルスによって母子への影響が変わる感染症。かかってしまってもあせらず主治医と相談を 妊娠期に避けたい感染症 妊娠中のサプリメントの摂取ですが、最近厚生労働省からも推奨されているものとして、ビタミンBの一種である葉酸があげられます。葉酸の摂取によって、先天異常のひとつである脳神経管閉鎖障害の、リスクを下げられることが分かり、推奨されているもので、2002年から母子手帳にもその記載がされています。葉酸の摂取はできれば妊娠前からが有効とされていて、食事に加え、サプリメントで1日0.4㎎を摂取できるとよいと言われています。ホウレン草やブロッコリーに含まれている葉酸は、サプリメントとしても一般的です。また、海外のデータに、ビタミンAに含まれるレチノールという成分の摂り過ぎによって先天異常が増えたという報告もされています。ビタミンAを過剰に摂らないようにしましょう。妊婦さん向けのサプリメントもたくさんありますので、栄養バランスに心配のある人は、用量を守って摂取するとよいでしょう。 「風しん」は妊娠前半での感染に注意! 感染症のなかでもっとも胎児に影響があるといわれているのが風しんです。たいていの産婦人科で風しんの検査をしますが、もし家族やご主人にも風しんの免疫がない場合には、予防接種をしておきましょう。妊娠3~20週の妊娠前半に感染してしまうと、赤ちゃんが先天性心疾患、白内障、難聴、緑内障などにかかる可能性があります。その場合は、主治医と相談を重ねて、経過を観察していく必要があります。妊娠20週を過ぎると、赤ちゃんには影響は少ないと考えられています。 妊娠初期、中期とで影響が変わる「水ぼうそう」 ヘルペスウイルスの1つである水痘・帯状疱疹ウイルスによる水ぼうそう。幼児のうちにたいていの人がかかる病気ですが、未感染の場合は妊娠前の予防接種が必要です。妊娠20週未満に感染してしまった場合、約2%の胎児が低出生体重、小頭症、四肢低形成などの症状が現れる「先天性水痘症候群」になるといわれ、妊娠20週から出産21日前までの場合では、胎児の9%が乳幼児期に帯状疱疹を発症するといわれています。ただ、水ぼうそうの場合は妊娠中に服用可能なヘルペスウイルスの薬もあるので、必要に応じて処方してもらいましょう。水ぼうそうの抗体を持っていない可能性が高い場合、家族が感染してしまった場合、グロブリン注射で対処することもできます。 赤ちゃんへの影響は少ない「おたふく」と「はしか」 おたふくとはしかも、よく知られる感染症です。ムンプスウイルスによるおたふくは、発病すると発熱や耳の下のリンパ腺が腫はれたりします。赤ちゃんの感染は生まれた後の血液検査で分かりますが、今のところおたふくによる赤ちゃんへの先天異常はないとされています。また、はしかウイルスによるはしかは、妊娠のごく初期にかかった場合、流産の危険性がありますが、胎児への影響はほとんどありません。ただ、大人がはしかになると重症化する恐れがあり、流産や早産の危険性が高まるので注意しましょう。 妊娠中でも予防接種を受けたい「インフルエンザ」 特に冬場に妊娠期間を過ごす妊婦さんに注意が必要なのがインフルエンザです。海外のデータでは妊婦がインフルエンザにかかると重症化しやすいという例もあります。かかってしまった場合ですが、一般的に処方されるタミフルⓇ、リレンザⓇが胎児に影響を与える可能性は低く、妊婦でも服用が可能です。まずは、予防接種、手洗い、うがいを徹底することが大切です。 妊娠中にかかると胎児の3割が感染する「りんご病」 主に幼児が感染する「りんご病(伝染性紅斑)」はパルボウイルスB19というウイルスによるものです。幼児の場合、発熱したりほっぺたに赤い斑点ができたりしますが、大人は斑点が出ない場合も多く、風邪のような症状だけで終わるケースもあります。妊娠20週未満の妊婦さんがりんご病に感染するとその約30%が胎児にも感染し、そのうち3分の1で胎児貧血や胎児水腫、あるいは胎児死亡など、胎児に異変が現れる可能性があります。もともと大人になってりんご病に感染するのはまれだといわれています。 出産するまでに完治しておきたい「性器ヘルペス」 単純ヘルペスウイルスが原因の性感染症の一種。外陰部にかぶれや水疱ができます。治ったように見えてもウイルスは死滅せず体内に残るため、体の抵抗力が落ちたときに再発することがあります。産道から赤ちゃんに感染すると、赤ちゃんが肺炎や脳炎を起こすことがあるので、妊娠中でも抗ウイルス薬を使って治療します。出産前までに完治していない場合は、帝王切開で出産することになります。 ペットがいる場合は注意したい「トキソプラズマ症」 加熱が不十分な肉、犬、猫、鳥に寄生する原虫が原因とされています。トキソプ加熱が不十分な肉、犬、猫、鳥に寄生する原虫が原因とされています。トキソプラズマ症は、実は多くの人が知らないうちに感染し、感染しても無症状で気づかないことが多いのも特徴です。妊娠中に初めてトキソプラズマ症にかかると、ごくまれですが胎盤を通して胎児が先天性トキソプラズマ症に感染し、水頭症、網脈絡膜炎、脳内石灰化などを起こすことがあります。特にペットを飼っている人は、糞をすぐに片づける、口移しでえさを与えない、手をよく洗う、など予防対策を徹底してください。 渡邉 央美 先生 大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院及び関連病院にて産婦人科医として勤務後、2005年より「妊婦・胎児に対する服薬の影響」に関する相談・情報収集を実施している妊娠と薬情報センター 専任医師として勤務。 市販薬には必要でない成分も含まれるので注意が必要! 今まで普通に買って飲んでいた市販薬には、場合によっては使用をおすすめできないものもあるので注意しましょう。ただ、妊娠に気づかない時期に市販薬を服用してしまったということがありますが、妊娠1カ月まで(妊娠4週未満)の服用であれば問題ありません。まず風邪薬ですが、市販薬には複数の成分(特に多いものでは10種類以上)が含まれていて、なかには必要でないものもあります。妊娠が分かっていればやめる、もしくは主治医に処方してもらうのがベストです。特に、熱を下げる成分である非ステロイド性抗炎症薬のイブプロフェンは、妊娠後期に続けて使うと、胎児の心臓に近い動脈管に影響がある場合があり、生まれてからも後遺症が残ることがあります。また、最近、痛みどめとしてよく市販されているロキソニンも妊娠後期の服用は避けましょう。湿疹など皮膚疾患の治療に使う外用薬は、塗布した部分だけに作用するので、通常の用法・用量を守れば使用できます。また点鼻薬や目薬は用法、用量を守っていれば問題ありません。 漢方薬は専門家に相談して服用を いろいろな症状に対して、漢方、生しょう薬やくのほうが安心なのでは?という声がよくありますが、漢方、生薬だから安心、とは言い切れません。海外の例ですが、甘かん草ぞうという成分を摂り過ぎたために、妊娠後期に悪影響が出たという報告もあります。もちろん安全性が高いものはいろいろあるので、必要な場合には専門家に相談して正しく摂取するようにしましょう。 サプリメントは種類によっては積極的摂取を ウイルスによって母子への影響が変わる感染症。かかってしまってもあせらず主治医と相談を 妊娠期に避けたい感染症 妊娠中のサプリメントの摂取ですが、最近厚生労働省からも推奨されているものとして、ビタミンBの一種である葉酸があげられます。葉酸の摂取によって、先天異常のひとつである脳神経管閉鎖障害の、リスクを下げられることが分かり、推奨されているもので、2002年から母子手帳にもその記載がされています。葉酸の摂取はできれば妊娠前からが有効とされていて、食事に加え、サプリメントで1日0.4㎎を摂取できるとよいと言われています。ホウレン草やブロッコリーに含まれている葉酸は、サプリメントとしても一般的です。また、海外のデータに、ビタミンAに含まれるレチノールという成分の摂り過ぎによって先天異常が増えたという報告もされています。ビタミンAを過剰に摂らないようにしましょう。妊婦さん向けのサプリメントもたくさんありますので、栄養バランスに心配のある人は、用量を守って摂取するとよいでしょう。 「風しん」は妊娠前半での感染に注意! 感染症のなかでもっとも胎児に影響があるといわれているのが風しんです。たいていの産婦人科で風しんの検査をしますが、もし家族やご主人にも風しんの免疫がない場合には、予防接種をしておきましょう。妊娠3~20週の妊娠前半に感染してしまうと、赤ちゃんが先天性心疾患、白内障、難聴、緑内障などにかかる可能性があります。その場合は、主治医と相談を重ねて、経過を観察していく必要があります。妊娠20週を過ぎると、赤ちゃんには影響は少ないと考えられています。 妊娠初期、中期とで影響が変わる「水ぼうそう」 ヘルペスウイルスの1つである水痘・帯状疱疹ウイルスによる水ぼうそう。幼児のうちにたいていの人がかかる病気ですが、未感染の場合は妊娠前の予防接種が必要です。妊娠20週未満に感染してしまった場合、約2%の胎児が低出生体重、小頭症、四肢低形成などの症状が現れる「先天性水痘症候群」になるといわれ、妊娠20週から出産21日前までの場合では、胎児の9%が乳幼児期に帯状疱疹を発症するといわれています。ただ、水ぼうそうの場合は妊娠中に服用可能なヘルペスウイルスの薬もあるので、必要に応じて処方してもらいましょう。水ぼうそうの抗体を持っていない可能性が高い場合、家族が感染してしまった場合、グロブリン注射で対処することもできます。 赤ちゃんへの影響は少ない「おたふく」と「はしか」 おたふくとはしかも、よく知られる感染症です。ムンプスウイルスによるおたふくは、発病すると発熱や耳の下のリンパ腺が腫はれたりします。赤ちゃんの感染は生まれた後の血液検査で分かりますが、今のところおたふくによる赤ちゃんへの先天異常はないとされています。また、はしかウイルスによるはしかは、妊娠のごく初期にかかった場合、流産の危険性がありますが、胎児への影響はほとんどありません。ただ、大人がはしかになると重症化する恐れがあり、流産や早産の危険性が高まるので注意しましょう。 妊娠中でも予防接種を受けたい「インフルエンザ」 特に冬場に妊娠期間を過ごす妊婦さんに注意が必要なのがインフルエンザです。海外のデータでは妊婦がインフルエンザにかかると重症化しやすいという例もあります。かかってしまった場合ですが、一般的に処方されるタミフルⓇ、リレンザⓇが胎児に影響を与える可能性は低く、妊婦でも服用が可能です。まずは、予防接種、手洗い、うがいを徹底することが大切です。 妊娠中にかかると胎児の3割が感染する「りんご病」 主に幼児が感染する「りんご病(伝染性紅斑)」はパルボウイルスB19というウイルスによるものです。幼児の場合、発熱したりほっぺたに赤い斑点ができたりしますが、大人は斑点が出ない場合も多く、風邪のような症状だけで終わるケースもあります。妊娠20週未満の妊婦さんがりんご病に感染するとその約30%が胎児にも感染し、そのうち3分の1で胎児貧血や胎児水腫、あるいは胎児死亡など、胎児に異変が現れる可能性があります。もともと大人になってりんご病に感染するのはまれだといわれています。 出産するまでに完治しておきたい「性器ヘルペス」 単純ヘルペスウイルスが原因の性感染症の一種。外陰部にかぶれや水疱ができます。治ったように見えてもウイルスは死滅せず体内に残るため、体の抵抗力が落ちたときに再発することがあります。産道から赤ちゃんに感染すると、赤ちゃんが肺炎や脳炎を起こすことがあるので、妊娠中でも抗ウイルス薬を使って治療します。出産前までに完治していない場合は、帝王切開で出産することになります。 ペットがいる場合は注意したい「トキソプラズマ症」 加熱が不十分な肉、犬、猫、鳥に寄生する原虫が原因とされています。トキソプ加熱が不十分な肉、犬、猫、鳥に寄生する原虫が原因とされています。トキソプラズマ症は、実は多くの人が知らないうちに感染し、感染しても無症状で気づかないことが多いのも特徴です。妊娠中に初めてトキソプラズマ症にかかると、ごくまれですが胎盤を通して胎児が先天性トキソプラズマ症に感染し、水頭症、網脈絡膜炎、脳内石灰化などを起こすことがあります。特にペットを飼っている人は、糞をすぐに片づける、口移しでえさを与えない、手をよく洗う、など予防対策を徹底してください。 渡邉 央美 先生 大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院及び関連病院にて産婦人科医として勤務後、2005年より「妊婦・胎児に対する服薬の影響」に関する相談・情報収集を実施している妊娠と薬情報センター 専任医師として勤務。
2014.5.16
コラム 妊娠・出産
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卵から胎児へ。妊娠初期は人間としての基礎ができる大切な時
生まれてくる日まで大切にはぐくむために ひとつの卵子と精子が出合い、誕生した新しい命。それはとても神秘的で、奇跡ともいえるでしょう。おなかの中から外の世界に生まれ出てくる日まで、小さな命を大切にはぐくんでいきましょう。トラブルなく安全に10カ月を過ごすために、注意点はいろいろありますが、とりわけ生殖医療を受けて命を授かった女性が、気をつけなくてはいけないことはあるのでしょうか?吉村先生にお聞きしました。「日本で生殖医療を受ける方は、年齢の高い方が多くなっています。欧米との比較で、平均で2歳くらい高いというデータがあります。ですから、生殖医療を経て妊娠された方も、年齢が高い方が多いのが現状です。年齢による合併症のリスクも考えながら、妊娠期間を過ごすことが重要です」 流産が起こりやすい妊娠初期は安静に過ごしましょう 妊娠が判明するのは、早くて妊娠4週頃。超音波検査で、子宮の中に赤ちゃんが入った袋(胎のう)が確認できると、正常な妊娠と診断されます。「妊娠初期は、流産に気をつけなければいけない時期。平均すると、15%くらいの妊婦さんに、流産が起こります。40歳以上ですと、30〜40%と非常に高い確率になります。流産は、ある程度は自然に起こる、防ぎようのないものですが、注意して安静に過ごすことが大事です」(吉村先生)出血、おなかの張り、痛みなどが出た場合には、すぐに病院に行きましょう。妊娠6〜7週になり、胎のうの中に赤ちゃんの心拍が確認できると、流産の危険はかなり減少します。ここまでくればひと安心。つわりがつらい時期でもありますが、赤ちゃんからの「元気に成長しているよ」というメッセージだと考え、気分転換しながら乗り切りましょう。妊娠初期は赤ちゃんの主要な器官が形成される大切な時期。有害因子の影響を受けやすいので、自己判断での薬の服用は避け、飲酒・喫煙は早いうちにやめましょう。 バランスのよい食事で胎児にも栄養を送りましょう 妊娠4カ月頃になると、つわりもそろそろ終了。これまでの反動で、食欲に火がつくことがあります。極端な食べ過ぎは厳禁ですが、最近では以前のような体重増加制限はなくなってきているそうです。「新生児の体重は20年前と比べると200gも減り、平均が2800gくらいになっています。これは大変なことです。今はやせている女性が多くなっていて、お母さんの栄養障害が胎児の成長に影響しているのかもしれません。バーカー仮説というのがあるのですが、低出生体重児は将来、生活習慣病につながる可能性があると考えられています。生まれてくる子の将来のために、妊婦さんは健診をきちんと受け、食事のコントロールをして、適正に体重を増やしていくことが、とても大事です」(吉村先生) 安定期はバランスのいい食事と適度な運動を心がけましょう 胎盤が完成し、大きなトラブルもなく過ごせる中期(5〜7カ月)は、妊婦さんには最も過ごしやすい時期。ヨガやウォーキング、水泳などの運動は、急激な体重増加を防止し、気分転換やリフレッシュにも最適です。この時期は赤ちゃんの機能も発達し、活発に動くようになり、ほとんどの人が胎動を感じるようになります。おなかも妊婦さんらしく大きくなり、母親になる実感がますます強くなってくるでしょう。中期から後期にかけて注意するべきポイントはどんなところなのでしょうか?「最も注意したいのは、妊娠高血圧症候群です。年齢の高い妊婦さんは妊娠高血圧症候群にかかる確率が高くなります。また一般的に、年齢が高くなれば、糖尿病などの内科的な合併症も増えます。病気が原因で、胎児機能不全になったり、早産を起こすこともあります」(吉村先生)安定した時期ではありますが、おなかの張りや、出血、体の異変は見逃さないよう、常に注意しておきましょう。予防のためには、塩分を控えたバランスのよい食事が大切。そして何も問題ないと思っても、定期健診には必ず行き、医師の指示を受けましょう。 体外受精で生まれる子は自然妊娠の子と違うの? 体外受精で妊娠された方のなかには、無事に赤ちゃんが生まれてくるのか、障害や奇形はないのかということを気にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「2009年のデータによると、日本では全妊娠の2.5%、40人に1人が体外受精関連技術で生まれています。今の研究では、先天奇形率に関しては、体外受精と一般の妊娠で差がないとされています。またヨーロッパでは、体外受精で生まれた子どもは、知能レベルが平均よりも高いというデータも出ています。現在のところ体外受精による妊娠でも、心配なさることはないと思います。しかしながら、10年、15年後の成長を追いかけたデータは、日本にはありません。これだけ体外受精で生まれる子どもが増えているのですから、今後はさまざまな観点から、長期的な成長を追って見ていくべきだと感じています」(吉村先生) 出産まであともう少し。1日でも長くおなかの中に 8カ月を過ぎると、子宮がさらに大きくなり、妊婦さんは動悸や腰痛などの症状が増えてきます。妊娠後期に、一番気をつけなければいけないのが早産。低体重で生まれてくると、脳や呼吸器に障害が出る可能性があります。34週を過ぎれば、赤ちゃんは外界でも生きていけるくらいまでに機能は発達していますが、産後の合併症のリスクを減らすために、1日でも長くおなかの中にいさせてあげることが大切です。おなかが張りやすい、疲れやすいと感じたら、無理をせず、すぐに横になり、安静にしましょう。10カ月の妊婦生活のゴールはもうすぐ。赤ちゃんもお母さんに会える日を楽しみにしています。 吉村 典 先生 慶應義塾大学医学部卒業。1983年から米国ペンシルバニア病院、米国ジョーンズ・ホプキンズ大学勤務、1990年から杏林大学医学部産婦人科助教授を経て、1995年から慶應義塾大学医学部産婦人科教授に。現在、日本生殖医学会理事長および日本産科婦人科内視鏡学会理事長。2011年6月まで日本産科婦人科学会理事長を務める。 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のリスク(1)~妊娠が原因で起こる病気~ 妊娠中の甘いもの。人工甘味料なら大丈夫? 妊娠中のつらい腰痛、ナースがその対策を教えます! 唾液や鼻水が増えるのは妊娠の初期症状? 妊娠初期にはおりもののニオイが変わるって本当? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 生まれてくる日まで大切にはぐくむために ひとつの卵子と精子が出合い、誕生した新しい命。それはとても神秘的で、奇跡ともいえるでしょう。おなかの中から外の世界に生まれ出てくる日まで、小さな命を大切にはぐくんでいきましょう。トラブルなく安全に10カ月を過ごすために、注意点はいろいろありますが、とりわけ生殖医療を受けて命を授かった女性が、気をつけなくてはいけないことはあるのでしょうか?吉村先生にお聞きしました。「日本で生殖医療を受ける方は、年齢の高い方が多くなっています。欧米との比較で、平均で2歳くらい高いというデータがあります。ですから、生殖医療を経て妊娠された方も、年齢が高い方が多いのが現状です。年齢による合併症のリスクも考えながら、妊娠期間を過ごすことが重要です」 流産が起こりやすい妊娠初期は安静に過ごしましょう 妊娠が判明するのは、早くて妊娠4週頃。超音波検査で、子宮の中に赤ちゃんが入った袋(胎のう)が確認できると、正常な妊娠と診断されます。「妊娠初期は、流産に気をつけなければいけない時期。平均すると、15%くらいの妊婦さんに、流産が起こります。40歳以上ですと、30〜40%と非常に高い確率になります。流産は、ある程度は自然に起こる、防ぎようのないものですが、注意して安静に過ごすことが大事です」(吉村先生)出血、おなかの張り、痛みなどが出た場合には、すぐに病院に行きましょう。妊娠6〜7週になり、胎のうの中に赤ちゃんの心拍が確認できると、流産の危険はかなり減少します。ここまでくればひと安心。つわりがつらい時期でもありますが、赤ちゃんからの「元気に成長しているよ」というメッセージだと考え、気分転換しながら乗り切りましょう。妊娠初期は赤ちゃんの主要な器官が形成される大切な時期。有害因子の影響を受けやすいので、自己判断での薬の服用は避け、飲酒・喫煙は早いうちにやめましょう。 バランスのよい食事で胎児にも栄養を送りましょう 妊娠4カ月頃になると、つわりもそろそろ終了。これまでの反動で、食欲に火がつくことがあります。極端な食べ過ぎは厳禁ですが、最近では以前のような体重増加制限はなくなってきているそうです。「新生児の体重は20年前と比べると200gも減り、平均が2800gくらいになっています。これは大変なことです。今はやせている女性が多くなっていて、お母さんの栄養障害が胎児の成長に影響しているのかもしれません。バーカー仮説というのがあるのですが、低出生体重児は将来、生活習慣病につながる可能性があると考えられています。生まれてくる子の将来のために、妊婦さんは健診をきちんと受け、食事のコントロールをして、適正に体重を増やしていくことが、とても大事です」(吉村先生) 安定期はバランスのいい食事と適度な運動を心がけましょう 胎盤が完成し、大きなトラブルもなく過ごせる中期(5〜7カ月)は、妊婦さんには最も過ごしやすい時期。ヨガやウォーキング、水泳などの運動は、急激な体重増加を防止し、気分転換やリフレッシュにも最適です。この時期は赤ちゃんの機能も発達し、活発に動くようになり、ほとんどの人が胎動を感じるようになります。おなかも妊婦さんらしく大きくなり、母親になる実感がますます強くなってくるでしょう。中期から後期にかけて注意するべきポイントはどんなところなのでしょうか?「最も注意したいのは、妊娠高血圧症候群です。年齢の高い妊婦さんは妊娠高血圧症候群にかかる確率が高くなります。また一般的に、年齢が高くなれば、糖尿病などの内科的な合併症も増えます。病気が原因で、胎児機能不全になったり、早産を起こすこともあります」(吉村先生)安定した時期ではありますが、おなかの張りや、出血、体の異変は見逃さないよう、常に注意しておきましょう。予防のためには、塩分を控えたバランスのよい食事が大切。そして何も問題ないと思っても、定期健診には必ず行き、医師の指示を受けましょう。 体外受精で生まれる子は自然妊娠の子と違うの? 体外受精で妊娠された方のなかには、無事に赤ちゃんが生まれてくるのか、障害や奇形はないのかということを気にしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。「2009年のデータによると、日本では全妊娠の2.5%、40人に1人が体外受精関連技術で生まれています。今の研究では、先天奇形率に関しては、体外受精と一般の妊娠で差がないとされています。またヨーロッパでは、体外受精で生まれた子どもは、知能レベルが平均よりも高いというデータも出ています。現在のところ体外受精による妊娠でも、心配なさることはないと思います。しかしながら、10年、15年後の成長を追いかけたデータは、日本にはありません。これだけ体外受精で生まれる子どもが増えているのですから、今後はさまざまな観点から、長期的な成長を追って見ていくべきだと感じています」(吉村先生) 出産まであともう少し。1日でも長くおなかの中に 8カ月を過ぎると、子宮がさらに大きくなり、妊婦さんは動悸や腰痛などの症状が増えてきます。妊娠後期に、一番気をつけなければいけないのが早産。低体重で生まれてくると、脳や呼吸器に障害が出る可能性があります。34週を過ぎれば、赤ちゃんは外界でも生きていけるくらいまでに機能は発達していますが、産後の合併症のリスクを減らすために、1日でも長くおなかの中にいさせてあげることが大切です。おなかが張りやすい、疲れやすいと感じたら、無理をせず、すぐに横になり、安静にしましょう。10カ月の妊婦生活のゴールはもうすぐ。赤ちゃんもお母さんに会える日を楽しみにしています。 吉村 典 先生 慶應義塾大学医学部卒業。1983年から米国ペンシルバニア病院、米国ジョーンズ・ホプキンズ大学勤務、1990年から杏林大学医学部産婦人科助教授を経て、1995年から慶應義塾大学医学部産婦人科教授に。現在、日本生殖医学会理事長および日本産科婦人科内視鏡学会理事長。2011年6月まで日本産科婦人科学会理事長を務める。 ■ あわせて読みたい ■ 妊娠中のリスク(1)~妊娠が原因で起こる病気~ 妊娠中の甘いもの。人工甘味料なら大丈夫? 妊娠中のつらい腰痛、ナースがその対策を教えます! 唾液や鼻水が増えるのは妊娠の初期症状? 妊娠初期にはおりもののニオイが変わるって本当? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2014.5.16
コラム 妊娠・出産
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ゆうこりーさん(38歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 高温期に体温が低くなる日が多く不安定 ・高温期の上昇が遅い ・高温期の途中で陥落が見られる ・周期が不安定 ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・肌が乾燥しやすい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・月経中に体が冷える ・風邪を引きやすい ・落ち込みやすい ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じり、塊がでると月経痛が軽減する 直永せつ子 先生 (ナオエ夢鍼灸院 近江八幡院) 私自身の体の異常を知ったのは、20歳を過ぎた頃でした。 以前からの生理不順に増して、生理前の激しい腹痛と40度近い発熱が続き生理が来なくなり出したため地元の内科さんで熱だけでも下げてもらおうと診察を受けると、これは婦人科さんに行ったほうがいいよと言われました。悩みましたが、嫌々ながらも仕方なく婦人科を訪ねることにしました。 初診では解らず、幾度か内診や検査、基礎体温表をつけながら受診をしてしばらくした頃に、子宮奇形に伴う卵巣萎縮、無排卵性月経、経血が卵管へ逆流して起きている事がわかりました。 その時先生から『結婚していない若い女性にこんなこと言うのは言いにくいのですが、おそらく今の医学では結婚してもお子さんは望めないことは覚悟しといて下さい』と言われた時は、まさか自分が子供の出来ない体なんて思ってもいなかった事で、なんで?どうして?と半信半疑信じたくない事実に、どのようにして帰宅したかわからないほどショックを受けました。 女性として結婚や出産の体験は夢であったし、どちらも私には望めないと思うと涙が止まりませんでした。思ってもいなかった結果に日々ストレスが積もり、御夫婦連れや赤ちゃんを見るのも辛くおぞましくなっていきました。 でも少しでも何とかしていただけないかとお願いすると、生理前に起こる高熱を下げる治療と無排卵月経の治療を薬と注射でしていただくことになり、定期的に通院する日々となりした、しかし3年余り過ぎても一向に芳しく無いのと、通院中待合室で、見たくなくても目に入る妊婦さんの姿や会話を聞くことの辛さと、焦り、疲れイライラも極限となり精神状態もおかしくなっていきました。 そんな時今の院長と知り合い『どこまでよくなるか解らないけど、東洋医学の治療で自分に出来る限りの治療をして後は神様・仏様におまかせして』と言ってくれて東洋医学の治療と結婚と同時スタートすることになりました。 楽しいはずの新婚時代も、私の頭の中は毎日毎日子供が出来るだろうか?とばかりで、基礎体温表症候群でした。低温期しかないだの、高温期がないだの、月経が来てしまっただのその都度泣いて落ち込む日々の連続でした。そんな私に対して主人は根気よく付き合ってくれました。おかげさまで約2年半余りが過ぎ一人の娘を授かる事できた時は、奇跡としか言えない夢のような事実に涙しました。長く辛い年月でしたが、主人の協力と優しさで救われ事に感謝しています。 そして、神様が私にくださった奇跡に、少しでもお返しが出来たらよいのにといつも思っていました。 そんなある時、主人から女性の鍼灸師として出来ることは、私が体験した同じ悩みを抱える女性に、お子さんが授かるよう不妊治療をさせて頂くことでないかなとアドバイスを受けました。 この様なことから、私の体験も踏まえながら、少しでもより多くの女性にお子さんが授かる事を日々願いながら治療をさせて頂いております。又、来院して頂いている女性の中には、お子さんが授からない事のストレスやプレッシャーに加え、日常生活の疲労、人間関係や環境で悩みを持っている人も多く、体ばかりか精神的にも負担のかかった方がいらっしゃいます。 個人個人の持つ負担を少しでも軽減、改善し解消していただいて、心身共に健康な状態になるようにと願って毎日治療させていただいてます。 治療の結果お子さんがお出来になるたび、あの頃を思い出し夫婦共々涙が出るほど嬉しい思いをさせていただいております。 日本不妊カウンセリング学会認定 不妊カウンセラー 直永 せつ子 ≫ ナオエ夢鍼灸院 近江八幡院高温期でも低くなる日が多い、上昇が遅い、途中で陥落するなどは、病院の検査で黄体機能不全と診断されるかもしれませんが、東洋医学ではストレスや冷えが原因であるとも考えます。 また、周期の不安定さも環境の変化、体調やストレスが影響しやすいのです。 なかなか基礎体温が綺麗なグラフにならないと、朝から憂うつになってしまいますよね。 しかし、自分の症状を心配して不安になることがストレス源になってしまうこともあるかもしれません。 体調や精神的なストレス、疲労状態は日によっても違います。 また、寝る時間や入浴の仕方、睡眠の質、さらに冷えによっても、基礎体温は不安定になります。 私の治療所でも同じような悩みで、月経が来てないのに「来てしまう! 」と、悲観する方がいます。 しかし、冷えをとる治療をしながら衣食住の生活改善をして体調を整え、ストレスのもとである基礎体温を計ることを休憩すると、良い方向に向かう方も多くいます。 月経痛や、レバー状の塊があったり、色が赤黒いとのことですが、子宮内膜症や子宮筋腫や子宮の位置異常などの病気でなければ、東洋医学的には「瘀血(おけつ)」と言われる状態で、冷えが原因と考えます。 子宮は冷えていると収縮がきついので月経痛がおきやすくなります。体の内外から冷えない状態に改善すると、月経前や月経中のいやな症状も改善されるはずです。 また、子宮内膜は冷えや、排卵誘発剤の使用で薄くなったり、たとえ厚みがあってもフカフカでなければ着床しにくくなる場合があります。 さらに足腰の冷え、月経中の冷え、腰がだるい、風邪をひきやすい、肌の乾燥といった自覚症状をお持ちですが、体質や環境で血流が悪くなってしまったり、免疫力が低下したり、東洋医学でいうところの「腎」の機能低下がおきて、冷えやすくなったのではないでしょうか。 流産も子宮への血流不足、冷えが原因する場合もあります。 ゆうこりーさんの症状は鍼灸治療で改善されると思います。 治療や養生法は個人の体質や環境で違いますが、まずは衣食住で冷やさない、睡眠や休養をとることが大切。 妊娠しやすい心身の環境にしましょうね。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【治ってさん(43歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・低温期の体温が高め(36.5 度~) ・月経が始まっても体温がなかなか下がらない ・レバー状の塊や、粘膜のような塊がある ・高プロラクチン血症である ・寝不足の日が多い ・のどが渇きやすく肌が乾燥しやすい ・月経中に体が冷える ・風邪を引きやすい 上野晃 先生 (ゆとり鍼灸治療院) ・明治鍼灸大学卒業、国際東洋医療専門学校卒業 ・明治東洋医学院教員養成学科卒業 ・元国際東洋医療専門学校、学科長補佐 ・元大阪医療学園専門学校、学科長 ・大阪大学歯学部第二解剖学教室研究員に所属 ・漢方アドバイザー資格取得 ・社団法人交通事故治療協会会員 ・運動機能訓練士 ・不妊カウンセリング学会会員 ・現在、森ノ宮医療大学にて東洋医学専攻講師 鍼灸師の道を志し、大学時代から常に臨床や研究に明け暮れていました。 教員になってからは、後進の指導の為に更なる知識と臨床経験が必要だと考え、現在の「ゆとり鍼灸治療院・整骨院」をオープンさせました。 意外な事ですが、開院当初から相談が多かったのが、運動器疾患より婦人科疾患での悩みでした。 私が不妊治療を専門に行おうと思ったのは婦人科疾患で通われていたA様がきっかけでした。 A様は2人目のお子様が欲しいという思いで来院されました。 「妊娠するけれども、すぐに流産してしまう。お医者さんにもさじを投げられた。どうすればいいかわからない。」 憔悴しきったA様に、私は ・『妊娠しない』『育たない』のではなく、何かが原因で『妊娠しにくい』『育ちにくい』だけ。 ・さじを投げられたのなら、むしろ体質改善をした方が効果は高い。 ・胎児を維持する力が弱まっているだけなので、まずそこを改善しましょう! とお話させて頂き、A様の疑問や質問にしっかりとお答えしていき、治療を始めました。 継続して治療を行うと「生理の状態」や「冷えの状態」が改善していきます。 『気持ちも前向きになった』と嬉しいお言葉も頂きました。 治療を初めて1年と半年後、安定期に入ったA様が『ゆとり治療院に来てよかった。この数か月はまたダメになるんじゃないかと心配だったけど、上野先生が不安を取り払ってくれた。』と涙を流しながらおっしゃられました。 不妊治療を継続して行くには身体もこころも金銭的にも大きな負担がかかります。 『私が出来る事はなんだろう』と考えた時、早く妊娠するようなお手伝いをし、金銭的な負担を減らし、不安があればそれを取り除いてこころの負担を減らし、身体(体質)を変える事で健康力を上げ身体の負担を減らす事。これが私に出来る事だと考えました。 ゆとり治療院へ通って頂き、妊娠・出産された方のお顔を見るとこの仕事をしていて良かったと一番実感できる時間でもあります。 『すべての方に妊娠して頂きたい!』これが私達、ゆとり治療院スタッフの思いです。 ≫ ゆとり鍼灸治療院治ってさんは、高プロラクチン血症があるのですね。 高プロラクチン血症は排卵が抑制され、低温期の黄体ホルモン値が高い場合に低温期の体温が高くなり、月経が始まっても体温がなかなか下がらない現象がみられることがあります。 プロラクチンは脳の下垂体前葉から分泌されるホルモン。 高プロラクチン血症であれば、ホルモンバランスが乱れている可能性があると思います。 漢方医学では陰と陽のバランスが乱れると、自律神経のバランスも乱れ、結果としてホルモンバランスも乱れると考えます。 お体を拝見していませんのではっきりしたことは言えませんが、治ってさんの症状から「寝不足の日が多い」「月経時に血の塊がでる」「のどが渇きやすい」「肌が乾燥しやすい」「風邪をひきやすい」などから、体質としては「肝腎陰虚証」の可能性があります。 睡眠不足が続くと体の陰陽バランスが乱れます。 レバー状の塊がでることを漢方医学では、「瘀血」と言います。 「瘀血」は血の流れが悪くなってできる沈殿物のようなものです。肝の機能が弱くなると「瘀血」になりやすくなります。 また、腎の機能が弱くなると体の潤いがなくなり、「のどが渇きやすい」「肌が乾燥しやすい」などの症状がでてきたり、体を温める作用が弱くなり、「月経中に体が冷える」「お腹が冷たい」「風邪をひきやすい」などの症状がでてきます。 鍼灸治療により「肝」・「腎」の陰陽バランスを整えることがいいと思われます。 陰陽のバランスがとれることで、基礎体温が整い、月経もスムーズになり、妊娠力が上がるものと思われます。 日常生活では、規則正しい生活をし、充分な睡眠をとることが重要です。 漢方医学では「22時から26時」の間が内臓のゴールデンタイムと言われています。 内臓のゴールデンタイムを外さないような就寝時間を心がけるようにしましょう。 この回答で、治ってさんの気持ちが前向きになり、妊娠へとつながるよう心より願っております。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【まひくるさん(39歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・高温期に体温が低くなる日が多く不安定 ・高温期の途中で陥落が見られる、高温期が短い(10日未満) ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・体温が上下に変動が激しい ・いつ排卵したかわかりにくい ・足腰のだるさや冷えを感じる ・着床してもすぐに流れてしまう 岩崎千晶 先生 (太極堂はり灸院) 長年の治療経験から培った確実な知識から、東洋医学的に考えられる不妊の原因を究明し、 鍛練を重ねた技術を駆使することで、一人でも多くの患者様に笑顔をお届けしたいと思っております。 また現在の不妊治療において高度生殖医療などの西洋医学の知識は欠かせません。 日進月歩の生殖医療医学を学ぶことを怠らないとともに、不妊治療、周産期医療と多くの経験を積まれた産婦人科医師の力も借りて、西洋医学との融合を図っています。 また、3時間待ちで3分治療の病院で、聞きそびれたこと、聞き忘れたことなど、不妊治療に関するご質問にもお答えすることができます。 私の知識で及ばないご質問の場合は、医師からフイ-ドバックの後、お答え致します。 院長 岩崎千晶 鍼灸師(国家資格) 日本生殖医療心理カウンセリング学会会員 NPO法人日本健康太極拳協会 健康太極拳指導士 楊名時太極拳 師範 ≫ 太極堂はり灸院基礎体温は舌下で計るうえ、睡眠時間や外気温に左右されやすいので、正確な排卵状況を把握することが難しいのではないかと考えています。 そこで基礎体温の不安定な状態が続く方には、月経3日目に婦人科を受診し、FSH( 卵巣刺激ホルモン)、LH( 黄体形成ホルモン)、E2( エストラジオール)、P4( 黄体ホルモン) などのホルモン値を測定し、毎周期きちんと排卵しているかどうかを調べることをおすすめしています。 スムーズな排卵があるにもかかわらず妊娠に結びつかない方と、排卵が不安定な方では部分的な治療方法は違いますが、初めはどちらの場合も体全体を整える治療を行います。 自然現象や人的なストレス、そして赤ちゃんが授かりにくいという不安は大変なもの。 これらによって乱れた自律神経のバランスを整え、本来働くべき体の機能が正しく働くよう丈夫な体作りを目指します。 その後、それぞれの体質や、現在の状態( 証) に合わせた部分的な治療を行います。多くの方が腎虚と肝虚の状態あるので、それらの経絡の不調と気血水のめぐりを整えていく治療となります。 弊院の治療に加え、治療の効果を継続させるために、腰背部に鍼を貼って帰っていただいたり( 置き鍼)、自宅でのお灸もお願いしています。 また、ご自身の生活の見直しもお願いしています。 食事のバランスは整っているか、運動、散歩などを積極的に取り込んでいるか、お風呂にはゆっくりつかっているか、冷えを誘発するような癖はないかなど、お話しをうかがいながら妊娠に適したしっかりとした体を作るためにアドバイスをしています。 周期的には、排卵前は卵巣の血流を高めて良い卵を作るため、排卵期は着床をうながすフカフカの内膜を作るため、排卵後は妊娠へ導くためなど、それぞれの時期に合わせた部分鍼灸を行います。 残念ながら鍼による効果のエビデンスは、体外受精の際の着床率が高まるという件のみしかありませんが、経験から良い卵を作る効果もあると実感しています。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【糖衣子さん(39歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・周期が短い ・低温期と高温期の差が小さい(0.3 度未満) ・月経血の量が少ない ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、癒着などがある ・排卵期以外のおりものが多い ・めまいや立ちくらみをおこしやすい ・肌が乾燥しやすい ・下痢しやすく、月経中に体が冷える ・排卵誘発剤を使用してもたくさん卵ができない 青山学史 先生 (がく鍼灸院) 私の両親は8年の不妊期間を経て、赤ちゃんを授かりました。それが私の姉であり、その4年後に授かって生まれたのが私自身です。当時はまだ体外受精という方法もなく、検査の方法も技術も現在には及ばないなか、病院はもちろん、鍼灸院、指圧、漢方などありとあらゆることを頼り、試したそうです。 私自身がこの世に生を授かったことに感謝し、一人でも多くの方が夢を叶えていただけることを願い日々施術にあたっております。 めぐり会った方とのご縁を大切に、心と体が温まる施術と空間を心掛けております。 ≫ がく鍼灸院糖衣子さんの場合、月経周期が短いこと、基礎体温の2層性にメリハリが無いことなどから、排卵していないか、黄体ホルモンが不足している可能性があります。 排卵誘発剤の効きもあまり良くないようですので、卵巣機能が低下していると考えられます。 糖衣子さんのように一度にたくさんの卵胞が育たない方の場合は、薬を増やして卵巣への刺激を強くしても、体に負担がかかって卵巣が腫れたりする割に、卵胞数はあまり増えません。 卵の数が少なくても、しっかりと成熟させる体の状態を目指してはいかがでしょうか? 子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着など婦人科系症状に悩んでいる方は、子宮・卵巣の血液がとどこおりやすい「瘀血」体質と言えます。 排卵期以外のおりものが多い、下痢しやすい、月経中に体が冷えるのは、「痰湿」もしくは「水毒」といって、体に水分をため込んでしまっている状態です。 月経血が少ない、めまいや立ちくらみしやすい、肌が乾燥するのは、「血虚」という、血液が不足していることも考えられます。 糖衣子さんの体は東洋医学的には、複数の体質的症状を併せ持っているようです。 「瘀血」の場合、血のめぐりを良くするために、骨盤周囲と足を中心に温めと鍼をします。 ウォーキングやヨガなど軽い負荷の運動を長く続けることもおすすめです。 「痰湿」・「水毒」には、ストレッチやマッサージなどでむくみを和らげ、水分代謝や消化吸収をうながす鍼灸をします。 水分、とくに冷たい物を摂り過ぎない、脂っこい物や味の濃い物を食べ過ぎないようにしましょう。 「血虚」は疲労やストレスで消耗が激しいか、胃腸の働きが低下して栄養が充分に吸収できていない可能性があるので、それらを改善させる鍼灸をします。 睡眠や休息をしっかりとって、疲れをためないこと。 食事では緑黄色野菜、黒ごま、ひじきなどがおすすめの食べ物です。 気になる体の症状が多いので、鍼灸で子宮と卵巣の働きを高めて心身の健康を目指しながら、病院での西洋医学治療を併用していくことで、お子さまが授かることを願っております。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【こまちさん(34歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・高温期が短い ・「月経がきそう」と思ってもなかなかこない場合が多い ・月経血の量が少なく、期間が短い ・月経血が赤黒い色で粘りがある ・めまいや立ちくらみをおこしやすい ・月経中に体が冷える ・性欲がない 田村光久 先生 (田村はり灸整骨院) (社)全日本鍼灸学会 日本伝統鍼灸学会 日本小児医学会 日本カイロプラクターズ協会 鍼灸学士、柔道整復師、カイロプラクティック理学士 治療効果が明らかになるよう貢献していきたい。 鍼灸が身体に良いということを、多くの方に知っていただきたい。 ≫ 田村はり灸整骨院こまちさんはやや痩せていて疲れやすい、もしくは仕事が忙しく疲れが抜けきらず、つねに疲れを感じているのではないでしょうか? 体の状態は漢方で言う、「血虚」「血瘀」「腎陽虚」ですね。 「血虚」とは、食事をしっかりと摂っていても消化吸収の働きが悪くて、必要な栄養分を体に送れなかったり、血液をめぐらせる働きの弱い状態です。 めまいや立ちくらみ、月経血の量が少ないなどはこのためでしょう。 また、血のめぐりが悪くてとどこおったりしている状態を「血瘀」といいます。 「月経がきそう」と思ってもなかなかこなかったり、月経血が赤黒い色で粘りがあるのはこのためだと考えます。 このような症状に効果的なツボは、「三陰交」「曲池」「血海」です。 「三陰交」は、うちくるぶしの上5~6㎝のところにあります。押すと気持ちよく響くところです。 「曲池」は肘を曲げた時にできるしわの外端にあります。 押すとこれも心地よいです。「血海」は膝の上の腿の筋肉の内側のふくらみの中央にあります。 これらのツボを押したり、市販のお灸で温めるのもいいかと思います。 また、腎の陽気を補うことで月経中の体の冷えや、性欲のなさ、高温期が短いなどの症状が改善されるでしょう。 腎の機能が低下すると体が冷えやすく、元気がなくなり、夜中に何度もトイレに起きたり、めまい、耳鳴、性欲が減退したりします。 腎を補うツボは「腎兪(じんゆ)」と「関元(かんげん)」です。 「腎兪」は腰骨に手を当てて、親指を背中に向けた時の親指の当たるところ、「関元」はおへそから下5~8㎝のところにあります。 ここを揉んだり、市販のお灸で温めるのもいいでしょう。カイロを当てて温めるのもいいですね。 最近の研究で「中髎」というツボへの鍼刺激で、骨盤内の血流改善することがわっています。 「中髎」は骨盤の後ろにあります。これは鍼灸師による治療が必要ですが、こまちさんにもこのツボは有効だと思います。 日常生活において疲れすぎには用心してください。 力みなぎる元気な体になって、子どもが授かることを願っています。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【あやせさん(45歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・体温が全体的に低い ・レバー状の塊や、粘膜のような塊がある ・卵や子宮内膜の条件が良くても着床しにくい ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・月経前に足がむくんで靴がきつくなる 三ツ川 友一郎 先生 (三ツ川鍼灸院) 私が鍼灸師になろうと考えたのは高校生の頃でした。子供のころから野球をしていたので高校生のころから近所の鍼灸院で肘や肩などの治療でお世話になっていました。将来は私もスポーツをしている人たちに治療をして喜んでもらえたらと思ったのがきっかけでした。 その後、鍼灸術の底知れぬ力を知ったのは、妹夫婦が赤ちゃんに恵まれないことで彼女に鍼灸術を施したのが始まりです。鍼灸術を施すことで生命力があがり、妹夫婦が自然妊娠し無事出産しました。生命の神秘に触れ、古代中国より日本に及ぶ三千年の伝統ある鍼灸術というのはすごいと改めて感じました。 まだまだ未熟な私ですが、鍼灸師としての技術だけでなく人間としての研鑽も重ね、この身体に優しい鍼灸術を一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。 ≫ 三ツ川鍼灸院体温が全体に低い、いわゆる低体温の方は、当院にもたくさん来院されています。 一言で体温が低いといっても、東洋医学では大きく分けると、腎虚、肝虚、脾虚、瘀血の4タイプがあります。 タイプの見極めには四診法という診断法を使います。 見た目や声、匂いなど五感を使い、そして問診、脈、お腹、ツボの反応などを実際に触診し、どのタイプか見極めることが重要になります。 この診断から適切な治療を施すことで、低体温の状態も改善されてくるでしょう。 実際に診察していないので断言できませんが、あやせさんの気になる症状を拝読しますと、肝と脾のバランスが悪くなり、瘀血の状態になっている、東洋医学では「脾虚肝実瘀血証」という証になると考えられます。 体温が全体的に低いのはこの瘀血が原因でしょう。 瘀血とは体の中の血のめぐりが悪くなりとどこおっている状態です。 慢性的な瘀血の状態だと、血流が悪くなり体を温めることができません。 冷え症のほかに骨盤内の血流がとどこおれば月経時の状態が悪くなり、レバー状の塊がでたり、子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などの症状がでてきます。 また、良い子宮内膜ができないので着床しにくくなります。 月経前の気になる症状は肝と脾のバランスの悪さからきています。 鍼灸治療で肝と脾のバランスを整え瘀血の処置をしていくと、気になっている症状が改善され低体温も解消されるでしょう。 ご自宅では適度な運動(20~60分くらいのウォーキング)、食事をしっかり噛む(最低30回)、食べ過ぎないで腹八分にすることを実践してください。 また月経前の症状には腹式呼吸を行うといいでしょう。 眠る前に布団の中で行います。まず息を吸った時にお腹を膨らませます。 そして吸うより長くゆっくり息を吐きます。口をすぼめるとゆっくり吐くことができます。 毎日行うことで副交感神経が高まり、イライラなどの月経前の症状に効果があると思います。 体に優しい鍼灸治療の応援で、あやせさんにコウノトリが訪れることをお祈りしています。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【コンさん(41歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・周期が不安定で早まったり遅れたりする ・低温期から高温期への移行に時間がかかる(階段式の上昇) ・月経血の量が少なく期間が短い ・子宮筋腫、内膜症、卵巣膿腫、子宮ポリープ、卵管癒着などがある ・不眠で夢をよく見る ・子宮内膜が硬くて薄い ・月経がくるたびにがっかりする 原 徳子 先生 (女性専門治療院 さくら治療室) 私は十数年岡山在住の師匠に指示し、修行の時代に大勢の患者様と出会い、お話しを聞くうち、女性が本当に心から自分の身体の状態を相談できる、女性特有の症状に詳しい女性専門の治療院が少ない事が分かり、それが女性専科さくらを立ち上げるきっかけとなりました。 不妊治療やレディースケアなど、治療といいながら、その治療に対する精神的ストレスが多いのも事実で、その為に不妊治療を断念した、 というお話しをよく聞きます。不妊治療は、心穏やかな温もりに満ちた、幸せなひと時であってほしいと願っています。 「未病を治すとは」、病気になる前に病気を治す=病気になりにくい体にすることですが、実際には病気と病気でない身体との境目は とても分かりにくいもので、病気でない時期にいかにケアするかで、病気になるか健康をとり戻すかが決まってきます。 その、病気でない時期に少しでも多くの方を健康に導く事のできる鍼灸師やセラピストを育ていく事も私の使命の一つと考えています。 ≫ 女性専門治療院 さくら治療室腎の機能が低下すると、妊娠を含めた生殖機能が低下して「滑かつたい胎」となり、不育症・習慣性流産がおこりやすくなります。 卵胞を作る機能も低下して、良い卵ができにくくなったり、排卵困難にもなります。 コンさんの基礎体温の様子からも、プロラクチン高値や排卵困難が疑われます。 また、月経血が少ない、子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣膿腫などがあるのは瘀血(おけつ)の症状と考えます。 瘀血は血がとどこおり、スムーズに循環しないため子宮や卵巣を養えない状態を作ります。 体の冷えも瘀血状態を作り、子宮を冷やしたり血液循環を悪くします。 ですから体を冷やさないよう心がけ、ストレスの少ない環境で過ごしましょう。 体の中、つまり内臓を冷やさないことも大切です。 ヨーグルト・アイスクリーム・野菜サラダ・ビール・野菜ジュースなど陰性食品は過剰に摂取すると体の中を冷やします。 加熱できるものは温めて、飲み物は最低でも体温程度の温かさに。 自然界では、産んだ卵を温めずに放っておくと孵化しません。 ですからお母さん鳥は優しく一生懸命卵を温めます。 人間も冷えた身体は、よい卵子ができにくくなります。 また、病は気からといますが、ストレスは万病の元と言います。 月経が来るたびに落ち込んだり、心無い言葉に傷ついたりされていることとお察ししますが、かけがえのないすばらしい時間を過ごしているのですから、どうかこの時期を幸せな気持ちで過ごしていただけたらと思います。 笑顔は脳内環境を整えて、ホルモンバランスを整えると言いますから笑顔で過ごしましょう。 痛みの少ない鍼治療は腎を補い生殖機能を養い、子宮・卵巣と脳とのバランスをとることが可能です。 セルフ灸も子宮・卵巣を養生してくれます。いくつかツボを紹介します。 太谿(たいけい)内踵の後で、踵の一番とがった部分とアキレス腱との間の凹んだところ。 太衝(たいしょう)足の甲の1指と2指の間をなぞり、甲骨に突き当たる手前の凹んだところ。 熱くなる手前で取り、温まる程度に両足行います。 慣れくると下腹部や下肢が気持ちよく温まるのがわかるようになります。 ただ、低温やけどにはご注意を。
2014.5.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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不正出血、茶色いおりもの
みぃちぁんさん(29歳)生理が終わって約1週間ほど経ちます。 茶色いおりものが出ました。 毎月ほど少量出るで、あまりきにしていなかったのですが、ここ2、3日こげ茶っぽい色の塊もでました。 ねっとりした感じのおりものなので、トイレに行った時にティッシュにべっとりつく感じです。 あとはすこしフワフワと、めまいがします。それと足がジンジンとむくんでる感じ。 腹痛などはありません。 なにか病気のサインでしょうか? ※久々に今回生理が1週間ほど遅れました。 3ヶ月ほど前、婦人科で不妊の検査をひと通りしてもらい、卵管造影、血液、ホルモンなど異状がありませんでした。 がん検診も1年以内に受けました。 俵史子 先生 (俵IVFクリニック) 当クリニックは不妊治療を専門としております。 開院以来、約3年間で1000組以上のお子様に恵まれないご夫婦に妊娠が成立し、当院を卒業されました。妊娠までの道のりは様々ですが、最後は皆様最高の笑顔で卒業されておられます。その喜びを共感させていただけることが、私達にとってもさらなる糧となり、生きがいとなっております。 当院での不妊治療の特徴は、「納得・理解して進む治療」そして「オーダーメードの治療」です。10年以上不妊症の患者様に携わり、多くの実績を重ねてきた経験から、妊娠に近づく第1歩は患者様と医療側の信頼関係だと確信しております。 妊娠したいという強い気持ちを持ち、私共を信じて治療を受けていただくことが、いい結果に繋がる近道と考えます。そのためには、日々の通院で疑問や不安を残さずに、十分納得しながら進まれる必要があります。当院では医師による診察の他、皆様の理解を深めていただくために十分な知識と経験を持ったスタッフがサポートをしております看護師や培養士等も医師と同じレベルで患者様に治療内容の説明や情報提供が行えるような体制を整えておりますので、ご安心してお気軽に声をかけて下さい。 オーダーメードの治療とは、画一的な治療にとどまらず個々に応じた治療を選択していくということです。原因、年齢、治療歴など、皆様それぞれに不妊治療を受けられる際の条件、背景は異なります。当然のことながら、その方に適した治療も異なるため、多くの治療法を熟知し適切に選択できることが不妊治療に携わる者として必要不可欠と考えます。 心や体への負担を最低限に抑えつつ、最大の効果が得られるようお一人おひとりにあった治療を選択していきたいと思っております。 初めて受診しようとされる方にとっては、不安や緊張の中でお越しいただくことも多いと思います。 前向きな気持ちで妊娠に向けた大きな一歩を踏み出していただくために、そして一人でも多くの方にお子様を授かっていただくために、私たちは全力で皆様をサポートすることをお約束いたします。 浜松医科大学臨床講師 日本産婦人科学会専門医 東海不妊内分泌研究会 世話人 東海ARTカンファレンス 世話人 静岡生殖医療研究会 世話人 ■所属学会 ・日本産科婦人科学会 ・日本生殖医学会 ・日本受精着床学会 ・日本哺乳動物卵子学会 ■経 歴 浜松医科大学医学部卒 平成8年~ 産婦人科・麻酔科研修後、産婦人科医として総合病院に勤務。 平成12年~ 静岡厚生病院 不妊治療担当。 平成15年~ 愛知県豊田市 竹内病院トヨタ不妊センター勤務。 平成16年~ 竹内病院トヨタ不妊センター所長に就任。 年間500~600件の体外受精・顕微授精に携わる。 平成19年9月 俵史子IVFクリニック開院 平成22年4月~ 国立大学法人 浜松医科大学 臨床講師に就任。 ≫ 俵IVFクリニック月経後の不正出血には、考えられる原因がいくつかあります。この方に出産のご経験があるのかは不明ですが、もし帝王切開で出産された場合、子宮の切開創の所に月経血が溜まってしまい、月経終了後も血液が混じったおりものが分泌されたり、月経が長引いてしまうことがあります。 また、子宮内膜症の場合でもこのような症状が出ることがあります。みいちぁんさんは頻度は低いけれど、たまに立ち上がるのがつらいほど生理痛が強い時があるということ。もしかしたら、子宮内膜症の可能性も考えられます。 めまいや足のむくみについては、月経血の量が極端に多いようでしたら貧血も疑われますが、おりものとの関連は低いように思われます。 がんのご心配については、子宮体がんや内膜ポリープなど子宮内膜の異常による出血は、超音波検査でわかる場合がありますが、確定診断には細胞診や組織診が必要となります。 みいちぁんさんは子宮がん検診も1年以内にきちんと受けられているようですね。心配はないと思いますが、もし子宮頸がん検診しか受けられていないのなら、子宮体がんの検査も併せて受けておくと安心だと思います。 妊娠への影響については、排卵の時期まで出血が続いていたら着床しにくくなったり、精子の運動性が下がり妊娠率を下げてしまうことも。もしお子さんを望まれているのなら、不妊治療専門の施設でもう少し詳しく原因を調べて、改善できることは早めに改善して、できるだけ良い環境に整えておくことをおすすめいたします。
2014.5.14
専門医Q&A 女性の健康