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精子の奇形率が高い男性不妊でも妊娠できる?
「乏精子症、精子無力症、奇形精子で顕微授精を2回しましたが、受精できても胚盤胞まで一度も育ったことがありません。特に奇形率が高く、濃縮処理後でも80~90%です。」
2017.8.16
コラム 不妊治療
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夫がEDぎみ。2人目を人工授精したいけど…
夫がEDぎみ。2人目を人工授精したいけど… 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) こはるさん(主婦/36歳)からの相談 ●2人目不妊の治療について 主人は40歳、私はもうすぐ37歳です。結婚当初から主人がEDぎみでセックスは相当少なく、子どもは諦めていたところ4年前に自然に妊娠、出産しました。子どもが好きな主人は2人目が欲しいと言うので2年ぶりに子づくりしたのですが最後までいきませんでした。それ以来、完全に自信がなくなったようで子どもが欲しいとすら言わなくなりました。病院で夫婦での受診をすすめられたのですが、夫は行きたがらず、不妊治療など人工的なことをするくらいなら2人目は諦めると受診しませんでした。しかし、娘が赤ちゃんを欲しいと言い出し、夫が泌尿器科でバイアグ○をもらってきて1年半ぶりにしたのですが、勃起は継続しても射精はできませんでした。翌日に副作用があったようで、私も心配でもう薬は飲まないでほしいです。夫はHサイトなどで射精はできるようです。私はホルモンや排卵など問題ないようなので、タイミング法で人工授精まで挑戦してみたいです。人工授精もかなり痛いという話を聞くと、スポイトを使って自分でしてみようと思うのですが、時間の無駄でしょうか? ED=勃起不全には薬物療法で、血流改善が有効に EDとは勃起不全のことで、性交時に十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起ができないことで満足な性交が行えない症状のことです。そもそも勃起は、性的な興奮が神経を通じて男性器に伝わり、陰茎海綿体の動脈が拡張し血液が十分に送られることで起こります。一方、神経や血管がうまく機能せず、陰茎海綿体に血液が十分に送られなくなると勃起不全が起こりやすくなります。 EDは要因によって「器質性ED」と「機能性ED」の2つに分けられます。前者は加齢や高血圧、脂質異常症、糖尿病などの動脈硬化によって起こるED。後者は精神的なストレスによって神経の性的興奮が男性器にうまく伝わらないことで起こるEDです。治療法としては、バイアグラ®、レビトラ®、シアリス®といった薬物療法で血流の改善をうながします。さらに当院ではレスベラトロールというサプリメントを併用しています。レスベラトロールはぶどうの種や皮に含まれる抗酸化物質で、血管拡張作用があるといわれており、薬物療法と同じように血流改善が期待できます。 射精障害には有効な治療法がなく人工授精が第一選択に おそらくご主人はEDではなく、射精障害だと思われます。射精障害はマスターベーションでは射精ができるのに、性交時に腟内に射精ができない状態をいいます。原因は精神的なストレスや誤ったマスターベーションの習慣によって起こるといわれています。ご主人の場合はタイミング法によるプレッシャーなどが原因で精神的なストレスがかかり、余計に射精ができなくなっているのかもしれません。残念ながら射精障害にはEDのような治療法がないため、赤ちゃんを希望される方は人工授精が第一選択になります。また、射精障害の方は精子所見も悪い傾向がありますので、そういう方には早めの体外受精や顕微授精をおすすめしています。そのほか当院では、心理カウンセラーによるカウンセリングをご夫婦で受けていただくこともあります。 近年、EDや射精障害といった男性不妊が原因で、人工授精を希望される方は増えています。なかでも射精障害はメンタル面が原因であることが多く、一般的にこのような悩みを抱えた男性は、自分自身に問題があるにもかかわらず検査を受けようとされず、奥様に非協力的でネガティブな傾向があるように感じます。赤ちゃんを授かるのはお二人の協力がなければできません。むずかしいかもしれませんが一つの目標に向かって、ご主人と一緒に取り組んでいくことが大切だと思います。 妊娠は夫婦の協力が大切二人できちんと話し合いを 2人目を希望されるのであれば、早くに人工授精をされるのがいいと思います。1人目を自然妊娠されており、その後のホルモン値なども問題ないとのことですので、精子さえ腟内に入ることができれば妊娠の可能性はあるでしょう。ただ、1人目を妊娠された時よりは、妊娠率が下がってくる年齢にさしかかっていますから、人工授精されるにしてもスピード感が重要になってきます。ご質問のスポイトの使用については感染のリスクもあり、医師の立場からはおすすめできません。 また、ご主人のお気持ちにもよりますが、泌尿器科の先生にきちんと診てもらってはいかがでしょうか。当院では毎月1回(土曜日)に泌尿器の専門医による男性不妊外来を行っています。このようなケースでは、女性側と男性側の両面の治療が大切になりますから、まずは泌尿器科で勃起不全、射精障害といった器質的な異常がないかを必ず確認してもらうようにしています。たとえば、EDの場合は高血圧、脂質異常症、糖尿病など内科的な疾患が隠れている可能性があります。糖尿病のコントロールをするだけで治るケースもあります。お二人でよくお話をされて、納得できる選択をしてください。 院内の静かな場所に設けられた採精ルーム。毎月1回(土曜日)、泌尿器専門医による男性不妊外来も行っています。 TOPIC お薬の特性を理解し、自分に合った選択をED(勃起不全)の治療薬にはバイアグラ®、レビトラ®、シアリス®の3種類があります。それぞれに効き目、使用感、持続時間、副作用が異なります。特徴としては、バイアグラ®は服用後30分程度で作用し、血中濃度のピークは1時間後(持続時間は5〜6時間)。レビトラ®は服用後15分程度で作用し、血中濃度のピークは45分後(持続時間は5〜6時間)。シアリス®は1〜2時間でゆっくり作用し、24〜36時間持続します。即効性が高いものから、長く持続するマイルドなものまであり、自分に合ったお薬を選ぶことが大切です。ちなみに、これらのお薬は血流改善を目的としているため、EDとは原因が異なる射精障害には効き目はありません。 奥先生より まとめ ご主人は射精障害の可能性が。早めの人工授精をおすすめします [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) 1992年愛知医科大学大学院修了。蒲郡市民病院勤務の後、アメリカに留学。Diamond Institute for Infertility and Menopauseにて体外受精、顕微授精等、最先端の生殖医療技術を学ぶ。帰国後、IVF大阪クリニック勤務、IVFなんばクリニック副院長を経て、2010年レディースクリニック北浜を開院。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。6月に最新のレーザーアシストハッチング(補助孵化術)械を導入。従来よりも受精卵の透明帯を薄くして、受精卵の細胞質のダメージが少なく卵子にやさしいのだとか。「今後の成績向上につながると嬉しいですね」と先生。 ≫ レディースクリニック北浜 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 夫がEDぎみ。2人目を人工授精したいけど… 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) こはるさん(主婦/36歳)からの相談 ●2人目不妊の治療について 主人は40歳、私はもうすぐ37歳です。結婚当初から主人がEDぎみでセックスは相当少なく、子どもは諦めていたところ4年前に自然に妊娠、出産しました。子どもが好きな主人は2人目が欲しいと言うので2年ぶりに子づくりしたのですが最後までいきませんでした。それ以来、完全に自信がなくなったようで子どもが欲しいとすら言わなくなりました。病院で夫婦での受診をすすめられたのですが、夫は行きたがらず、不妊治療など人工的なことをするくらいなら2人目は諦めると受診しませんでした。しかし、娘が赤ちゃんを欲しいと言い出し、夫が泌尿器科でバイアグ○をもらってきて1年半ぶりにしたのですが、勃起は継続しても射精はできませんでした。翌日に副作用があったようで、私も心配でもう薬は飲まないでほしいです。夫はHサイトなどで射精はできるようです。私はホルモンや排卵など問題ないようなので、タイミング法で人工授精まで挑戦してみたいです。人工授精もかなり痛いという話を聞くと、スポイトを使って自分でしてみようと思うのですが、時間の無駄でしょうか? ED=勃起不全には薬物療法で、血流改善が有効に EDとは勃起不全のことで、性交時に十分な勃起が得られない、あるいは十分な勃起ができないことで満足な性交が行えない症状のことです。そもそも勃起は、性的な興奮が神経を通じて男性器に伝わり、陰茎海綿体の動脈が拡張し血液が十分に送られることで起こります。一方、神経や血管がうまく機能せず、陰茎海綿体に血液が十分に送られなくなると勃起不全が起こりやすくなります。 EDは要因によって「器質性ED」と「機能性ED」の2つに分けられます。前者は加齢や高血圧、脂質異常症、糖尿病などの動脈硬化によって起こるED。後者は精神的なストレスによって神経の性的興奮が男性器にうまく伝わらないことで起こるEDです。治療法としては、バイアグラ®、レビトラ®、シアリス®といった薬物療法で血流の改善をうながします。さらに当院ではレスベラトロールというサプリメントを併用しています。レスベラトロールはぶどうの種や皮に含まれる抗酸化物質で、血管拡張作用があるといわれており、薬物療法と同じように血流改善が期待できます。 射精障害には有効な治療法がなく人工授精が第一選択に おそらくご主人はEDではなく、射精障害だと思われます。射精障害はマスターベーションでは射精ができるのに、性交時に腟内に射精ができない状態をいいます。原因は精神的なストレスや誤ったマスターベーションの習慣によって起こるといわれています。ご主人の場合はタイミング法によるプレッシャーなどが原因で精神的なストレスがかかり、余計に射精ができなくなっているのかもしれません。残念ながら射精障害にはEDのような治療法がないため、赤ちゃんを希望される方は人工授精が第一選択になります。また、射精障害の方は精子所見も悪い傾向がありますので、そういう方には早めの体外受精や顕微授精をおすすめしています。そのほか当院では、心理カウンセラーによるカウンセリングをご夫婦で受けていただくこともあります。 近年、EDや射精障害といった男性不妊が原因で、人工授精を希望される方は増えています。なかでも射精障害はメンタル面が原因であることが多く、一般的にこのような悩みを抱えた男性は、自分自身に問題があるにもかかわらず検査を受けようとされず、奥様に非協力的でネガティブな傾向があるように感じます。赤ちゃんを授かるのはお二人の協力がなければできません。むずかしいかもしれませんが一つの目標に向かって、ご主人と一緒に取り組んでいくことが大切だと思います。 妊娠は夫婦の協力が大切二人できちんと話し合いを 2人目を希望されるのであれば、早くに人工授精をされるのがいいと思います。1人目を自然妊娠されており、その後のホルモン値なども問題ないとのことですので、精子さえ腟内に入ることができれば妊娠の可能性はあるでしょう。ただ、1人目を妊娠された時よりは、妊娠率が下がってくる年齢にさしかかっていますから、人工授精されるにしてもスピード感が重要になってきます。ご質問のスポイトの使用については感染のリスクもあり、医師の立場からはおすすめできません。 また、ご主人のお気持ちにもよりますが、泌尿器科の先生にきちんと診てもらってはいかがでしょうか。当院では毎月1回(土曜日)に泌尿器の専門医による男性不妊外来を行っています。このようなケースでは、女性側と男性側の両面の治療が大切になりますから、まずは泌尿器科で勃起不全、射精障害といった器質的な異常がないかを必ず確認してもらうようにしています。たとえば、EDの場合は高血圧、脂質異常症、糖尿病など内科的な疾患が隠れている可能性があります。糖尿病のコントロールをするだけで治るケースもあります。お二人でよくお話をされて、納得できる選択をしてください。 院内の静かな場所に設けられた採精ルーム。毎月1回(土曜日)、泌尿器専門医による男性不妊外来も行っています。 TOPIC お薬の特性を理解し、自分に合った選択をED(勃起不全)の治療薬にはバイアグラ®、レビトラ®、シアリス®の3種類があります。それぞれに効き目、使用感、持続時間、副作用が異なります。特徴としては、バイアグラ®は服用後30分程度で作用し、血中濃度のピークは1時間後(持続時間は5〜6時間)。レビトラ®は服用後15分程度で作用し、血中濃度のピークは45分後(持続時間は5〜6時間)。シアリス®は1〜2時間でゆっくり作用し、24〜36時間持続します。即効性が高いものから、長く持続するマイルドなものまであり、自分に合ったお薬を選ぶことが大切です。ちなみに、これらのお薬は血流改善を目的としているため、EDとは原因が異なる射精障害には効き目はありません。 奥先生より まとめ ご主人は射精障害の可能性が。早めの人工授精をおすすめします [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 奥 裕嗣 先生(レディースクリニック北浜) 1992年愛知医科大学大学院修了。蒲郡市民病院勤務の後、アメリカに留学。Diamond Institute for Infertility and Menopauseにて体外受精、顕微授精等、最先端の生殖医療技術を学ぶ。帰国後、IVF大阪クリニック勤務、IVFなんばクリニック副院長を経て、2010年レディースクリニック北浜を開院。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。6月に最新のレーザーアシストハッチング(補助孵化術)械を導入。従来よりも受精卵の透明帯を薄くして、受精卵の細胞質のダメージが少なく卵子にやさしいのだとか。「今後の成績向上につながると嬉しいですね」と先生。 ≫ レディースクリニック北浜 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.16
コラム 不妊治療
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精子濃度が830万/mlでも人工授精で妊娠することは可能ですか?
「顕微授精でしか妊娠は難しい」といわれて決心を固めましたが、再検査では濃度が830万/ml、運動率は変わらずという結果で、人工授精をすることに。」
2017.8.16
コラム 不妊治療
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「無痛分娩」の疑問、不安を解決しよう
「無痛分娩」の疑問、不安を解決しよう 2017/8/16 林 聡 先生(東京マザーズクリニック 院長) リラックスして産めるから、お母さんへも赤ちゃんにも負担が少ない 「無痛分娩」=恐い、というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、無痛分娩は、硬膜外麻酔を打つことで陣痛の痛みを和らげ、体力の消耗を最小限に抑えられるというメリットがあります。産後のお母さんは、2~3時間おきの授乳など初めてのことだらけで、体力の消耗は大変なものです。産前の体力の消耗を最小限にできれば、育児もスムーズにスタートすることができます。また、自然分娩のラマーズ法(呼吸法)でうまく呼吸を整えることができず赤ちゃんに上手に酸素がいかない、あるいはお母さんがもともと高血圧で、陣痛の痛みでさらに血圧が上昇してしまうこともありますが、無痛分娩であれば落ち着いて呼吸を整えられるため、お母さんにも赤ちゃんにもストレスがかかりにくいというメリットもあります。 麻酔による合併症や副作用は約10万分の1 硬膜外麻酔は背骨の脊髄に近い場所にカテーテル(麻酔のチューブ)を挿入します。これにより、頭痛、かゆみ、吐き気などを起こすケースもごくまれにあります。また、神経の近くに針が刺さってしまい、長期間足が痺れてしまった、というケースも過去にあったようですが、これは約10万分の1とも言われています。 また、歯医者さんの麻酔が身体に合わないので、無痛分娩の硬膜外麻酔も合わないのでは?と心配される妊婦さんも多くいるのですが、歯医者さんの麻酔とは麻酔の種類も使う場所も違うため、その心配はまずありません。 母体の準備が整った時点で予定日を決める 計画出産といって、あらかじめ出産する日を決められるのも無痛分娩のメリットのひとつです。ご主人の仕事の都合にどうしても合わせたい、上にお子さんがいるので、日にちを決めておいたほうが安心、などという方は計画出産を選ばれますが、自然な陣痛をいったん待ってから病院に来て硬膜外麻酔を打つ方もいます。 計画出産にしても、あくまでも子宮の準備が整っていることが前提です。妊娠10カ月に入ったら内診が始まり、母体の状態を見ながら日にちを決めるので、何か月も前から日にちを決められるわけではありません。また、計画していても数日前に自然に陣痛が来てしまう、ということもあります。 症例数や医者の人数を見るのも産院選びのポイント 10年前は2、3%だった無痛分娩ですが、ここ数年は分娩の約6%が無痛分娩とも言われています。それだけ無痛分娩を扱う病院も急速に増えてきました。 無痛分娩をする際の産院選びのポイントですが、症例数が多い大病院がいいかというと必ずしもそうではありません。何故なら医師が10人以上、助産師も大勢いたら、一人あたりの経験数は当然ながら低くなるためです。例えば当クリニックの場合、医師が2名いて月40件ほどの分娩を扱っているので、一人の医師につき月20件の分娩を扱っています。このような症例数と医師の経験数から判断するのもひとつの手でしょう。 お話を伺った先生のご紹介 林 聡(東京マザーズクリニック 院長) 広島大学医学部卒業後、県立広島病院産科婦人科医員、副部長を経て、フィラデルフィアこども病院、ペンシルバニア大学胎児診断・胎児治療センター留学後、国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科医長を経て、平成24年より東京マザーズクリニック院長に就任。 ≫ 東京マザーズクリニック 「無痛分娩」の疑問、不安を解決しよう 2017/8/16 林 聡 先生(東京マザーズクリニック 院長) リラックスして産めるから、お母さんへも赤ちゃんにも負担が少ない 「無痛分娩」=恐い、というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、無痛分娩は、硬膜外麻酔を打つことで陣痛の痛みを和らげ、体力の消耗を最小限に抑えられるというメリットがあります。産後のお母さんは、2~3時間おきの授乳など初めてのことだらけで、体力の消耗は大変なものです。産前の体力の消耗を最小限にできれば、育児もスムーズにスタートすることができます。また、自然分娩のラマーズ法(呼吸法)でうまく呼吸を整えることができず赤ちゃんに上手に酸素がいかない、あるいはお母さんがもともと高血圧で、陣痛の痛みでさらに血圧が上昇してしまうこともありますが、無痛分娩であれば落ち着いて呼吸を整えられるため、お母さんにも赤ちゃんにもストレスがかかりにくいというメリットもあります。 麻酔による合併症や副作用は約10万分の1 硬膜外麻酔は背骨の脊髄に近い場所にカテーテル(麻酔のチューブ)を挿入します。これにより、頭痛、かゆみ、吐き気などを起こすケースもごくまれにあります。また、神経の近くに針が刺さってしまい、長期間足が痺れてしまった、というケースも過去にあったようですが、これは約10万分の1とも言われています。 また、歯医者さんの麻酔が身体に合わないので、無痛分娩の硬膜外麻酔も合わないのでは?と心配される妊婦さんも多くいるのですが、歯医者さんの麻酔とは麻酔の種類も使う場所も違うため、その心配はまずありません。 母体の準備が整った時点で予定日を決める 計画出産といって、あらかじめ出産する日を決められるのも無痛分娩のメリットのひとつです。ご主人の仕事の都合にどうしても合わせたい、上にお子さんがいるので、日にちを決めておいたほうが安心、などという方は計画出産を選ばれますが、自然な陣痛をいったん待ってから病院に来て硬膜外麻酔を打つ方もいます。 計画出産にしても、あくまでも子宮の準備が整っていることが前提です。妊娠10カ月に入ったら内診が始まり、母体の状態を見ながら日にちを決めるので、何か月も前から日にちを決められるわけではありません。また、計画していても数日前に自然に陣痛が来てしまう、ということもあります。 症例数や医者の人数を見るのも産院選びのポイント 10年前は2、3%だった無痛分娩ですが、ここ数年は分娩の約6%が無痛分娩とも言われています。それだけ無痛分娩を扱う病院も急速に増えてきました。 無痛分娩をする際の産院選びのポイントですが、症例数が多い大病院がいいかというと必ずしもそうではありません。何故なら医師が10人以上、助産師も大勢いたら、一人あたりの経験数は当然ながら低くなるためです。例えば当クリニックの場合、医師が2名いて月40件ほどの分娩を扱っているので、一人の医師につき月20件の分娩を扱っています。このような症例数と医師の経験数から判断するのもひとつの手でしょう。 お話を伺った先生のご紹介 林 聡(東京マザーズクリニック 院長) 広島大学医学部卒業後、県立広島病院産科婦人科医員、副部長を経て、フィラデルフィアこども病院、ペンシルバニア大学胎児診断・胎児治療センター留学後、国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科医長を経て、平成24年より東京マザーズクリニック院長に就任。 ≫ 東京マザーズクリニック
2017.8.16
インタビュー 妊娠・出産
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いつまで骨盤位(逆子)だと帝王切開に?原因と手術内容について
いつまで骨盤位(逆子)だと帝王切開に?原因と手術内容について 2017/8/8 堀量博(かずひろ)先生(堀産婦人科) 出産間近になっても骨盤位(逆子)の場合、安全のため帝王切開になることもあります。 骨盤位とはどんな状態であり、原因として考えられることは何でしょう? また、いつまでに治らないと帝王切開になるのか? 骨盤位についてのあれこれを堀産婦人科の堀量博(かずひろ)先生にお聞きしました。 骨盤位とは子宮内で赤ちゃんの頭が上を向いている状態 出産時、赤ちゃんは本来、頭から産道を通り抜けるので、頭は子宮口のほうを向いていなければなりません。ところが、子宮内で赤ちゃんの頭が子宮口—つまり下ではなく、上を向いている状態の場合があります。これが骨盤位(逆子)です。この状態のままだと分娩がしづらくなります。 妊娠初期・中期の子宮内は赤ちゃんが動きまわるゆとりがあるため、赤ちゃんはころころ回転し、頭の位置も上を向いたり下を向いたり頻繁に入れ替わります。したがってその時期は気にしなくても良いのですが、問題は後期、妊娠32週目になっても骨盤位のままの場合です。正しい位置に戻すのが難しくなります。 原因は母体にある場合と、胎児にある場合があると言われています。 ●母体側の原因……骨盤が小さい、胎盤や子宮に異常がある ●胎児側の原因……低出生体重児、多胎妊娠、羊水過多、胎児奇形 ただ、明確な原因ははっきりしておらず、上記のような原因がなくても誰でも骨盤位になる可能性はあります。 38週目を過ぎても骨盤位の状態の場合、帝王切開に 37週から38週目を過ぎても骨盤位の状態であれば、帝王切開で出産というケースがほとんど。帝王切開と聞いて驚いたりショックを受ける妊婦の方もいますが、骨盤位のまま産むほうが断然リスクが高く、帝王切開のほうが母体にとっても胎児にとっても安全です。ほとんどの病院が母子の安全を優先して帝王切開を行っています。 「逆子体操」「外回転術」「お灸」で骨盤位を直す なかには2人目以降の出産も考え、自然分娩を希望する妊婦さんもいます。その場合はお灸や外回転術で骨盤位を治す方法があります。 ●逆子体操 いわゆる“逆子体操”は胸膝位といい、就寝前に胸を床(ベッド)につけてお尻をあげ、そのまま横に倒れ込むという方法で行います。骨盤内にはまり込んでいる赤ちゃんのお尻が体操によって浮上することを利用したもので、ほとんどの産科施設で指導しています。 ●外回転術 医師が妊婦のお腹に手を添えて、外からぐるりと胎児を回転させる方法です。ただし、この方法は病院によって取り入れているところとそうでないところがあります。 ●お灸 30年ほど前、骨盤位に対して三陰交にお灸をしたら、約9割の妊婦の骨盤位が正常位になったという論文が発表されて以来、にわかに注目されるようになりました。妊娠28週目以降に行うと効果的と言われています。三陰交とは、からだの冷えを解消するツボです。ただし、個人の判断で鍼灸師を訪ねるのは危険。まずは医師に相談してから臨みましょう。 いずれにしても骨盤位は自分では治せません。必ずかかりつけの医師に相談してください。 堀先生より まとめ 骨盤位がどうしても治らなかったのに、帝王切開の手術直前のエコーチェックでは治っていたというケースもあります。あまり深刻に悩まず、「自然分娩でも帝王切開でも無事に生まれてくれたらそれでいい」くらいの心持ちでいてください。出産は命がけのことですが、日本の医療においては無事に生まれるので安心して医師に従っていただければと思います。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 堀量博(かずひろ)先生(堀産婦人科) 東京都出身。東京医科大学卒。1991年、東京医科大学病院産婦人科勤務。婦人科腫瘍(子宮がん、卵巣がん)治療の中心スタッフとして臨床、研究に長く携わる。2004年、東京高輪で祖父の代から70余年続く産婦人科医院の3代目院長に就く。また堀産婦人科診療のかたわら2003年から山王病院リプリダクションセンターで最先端の不妊治療スタッフとしても活躍。父子3代「オーダーメードの診察で女性の一生を医療面から支える」を心がけており、地域住民からの信頼度は高い。大局的な視点に立ったアドバイスで、妊活中や妊娠中の女性を元気づける。 ≫ 堀産婦人科 いつまで骨盤位(逆子)だと帝王切開に?原因と手術内容について 2017/8/8 堀量博(かずひろ)先生(堀産婦人科) 出産間近になっても骨盤位(逆子)の場合、安全のため帝王切開になることもあります。 骨盤位とはどんな状態であり、原因として考えられることは何でしょう? また、いつまでに治らないと帝王切開になるのか? 骨盤位についてのあれこれを堀産婦人科の堀量博(かずひろ)先生にお聞きしました。 骨盤位とは子宮内で赤ちゃんの頭が上を向いている状態 出産時、赤ちゃんは本来、頭から産道を通り抜けるので、頭は子宮口のほうを向いていなければなりません。ところが、子宮内で赤ちゃんの頭が子宮口—つまり下ではなく、上を向いている状態の場合があります。これが骨盤位(逆子)です。この状態のままだと分娩がしづらくなります。 妊娠初期・中期の子宮内は赤ちゃんが動きまわるゆとりがあるため、赤ちゃんはころころ回転し、頭の位置も上を向いたり下を向いたり頻繁に入れ替わります。したがってその時期は気にしなくても良いのですが、問題は後期、妊娠32週目になっても骨盤位のままの場合です。正しい位置に戻すのが難しくなります。 原因は母体にある場合と、胎児にある場合があると言われています。 ●母体側の原因……骨盤が小さい、胎盤や子宮に異常がある ●胎児側の原因……低出生体重児、多胎妊娠、羊水過多、胎児奇形 ただ、明確な原因ははっきりしておらず、上記のような原因がなくても誰でも骨盤位になる可能性はあります。 38週目を過ぎても骨盤位の状態の場合、帝王切開に 37週から38週目を過ぎても骨盤位の状態であれば、帝王切開で出産というケースがほとんど。帝王切開と聞いて驚いたりショックを受ける妊婦の方もいますが、骨盤位のまま産むほうが断然リスクが高く、帝王切開のほうが母体にとっても胎児にとっても安全です。ほとんどの病院が母子の安全を優先して帝王切開を行っています。 「逆子体操」「外回転術」「お灸」で骨盤位を直す なかには2人目以降の出産も考え、自然分娩を希望する妊婦さんもいます。その場合はお灸や外回転術で骨盤位を治す方法があります。 ●逆子体操 いわゆる“逆子体操”は胸膝位といい、就寝前に胸を床(ベッド)につけてお尻をあげ、そのまま横に倒れ込むという方法で行います。骨盤内にはまり込んでいる赤ちゃんのお尻が体操によって浮上することを利用したもので、ほとんどの産科施設で指導しています。 ●外回転術 医師が妊婦のお腹に手を添えて、外からぐるりと胎児を回転させる方法です。ただし、この方法は病院によって取り入れているところとそうでないところがあります。 ●お灸 30年ほど前、骨盤位に対して三陰交にお灸をしたら、約9割の妊婦の骨盤位が正常位になったという論文が発表されて以来、にわかに注目されるようになりました。妊娠28週目以降に行うと効果的と言われています。三陰交とは、からだの冷えを解消するツボです。ただし、個人の判断で鍼灸師を訪ねるのは危険。まずは医師に相談してから臨みましょう。 いずれにしても骨盤位は自分では治せません。必ずかかりつけの医師に相談してください。 堀先生より まとめ 骨盤位がどうしても治らなかったのに、帝王切開の手術直前のエコーチェックでは治っていたというケースもあります。あまり深刻に悩まず、「自然分娩でも帝王切開でも無事に生まれてくれたらそれでいい」くらいの心持ちでいてください。出産は命がけのことですが、日本の医療においては無事に生まれるので安心して医師に従っていただければと思います。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 堀量博(かずひろ)先生(堀産婦人科) 東京都出身。東京医科大学卒。1991年、東京医科大学病院産婦人科勤務。婦人科腫瘍(子宮がん、卵巣がん)治療の中心スタッフとして臨床、研究に長く携わる。2004年、東京高輪で祖父の代から70余年続く産婦人科医院の3代目院長に就く。また堀産婦人科診療のかたわら2003年から山王病院リプリダクションセンターで最先端の不妊治療スタッフとしても活躍。父子3代「オーダーメードの診察で女性の一生を医療面から支える」を心がけており、地域住民からの信頼度は高い。大局的な視点に立ったアドバイスで、妊活中や妊娠中の女性を元気づける。 ≫ 堀産婦人科
2017.8.8
インタビュー 妊娠・出産
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みんなの広場 【テーマ】返信が遅い人の対応方法は?
【テーマ】返信が遅い人の対応方法は? 連絡が遅い人あおいさん(主婦 / 37歳)大学時代、一番仲の良かった友達のことです。以前は連絡マメで几帳面だった彼女ですが、10年ほど前からメールの返信を含め連絡全般がめっきり遅くなりました。早くて1週間後、遅いと1カ月以上です。必ず○○が大変で遅くなってごめんね、と言い訳が入ります。先日は私が送ったお祝いが 到着した という連絡が2カ月後にきました。子どもが熱を出していたから遅くなってごめんね、と。彼女は私と疎遠にしたいのか、もしくは優先順位がだいぶ下がったのか…。 期待しないで諦めては?ルーズな人って直らないですから、イライラするだけムダです。そういう人と割り切って、ほどほどのお付き合いをするのが大人じゃないでしょうか。大事なことで返信が遅いのは困るので、そこはキッチリ言うべきかと思うけど、荷物の受け取りや報告の連絡なんて最初から期待しないことです。自分の基準に当てはめてアリエナイ! ってイライラするくらいなら、見放したほうがいいと思いますよ。毎回イライラするのは、その人に自分の基準を当てはめたり期待するからでは? すっぱり諦めてみたら、どーでもよくなると思いますよ。御御御付さん(主婦/ 40歳 ) 軽く催促してみる私と友人の場合ですが、大事な用事だったらあらかじめ「早めに返事もらえますか?」ってメールします。返事が欲しいのに2日ほど待っても返事がなければ直接電話します。その時電話に出なくても履歴を見て、ちゃんとその日か翌日にはメールなり電話なりしてくれます。そうやって軽く催促しても直りませんか? もしそれでも返事が遅いようなら「遅れてごめんねー」と返事が来ても、もう気づかないふりして無視しちゃうかも。 ハヤシライスさん(主婦/38歳 ) 自分たちだけ高級なものを旦那だけ、激安白米を炊いて冷凍。自分と子どもは魚沼産こしひかりを食べる。うーんさん(主婦/ 35歳 ) 優先順位が低くなったのかも私もメールや連絡事項はすぐ返さないと気持ち悪いので、返信は早いです。その友達、単に面倒で優先順位が低くなったのだと思います。あなたを舐めてるんでしょうね。でも、お祝い貰ってお礼メールが2カ月後って人として終わってると感じました。 かなめさん(主婦/ 43歳 ) 自分もわざと返信を遅らせることも…マメな相手からだと、連絡してすぐ返信きても、このまま数往復やり取りすることになったら面倒! と思って、わざと時間をおいて返信します。たまに、そのまますっかり忘れきってしまうことも。なので、2カ月後とか、わからなくはありません。あとは、内容をじっくり考えてから返信しようと思ったきりになってしまうとか。返信の遅い早いは性格なので、ストレスになるなら電子交流を控えるか、返信不要な報告形にしたり、過度な連絡を期待するのをやめてはいかがですか? あんさん(会社員/ 33歳 ) おもしろエピソード満載!あなたも「(駄)の広場」に投稿しよう! 投稿してみる! (駄)の広場はこちら 【テーマ】返信が遅い人の対応方法は? 連絡が遅い人あおいさん(主婦 / 37歳)大学時代、一番仲の良かった友達のことです。以前は連絡マメで几帳面だった彼女ですが、10年ほど前からメールの返信を含め連絡全般がめっきり遅くなりました。早くて1週間後、遅いと1カ月以上です。必ず○○が大変で遅くなってごめんね、と言い訳が入ります。先日は私が送ったお祝いが 到着した という連絡が2カ月後にきました。子どもが熱を出していたから遅くなってごめんね、と。彼女は私と疎遠にしたいのか、もしくは優先順位がだいぶ下がったのか…。 期待しないで諦めては?ルーズな人って直らないですから、イライラするだけムダです。そういう人と割り切って、ほどほどのお付き合いをするのが大人じゃないでしょうか。大事なことで返信が遅いのは困るので、そこはキッチリ言うべきかと思うけど、荷物の受け取りや報告の連絡なんて最初から期待しないことです。自分の基準に当てはめてアリエナイ! ってイライラするくらいなら、見放したほうがいいと思いますよ。毎回イライラするのは、その人に自分の基準を当てはめたり期待するからでは? すっぱり諦めてみたら、どーでもよくなると思いますよ。御御御付さん(主婦/ 40歳 ) 軽く催促してみる私と友人の場合ですが、大事な用事だったらあらかじめ「早めに返事もらえますか?」ってメールします。返事が欲しいのに2日ほど待っても返事がなければ直接電話します。その時電話に出なくても履歴を見て、ちゃんとその日か翌日にはメールなり電話なりしてくれます。そうやって軽く催促しても直りませんか? もしそれでも返事が遅いようなら「遅れてごめんねー」と返事が来ても、もう気づかないふりして無視しちゃうかも。 ハヤシライスさん(主婦/38歳 ) 自分たちだけ高級なものを旦那だけ、激安白米を炊いて冷凍。自分と子どもは魚沼産こしひかりを食べる。うーんさん(主婦/ 35歳 ) 優先順位が低くなったのかも私もメールや連絡事項はすぐ返さないと気持ち悪いので、返信は早いです。その友達、単に面倒で優先順位が低くなったのだと思います。あなたを舐めてるんでしょうね。でも、お祝い貰ってお礼メールが2カ月後って人として終わってると感じました。 かなめさん(主婦/ 43歳 ) 自分もわざと返信を遅らせることも…マメな相手からだと、連絡してすぐ返信きても、このまま数往復やり取りすることになったら面倒! と思って、わざと時間をおいて返信します。たまに、そのまますっかり忘れきってしまうことも。なので、2カ月後とか、わからなくはありません。あとは、内容をじっくり考えてから返信しようと思ったきりになってしまうとか。返信の遅い早いは性格なので、ストレスになるなら電子交流を控えるか、返信不要な報告形にしたり、過度な連絡を期待するのをやめてはいかがですか? あんさん(会社員/ 33歳 ) おもしろエピソード満載!あなたも「(駄)の広場」に投稿しよう! 投稿してみる! (駄)の広場はこちら
2017.8.7
コラム くらし
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みんなの広場 【テーマ】ダンナへの小さな仕返し
【テーマ】ダンナへの小さな仕返し 旦那への嫌がらせYckchiraさん(主婦 / 23歳)旦那に何か地味な嫌がらせしたいのですが、皆さんどんなことされましたか?? どれも手応えがいまいちです。よろしくお願いします。 ゲームのデータを消去!大袈裟な話ではなく夫婦なら笑い話になる程度の話ですよね? 私は新婚時代に旦那がゲームばかりするからデータ消しました。旦那は反省してゲームは卒業してくれました。最近スマホゲームは少ししてますが、私が側に居たらやめてくれます。みぃさん(主婦/ 27歳 ) 自分だけおいしいものを食べる 気づいてほしいなら、旦那の目につくところにハーゲンダッツのゴミを捨てておき、冷凍庫にはガリガリ君。(何か文句言われたらガリガリ君のほうがおいしいから残しておいてあげたのに!と言い張る) 気づかない程度なら、自分は炊きたてご飯、旦那には冷凍ご飯を温めたものを出す。(もし気づかれても私の分も冷凍ご飯だよーとごまかせる) うふふさん(主婦/ 34歳 ) 自分たちだけ高級なものを旦那だけ、激安白米を炊いて冷凍。自分と子どもは魚沼産こしひかりを食べる。うーんさん(主婦/ 35歳 ) シンプルですが…靴下を裏返したままにしておく。 もんちゃんさん(主婦/ 41歳 ) お弁当で仕返し!旦那にイライラした時は… お弁当のご飯をギュウギュウ詰めにします。旦那はご飯多めだな〜って思ってるぐらいだと思いますが。 匿名コさん(主婦/ 30歳 ) 開けたらキャラ弁 私はこの前夫にイラっとした時、職場で開けたらちょっと恥ずかしいだろうなって思ってキャラ弁作ってやりました(笑)。案の定ちょっと恥ずかしかったみたいで次は普通のがいいと言っていました♪ まりもさん(主婦/ 31歳 ) わかりやすく態度で休日に主人一人で外出し、昼には帰ると言いながら夜遅くまで何の連絡もなかったため、主人用に取っておいた食事を捨てたことがあります。私の怒りを察したのか、文句も言わず黙ってコンビニに買いに行ってました。その後一週間ひたすら無視しました。それからは外出しても帰宅の時間や食事の有無は必ず連絡を入れてくるようになりました。 バイソンさん(主婦/ 33歳 ) おもしろエピソード満載!あなたも「(駄)の広場」に投稿しよう! 投稿してみる! (駄)の広場はこちら 【テーマ】ダンナへの小さな仕返し 旦那への嫌がらせYckchiraさん(主婦 / 23歳)旦那に何か地味な嫌がらせしたいのですが、皆さんどんなことされましたか?? どれも手応えがいまいちです。よろしくお願いします。 ゲームのデータを消去!大袈裟な話ではなく夫婦なら笑い話になる程度の話ですよね? 私は新婚時代に旦那がゲームばかりするからデータ消しました。旦那は反省してゲームは卒業してくれました。最近スマホゲームは少ししてますが、私が側に居たらやめてくれます。みぃさん(主婦/ 27歳 ) 自分だけおいしいものを食べる 気づいてほしいなら、旦那の目につくところにハーゲンダッツのゴミを捨てておき、冷凍庫にはガリガリ君。(何か文句言われたらガリガリ君のほうがおいしいから残しておいてあげたのに!と言い張る) 気づかない程度なら、自分は炊きたてご飯、旦那には冷凍ご飯を温めたものを出す。(もし気づかれても私の分も冷凍ご飯だよーとごまかせる) うふふさん(主婦/ 34歳 ) 自分たちだけ高級なものを旦那だけ、激安白米を炊いて冷凍。自分と子どもは魚沼産こしひかりを食べる。うーんさん(主婦/ 35歳 ) シンプルですが…靴下を裏返したままにしておく。 もんちゃんさん(主婦/ 41歳 ) お弁当で仕返し!旦那にイライラした時は… お弁当のご飯をギュウギュウ詰めにします。旦那はご飯多めだな〜って思ってるぐらいだと思いますが。 匿名コさん(主婦/ 30歳 ) 開けたらキャラ弁 私はこの前夫にイラっとした時、職場で開けたらちょっと恥ずかしいだろうなって思ってキャラ弁作ってやりました(笑)。案の定ちょっと恥ずかしかったみたいで次は普通のがいいと言っていました♪ まりもさん(主婦/ 31歳 ) わかりやすく態度で休日に主人一人で外出し、昼には帰ると言いながら夜遅くまで何の連絡もなかったため、主人用に取っておいた食事を捨てたことがあります。私の怒りを察したのか、文句も言わず黙ってコンビニに買いに行ってました。その後一週間ひたすら無視しました。それからは外出しても帰宅の時間や食事の有無は必ず連絡を入れてくるようになりました。 バイソンさん(主婦/ 33歳 ) おもしろエピソード満載!あなたも「(駄)の広場」に投稿しよう! 投稿してみる! (駄)の広場はこちら
2017.8.7
コラム くらし
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心の玉手箱 Vol.32 「毎月頑張っても結果が出ず経済的にも精神的にもつらい。そろそろ子どもがいない生活も視野に入れるべき?」
田村秀子先生の心の玉手箱 Vol.32 田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院) 毎月頑張っても結果が出ず経済的にも精神的にもつらく"やめ時"が頭をよぎる日々。そろそろ子どもがいない生活も視野に入れるべき? 田秀子先生にお話を伺いました。 投稿者:サカノリ0508さん(会社員 / 37歳) 皆さんが前向きに頑張られているなか、ネガティブな話題ですみません。6回目の採卵が終わりましたが、7個採れて受精したのがたった1個でした。これから胚盤胞まで育てます。私はAMHが0.26ng/ml、夫は乏精子症で数は500万/ml程度です。12月からほぼ毎月クロミッドⓇ+HMGで採卵を重ねていますが結果が出ません。金銭的にも精神的にも厳しいです。結果が出ないので、子どものいない生活も視野に入れないといけないと思っていますが、皆さんならどのくらいで諦めようとお考えになりますか? 投稿に寄せられたコメント 投稿者:まるこさん(主婦 / 38歳) 主治医とか第三者が無理と言っても、何かを諦める基準って人それぞれで主さんが本当にもう無理って思わない限り後悔すると思います。これ以上お金を使うなら子供は諦める。これ以上辛い思いするなら子供は諦める。と思った時が終わりだと思います。未だ三十代だし子供のいない生活を視野に入れ夫婦だけの楽しい生活も想像しつつサカノリ0508さん夫婦がもう終わりにしたいと思う日まで頑張った方が良いと思います。 投稿者:すずちゃんさん(看護師 / 41歳 ) 諦めどき…難しいですよね…。金銭的、精神的にも治療年月が経つほど辛くなると思います。私はサカノリ0508さんとは状況は違いますが、43歳の誕生日までと主人と決めました。 治療の繰り返しで張りつめた心と体を休ませてあげましょう 採卵、移植、妊娠判定を繰り返し、2週間後には次の採卵…。あせって治療を続けても、いったんリセットするはずの心と体はすぐにはもどりません。心身ともに張りつめた状態をずっと維持し続けるのは、とても大変なことだと思います。そのうえ結果が出ない状態が毎月続くと、そのたびに“自分の中で消化しきれない何か”を溜め込んでいるようなもの。それが積み重なって、何も受け入れられなくなっているのが、今の状態だと思います。 たとえばサッカー選手やマラソン選手が次の試合に向けて体力や精神力、モチベーションを維持するためにインターバルが必要なように、治療にも時にはインターバルが必要です。この半年間、毎月張りつめた状態でお金も使ってきたのです。3カ月ほどゆっくりして、治療を離れてみてはいかがでしょう。「離れる=諦める」ではありません。卵巣とご自身を少し休ませてあげるのです。 なぜ治療を諦めようとしていらっしゃるのか。それは妊娠もしないし、お金も使い果たしたし、疲れているし、だから…ということでしょう? お金は休んでいる間に貯めることができます。そうすれば「ゆとりが出てきたから、もう1回頑張ろう」となるかもしれません。 一番大切なのは子どもが欲しいというパッションがあるかどうか それよりも大切なのは、子どもが欲しいというパッションをもち続けられるかどうかです。パッションが消えた時、それが治療をやめる時だと思います。パッションが消えるというのは、心の準備ができていないのにいきなりやめるのではなく、「もういいかな」「もう納得できたかな」とフェードアウトしていくような感じです。いずれ閉経した時、「あの時、精神的にも経済的にも大変だったけど頑張ったよね(笑)」と、口には出さなくても夫婦で不妊治療のことを笑って振り返れる。そんなふうになって欲しいと思います。 そのためには、AMHが低いこと、ご主人の精子が少ないことを考えると、科学的な妊娠率が決して高くないという事実を甘受できるよう、心の準備をしておいたほうがいいのかもしれません。そのうえで、それでも先が見えずに「こんな思いはしたくない」「こんな治療はしたくない」という思いがパッションよりも強いのであれば、“やめ時”なのかもしれません。けれども、そこできっぱりやめられずに、しばらくは心が揺れ動くこともあるでしょう。そんな時は体外受精にこだわらず、排卵のタイミングだけ診てもらうなどして治療をつないでいけばいいと思います。そして「よし、頑張ろう!」と思えた時、またチャレンジすればいいのです。 子どもがいない生活を視野に入れることは夫婦として当然です 子どもがいてもいなくても大きな柱は夫婦です。そもそも子どもがいても、いずれは夫婦だけの生活になります。子どもがいない生活を視野に入れるのは当然のことで、子どもをもつ、もたないではなく、夫婦としてのライフスタイルなのです。そこにたまたま子どもが付随するだけのこと。子どもを育てるために結婚したわけでも、夫婦になったわけでもないのです。 ですから、これからも夫婦二人の生活を土台としてしっかり築きあげていきましょうね。土台があれば、子どもがいてもいなくてもその夫婦はずっとうまくいきます。そこに子どもがいるかいないかは、ゆくゆくは老人ホームに入るのか、同居するのか、そこに孫がいるのか、いないかだけの話なのです。 先ほどもお話しした“治療のやめ時”については、“やめ時”を考えるからつらくなるのだと思います。人の気持ちや価値観は日々変化して、いずれは消えていくのです。限りがあるから美しいとはよくいったもので、自然の流れはうまくできていると思います。 [無料]気軽にご相談ください 先生のご紹介 田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院) 京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991年、自ら不妊治療をして双子を出産したのを機に、義父の経営する田村産婦人科医院に勤め、1995年に不妊部門の現クリニックを開設。7月に京都で開催された「性教育指導セミナー全国大会」。京都府産婦人科医会の会長を務める秀子先生も参加し、府民公開講座では「15歳以下の妊娠・出産をゼロにするために」というテーマでロールプレイにセーラー服姿で登場! 妊娠したやんちゃな不登校生役を演じられたそう。 ≫ 田村秀子婦人科医院 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 田村秀子先生の心の玉手箱 Vol.32 田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院) 毎月頑張っても結果が出ず経済的にも精神的にもつらく"やめ時"が頭をよぎる日々。そろそろ子どもがいない生活も視野に入れるべき? 田秀子先生にお話を伺いました。 投稿者:サカノリ0508さん(会社員 / 37歳) 皆さんが前向きに頑張られているなか、ネガティブな話題ですみません。6回目の採卵が終わりましたが、7個採れて受精したのがたった1個でした。これから胚盤胞まで育てます。私はAMHが0.26ng/ml、夫は乏精子症で数は500万/ml程度です。12月からほぼ毎月クロミッドⓇ+HMGで採卵を重ねていますが結果が出ません。金銭的にも精神的にも厳しいです。結果が出ないので、子どものいない生活も視野に入れないといけないと思っていますが、皆さんならどのくらいで諦めようとお考えになりますか? 投稿に寄せられたコメント 投稿者:まるこさん(主婦 / 38歳) 主治医とか第三者が無理と言っても、何かを諦める基準って人それぞれで主さんが本当にもう無理って思わない限り後悔すると思います。これ以上お金を使うなら子供は諦める。これ以上辛い思いするなら子供は諦める。と思った時が終わりだと思います。未だ三十代だし子供のいない生活を視野に入れ夫婦だけの楽しい生活も想像しつつサカノリ0508さん夫婦がもう終わりにしたいと思う日まで頑張った方が良いと思います。 投稿者:すずちゃんさん(看護師 / 41歳 ) 諦めどき…難しいですよね…。金銭的、精神的にも治療年月が経つほど辛くなると思います。私はサカノリ0508さんとは状況は違いますが、43歳の誕生日までと主人と決めました。 治療の繰り返しで張りつめた心と体を休ませてあげましょう 採卵、移植、妊娠判定を繰り返し、2週間後には次の採卵…。あせって治療を続けても、いったんリセットするはずの心と体はすぐにはもどりません。心身ともに張りつめた状態をずっと維持し続けるのは、とても大変なことだと思います。そのうえ結果が出ない状態が毎月続くと、そのたびに“自分の中で消化しきれない何か”を溜め込んでいるようなもの。それが積み重なって、何も受け入れられなくなっているのが、今の状態だと思います。 たとえばサッカー選手やマラソン選手が次の試合に向けて体力や精神力、モチベーションを維持するためにインターバルが必要なように、治療にも時にはインターバルが必要です。この半年間、毎月張りつめた状態でお金も使ってきたのです。3カ月ほどゆっくりして、治療を離れてみてはいかがでしょう。「離れる=諦める」ではありません。卵巣とご自身を少し休ませてあげるのです。 なぜ治療を諦めようとしていらっしゃるのか。それは妊娠もしないし、お金も使い果たしたし、疲れているし、だから…ということでしょう? お金は休んでいる間に貯めることができます。そうすれば「ゆとりが出てきたから、もう1回頑張ろう」となるかもしれません。 一番大切なのは子どもが欲しいというパッションがあるかどうか それよりも大切なのは、子どもが欲しいというパッションをもち続けられるかどうかです。パッションが消えた時、それが治療をやめる時だと思います。パッションが消えるというのは、心の準備ができていないのにいきなりやめるのではなく、「もういいかな」「もう納得できたかな」とフェードアウトしていくような感じです。いずれ閉経した時、「あの時、精神的にも経済的にも大変だったけど頑張ったよね(笑)」と、口には出さなくても夫婦で不妊治療のことを笑って振り返れる。そんなふうになって欲しいと思います。 そのためには、AMHが低いこと、ご主人の精子が少ないことを考えると、科学的な妊娠率が決して高くないという事実を甘受できるよう、心の準備をしておいたほうがいいのかもしれません。そのうえで、それでも先が見えずに「こんな思いはしたくない」「こんな治療はしたくない」という思いがパッションよりも強いのであれば、“やめ時”なのかもしれません。けれども、そこできっぱりやめられずに、しばらくは心が揺れ動くこともあるでしょう。そんな時は体外受精にこだわらず、排卵のタイミングだけ診てもらうなどして治療をつないでいけばいいと思います。そして「よし、頑張ろう!」と思えた時、またチャレンジすればいいのです。 子どもがいない生活を視野に入れることは夫婦として当然です 子どもがいてもいなくても大きな柱は夫婦です。そもそも子どもがいても、いずれは夫婦だけの生活になります。子どもがいない生活を視野に入れるのは当然のことで、子どもをもつ、もたないではなく、夫婦としてのライフスタイルなのです。そこにたまたま子どもが付随するだけのこと。子どもを育てるために結婚したわけでも、夫婦になったわけでもないのです。 ですから、これからも夫婦二人の生活を土台としてしっかり築きあげていきましょうね。土台があれば、子どもがいてもいなくてもその夫婦はずっとうまくいきます。そこに子どもがいるかいないかは、ゆくゆくは老人ホームに入るのか、同居するのか、そこに孫がいるのか、いないかだけの話なのです。 先ほどもお話しした“治療のやめ時”については、“やめ時”を考えるからつらくなるのだと思います。人の気持ちや価値観は日々変化して、いずれは消えていくのです。限りがあるから美しいとはよくいったもので、自然の流れはうまくできていると思います。 [無料]気軽にご相談ください 先生のご紹介 田村 秀子 先生(田村秀子婦人科医院) 京都府立医科大学卒業。同大学院修了後、京都第一赤十字病院に勤務。1991年、自ら不妊治療をして双子を出産したのを機に、義父の経営する田村産婦人科医院に勤め、1995年に不妊部門の現クリニックを開設。7月に京都で開催された「性教育指導セミナー全国大会」。京都府産婦人科医会の会長を務める秀子先生も参加し、府民公開講座では「15歳以下の妊娠・出産をゼロにするために」というテーマでロールプレイにセーラー服姿で登場! 妊娠したやんちゃな不登校生役を演じられたそう。 ≫ 田村秀子婦人科医院 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.7
コラム 不妊治療
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情熱のカルテ 秋山レディースクリニック 秋山 芳晃 先生
「他の施設で結果が出なくて、当院に来てうまくいった時や、お1人目に続いてお2人目も当院で治療を受けたいと思って来てくださった時などは“続けてきて良かったな”と感じますね。」
2017.8.7
コラム 不妊治療
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【ジネコ厳選】話題の人気妊活ブログ Part8
妊活中の女性に人気の妊活ブログ。その理由は、本音で語る彼女たちの姿にあります。そんな彼女たちの真の声に、多くの女性が共感しコミュニティも活発化。人気が高いブログを紹介します。
2017.8.7
コラム 不妊治療
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一歩一歩、熱意で進めた不妊治療
「待つのも治療のひとつだよ」結果を急ぐ不安な私に先生の言葉がやさしく響きました。 不妊症の治療は、ゴールへ至る道も、ゴール地点も人によってさまざまです。もしかしたら近道があるのかもしれない、と思いながらも自分の気持ちに正直になって一歩一歩治療を進めていったEさんのストーリーです。 結婚後、半年が過ぎたころもしかして不妊? と不安に 「30歳を過ぎるまでは、と結婚は意識していなかったんです」と笑顔で話してくださるEさん。ちょうど30歳になるころ出会ったご主人とは、その2カ月後に結婚を決めていた、というほど運命的な出会いでした。 「結婚したらすぐに子どもができると思っていたのですが、半年ぐらい経ってもなかなかうまくいかなくて、もしかしたら妊娠しにくいのかもしれない、と不安な気持ちが少しずつ大きくなっていきました。毎月、また妊娠できなかった…と思うと、不妊についてインターネットで見る回数がだんだん増えていきました」 Eさんご夫妻は春に挙式され、秋にはクリニックへの受診を考え始めました。「私自身、風邪をひきやすかったり、冷え性に悩んだりと体の不調がいろいろあったことと、35歳を過ぎたらもっと妊娠しにくいと一般的に言われていたので、焦りがありました」。 ご主人の検査をきっかけに不妊治療をスタートさせる 悩んでいたEさんの話を聞いて、ご主人も泌尿器科へ精液検査を受けに行くことに。「彼自身もなかなか踏ん切りがつかないなか、決断して検査に行ってくれました。2回の検査で結果がよくなくて、どこかに不妊治療に行ったほうがいい、ということで英(はなぶさ)ウィメンズクリニックを紹介してもらいました」。英ウィメンズクリニックは土日も受診できるので、ともに仕事をもつEさんご夫妻にも通いやすく便利でした。 検査にかかる時間が短い男性と比べて、女性は月経期、排卵の前後、排卵期と時期を分けて子宮や卵管を検査します。Eさんは月経後に実施する血液検査で甲状腺の病気の疑いがあるということで、近隣の甲状腺専門の病院での治療も並行して受けました。「妊娠するには数値が高い、ということで甲状腺刺激ホルモンを抑える薬を処方されました。妊娠した今も継続的に服用しています」。また、卵管の通りを見る検査を受け、左側が細いという指摘を受けましたが閉じているわけではないということで、タイミング法や人工授精での妊娠に期待をもちました。 毎回の不妊治療の流れは、「生理があったらクリニックで通水の予約を取り、生理後10日目ぐらいの排卵前に通水。そのあとに人工授精やタイミング法を試し、その後は子宮内膜を維持する働きをもつ黄体ホルモンの分泌を助ける薬を飲み、判定を待つ」というものでした。毎回の通水がとても痛かったとふりかえるEさん。「でも妊娠したいという気持ちと焦る気持ちが大きかったので我慢ができました」。 しかしその治療が4回目、5回目を数えても妊娠の兆候はありませんでした。 FTの手術を受けるも、体外受精をとうとう決断 そこで、治療は次の段階へと進みます。Eさんは「卵管鏡下卵管形成術(FT)」についての説明を受けました。この手術は狭くなっていたり詰まったりしている卵管を通すため、内視鏡を内蔵したカテーテルで卵管を観察しながら風船(バルーン)を膨らませて詰まっているところを広げるものです。「通水よりは卵管の通りも良くなり、体への負担も少ない日帰り手術だと聞いたので、受けようと決断しました」。 FTの手術を受けた後、一度は人工授精を試したEさんご夫妻でしたが妊娠に至りませんでした。あと数回は同じ方法で経過を見るつもりでしたが、一方でずっと迷っていたことがEさんの頭の中を占めるようになっていました。「このまま人工授精を続けていても、うまくいかない気がする。体外受精に踏み切ろうかな、と思い始めていたのです」。 英ウィメンズクリニックに通い始めた頃、Eさんご夫妻は体外受精のセミナーに参加していました。「どんなものか話だけは聞いておこうかなと。でもやっぱり怖いなと思うのと、自分で注射を毎日打つのができるのだろうかと不安でした」。 そんな時、院内の看護師さんによる看護師外来でカウンセリングを受ける機会が。「その方も体外受精の経験者で、自分の体験談を話してくれて。それを聞いていたら自分にもできるかな、と思い始めたのです」。 体外受精に踏み切るためにEさんが乗り越えたハードルは2つ。ひとつは自己注射です。体外受精では、採卵をするために毎日排卵誘発剤を注射しなくてはなりません。自己注射なら毎日クリニックに通わなくても済み、負担は軽減されます。「でも、先生の前で自己注射がしっかりできないと許可が出ません。これがなかなかできなかった…。つらかったです」。 もう一つのハードルは採卵。「毎日の注射でだるく、しんどかったですが、気を紛らわせるためにも仕事に行っていました。当日は、朝から採卵をして30分ほど安静にして、主人と一緒に帰宅しました。会社には不妊治療中であることを伝えてあったので、その後数日は休むことができました。 こうした採卵の過程に挑むこと2回、胚培養、胚移植を経てようやく妊娠判定が出たのでした。 子どもを授かりたいというモチベーションを常に保って 不妊治療を始めてから、ご主人をうまく巻き込んで治療に邁進したEさん。「でも、毎回落ち込んでばかりいました。排卵日前となると自分の中で緊張が高まるし、そのあとの結果が出るまでの間というのはものすごく長く感じるし。カレンダーばかりを見て生活していました。治療の中で注射を打ったり薬を飲んだりも大変だったけど、待つのが一番つらかった」。そのころ一番お世話になったのが、英ウィメンズクリニックの主治医の先生。「自分の中のイライラをじっくり聞いてくださいました。“待つのも治療だから”と言ってくださったのも先生です。最初から体外受精を選択すれば手っ取り早かったとは思う。それこそ当初自分が望んでいたように1年で妊娠できていたかもしれないと思うけれど、私たちが納得して体外受精に踏み切るためには、通水をして人工授精とタイミング療法を試し、FTを受けて、と段階を踏むことも必要だったと思います」。 今、妊娠7カ月を迎えたEさんの横顔は、とても落ち着いています。つわりなどの妊娠中のトラブルもなく、とても安定しているそう。時に落ち込むことはあっても、子どもを授かりたい、というまっすぐな気持ちを大切にして不妊治療に挑んだ自信が、その表情を輝かせているのかもしれません。 From Doctor 治療を振り返って 「前向きに未来を信じて待つ、これはとても大変なこと」 Eさんがいろんな思いで転機を迎えながら治療のステップを進まれたのがわかります。不妊治療では待つだけという時期が多く、しんどいですね。看護師外来で診療とは違う話を聞いたり、30分1対1でじっくり治療してもらえる鍼灸やレーザー治療を利用したり、悩んでストレスをため込んだりしないように、よいタイミングで上手に気分転換をされているのがよかったと思います。 ハードルが高いと思われがちな体外受精ですが、共働きのご夫婦などは体外受精のほうがコントロールしやすいこともあり、通院回数を少なくして早く妊娠をしたいという方にも早い段階で体外受精を勧めることがあります。心配な自己注射も、看護師が1人1人手技を確認してできるようになるまで一緒に練習しますのでご安心ください。 先生のご紹介 副院長 松本 由紀子 先生(英ウィメンズクリニック) 浜松医科大学医学部卒。岡山大学医学部産科婦人科学教室へ入局後、神戸掖済会病院、岡山済生会総合病院、姫路赤十字病院勤務を経て、2007年9月より英ウィメンズクリニック勤務。2013年3月より同院副院長。 ≫ 英ウィメンズクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 「待つのも治療のひとつだよ」結果を急ぐ不安な私に先生の言葉がやさしく響きました。 不妊症の治療は、ゴールへ至る道も、ゴール地点も人によってさまざまです。もしかしたら近道があるのかもしれない、と思いながらも自分の気持ちに正直になって一歩一歩治療を進めていったEさんのストーリーです。 結婚後、半年が過ぎたころもしかして不妊? と不安に 「30歳を過ぎるまでは、と結婚は意識していなかったんです」と笑顔で話してくださるEさん。ちょうど30歳になるころ出会ったご主人とは、その2カ月後に結婚を決めていた、というほど運命的な出会いでした。 「結婚したらすぐに子どもができると思っていたのですが、半年ぐらい経ってもなかなかうまくいかなくて、もしかしたら妊娠しにくいのかもしれない、と不安な気持ちが少しずつ大きくなっていきました。毎月、また妊娠できなかった…と思うと、不妊についてインターネットで見る回数がだんだん増えていきました」 Eさんご夫妻は春に挙式され、秋にはクリニックへの受診を考え始めました。「私自身、風邪をひきやすかったり、冷え性に悩んだりと体の不調がいろいろあったことと、35歳を過ぎたらもっと妊娠しにくいと一般的に言われていたので、焦りがありました」。 ご主人の検査をきっかけに不妊治療をスタートさせる 悩んでいたEさんの話を聞いて、ご主人も泌尿器科へ精液検査を受けに行くことに。「彼自身もなかなか踏ん切りがつかないなか、決断して検査に行ってくれました。2回の検査で結果がよくなくて、どこかに不妊治療に行ったほうがいい、ということで英(はなぶさ)ウィメンズクリニックを紹介してもらいました」。英ウィメンズクリニックは土日も受診できるので、ともに仕事をもつEさんご夫妻にも通いやすく便利でした。 検査にかかる時間が短い男性と比べて、女性は月経期、排卵の前後、排卵期と時期を分けて子宮や卵管を検査します。Eさんは月経後に実施する血液検査で甲状腺の病気の疑いがあるということで、近隣の甲状腺専門の病院での治療も並行して受けました。「妊娠するには数値が高い、ということで甲状腺刺激ホルモンを抑える薬を処方されました。妊娠した今も継続的に服用しています」。また、卵管の通りを見る検査を受け、左側が細いという指摘を受けましたが閉じているわけではないということで、タイミング法や人工授精での妊娠に期待をもちました。 毎回の不妊治療の流れは、「生理があったらクリニックで通水の予約を取り、生理後10日目ぐらいの排卵前に通水。そのあとに人工授精やタイミング法を試し、その後は子宮内膜を維持する働きをもつ黄体ホルモンの分泌を助ける薬を飲み、判定を待つ」というものでした。毎回の通水がとても痛かったとふりかえるEさん。「でも妊娠したいという気持ちと焦る気持ちが大きかったので我慢ができました」。 しかしその治療が4回目、5回目を数えても妊娠の兆候はありませんでした。 FTの手術を受けるも、体外受精をとうとう決断 そこで、治療は次の段階へと進みます。Eさんは「卵管鏡下卵管形成術(FT)」についての説明を受けました。この手術は狭くなっていたり詰まったりしている卵管を通すため、内視鏡を内蔵したカテーテルで卵管を観察しながら風船(バルーン)を膨らませて詰まっているところを広げるものです。「通水よりは卵管の通りも良くなり、体への負担も少ない日帰り手術だと聞いたので、受けようと決断しました」。 FTの手術を受けた後、一度は人工授精を試したEさんご夫妻でしたが妊娠に至りませんでした。あと数回は同じ方法で経過を見るつもりでしたが、一方でずっと迷っていたことがEさんの頭の中を占めるようになっていました。「このまま人工授精を続けていても、うまくいかない気がする。体外受精に踏み切ろうかな、と思い始めていたのです」。 英ウィメンズクリニックに通い始めた頃、Eさんご夫妻は体外受精のセミナーに参加していました。「どんなものか話だけは聞いておこうかなと。でもやっぱり怖いなと思うのと、自分で注射を毎日打つのができるのだろうかと不安でした」。 そんな時、院内の看護師さんによる看護師外来でカウンセリングを受ける機会が。「その方も体外受精の経験者で、自分の体験談を話してくれて。それを聞いていたら自分にもできるかな、と思い始めたのです」。 体外受精に踏み切るためにEさんが乗り越えたハードルは2つ。ひとつは自己注射です。体外受精では、採卵をするために毎日排卵誘発剤を注射しなくてはなりません。自己注射なら毎日クリニックに通わなくても済み、負担は軽減されます。「でも、先生の前で自己注射がしっかりできないと許可が出ません。これがなかなかできなかった…。つらかったです」。 もう一つのハードルは採卵。「毎日の注射でだるく、しんどかったですが、気を紛らわせるためにも仕事に行っていました。当日は、朝から採卵をして30分ほど安静にして、主人と一緒に帰宅しました。会社には不妊治療中であることを伝えてあったので、その後数日は休むことができました。 こうした採卵の過程に挑むこと2回、胚培養、胚移植を経てようやく妊娠判定が出たのでした。 子どもを授かりたいというモチベーションを常に保って 不妊治療を始めてから、ご主人をうまく巻き込んで治療に邁進したEさん。「でも、毎回落ち込んでばかりいました。排卵日前となると自分の中で緊張が高まるし、そのあとの結果が出るまでの間というのはものすごく長く感じるし。カレンダーばかりを見て生活していました。治療の中で注射を打ったり薬を飲んだりも大変だったけど、待つのが一番つらかった」。そのころ一番お世話になったのが、英ウィメンズクリニックの主治医の先生。「自分の中のイライラをじっくり聞いてくださいました。“待つのも治療だから”と言ってくださったのも先生です。最初から体外受精を選択すれば手っ取り早かったとは思う。それこそ当初自分が望んでいたように1年で妊娠できていたかもしれないと思うけれど、私たちが納得して体外受精に踏み切るためには、通水をして人工授精とタイミング療法を試し、FTを受けて、と段階を踏むことも必要だったと思います」。 今、妊娠7カ月を迎えたEさんの横顔は、とても落ち着いています。つわりなどの妊娠中のトラブルもなく、とても安定しているそう。時に落ち込むことはあっても、子どもを授かりたい、というまっすぐな気持ちを大切にして不妊治療に挑んだ自信が、その表情を輝かせているのかもしれません。 From Doctor 治療を振り返って 「前向きに未来を信じて待つ、これはとても大変なこと」 Eさんがいろんな思いで転機を迎えながら治療のステップを進まれたのがわかります。不妊治療では待つだけという時期が多く、しんどいですね。看護師外来で診療とは違う話を聞いたり、30分1対1でじっくり治療してもらえる鍼灸やレーザー治療を利用したり、悩んでストレスをため込んだりしないように、よいタイミングで上手に気分転換をされているのがよかったと思います。 ハードルが高いと思われがちな体外受精ですが、共働きのご夫婦などは体外受精のほうがコントロールしやすいこともあり、通院回数を少なくして早く妊娠をしたいという方にも早い段階で体外受精を勧めることがあります。心配な自己注射も、看護師が1人1人手技を確認してできるようになるまで一緒に練習しますのでご安心ください。 先生のご紹介 副院長 松本 由紀子 先生(英ウィメンズクリニック) 浜松医科大学医学部卒。岡山大学医学部産科婦人科学教室へ入局後、神戸掖済会病院、岡山済生会総合病院、姫路赤十字病院勤務を経て、2007年9月より英ウィメンズクリニック勤務。2013年3月より同院副院長。 ≫ 英ウィメンズクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.7
コラム 不妊治療
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できるなら、妊活期間を“楽しく”!
悩んで過ごすか、明るく過ごすか、不妊治療中の過ごし方は、自分しだい。だから、楽天的に! もしも赤ちゃんを授からなかったとしても、人生はこれからも続きます。「子どもがいなくても、幸せ!」と思える人生、生き方だってあるのです。まずは、自分の人生を楽しむこと! “生き甲斐”を見出してみませんか? “やり甲斐のある仕事” ママになってもしたい! 「不妊治療に専念しよう!」と心に決め、きっぱりと仕事を辞めたミルクさん(31歳)でしたが、その喪失感は想像をはるかに上回るものでした。憧れていた職業、やりがいもあり、これまで真摯に取り組んできただけに、「育児が一段落したらまた職場に戻りたい」との気持ちが日増しに強くなり、それと同時に「その日はいつ来るの?」という漠然とした不安が。 「赤ちゃんを授からない限り、職場復帰は見込めない」けれど、いつ妊娠するか、妊娠できるかさえも定かではありません。仕事ではきっちりと年間プランを立て、着実に実行に移してきたミルクさんにとっては、先の見えない不妊治療はストレスそのものでした。 「だから、決めたのです。不妊治療は1年間だけにしようと。また、治療がストレスにならないように、妊活中は思い切りわがままに振る舞い、妊活期間を大いに楽しみ、有効に過ごそう! と」。 元キャリアウーマンだから、考えた“効率” ミルクさんがご結婚されたのは2014年11月。お相手は職場の先輩のご友人で、知り合ったのは6年ほど前。その後も食事などをご一緒するお仲間の一人としてのお付き合いがあり、それがいつしか恋愛に発展。すでに気心が知れた仲だったため、真剣交際を始めて半年でのスピード婚でした。挙式は、さらにその1年後。 「私の仕事のスケジュールを優先してもらい、挙式は先延ばしにしました。その代わり、挙式の段取りなどはすべて私が綿密に仕切りました。プランを立てるのは、得意なんですよ」と澄んだ声で笑うミルクさんは、ご年齢よりずっと若く見える可愛らしい女性。おっとりした印象ですが、「性格的には、かなりせっかちですよ」とご本人の弁。その当時は、仕事のスケジュールに追われる毎日で、就寝は23時過ぎ、起床は5時。土日も段取りよくスケジュールがこなせるよう下準備。何事においても仕事の“効率”を優先させ、プライベートは後回しでした。 ところが挙式を済ませた途端、じわりと「赤ちゃんが欲しい」という感情が芽生えます。しばらくは排卵検査薬などを使用してタイミング療法を試みましたが、良い結果は得られず、不妊治療に踏み切ることに決めました。 我がままに! 贅沢に!妊活中の“特別な1年間” 「仕事と不妊治療の同時進行では、どちらも中途半端になってしまうに違いない」と、“効率”を重視して仕事を辞め、不妊治療を優先させたミルクさんでしたが、わずか1週間ほどで激しく後悔しました。ミルクさんにとって、それほどに仕事は重要な存在だったのだと思い知らされました。 「子どもがいる人生もきっと楽しいはず。でも、私には仕事という生き甲斐もある」。そう考えた時、ミルクさんはどちらかを選択するのではなく、その代わりに期限を決めました。「1年間、不妊治療を頑張ろう。それでダメだったら、また仕事を頑張ろう」と。 そして、「妊活に専念する1年間は、特別な1年間にする!」と決めたのです。そこでまず取り組んだのが、妊娠においてもっとも悪影響となる“ストレス”の排除。やりたくない! と思うものを書き出してみると、なんとその筆頭は家事でした。 「夫は本当に優しい人で、だからこそ言えたのですが、“1年間だけ怠けさせてください”とお願いしました。快く引き受けてくれたことを、とても感謝しています」と、ミルクさん。「もちろん、完璧は求めません。食事も、有機野菜や添加物のないものを取り寄せていたので、シンプルな調理法でも十分においしい。通院で大宮に行く際には、ウォーキングがてらデパ地下を歩きまわり、夫好みのちょっぴり贅沢なお惣菜を奮発して買うことも。お互いに、無理をしない範囲でやろうね、と」。 家事をしなくてよくなった分、時間も贅沢に使いました。「大学に通って、過去の論文を読んだり、自分でも書いたり。伝統芸能に触れたり、英語を始め、スペイン語や韓国語の学習もしました。女友達を誘って、ランチ女子会などもしましたよ。SNSなどで繋がっている気になっていましたが、会って話すのとはやはり違うと実感。それ以来、インターネットなどで情報を得るのはやめました」とも。 また、「妊活中こそ、自分自身を見つめる時間」ととらえ、時間を有効活用している! と思い、「無駄に時間を費やしているわけではない」と、自身を納得させたのです。 通うのが“楽しい”と思える、病院選び ミルクさんが選んだ不妊治療クリニックは、小誌でもお馴染みのかしわざき産婦人科でした。 通いやすい。地元で評判がいい。産科も兼任している、という条件を満たしたからでしたが、ミルクさんは通うほどに、「この病院を選んでよかった!」と感じたそう。「先生方はもちろん、看護師さんや培養士さん、スタッフの方すべてがとにかく親切。私の、もしかしたらくだらないかもしれない質問にも丁寧に答えてくださり、嫌な顔一つなさらないのです。また、予約制だと“予約したから”と悪天候でも無理をしていらっしゃる患者さんがいては気の毒、とあえて予約制ではないので、気になることがあればすぐ行かれるのもありがたかった。私は2週に1回の通院の時でも、先生やスタッフの方とお話がしたくて毎週通っていました(笑)」。 実はミルクさん、人工授精直後に食中毒に罹りました。救急病院すべてから断られ、結局はかしわざき産婦人科で治療を受けたご経験も。「妊婦かもしれないと思ったら、流産や胎児の障害なども考え、治療を避けたい病院も多いのでしょう。地域に根差した病院に通院していたおかげで助かりました」と、振り返ります。 自然に近い妊娠を目指すかしわざき産婦人科ですが、“効率”重視のミルクさんに急かされ、一気に体外受精へ。その結果、めでたく妊娠! ミルクさんは、今年の晩夏にはママになる予定です。治療を始めてちょうど1年。「まだ凍結胚が8個あるので、計画を練って、仕事への支障を最小限に抑えながら、何人か産みたいと思います」とミルクさんは言います。 さらに「でも、もし授からなかったしとしても、私にはやり甲斐のある仕事があります。それは、それで幸せ。子どもをもつ以外にも幸せはあるのだと、奇しくも妊活中に思い知ったのです」とも。 From Doctor 治療を振り返って 「心配になるほどの“優等生”。つらい時は泣いてもいいよ!」 「妊活は楽しかった」とおっしゃるミルクさんですが、実は精子が弱くて受精障害がありました。顕微授精の前には卵巣過剰刺激症候群、妊娠してからも切迫流産や切迫早産の危険があって長く入院していただいたりと、本当は大変なこともいっぱいあったのですが、よく耐えたと思います。 とにかく前向きで、決断が早い。こちらが提案する治療法も、「それならやってみたい」「それはやりたくない」などとしっかりした考えのうえで、明確に意思表示をしてくれるので治療も進めやすかったですね。私としても受精から赤ちゃん誕生まで担当でき、やり甲斐を感じます。 とにかく明るいので、こちらも元気を分けていただきました。妊婦向けのエアロビクス教室でもリーダー的存在で、彼女がいるだけで場が和むので助かります。 でも、あまりに頑張り屋さんで弱音を吐かないから、逆にそれが心配だったことも時々ありました。でも、最後までよく頑張ってくれました。 先生のご紹介 柏崎 祐士 先生(かしわざき産婦人科) 京都府立医科大学医学部卒業。2000年まで日本大学板橋病院で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」副院長に。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本婦人科内視鏡認定医。O型・おとめ座。 ≫ かしわざき産婦人科 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 悩んで過ごすか、明るく過ごすか、不妊治療中の過ごし方は、自分しだい。だから、楽天的に! もしも赤ちゃんを授からなかったとしても、人生はこれからも続きます。「子どもがいなくても、幸せ!」と思える人生、生き方だってあるのです。まずは、自分の人生を楽しむこと! “生き甲斐”を見出してみませんか? “やり甲斐のある仕事” ママになってもしたい! 「不妊治療に専念しよう!」と心に決め、きっぱりと仕事を辞めたミルクさん(31歳)でしたが、その喪失感は想像をはるかに上回るものでした。憧れていた職業、やりがいもあり、これまで真摯に取り組んできただけに、「育児が一段落したらまた職場に戻りたい」との気持ちが日増しに強くなり、それと同時に「その日はいつ来るの?」という漠然とした不安が。 「赤ちゃんを授からない限り、職場復帰は見込めない」けれど、いつ妊娠するか、妊娠できるかさえも定かではありません。仕事ではきっちりと年間プランを立て、着実に実行に移してきたミルクさんにとっては、先の見えない不妊治療はストレスそのものでした。 「だから、決めたのです。不妊治療は1年間だけにしようと。また、治療がストレスにならないように、妊活中は思い切りわがままに振る舞い、妊活期間を大いに楽しみ、有効に過ごそう! と」。 元キャリアウーマンだから、考えた“効率” ミルクさんがご結婚されたのは2014年11月。お相手は職場の先輩のご友人で、知り合ったのは6年ほど前。その後も食事などをご一緒するお仲間の一人としてのお付き合いがあり、それがいつしか恋愛に発展。すでに気心が知れた仲だったため、真剣交際を始めて半年でのスピード婚でした。挙式は、さらにその1年後。 「私の仕事のスケジュールを優先してもらい、挙式は先延ばしにしました。その代わり、挙式の段取りなどはすべて私が綿密に仕切りました。プランを立てるのは、得意なんですよ」と澄んだ声で笑うミルクさんは、ご年齢よりずっと若く見える可愛らしい女性。おっとりした印象ですが、「性格的には、かなりせっかちですよ」とご本人の弁。その当時は、仕事のスケジュールに追われる毎日で、就寝は23時過ぎ、起床は5時。土日も段取りよくスケジュールがこなせるよう下準備。何事においても仕事の“効率”を優先させ、プライベートは後回しでした。 ところが挙式を済ませた途端、じわりと「赤ちゃんが欲しい」という感情が芽生えます。しばらくは排卵検査薬などを使用してタイミング療法を試みましたが、良い結果は得られず、不妊治療に踏み切ることに決めました。 我がままに! 贅沢に!妊活中の“特別な1年間” 「仕事と不妊治療の同時進行では、どちらも中途半端になってしまうに違いない」と、“効率”を重視して仕事を辞め、不妊治療を優先させたミルクさんでしたが、わずか1週間ほどで激しく後悔しました。ミルクさんにとって、それほどに仕事は重要な存在だったのだと思い知らされました。 「子どもがいる人生もきっと楽しいはず。でも、私には仕事という生き甲斐もある」。そう考えた時、ミルクさんはどちらかを選択するのではなく、その代わりに期限を決めました。「1年間、不妊治療を頑張ろう。それでダメだったら、また仕事を頑張ろう」と。 そして、「妊活に専念する1年間は、特別な1年間にする!」と決めたのです。そこでまず取り組んだのが、妊娠においてもっとも悪影響となる“ストレス”の排除。やりたくない! と思うものを書き出してみると、なんとその筆頭は家事でした。 「夫は本当に優しい人で、だからこそ言えたのですが、“1年間だけ怠けさせてください”とお願いしました。快く引き受けてくれたことを、とても感謝しています」と、ミルクさん。「もちろん、完璧は求めません。食事も、有機野菜や添加物のないものを取り寄せていたので、シンプルな調理法でも十分においしい。通院で大宮に行く際には、ウォーキングがてらデパ地下を歩きまわり、夫好みのちょっぴり贅沢なお惣菜を奮発して買うことも。お互いに、無理をしない範囲でやろうね、と」。 家事をしなくてよくなった分、時間も贅沢に使いました。「大学に通って、過去の論文を読んだり、自分でも書いたり。伝統芸能に触れたり、英語を始め、スペイン語や韓国語の学習もしました。女友達を誘って、ランチ女子会などもしましたよ。SNSなどで繋がっている気になっていましたが、会って話すのとはやはり違うと実感。それ以来、インターネットなどで情報を得るのはやめました」とも。 また、「妊活中こそ、自分自身を見つめる時間」ととらえ、時間を有効活用している! と思い、「無駄に時間を費やしているわけではない」と、自身を納得させたのです。 通うのが“楽しい”と思える、病院選び ミルクさんが選んだ不妊治療クリニックは、小誌でもお馴染みのかしわざき産婦人科でした。 通いやすい。地元で評判がいい。産科も兼任している、という条件を満たしたからでしたが、ミルクさんは通うほどに、「この病院を選んでよかった!」と感じたそう。「先生方はもちろん、看護師さんや培養士さん、スタッフの方すべてがとにかく親切。私の、もしかしたらくだらないかもしれない質問にも丁寧に答えてくださり、嫌な顔一つなさらないのです。また、予約制だと“予約したから”と悪天候でも無理をしていらっしゃる患者さんがいては気の毒、とあえて予約制ではないので、気になることがあればすぐ行かれるのもありがたかった。私は2週に1回の通院の時でも、先生やスタッフの方とお話がしたくて毎週通っていました(笑)」。 実はミルクさん、人工授精直後に食中毒に罹りました。救急病院すべてから断られ、結局はかしわざき産婦人科で治療を受けたご経験も。「妊婦かもしれないと思ったら、流産や胎児の障害なども考え、治療を避けたい病院も多いのでしょう。地域に根差した病院に通院していたおかげで助かりました」と、振り返ります。 自然に近い妊娠を目指すかしわざき産婦人科ですが、“効率”重視のミルクさんに急かされ、一気に体外受精へ。その結果、めでたく妊娠! ミルクさんは、今年の晩夏にはママになる予定です。治療を始めてちょうど1年。「まだ凍結胚が8個あるので、計画を練って、仕事への支障を最小限に抑えながら、何人か産みたいと思います」とミルクさんは言います。 さらに「でも、もし授からなかったしとしても、私にはやり甲斐のある仕事があります。それは、それで幸せ。子どもをもつ以外にも幸せはあるのだと、奇しくも妊活中に思い知ったのです」とも。 From Doctor 治療を振り返って 「心配になるほどの“優等生”。つらい時は泣いてもいいよ!」 「妊活は楽しかった」とおっしゃるミルクさんですが、実は精子が弱くて受精障害がありました。顕微授精の前には卵巣過剰刺激症候群、妊娠してからも切迫流産や切迫早産の危険があって長く入院していただいたりと、本当は大変なこともいっぱいあったのですが、よく耐えたと思います。 とにかく前向きで、決断が早い。こちらが提案する治療法も、「それならやってみたい」「それはやりたくない」などとしっかりした考えのうえで、明確に意思表示をしてくれるので治療も進めやすかったですね。私としても受精から赤ちゃん誕生まで担当でき、やり甲斐を感じます。 とにかく明るいので、こちらも元気を分けていただきました。妊婦向けのエアロビクス教室でもリーダー的存在で、彼女がいるだけで場が和むので助かります。 でも、あまりに頑張り屋さんで弱音を吐かないから、逆にそれが心配だったことも時々ありました。でも、最後までよく頑張ってくれました。 先生のご紹介 柏崎 祐士 先生(かしわざき産婦人科) 京都府立医科大学医学部卒業。2000年まで日本大学板橋病院で主に不妊治療に従事し、その間、米国エール大学医学部産婦人科で研修。その後、「かしわざき産婦人科」副院長に。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本婦人科内視鏡認定医。O型・おとめ座。 ≫ かしわざき産婦人科 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.7
コラム 不妊治療
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心強い周りのサポートが私の財産!
「子宮頸がん」を乗り越え、妊娠・出産。夫、友人、そして先生…すべては信頼できる人との巡り合いがあってこそ。 20~30代の罹患者数が急増しているにもかかわらず、検診率がとても低いと言われている「子宮頸がん」検診。ご友人の勧めがきっかけで受けた検診が、Cさんのその後の人生を大きく変えました。 結婚後半年で、まさかの「子宮頸がん」に 取材当日、「美馬レディースクリニック」でインタビューに対応してくれたご夫妻。奥様のCさん曰く「いつも主人は前向きで、ざっくりタイプ」、ご主人のKさん曰く「妻はとっても慎重派」だそうです。性格は反対ながら、とても息の合った、仲の良いお二人です。 そんなCさんとKさんが出会ったのは東日本大震災の直後、平成23年の春でした。その年、やがて結婚するCさんにお友達が「子宮頸がん」検診を受けることを勧めてくれました。そのころ30歳だったCさん、会社の健康診断で勧められた通りに「子宮頸がん」検診を受けてみると「中等度異形成」という結果が。とはいえ、がんではなかったので、そのまま何も手を打つことはなかったそうです。 Cさんのお友達は、近親者ががんで闘病されていた方。そのため、「女性であれば、子宮頸がんの心配があるから!」とその後のCさんの経過も心配し、1年後に再検査するよう勧めます。ちょうど最初の検査後、平成25年に結婚したCさん。この年末に再び検診を受けたところ、なんと状況は悪化し、ステージ0の上皮内がんであることが判明しました。 少し回り道をしたけれど納得して手術へ 結婚後、「子どもは少しでも早くできたらいいね」、そんなふうに話していたCさんとご主人のKさん。まさかの「子宮頸がん」の宣告に、ただただ茫然としてしまったといいます。 いろいろな不安を抱えて行った初めての病院。手術以外の方法はないのか? 何か有効な代替治療などはないのか? 質問をするCさんに対しての先生の答えはガイドラインに沿った、通り一遍のことばかりだったそうです。気分は落ち込むばかりのCさん。「方法はそれしかないとしても、がんが初めての私には、もう少し気持ちのある答えが欲しかった」と言います。 納得できないまま、もともと興味のあった自然療法で治癒できないか、手探りで調べて試してみたり、実践してみたりしたそうですが、仕事をしながらの自然療法には限界がありました。 その後、紹介を受けて別の先生の元へ行ったCさん。この時はご主人のKさんも付き添ってくれました。方法はやはり「円錐切除」しかないと言われたものの、図を描きながら、がんの部分さえ切除すれば妊娠の可能性もあることを丁寧に説明してくれました。Cさんの気持ちに寄り添ってくれる先生の回答に、ようやく納得でき、手術をする覚悟ができたのだそうです。「私が妊娠したいという気持ちを理解しようとしてくれる先生の姿勢、会話をきちんとしてくださる気持ちが伝わってきて、手術をする決心がつきました」とCさん。 子宮頸がん発覚から手術まで、約3カ月かかりましたが、手術は無事成功。その後の経過も良好。約1年間、Cさんの回復を待って、ようやく妊娠を本格的に考えられる段階になりました。 体と心が安定したからこそできた妊娠と出産 子宮頸がんの術後であったことから、不妊治療専門クリニックに通い始めたCさん。長い長い待ち時間の末、Cさんが質問をしても、ここでもまた通り一遍のクールな回答ばかりが返ってきました。忙しい先生だとわかっているものの、コミュニケーションがなかなか取れないことにストレスを感じ始めます。さらには、仕事で少し遅れてしまった日、走って走って駆けつけたにもかかわらず、時間が過ぎたことをきつく叱られたことも。そんなクリニックの対応にどうしても気持ちが前向きになれず、沈んでしまったせいか、薬を使っても排卵しない…そんな状況が続きました。 このままここで治療を続けていていいのだろうか? そんなふうに悩んでいた時、お友達から「美馬レディースクリニックに相談してみたら?」と紹介されます。 最初に美馬先生のクリニックを訪れた時のこと。先生はまずCさんのアレルギー体質のことを真っ先に心配してくれました。「まずはアレルギーも治したほうがいいね」と。この時も一緒に付き添ってくれたご主人。美馬先生の話していることを丁寧にメモに取り、できるだけCさんの体を理解し、妊娠のメカニズムについて知ろうと努力してくれたそうです。 その後、ご夫妻は今後、どちらの病院で治療するか話し合うことに。ご主人のKさんは、どんなことでもフレンドリーに話してくれて、またCさんの体質のことまで心配してくれた美馬先生に好印象をもち、「美馬先生のお世話になろう」と提案します。Cさん自身もなるべく自然に妊娠できるようにしてくれるクリニックの姿勢に共感したといいます。 その後、美馬レディースクリニックへ転院を決めたお二人。通院は必ず二人で、仕事が終わったあとに行きました。Cさんは、「多嚢胞性卵巣症候群」で排卵障害がみられましたが、まずは、漢方やハーブのサプリメントなどで体調を整えることを優先し、タイミング療法から始めることに…。その後、なんと1回のトライで妊娠に至ったのだそうです。転院したとたんのまさかの展開にお二人はとても驚いたそうです。 治療のストレスが嫌になり美馬先生のもとへ 妊娠中も、重いつわり、続く出血、何度かのトラブルがあり「命を育むということはいかに大変かを痛感しました」というCさんでしたが、平成27年12月、無事に女の子を出産。子宮頸がん発覚から2年の歳月が流れた時のことでした。 とても穏やかで、慎重なCさんの傍らには、いつも元気で前向きなご主人のKさんが寄り添っていました。男性が不妊治療に理解を示してくれるのは、難しいことが多いなか、ご主人のKさんは「彼女とはいつも“共通言語”で話をしたかったんです。彼女が子宮頸がんと闘っているなか、僕が現状をわからないことで彼女がつらい思いをしないように、僕自身もがんや妊娠の可能性について知りたいと思い、わからない言葉は先生に質問してメモを取って、最後は彼女に説明できるくらいになっていたかな。あと、彼女はどんなことでも“ありがとう”と言ってくれます。感謝されたら嬉しいですよね。男は褒められると動きますよ!(笑)」。どんな時でも協力体制のご主人にCさんも救われたそうです。 また、Cさんには子宮頸がんの検診を勧めてくれたお友達の存在も!「あの時、検診を受けていなかったら…と思うと怖いですよね。彼女は私の命の恩人です」と力強く語ります。 そして、妊娠にたどりつくまでに、路頭に迷っていたCさんを救ってくれた美馬先生。「先生のクリニックに来てからは、クリニックに来ること自体が楽しくなるくらい、笑った記憶しかないんです。いつも私たちを励ましてくれ、病院のスタッフの方もとても優しくて。病院を卒業する時にお手紙をくださったのもありがたかったです」。そのくらい美馬先生のクリニックは、気持ちを安定させてくれ、信頼させてくれる場所だったそうです。 「妊娠するまでに、お金も時間も労力もかかりました。でも、一つひとつ自分の目で確かめ、納得することが大切。私が妊娠に至ったのは、いろいろな信頼できる人との巡り合わせだと思っています。友人、主人、先生との出会いは、私の財産です」。 From Doctor 治療を振り返って 「ご主人のサポートと本人の前向きな姿勢が妊娠に」 子宮頸がんの元となる、ヒトパピローマウイルスに罹っている人は現在4人に1人とも言われています。このウイルスは腸内環境が整っていれば消えていくものですが、整っていない場合、最悪子宮頸がんへとつながるものです。Cさんの場合はお友達の勧めで、検診を受けたことが幸いでしたが、検診率がなかなか上がっていないことが問題となっています。 Cさんが術後に当院へ来た時は、多嚢胞性卵巣症候群に高プロラクチン血症を合併している状況でしたが、まずはCさんのアレルギー体質の改善から始めようと提案しました。その時、付き添いで来ていたご主人が実に頼りになる人。奥さんの基礎体温まで管理するくらい熱心で、こんな心強いご主人は見たことがないですね。処方したのは、冷え性を治したりするハーブやサプリメントなど。そのほか知り合いの鍼灸院も紹介したところ、真面目に通ってくれました。そんな二人の前向きな姿勢が妊娠につながったのだと思います。 先生のご紹介 美馬 博史 先生(美馬レディースクリニック) 東京慈恵会医科大学医学部卒。同大学付属病院産婦人科、美馬産婦人科院長を経て現職。妊孕性(妊娠する力)を守る力を訴え、体にやさしいホルモン治療、カウンセリング療法、抗酸化食事療法等を積極的に啓蒙。 ≫ 美馬レディースクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 「子宮頸がん」を乗り越え、妊娠・出産。夫、友人、そして先生…すべては信頼できる人との巡り合いがあってこそ。 20~30代の罹患者数が急増しているにもかかわらず、検診率がとても低いと言われている「子宮頸がん」検診。ご友人の勧めがきっかけで受けた検診が、Cさんのその後の人生を大きく変えました。 結婚後半年で、まさかの「子宮頸がん」に 取材当日、「美馬レディースクリニック」でインタビューに対応してくれたご夫妻。奥様のCさん曰く「いつも主人は前向きで、ざっくりタイプ」、ご主人のKさん曰く「妻はとっても慎重派」だそうです。性格は反対ながら、とても息の合った、仲の良いお二人です。 そんなCさんとKさんが出会ったのは東日本大震災の直後、平成23年の春でした。その年、やがて結婚するCさんにお友達が「子宮頸がん」検診を受けることを勧めてくれました。そのころ30歳だったCさん、会社の健康診断で勧められた通りに「子宮頸がん」検診を受けてみると「中等度異形成」という結果が。とはいえ、がんではなかったので、そのまま何も手を打つことはなかったそうです。 Cさんのお友達は、近親者ががんで闘病されていた方。そのため、「女性であれば、子宮頸がんの心配があるから!」とその後のCさんの経過も心配し、1年後に再検査するよう勧めます。ちょうど最初の検査後、平成25年に結婚したCさん。この年末に再び検診を受けたところ、なんと状況は悪化し、ステージ0の上皮内がんであることが判明しました。 少し回り道をしたけれど納得して手術へ 結婚後、「子どもは少しでも早くできたらいいね」、そんなふうに話していたCさんとご主人のKさん。まさかの「子宮頸がん」の宣告に、ただただ茫然としてしまったといいます。 いろいろな不安を抱えて行った初めての病院。手術以外の方法はないのか? 何か有効な代替治療などはないのか? 質問をするCさんに対しての先生の答えはガイドラインに沿った、通り一遍のことばかりだったそうです。気分は落ち込むばかりのCさん。「方法はそれしかないとしても、がんが初めての私には、もう少し気持ちのある答えが欲しかった」と言います。 納得できないまま、もともと興味のあった自然療法で治癒できないか、手探りで調べて試してみたり、実践してみたりしたそうですが、仕事をしながらの自然療法には限界がありました。 その後、紹介を受けて別の先生の元へ行ったCさん。この時はご主人のKさんも付き添ってくれました。方法はやはり「円錐切除」しかないと言われたものの、図を描きながら、がんの部分さえ切除すれば妊娠の可能性もあることを丁寧に説明してくれました。Cさんの気持ちに寄り添ってくれる先生の回答に、ようやく納得でき、手術をする覚悟ができたのだそうです。「私が妊娠したいという気持ちを理解しようとしてくれる先生の姿勢、会話をきちんとしてくださる気持ちが伝わってきて、手術をする決心がつきました」とCさん。 子宮頸がん発覚から手術まで、約3カ月かかりましたが、手術は無事成功。その後の経過も良好。約1年間、Cさんの回復を待って、ようやく妊娠を本格的に考えられる段階になりました。 体と心が安定したからこそできた妊娠と出産 子宮頸がんの術後であったことから、不妊治療専門クリニックに通い始めたCさん。長い長い待ち時間の末、Cさんが質問をしても、ここでもまた通り一遍のクールな回答ばかりが返ってきました。忙しい先生だとわかっているものの、コミュニケーションがなかなか取れないことにストレスを感じ始めます。さらには、仕事で少し遅れてしまった日、走って走って駆けつけたにもかかわらず、時間が過ぎたことをきつく叱られたことも。そんなクリニックの対応にどうしても気持ちが前向きになれず、沈んでしまったせいか、薬を使っても排卵しない…そんな状況が続きました。 このままここで治療を続けていていいのだろうか? そんなふうに悩んでいた時、お友達から「美馬レディースクリニックに相談してみたら?」と紹介されます。 最初に美馬先生のクリニックを訪れた時のこと。先生はまずCさんのアレルギー体質のことを真っ先に心配してくれました。「まずはアレルギーも治したほうがいいね」と。この時も一緒に付き添ってくれたご主人。美馬先生の話していることを丁寧にメモに取り、できるだけCさんの体を理解し、妊娠のメカニズムについて知ろうと努力してくれたそうです。 その後、ご夫妻は今後、どちらの病院で治療するか話し合うことに。ご主人のKさんは、どんなことでもフレンドリーに話してくれて、またCさんの体質のことまで心配してくれた美馬先生に好印象をもち、「美馬先生のお世話になろう」と提案します。Cさん自身もなるべく自然に妊娠できるようにしてくれるクリニックの姿勢に共感したといいます。 その後、美馬レディースクリニックへ転院を決めたお二人。通院は必ず二人で、仕事が終わったあとに行きました。Cさんは、「多嚢胞性卵巣症候群」で排卵障害がみられましたが、まずは、漢方やハーブのサプリメントなどで体調を整えることを優先し、タイミング療法から始めることに…。その後、なんと1回のトライで妊娠に至ったのだそうです。転院したとたんのまさかの展開にお二人はとても驚いたそうです。 治療のストレスが嫌になり美馬先生のもとへ 妊娠中も、重いつわり、続く出血、何度かのトラブルがあり「命を育むということはいかに大変かを痛感しました」というCさんでしたが、平成27年12月、無事に女の子を出産。子宮頸がん発覚から2年の歳月が流れた時のことでした。 とても穏やかで、慎重なCさんの傍らには、いつも元気で前向きなご主人のKさんが寄り添っていました。男性が不妊治療に理解を示してくれるのは、難しいことが多いなか、ご主人のKさんは「彼女とはいつも“共通言語”で話をしたかったんです。彼女が子宮頸がんと闘っているなか、僕が現状をわからないことで彼女がつらい思いをしないように、僕自身もがんや妊娠の可能性について知りたいと思い、わからない言葉は先生に質問してメモを取って、最後は彼女に説明できるくらいになっていたかな。あと、彼女はどんなことでも“ありがとう”と言ってくれます。感謝されたら嬉しいですよね。男は褒められると動きますよ!(笑)」。どんな時でも協力体制のご主人にCさんも救われたそうです。 また、Cさんには子宮頸がんの検診を勧めてくれたお友達の存在も!「あの時、検診を受けていなかったら…と思うと怖いですよね。彼女は私の命の恩人です」と力強く語ります。 そして、妊娠にたどりつくまでに、路頭に迷っていたCさんを救ってくれた美馬先生。「先生のクリニックに来てからは、クリニックに来ること自体が楽しくなるくらい、笑った記憶しかないんです。いつも私たちを励ましてくれ、病院のスタッフの方もとても優しくて。病院を卒業する時にお手紙をくださったのもありがたかったです」。そのくらい美馬先生のクリニックは、気持ちを安定させてくれ、信頼させてくれる場所だったそうです。 「妊娠するまでに、お金も時間も労力もかかりました。でも、一つひとつ自分の目で確かめ、納得することが大切。私が妊娠に至ったのは、いろいろな信頼できる人との巡り合わせだと思っています。友人、主人、先生との出会いは、私の財産です」。 From Doctor 治療を振り返って 「ご主人のサポートと本人の前向きな姿勢が妊娠に」 子宮頸がんの元となる、ヒトパピローマウイルスに罹っている人は現在4人に1人とも言われています。このウイルスは腸内環境が整っていれば消えていくものですが、整っていない場合、最悪子宮頸がんへとつながるものです。Cさんの場合はお友達の勧めで、検診を受けたことが幸いでしたが、検診率がなかなか上がっていないことが問題となっています。 Cさんが術後に当院へ来た時は、多嚢胞性卵巣症候群に高プロラクチン血症を合併している状況でしたが、まずはCさんのアレルギー体質の改善から始めようと提案しました。その時、付き添いで来ていたご主人が実に頼りになる人。奥さんの基礎体温まで管理するくらい熱心で、こんな心強いご主人は見たことがないですね。処方したのは、冷え性を治したりするハーブやサプリメントなど。そのほか知り合いの鍼灸院も紹介したところ、真面目に通ってくれました。そんな二人の前向きな姿勢が妊娠につながったのだと思います。 先生のご紹介 美馬 博史 先生(美馬レディースクリニック) 東京慈恵会医科大学医学部卒。同大学付属病院産婦人科、美馬産婦人科院長を経て現職。妊孕性(妊娠する力)を守る力を訴え、体にやさしいホルモン治療、カウンセリング療法、抗酸化食事療法等を積極的に啓蒙。 ≫ 美馬レディースクリニック 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.7
コラム 不妊治療
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体は元気なのに不妊治療が心を蝕んでいくーー 。
長い生理不順と闘った20代、9回もの人工授精、くじけそうな日々。でも、絶対に命を諦めたくなかった。 結婚式が終わってすぐ、女性として一番幸せな時期に流産というつらい経験をしたMさん。5年間不妊治療を続け、現在2人目を妊娠中。悲しみを乗り越え、命と出会った軌跡を語ってくれました。 早期から取り組んだ治療それでも結果が出なかった 明るい日差しが注ぐ真っ白なリビング。好きなおもちゃを広げ、元気いっぱいに遊ぶYくん(2歳)の姿。誰もが笑顔になるような温かな家族の風景。しかし、愛息Yくんがこの世に誕生するまで、Mさん(38歳)は5年もの間、不妊治療を続けてきました。 Mさんが社会人になってすぐ、慣れないハードワークのせいか生理不順が始まりました。まだ20代前半、生理がないほうがむしろラクだとしばらくは放っておいたそうですが、母親のすすめもあり近所の婦人科を訪れ、治療を始めました。ホルモンバランスを整える薬を飲み、それをつい忘れてやめてを繰り返すという20代を過ごしながら、なかなか生理不順は治る気配を見せてくれません。やがて、現在のご主人と30歳の時に結婚。すぐにでも子どもが欲しかったというMさんは、生理不順の治療で長く通院している婦人科の主治医と相談し、タイミング法から試すことに。 「検査の結果、排卵もしているし卵子も育っている。何も問題はないはずでした。タイミング法を2~3回試した後すぐに妊娠したんです」 結婚式からその妊娠まで2カ月もたたないという早さ、何もかも順調だと安心していたのに、ある日突然の流産ーー。 「当時のことはショックであまり記憶にありませんが、何をしていても涙があふれるだけでした。夫に対して、何か言ってよと思う半面、何を言われても子どもは戻ってこない、という冷静な気持ちもありました」 物静かなMさんご夫妻。この時もご主人は黙って見守り、慰めてくれました。流産の悲しみを引きずりつつも、時間は待ってくれないと気持ちを切り替え、またタイミング法を続けていきました。しかし、特に体に問題はないけれど、不妊の原因として考えられるのは脳のホルモンの指命がうまくいかない下垂体機能不全という状態は変わることはありません。 「そろそろ次のステップに」と主治医がすすめてくれたのはタイミング法でもなかなか授からず2年ほどの月日が経とうとしていた頃。そこから人工授精に取り組みました。 「当時は必死でしたがやはりつらくて…最初は薬だった排卵誘発剤が注射になり、しかも2日に1回自己注射を行うんです。職場でも気を遣うし、逆に気を遣われるのも重荷でした。『彼女は婦人科に行くから、早く帰るのは仕方ないね』と誰も責めていないのに、自分の中では追い詰められていた気分でした」。そして、人工授精はいつのまにか9回目を数えるまでに。「自分では比べようもなく、この数が多いとは思っていなかったんですが」とMさんは笑います。 何度チャレンジしても妊娠に繋がらない…メンタル的にも行き詰まっていたMさんに、主治医はさらなる高度医療をすすめてくれました。「私の病院ではもうこれ以上できない。でも大きなところに行けば可能性があるんだから」と、その声に背中を押され、長年お世話になった婦人科から、地元でも評判のいいKクリニックへ転院しました。 高度治療のため転院。なんと最初の治療で妊娠! 転院前に、Kクリニックが行う説明会に足を運んだMさんご夫婦。月に何度も行われているはずの説明会に自分たちを含め7~8組の夫婦がいる様子を見て「こんなに不妊に悩む人たちがいるんだ」「私だけじゃなかった」と驚きました。追い詰められ、視野が狭くなっていた自分に気がついたMさん。通院が始まってからも、朝受付をして終わるのが昼過ぎが当たり前という待合室の混雑ぶりに、心身ともに疲れながらも、頑張ろうという気力が出てきたそう。「これだけの女性たちが同じようにつらい治療を頑張っている。私は妊娠できる、この病院を信じよう」。Mさんの心の霧が晴れていくようでした。 きっとここで何か変わる!その前向きな気持ちのMさんに神様は最高のご褒美をくれました。なんと1度目の体外受精で妊娠したのです。 「2014年3月にKクリニックの説明会に行き、7月に胚移植を行い、妊娠しました。信じられなくて、嬉しい半面、あまりにスムーズに行き過ぎて怖い気持ちもありました」 最初の妊娠で流産した悲しい経験が、Mさんをより慎重にさせました。そして、この命、絶対守るという思いがMさんを強くしたのです。信頼のおける女性の上司にまず相談し、妊娠初期をしっかり過ごすために3週間の休暇を取得。妊娠を継続する薬を服用しながら安静に過ごすために必要な休暇でした。 「ちょこちょこ休んで業務を中断させるより一気に休んでしまうほうが勤務先にも迷惑がかからない。もう気を遣っている場合じゃないと開き直って、しっかり休んで過ごしました」 妊娠が判明してからも、Mさんご夫婦は「慎重に」というスタンスを崩しませんでした。初めての赤ちゃん、ずっと待っていた新しい命。いろんなものを買い、準備したいけれど安定期まですべて我慢したそうです。さらに、1カ月に1回しかない健診までの期間が「果てしなく長く」感じたそう。「お腹の中で無事なのか。もっと健診の間が短かったらいいのに」と不安で仕方なかったMさん。 「結婚してからの人生、不妊治療が私の生活の中心でした。だから主治医に『ついに卒業だね』と言っていただけたのが本当に嬉しくて…」 そして2015年春、ご主人立ち会いのもと、待望の男の子が誕生しました。「でも破水の時に水を飲んで産声が出せなくて…ここまで頑張ったのに!生きて! と産後のもうろうとした頭でそう思いました」とMさん。3分ほどで無事にオギャー! と元気な産声を聞き、大きな喜びに包まれました。 時間は待ってくれないからすぐに2人目に挑戦 出産後、大きな安堵とともにMさんは「2人目をつくるなら、一刻も早く治療に取り掛かりたい」という強い思いに駆られました。結局は産後1年たって、以前採卵した卵子を使って体外受精に挑戦するも、陰性に。諦めたくなくて、新たに採卵から挑戦しました。しかしこれも陰性。「一人いるんだから、次でできなければあきらめるしかないのかな」と最後の受精卵を使っての移植。その思いが通じたのか4回目で無事妊娠したのです。 諦めなくてよかった…、そう言って少し膨らんだお腹を愛おしそうに抱くMさん。現在、育児休業延長中で、今年の秋出産予定だそう。出産は2人目というのもあり、もう健診の期間が永遠のように感じることもないと笑うMさん。すでにママとしての余裕も経験も十分です。 「読者の旦那様にぜひ伝えたいことがあります。何があっても奥様を支えて、ということ。苦しい治療で心身ともに追い詰められる奥様を一人にしないでください。私の夫は出張期間中も時間を見つけてこまめに自宅まで帰ってきてくれました。どうぞ二人で乗り越えてください」 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら 長い生理不順と闘った20代、9回もの人工授精、くじけそうな日々。でも、絶対に命を諦めたくなかった。 結婚式が終わってすぐ、女性として一番幸せな時期に流産というつらい経験をしたMさん。5年間不妊治療を続け、現在2人目を妊娠中。悲しみを乗り越え、命と出会った軌跡を語ってくれました。 早期から取り組んだ治療それでも結果が出なかった 明るい日差しが注ぐ真っ白なリビング。好きなおもちゃを広げ、元気いっぱいに遊ぶYくん(2歳)の姿。誰もが笑顔になるような温かな家族の風景。しかし、愛息Yくんがこの世に誕生するまで、Mさん(38歳)は5年もの間、不妊治療を続けてきました。 Mさんが社会人になってすぐ、慣れないハードワークのせいか生理不順が始まりました。まだ20代前半、生理がないほうがむしろラクだとしばらくは放っておいたそうですが、母親のすすめもあり近所の婦人科を訪れ、治療を始めました。ホルモンバランスを整える薬を飲み、それをつい忘れてやめてを繰り返すという20代を過ごしながら、なかなか生理不順は治る気配を見せてくれません。やがて、現在のご主人と30歳の時に結婚。すぐにでも子どもが欲しかったというMさんは、生理不順の治療で長く通院している婦人科の主治医と相談し、タイミング法から試すことに。 「検査の結果、排卵もしているし卵子も育っている。何も問題はないはずでした。タイミング法を2~3回試した後すぐに妊娠したんです」 結婚式からその妊娠まで2カ月もたたないという早さ、何もかも順調だと安心していたのに、ある日突然の流産ーー。 「当時のことはショックであまり記憶にありませんが、何をしていても涙があふれるだけでした。夫に対して、何か言ってよと思う半面、何を言われても子どもは戻ってこない、という冷静な気持ちもありました」 物静かなMさんご夫妻。この時もご主人は黙って見守り、慰めてくれました。流産の悲しみを引きずりつつも、時間は待ってくれないと気持ちを切り替え、またタイミング法を続けていきました。しかし、特に体に問題はないけれど、不妊の原因として考えられるのは脳のホルモンの指命がうまくいかない下垂体機能不全という状態は変わることはありません。 「そろそろ次のステップに」と主治医がすすめてくれたのはタイミング法でもなかなか授からず2年ほどの月日が経とうとしていた頃。そこから人工授精に取り組みました。 「当時は必死でしたがやはりつらくて…最初は薬だった排卵誘発剤が注射になり、しかも2日に1回自己注射を行うんです。職場でも気を遣うし、逆に気を遣われるのも重荷でした。『彼女は婦人科に行くから、早く帰るのは仕方ないね』と誰も責めていないのに、自分の中では追い詰められていた気分でした」。そして、人工授精はいつのまにか9回目を数えるまでに。「自分では比べようもなく、この数が多いとは思っていなかったんですが」とMさんは笑います。 何度チャレンジしても妊娠に繋がらない…メンタル的にも行き詰まっていたMさんに、主治医はさらなる高度医療をすすめてくれました。「私の病院ではもうこれ以上できない。でも大きなところに行けば可能性があるんだから」と、その声に背中を押され、長年お世話になった婦人科から、地元でも評判のいいKクリニックへ転院しました。 高度治療のため転院。なんと最初の治療で妊娠! 転院前に、Kクリニックが行う説明会に足を運んだMさんご夫婦。月に何度も行われているはずの説明会に自分たちを含め7~8組の夫婦がいる様子を見て「こんなに不妊に悩む人たちがいるんだ」「私だけじゃなかった」と驚きました。追い詰められ、視野が狭くなっていた自分に気がついたMさん。通院が始まってからも、朝受付をして終わるのが昼過ぎが当たり前という待合室の混雑ぶりに、心身ともに疲れながらも、頑張ろうという気力が出てきたそう。「これだけの女性たちが同じようにつらい治療を頑張っている。私は妊娠できる、この病院を信じよう」。Mさんの心の霧が晴れていくようでした。 きっとここで何か変わる!その前向きな気持ちのMさんに神様は最高のご褒美をくれました。なんと1度目の体外受精で妊娠したのです。 「2014年3月にKクリニックの説明会に行き、7月に胚移植を行い、妊娠しました。信じられなくて、嬉しい半面、あまりにスムーズに行き過ぎて怖い気持ちもありました」 最初の妊娠で流産した悲しい経験が、Mさんをより慎重にさせました。そして、この命、絶対守るという思いがMさんを強くしたのです。信頼のおける女性の上司にまず相談し、妊娠初期をしっかり過ごすために3週間の休暇を取得。妊娠を継続する薬を服用しながら安静に過ごすために必要な休暇でした。 「ちょこちょこ休んで業務を中断させるより一気に休んでしまうほうが勤務先にも迷惑がかからない。もう気を遣っている場合じゃないと開き直って、しっかり休んで過ごしました」 妊娠が判明してからも、Mさんご夫婦は「慎重に」というスタンスを崩しませんでした。初めての赤ちゃん、ずっと待っていた新しい命。いろんなものを買い、準備したいけれど安定期まですべて我慢したそうです。さらに、1カ月に1回しかない健診までの期間が「果てしなく長く」感じたそう。「お腹の中で無事なのか。もっと健診の間が短かったらいいのに」と不安で仕方なかったMさん。 「結婚してからの人生、不妊治療が私の生活の中心でした。だから主治医に『ついに卒業だね』と言っていただけたのが本当に嬉しくて…」 そして2015年春、ご主人立ち会いのもと、待望の男の子が誕生しました。「でも破水の時に水を飲んで産声が出せなくて…ここまで頑張ったのに!生きて! と産後のもうろうとした頭でそう思いました」とMさん。3分ほどで無事にオギャー! と元気な産声を聞き、大きな喜びに包まれました。 時間は待ってくれないからすぐに2人目に挑戦 出産後、大きな安堵とともにMさんは「2人目をつくるなら、一刻も早く治療に取り掛かりたい」という強い思いに駆られました。結局は産後1年たって、以前採卵した卵子を使って体外受精に挑戦するも、陰性に。諦めたくなくて、新たに採卵から挑戦しました。しかしこれも陰性。「一人いるんだから、次でできなければあきらめるしかないのかな」と最後の受精卵を使っての移植。その思いが通じたのか4回目で無事妊娠したのです。 諦めなくてよかった…、そう言って少し膨らんだお腹を愛おしそうに抱くMさん。現在、育児休業延長中で、今年の秋出産予定だそう。出産は2人目というのもあり、もう健診の期間が永遠のように感じることもないと笑うMさん。すでにママとしての余裕も経験も十分です。 「読者の旦那様にぜひ伝えたいことがあります。何があっても奥様を支えて、ということ。苦しい治療で心身ともに追い詰められる奥様を一人にしないでください。私の夫は出張期間中も時間を見つけてこまめに自宅まで帰ってきてくれました。どうぞ二人で乗り越えてください」 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.7
コラム 不妊治療
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若いし、「いつか産める」と過信していたーー 。
うまくいかず何度も傷つき、心も揺れたけれど2年半のタイミング後、体外受精で妊娠。不妊治療が大事なことを教えてくれました。 30歳を目前にして仕事か子どもかを真剣に考えるため、産婦人科を初めて受診。そこで妊娠しづらい体と判明し、医師の勧めで不妊治療を開始。しかし、なかなかうまくいきません。順風満帆に生きてきたユイさんにとって大きな試練でした。 30歳を目前に不妊治療を始める決意 ユイさん(31歳)とご主人の出会いは高校時代。10年の交際期間を経て26歳で結婚。ご主人は中学校の教員として、ユイさんは医療関連施設で働く生活を続けていましたが、29歳の時、ふと将来のことを考え始めました。 「これから先も、長く働きたいなら別の職場へ転職したほうがいいなと。ただ30歳になると子どもができにくくなると聞いていたので、欲しい時に妊娠できる体かどうかを知っておこうと思い、近くの産婦人科を受診しました」 もともと月経不順だったユイさん。婦人科系の病気があるかもという予感は的中。多嚢胞性卵巣症候群と診断され、妊娠しづらいと言われました。 「子どもが欲しいと考えているなら、仕事よりもまずは不妊治療に取り組んだほうがいいとお医者さんに言われ、納得し、正社員からパートの仕事に変えて、不妊治療を始めました」 ユイさんはそれほど子ども好きではありませんでした。「でも、大好きな夫の子どもは産みたかった」。その一心で通院の日々をスタートさせました。 タイミング半年で妊娠!なのに5週目で流産 最初はタイミング法から。幸いクロミッドⓇがすごく効き安定して排卵が起こるようになりました。「正直、不妊治療を始めれば、すぐ子どもができると思っていました。でも、現実はそれほど甘くありませんでした。タイミングをとってもなかなかうまくいかなかったんです」 半年後、ようやく妊娠できたのですが、残念なことに5週で流産してしまいます。とてもショックを受けましたが、ここで諦める気持ちにはならず、少しステップアップしたかたちで不妊治療を再開したいと考えました。 「ただ、当時、夫の仕事が超多忙で。ちょうど受験を控える中学3年の担任になったばかりで、心に余裕がない状況でした。それで治療法を先に進ませるのではなく、今できることをしようと二人で決め、タイミング法を継続しました」 流産前まではユイさんもご主人が仕事で大変だとわかっていたので、一人で抱えた思いを言葉でなく感情でぶつけることが多かったそう。 「でも、話し合ったことで夫が一番嫌なのは私が怒ったり悲しむことだとわかり、それ以降は何でも伝えようと心がけるようになりました」 なぜ、私だけ? 不満と苛立ちが募る日々 それでもユイさんは忙しいご主人に気を遣い、負担を最小限にしてあげたいという思いから、タイミングをとりたい日をできる限り絞り込みました。そして、絶対はずしたくない日は言い方を考えながら協力を求めました。 「基本的には協力してくれましたが、やはり日によっては『突然言われても困る』と返されることも。そうすると仕事もパートにして生活も変えているのに、今月もダメだったと落ち込み、傷ついている。どうして私ばかりがこんな目に? と、悲しくなったり腹立たしくなったりしていました」 そうこうしているうちに1年が経過。ご主人の仕事も一区切りつき、いよいよ専門の病院を訪ねる段階に。ユイさんは、近所の不妊治療専門クリニックへご主人と向かいました。そこで体外受精を勧められたというお二人。 「私は多嚢胞性卵巣症候群のクセが強めで卵子が未成熟。だから、人工授精よりも最初から体外受精にして良い卵子を育てたほうが成功率は高い、特にまだ若いからきっとうまくいくよ、といわれたのです」 そういわれても、ユイさんは素直に体外受精へステップアップする気持ちになれませんでした。 「隣の診察室から移植日を決める話が聞こえてきたことがあり、何だか人工的だな、そんなことまでして私は子どもが欲しいのかなと。逆に気持ちが萎えてしまったんです」 ステップアップする気が失せていったユイさん。4月に初診を受けたものの、5月から7月の間、気持ちは毎日、大きく揺れていたそうです。 「どこかでステップアップしたいと思っているのに、うまくいかなくてまた傷ついて泣くのは嫌だという思いも。言うこともコロコロ変わっていました。夫に検査してほしいと言っておきながら、やっぱりやらなくていいよと言ってみたり。時にはもう子どもができる気がしなくなってしまって。特に頑張らなくても妊娠していく知人、友人が周りに増えてきたのもあって、すっかり自信もなくなり、もしかして私には母親になる資格がないのでは、と思ってしまうこともありました」 不妊治療経験者の義姉が背中を押してくれた そんな彼女の背中を押してくれたのが義理のお姉さん。 「彼女が8月に2人目を妊娠したのですが、実は不妊治療を4年ほど続けていたことをその時、初めて知りました。義母から私が不妊治療をしていると聞いていた義姉が、体外受精を考えているなら絶対やったほうがいいよと。義姉は体外受精で2回失敗、もうやめようと思っていた矢先、自然妊娠したそうです」 ユイさんはこれまで誰にも言えず、心にためていた気持ちすべてを義姉に話しました。 「その時、気づいたんです。やはり私は夫の子どもが産みたいんだ、体外受精を実は望んでいるのだと」 その直後、以前勤めていた職場から声がかかりました。 「治療をやめるなら正社員になりたかった。ただ、体外受精をすると決心できていたので、不妊治療があるから正社員では働けないと伝えました。そうしたらパートでいい、治療優先でいいからと言ってくれたんです」 9月に体外受精して10月からその職場へ。気持ちも環境も180度、変わりました。 「移植も1回目はダメでした。もちろん、落ち込んだし悲しかったけど、体外受精まで自分が挑戦できたことがうれしかった。何より支えてくれている人たちに感謝の気持ちでいっぱいでした」 そして、移植2回目で12月に妊娠が判明。それでも最初はなかなか信じられなかったといいます。 実感がこみ上げてきたのは、安定期に入り職場の同僚たちに妊娠を伝えた時でした。 「みんなすごく喜んでくれて。そのことを夫に伝えたら心底彼もうれしそうで。ようやく本当に赤ちゃんを産むんだと思えるようになりました」 不妊治療してきた時間は親になるための準備期間 2年半の不妊治療でユイさんは大切なことを学びました。 「私は受験も就職もすべて志望通り。自分が望むタイミングで好きな人と結婚もできた。すごく順風満帆で挫折なく、頑張れば報われる人生を歩んできました。でも、妊娠だけはそうはいかなかった。病院へ通ってもなかなか妊娠できませんでした。頑張っても報われないことがあることを初めて知りました」 同時に身をゆだねて待つことも時には大事なのだと思うようになったそうです。 「おそらく何も苦労せずに子どもを授かっていたら、子育てで絶対に挫折していたと思う。また、治療を通して夫とも何でも話せる関係になれました。そう考えると不妊治療は私たち夫婦、特に私が親になるために必要な時間だったのだと思います」 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら うまくいかず何度も傷つき、心も揺れたけれど2年半のタイミング後、体外受精で妊娠。不妊治療が大事なことを教えてくれました。 30歳を目前にして仕事か子どもかを真剣に考えるため、産婦人科を初めて受診。そこで妊娠しづらい体と判明し、医師の勧めで不妊治療を開始。しかし、なかなかうまくいきません。順風満帆に生きてきたユイさんにとって大きな試練でした。 30歳を目前に不妊治療を始める決意 ユイさん(31歳)とご主人の出会いは高校時代。10年の交際期間を経て26歳で結婚。ご主人は中学校の教員として、ユイさんは医療関連施設で働く生活を続けていましたが、29歳の時、ふと将来のことを考え始めました。 「これから先も、長く働きたいなら別の職場へ転職したほうがいいなと。ただ30歳になると子どもができにくくなると聞いていたので、欲しい時に妊娠できる体かどうかを知っておこうと思い、近くの産婦人科を受診しました」 もともと月経不順だったユイさん。婦人科系の病気があるかもという予感は的中。多嚢胞性卵巣症候群と診断され、妊娠しづらいと言われました。 「子どもが欲しいと考えているなら、仕事よりもまずは不妊治療に取り組んだほうがいいとお医者さんに言われ、納得し、正社員からパートの仕事に変えて、不妊治療を始めました」 ユイさんはそれほど子ども好きではありませんでした。「でも、大好きな夫の子どもは産みたかった」。その一心で通院の日々をスタートさせました。 タイミング半年で妊娠!なのに5週目で流産 最初はタイミング法から。幸いクロミッドⓇがすごく効き安定して排卵が起こるようになりました。「正直、不妊治療を始めれば、すぐ子どもができると思っていました。でも、現実はそれほど甘くありませんでした。タイミングをとってもなかなかうまくいかなかったんです」 半年後、ようやく妊娠できたのですが、残念なことに5週で流産してしまいます。とてもショックを受けましたが、ここで諦める気持ちにはならず、少しステップアップしたかたちで不妊治療を再開したいと考えました。 「ただ、当時、夫の仕事が超多忙で。ちょうど受験を控える中学3年の担任になったばかりで、心に余裕がない状況でした。それで治療法を先に進ませるのではなく、今できることをしようと二人で決め、タイミング法を継続しました」 流産前まではユイさんもご主人が仕事で大変だとわかっていたので、一人で抱えた思いを言葉でなく感情でぶつけることが多かったそう。 「でも、話し合ったことで夫が一番嫌なのは私が怒ったり悲しむことだとわかり、それ以降は何でも伝えようと心がけるようになりました」 なぜ、私だけ? 不満と苛立ちが募る日々 それでもユイさんは忙しいご主人に気を遣い、負担を最小限にしてあげたいという思いから、タイミングをとりたい日をできる限り絞り込みました。そして、絶対はずしたくない日は言い方を考えながら協力を求めました。 「基本的には協力してくれましたが、やはり日によっては『突然言われても困る』と返されることも。そうすると仕事もパートにして生活も変えているのに、今月もダメだったと落ち込み、傷ついている。どうして私ばかりがこんな目に? と、悲しくなったり腹立たしくなったりしていました」 そうこうしているうちに1年が経過。ご主人の仕事も一区切りつき、いよいよ専門の病院を訪ねる段階に。ユイさんは、近所の不妊治療専門クリニックへご主人と向かいました。そこで体外受精を勧められたというお二人。 「私は多嚢胞性卵巣症候群のクセが強めで卵子が未成熟。だから、人工授精よりも最初から体外受精にして良い卵子を育てたほうが成功率は高い、特にまだ若いからきっとうまくいくよ、といわれたのです」 そういわれても、ユイさんは素直に体外受精へステップアップする気持ちになれませんでした。 「隣の診察室から移植日を決める話が聞こえてきたことがあり、何だか人工的だな、そんなことまでして私は子どもが欲しいのかなと。逆に気持ちが萎えてしまったんです」 ステップアップする気が失せていったユイさん。4月に初診を受けたものの、5月から7月の間、気持ちは毎日、大きく揺れていたそうです。 「どこかでステップアップしたいと思っているのに、うまくいかなくてまた傷ついて泣くのは嫌だという思いも。言うこともコロコロ変わっていました。夫に検査してほしいと言っておきながら、やっぱりやらなくていいよと言ってみたり。時にはもう子どもができる気がしなくなってしまって。特に頑張らなくても妊娠していく知人、友人が周りに増えてきたのもあって、すっかり自信もなくなり、もしかして私には母親になる資格がないのでは、と思ってしまうこともありました」 不妊治療経験者の義姉が背中を押してくれた そんな彼女の背中を押してくれたのが義理のお姉さん。 「彼女が8月に2人目を妊娠したのですが、実は不妊治療を4年ほど続けていたことをその時、初めて知りました。義母から私が不妊治療をしていると聞いていた義姉が、体外受精を考えているなら絶対やったほうがいいよと。義姉は体外受精で2回失敗、もうやめようと思っていた矢先、自然妊娠したそうです」 ユイさんはこれまで誰にも言えず、心にためていた気持ちすべてを義姉に話しました。 「その時、気づいたんです。やはり私は夫の子どもが産みたいんだ、体外受精を実は望んでいるのだと」 その直後、以前勤めていた職場から声がかかりました。 「治療をやめるなら正社員になりたかった。ただ、体外受精をすると決心できていたので、不妊治療があるから正社員では働けないと伝えました。そうしたらパートでいい、治療優先でいいからと言ってくれたんです」 9月に体外受精して10月からその職場へ。気持ちも環境も180度、変わりました。 「移植も1回目はダメでした。もちろん、落ち込んだし悲しかったけど、体外受精まで自分が挑戦できたことがうれしかった。何より支えてくれている人たちに感謝の気持ちでいっぱいでした」 そして、移植2回目で12月に妊娠が判明。それでも最初はなかなか信じられなかったといいます。 実感がこみ上げてきたのは、安定期に入り職場の同僚たちに妊娠を伝えた時でした。 「みんなすごく喜んでくれて。そのことを夫に伝えたら心底彼もうれしそうで。ようやく本当に赤ちゃんを産むんだと思えるようになりました」 不妊治療してきた時間は親になるための準備期間 2年半の不妊治療でユイさんは大切なことを学びました。 「私は受験も就職もすべて志望通り。自分が望むタイミングで好きな人と結婚もできた。すごく順風満帆で挫折なく、頑張れば報われる人生を歩んできました。でも、妊娠だけはそうはいかなかった。病院へ通ってもなかなか妊娠できませんでした。頑張っても報われないことがあることを初めて知りました」 同時に身をゆだねて待つことも時には大事なのだと思うようになったそうです。 「おそらく何も苦労せずに子どもを授かっていたら、子育てで絶対に挫折していたと思う。また、治療を通して夫とも何でも話せる関係になれました。そう考えると不妊治療は私たち夫婦、特に私が親になるために必要な時間だったのだと思います」 出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.35 2017 Autumn≫ 掲載記事一覧はこちら
2017.8.7
コラム 不妊治療
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更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を
更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を 前回は出産による骨盤底筋の断裂がしっかり修復していないことから骨盤底筋が緩むことで尿モレを経験する女性が多いことをお話ししました。 しかし中には、出産以外で骨盤底筋の筋力が弱くなる方もいます。 骨盤底筋とは子宮や膀胱などの内臓を支える、骨盤の底にあるネット状の筋肉です。重力に逆らった状態の筋肉ですから、筋力が低下すると尿モレが起こりやすくなるのです。さらに緩みがひどくなると子宮が出てきたり、膀胱脱になったり脱腸になったりして、手術が必要になる人もいます。 軽い人だとくしゃみをすると尿がもれちゃう程度ですが、いずれにしても気持ちのいいことではありませんよね。 中医学ではこのような状態を「中気下陥(ちゅうきげかん)」と言います。内臓(中焦)の気(エネルギー)が不足してくると下焦も下がりだすと考えます。骨盤底筋が弛緩するのもこれが原因ということです。 漢方薬は膀胱脱、子宮脱、脱腸の軽い場合には有効です。また、手術をしたあとの予防のためにも使います。一般的によく使われる漢方薬は補中益気湯や亀鹿二仙丸です。中気下陥では軽度な内臓下垂程度ならいいのですが、問題はおへそから下の下焦の気(腎気不足)が弱くなっている場合です。 その場合は骨盤底筋の血流が悪く下腹部が冷えて、腎の気が弱くなっているので、補中益気湯だけでは足りません。何度も言ってきましたが、下焦は腎(生殖関係、ホルモン関係)の領域です。この力が弱い、腎虚の場合は補腎もしないといけないのです。もともと腎虚が弱い人は産後の回復も遅くなります。 若い女性でも冷え症や腰痛が強い方では腎気も弱っています。女性は28歳から腎気が弱くなっていくと言われてますから、30歳を過ぎた女性は基本的に補腎は必要と考えて下さい。そして産後ケアはしっかり行なってください。 閉経ごろ(45歳以降)に尿失禁の経験が増えてきます。予防には漢方薬に加えて、ツボを活用するとよいでしょう。百会と合谷、足の三里にお灸をするとより効果があります。さらに丹田(気海)に温灸をするのも効果的です。 腹圧をかける腹筋など、下腹部のトレーニングは肛門括約筋や骨盤底筋のトレーニングをして筋力がある程度ついてから行うことが大切です。そうでなければ膀胱などをさらに下垂させることになるからです。 更年期の尿モレはけっこう時間が経っているはずですから、個人差が大きいと思います。このような場合、誠心堂薬局では鍼灸と漢方薬を同時に相談されるのもいいでしょう。お腹を触って見たり脈などでその人の尿モレについて判断がつきますから。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 ≫ 生活養生で更年期を上手に乗り越えれば老化も緩やかに迎えられる ≫ 更年期障害の治療効果をアップさせる「五志七情」という考え方 ≫ 西洋医学の治療法に抵抗がある人は中医学の漢方薬を試してみよう ≫ 補腎薬と鍼が更年期の治療に相乗効果をもたらす <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を 前回は出産による骨盤底筋の断裂がしっかり修復していないことから骨盤底筋が緩むことで尿モレを経験する女性が多いことをお話ししました。 しかし中には、出産以外で骨盤底筋の筋力が弱くなる方もいます。 骨盤底筋とは子宮や膀胱などの内臓を支える、骨盤の底にあるネット状の筋肉です。重力に逆らった状態の筋肉ですから、筋力が低下すると尿モレが起こりやすくなるのです。さらに緩みがひどくなると子宮が出てきたり、膀胱脱になったり脱腸になったりして、手術が必要になる人もいます。 軽い人だとくしゃみをすると尿がもれちゃう程度ですが、いずれにしても気持ちのいいことではありませんよね。 中医学ではこのような状態を「中気下陥(ちゅうきげかん)」と言います。内臓(中焦)の気(エネルギー)が不足してくると下焦も下がりだすと考えます。骨盤底筋が弛緩するのもこれが原因ということです。 漢方薬は膀胱脱、子宮脱、脱腸の軽い場合には有効です。また、手術をしたあとの予防のためにも使います。一般的によく使われる漢方薬は補中益気湯や亀鹿二仙丸です。中気下陥では軽度な内臓下垂程度ならいいのですが、問題はおへそから下の下焦の気(腎気不足)が弱くなっている場合です。 その場合は骨盤底筋の血流が悪く下腹部が冷えて、腎の気が弱くなっているので、補中益気湯だけでは足りません。何度も言ってきましたが、下焦は腎(生殖関係、ホルモン関係)の領域です。この力が弱い、腎虚の場合は補腎もしないといけないのです。もともと腎虚が弱い人は産後の回復も遅くなります。 若い女性でも冷え症や腰痛が強い方では腎気も弱っています。女性は28歳から腎気が弱くなっていくと言われてますから、30歳を過ぎた女性は基本的に補腎は必要と考えて下さい。そして産後ケアはしっかり行なってください。 閉経ごろ(45歳以降)に尿失禁の経験が増えてきます。予防には漢方薬に加えて、ツボを活用するとよいでしょう。百会と合谷、足の三里にお灸をするとより効果があります。さらに丹田(気海)に温灸をするのも効果的です。 腹圧をかける腹筋など、下腹部のトレーニングは肛門括約筋や骨盤底筋のトレーニングをして筋力がある程度ついてから行うことが大切です。そうでなければ膀胱などをさらに下垂させることになるからです。 更年期の尿モレはけっこう時間が経っているはずですから、個人差が大きいと思います。このような場合、誠心堂薬局では鍼灸と漢方薬を同時に相談されるのもいいでしょう。お腹を触って見たり脈などでその人の尿モレについて判断がつきますから。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 ≫ 生活養生で更年期を上手に乗り越えれば老化も緩やかに迎えられる ≫ 更年期障害の治療効果をアップさせる「五志七情」という考え方 ≫ 西洋医学の治療法に抵抗がある人は中医学の漢方薬を試してみよう ≫ 補腎薬と鍼が更年期の治療に相乗効果をもたらす <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2017.8.1
コラム 漢方・鍼灸
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その憂うつ、「妊娠うつ」かも?
その憂うつ、「妊娠うつ」かも? 2017/7/31 宗田 聡 先生(広尾レディース) 産後だけでなく、妊娠中にもある「うつ」 「マタニティブルー」(産後の一時的なうつ)、「産後うつ」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、妊娠中にも「うつ」はあるのです。 1980年代まで女性は妊娠したらハッピーになるもの、と考えられていました。ところが、ここ最近は女性の社会進出がさかんになり、それに伴い結婚、出産年齢も上がってきました。同時に会社の人間関係などでうつになってしまう人も増えてきました。そして、精神疾患を抱えるのは、男性より女性のほうが1.6倍も多いことがわかっています。 このような背景があり、産前から「うつ」の既往症がある女性が増えてきました。そして、妊娠期にも「うつ」の症状があることが論文として発表され、認知されてきました。2014年には妊娠中、または出産後4週間以内に始まっているうつを「周産期うつ」と呼ぶようになってきています。 妊娠前にうつ、拒食症、不妊治療を受けた人になりやすい傾向が 「妊娠うつ」は、妊娠初期にかかりやすい人がほとんどで、たいていの方は自然に治ります。罹りやすいのは、もともとうつ病の既往症がある方、若いころに拒食症の経験がある方、不妊治療をしてやっと「妊娠」というゴールにたどりついたのに、今度は赤ちゃんのことが心配で不安になる方、このような方が多いです。また、几帳面、生真面目、パニックになりやすい、何でもきちんできないと気が済まない…このような性格の方にも多い傾向があります。 「妊娠うつ」の判断基準は2つ。まず、気持ちが落ち込んでしまうこと、そして物事に興味が持てなくなることが大きな特徴です。これが続くと、悲しくなって意味もなく泣き出してしまったり、眠れなくなってしまったり、食べ過ぎたり、逆に食べられなくなったり…とさまざまな症状が出てきます。よく「妊娠中のホルモン値の変動と関係あるのでは?」という質問がありますが、これは全く関係ありません。その方の環境とキャラクターが複合して発症するものなのです。 「妊娠うつ」はかかりつけ医に相談を 異変を感じたらまずは、ふだん妊婦健診を受けている産婦人科に相談してみましょう。治療は基本的に心理療法を受けてもらいます。抗うつ剤は使用せず、カウンセリングなどで治療していきます。ただ、もともとうつ病があって薬を服用している場合は慎重に治療を進めていきます。抗うつ剤を飲み続けることは、赤ちゃんにリスクがある、という考え方が以前にはありましたが、抗うつ剤を辞めてしまうと、逆に産後にもっと大変な「産後うつ」を発症してしまうケースがあるからです。そのため、最近では妊娠しても安易に薬はやめないこともあります。 一人で考え込まず、周りの人に相談を 「妊娠うつ」の一番の治療は、周りの人に不安や悩みを聞いてもらうことです。パートナー、両親、友達など身近な人に相談して、まわりのサポートを受けましょう。また、かかりつけの病院の助産師さんやドクターに聞いてもらっても良いでしょう。 一人で悩んで、根拠や取材元がはっきりしていないネットの情報などに振り回されないようにしてください。正しい情報を見極める力も必要です。 お話を伺った先生のご紹介 宗田聡(広尾レディース) 筑波大学卒業後、同大産婦人科にて研修。平成9年より筑波大学講師として臨床・研究・教育に従事。Tufts大学(ボストン)遺伝医学特別研究員として留学後、水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)、 パークサイド広尾レディスクリニック院長を経て、平成24年 広尾レディース院長に就任。現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科非常勤講師。不妊、うつに関する著書も多数。著書に『これからはじめる周産期メンタルヘルス』等。 ≫ 広尾レディース その憂うつ、「妊娠うつ」かも? 2017/7/31 宗田 聡 先生(広尾レディース) 産後だけでなく、妊娠中にもある「うつ」 「マタニティブルー」(産後の一時的なうつ)、「産後うつ」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、妊娠中にも「うつ」はあるのです。 1980年代まで女性は妊娠したらハッピーになるもの、と考えられていました。ところが、ここ最近は女性の社会進出がさかんになり、それに伴い結婚、出産年齢も上がってきました。同時に会社の人間関係などでうつになってしまう人も増えてきました。そして、精神疾患を抱えるのは、男性より女性のほうが1.6倍も多いことがわかっています。 このような背景があり、産前から「うつ」の既往症がある女性が増えてきました。そして、妊娠期にも「うつ」の症状があることが論文として発表され、認知されてきました。2014年には妊娠中、または出産後4週間以内に始まっているうつを「周産期うつ」と呼ぶようになってきています。 妊娠前にうつ、拒食症、不妊治療を受けた人になりやすい傾向が 「妊娠うつ」は、妊娠初期にかかりやすい人がほとんどで、たいていの方は自然に治ります。罹りやすいのは、もともとうつ病の既往症がある方、若いころに拒食症の経験がある方、不妊治療をしてやっと「妊娠」というゴールにたどりついたのに、今度は赤ちゃんのことが心配で不安になる方、このような方が多いです。また、几帳面、生真面目、パニックになりやすい、何でもきちんできないと気が済まない…このような性格の方にも多い傾向があります。 「妊娠うつ」の判断基準は2つ。まず、気持ちが落ち込んでしまうこと、そして物事に興味が持てなくなることが大きな特徴です。これが続くと、悲しくなって意味もなく泣き出してしまったり、眠れなくなってしまったり、食べ過ぎたり、逆に食べられなくなったり…とさまざまな症状が出てきます。よく「妊娠中のホルモン値の変動と関係あるのでは?」という質問がありますが、これは全く関係ありません。その方の環境とキャラクターが複合して発症するものなのです。 「妊娠うつ」はかかりつけ医に相談を 異変を感じたらまずは、ふだん妊婦健診を受けている産婦人科に相談してみましょう。治療は基本的に心理療法を受けてもらいます。抗うつ剤は使用せず、カウンセリングなどで治療していきます。ただ、もともとうつ病があって薬を服用している場合は慎重に治療を進めていきます。抗うつ剤を飲み続けることは、赤ちゃんにリスクがある、という考え方が以前にはありましたが、抗うつ剤を辞めてしまうと、逆に産後にもっと大変な「産後うつ」を発症してしまうケースがあるからです。そのため、最近では妊娠しても安易に薬はやめないこともあります。 一人で考え込まず、周りの人に相談を 「妊娠うつ」の一番の治療は、周りの人に不安や悩みを聞いてもらうことです。パートナー、両親、友達など身近な人に相談して、まわりのサポートを受けましょう。また、かかりつけの病院の助産師さんやドクターに聞いてもらっても良いでしょう。 一人で悩んで、根拠や取材元がはっきりしていないネットの情報などに振り回されないようにしてください。正しい情報を見極める力も必要です。 お話を伺った先生のご紹介 宗田聡(広尾レディース) 筑波大学卒業後、同大産婦人科にて研修。平成9年より筑波大学講師として臨床・研究・教育に従事。Tufts大学(ボストン)遺伝医学特別研究員として留学後、水戸済生会総合病院産婦人科部長・茨城県周産期センター長(筑波大学産婦人科臨床准教授兼任)、 パークサイド広尾レディスクリニック院長を経て、平成24年 広尾レディース院長に就任。現在、筑波大学大学院人間総合科学研究科非常勤講師。不妊、うつに関する著書も多数。著書に『これからはじめる周産期メンタルヘルス』等。 ≫ 広尾レディース
2017.7.31
インタビュー 妊娠・出産
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中絶を3回しても妊娠できる?
中絶を3回しても妊娠できる? 2017/7/28 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長) 相談者:よっちゃんさん(主婦/ヒミツ) はじめまして。私は過去に中絶経験が3回あります。 今のところ生理は順調ですが、欲しいと思い始めて約1年。なかなか子供ができません。 もし中絶を3回以上経験されたことがあって、無事妊娠・出産できた方がいらっしゃったら教えていただけませんか? また、中絶経験が3回以上あって、不妊治療されている方などなんでもかまいません。3回以上経験のある方、どうぞよろしくお願いいたします。 中絶すると妊娠しにくくなるのでしょうか。 つらい経験をされて、そのことが気にかかっているようですね。お気持ちをお察しします。結論からいいますと、中絶手術が適切に行われていれば、妊娠のしやすさに問題はありません。3回以上中絶されて無事に妊娠、出産している方も多数いらっしゃいます。 当院では、中絶手術とほぼ同じ手技である流産手術を、経腹超音波と吸引法を組み合わせて極力子宮を傷つけない方法で行っております。流産をくり返す方は多いので、3回以上の手術もめずらしくありません。術後特に問題なく妊娠、出産されています。 中絶をくり返すことによるダメージはありますか。 極端に強く掻爬すると子宮内膜が薄くなります。また中絶をくり返すと、子宮内腔が炎症し癒着するアッシャーマン症候群になることがありますが、それほど頻繁に起こるものではありません。中絶が妊娠に影響するかどうかは、超音波検査で内膜の厚さを計測したり、子宮鏡で癒着の有無を確認すればわかります。この二つの検査で問題なければ妊娠にはまったく影響ありません。 このような方にアドバイスをお願いします。 過去に中絶されたことによる自責の念から、妊娠しにくいのではと考えられているのが本質だと思います。だれしも事情があり、好んで中絶しているわけではありません。ご自分を責める必要はありませんし、妊娠への影響ない場合がほとんどです。ご心配であれば、超音波検査、子宮鏡検査を受けてください。 中村先生より まとめ 中絶手術が正しくおこなわれていれば、妊娠への影響はありません。ご心配なら超音波検査、子宮鏡検査で影響があるかないかわかります。中絶への自責の念から妊娠できないと考える必要はありません。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック) 大阪市立大学医学部卒業。 同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。 ≫ なかむらレディースクリニック 中絶を3回しても妊娠できる? 2017/7/28 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長) 相談者:よっちゃんさん(主婦/ヒミツ) はじめまして。私は過去に中絶経験が3回あります。 今のところ生理は順調ですが、欲しいと思い始めて約1年。なかなか子供ができません。 もし中絶を3回以上経験されたことがあって、無事妊娠・出産できた方がいらっしゃったら教えていただけませんか? また、中絶経験が3回以上あって、不妊治療されている方などなんでもかまいません。3回以上経験のある方、どうぞよろしくお願いいたします。 中絶すると妊娠しにくくなるのでしょうか。 つらい経験をされて、そのことが気にかかっているようですね。お気持ちをお察しします。結論からいいますと、中絶手術が適切に行われていれば、妊娠のしやすさに問題はありません。3回以上中絶されて無事に妊娠、出産している方も多数いらっしゃいます。 当院では、中絶手術とほぼ同じ手技である流産手術を、経腹超音波と吸引法を組み合わせて極力子宮を傷つけない方法で行っております。流産をくり返す方は多いので、3回以上の手術もめずらしくありません。術後特に問題なく妊娠、出産されています。 中絶をくり返すことによるダメージはありますか。 極端に強く掻爬すると子宮内膜が薄くなります。また中絶をくり返すと、子宮内腔が炎症し癒着するアッシャーマン症候群になることがありますが、それほど頻繁に起こるものではありません。中絶が妊娠に影響するかどうかは、超音波検査で内膜の厚さを計測したり、子宮鏡で癒着の有無を確認すればわかります。この二つの検査で問題なければ妊娠にはまったく影響ありません。 このような方にアドバイスをお願いします。 過去に中絶されたことによる自責の念から、妊娠しにくいのではと考えられているのが本質だと思います。だれしも事情があり、好んで中絶しているわけではありません。ご自分を責める必要はありませんし、妊娠への影響ない場合がほとんどです。ご心配であれば、超音波検査、子宮鏡検査を受けてください。 中村先生より まとめ 中絶手術が正しくおこなわれていれば、妊娠への影響はありません。ご心配なら超音波検査、子宮鏡検査で影響があるかないかわかります。中絶への自責の念から妊娠できないと考える必要はありません。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック) 大阪市立大学医学部卒業。 同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。 ≫ なかむらレディースクリニック
2017.7.28
コラム 不妊治療
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ここが知りたい!「無痛分娩」
ここが知りたい!「無痛分娩」 2017/7/27 大塩 達弥先生(おおしおウィメンズクリニック 院長) 痛みを取り、穏やかな気持ちでお産ができる「無痛分娩」 無痛分娩は、腰椎のL3-4間の硬膜外腔にカテーテル(硬膜外カテーテル)を挿入し、麻酔で痛みを取りのぞいて分娩を行います。このため、痛みは感じません。陣痛の波に合わせて、いきむ事ができます。当院では、妊婦さんの要望に合わせ、あらかじめご主人が立ち会えるスケジュールに日を合わせて分娩をする「計画無痛分娩」も行いますが、リスクを伴うケースもあるため、基本的にはすすめていません。ほとんどは自然に陣痛が来るのを待ち、痛みを感じたらすぐにカテーテルを挿入する方法をとっています。こちらの方がより安全で、お産がスムーズに進むからです。カテーテルを挿入すると痛みは10分ぐらいで取れて、お産が進んでいきます。痛みを感じない分、妊婦さんはとても冷静になり、赤ちゃんの頭の位置が今どこにあるかが把握でき、だんだん下りてくる感覚がわかります。痛みがなくても意識ははっきりしているので、お産を楽しんでいらっしゃる方が多いです。 「無痛分娩」のメリット・リスク 痛みを伴わない無痛分娩のメリットは、先に話した通り、お産を冷静に楽しめることにあります。よく第一子を自然分娩で出産して、二人目は無痛を選択する人がいるのですが「こんなに痛くないなんて! お産が楽しめた!」と驚かれています。また、自然分娩は体力を消耗しますが、無痛分娩は体力を消耗しない分、母体の回復が早く、お産の翌日から赤ちゃんのケアを十分にできるという利点もあります。分娩時に痛みを感じない分、お産の後にくる「後陣痛」に痛みを感じる方がいます。 無痛分娩のリスクとしては、硬膜外腔の先にある脊髄腔に硬膜外カテーテルが入ってしまうケースがあります。この状態のままお産を進めないよう、麻酔薬をカテーテルに注入する前に位置確認をします。カテーテルからせき髄液が出てこないことを確認し、カテーテルの位置を把握してから麻酔薬を使います。それでもごくまれにカテーテルが入ってしまう時があることが報告されています。この場合は、麻酔科専門医、産科麻酔医が常駐している当院ではすみやかに対応可能です。 高齢の人、痛みに敏感な人におすすめ 10年前は当院での分娩のうち10%ほどだった無痛分娩ですが、最近では年間約400に及ぶ分娩の約50%は無痛分娩です。それだけ無痛分娩を選択する方が増えてきています。 無痛分娩を選ぶ方に多いのは、高齢で体力を温存しておきたいという方です。このなかには体外受精を経験された方も少なくありません。また、痛みの感じ方は本当に人それぞれなので、ちょっとした痛みにも弱い、と思っている方も選択されます。 ただ、もともと子宮筋腫を持っていて、筋腫が大きくなっているケース、胎盤の位置が悪いケース、また途中で赤ちゃんが逆子だとわかった場合などには無痛分娩ができないこともあります。 “お産は楽しくあるべき”。だから無痛分娩がおすすめ 特に日本では、「お腹を痛めてこそ母親になれる」という考え方もまだあり、それはそれで間違いではないと思います。実際、そこで迷って無痛分娩を躊躇される方もいます。私はそういった方に無理強いはせず、どちらも選択できるように用意します。ただ、せっかくのお産は、楽しくあるべき、家族にも出産シーンをオープンにして、ママにはニコッと笑いながら分娩を楽しんでほしいと思います。人生の一大イベントのお産に、無痛分娩と言う選択肢を加えてみてはいかがでしょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 大塩 達弥先生(おおしおウィメンズクリニック 院長) 日本大学医学部卒業 横須賀市立市民病院産婦人科、川口市立市民病院、関東逓信病院産婦人科、セントマーガレット病院産婦人科部長を経て、平成9年おおしおウィメンズクリニックを開設。クリニックは産科、婦人科だけでなく、不妊外来、胎児ドック、ピル外来、産後の美容・エステなど、女性をトータルでサポートしてくれる。日本産科婦人科学会専門医、日本母性衛生学会会員 母体保護法指定医 日本受精着床学会評議員 日本不妊学会会員。ほか、日本大学医学部産婦人科兼任 講師としても活躍中。 ≫ おおしおウィメンズクリニック ここが知りたい!「無痛分娩」 2017/7/27 大塩 達弥先生(おおしおウィメンズクリニック 院長) 痛みを取り、穏やかな気持ちでお産ができる「無痛分娩」 無痛分娩は、腰椎のL3-4間の硬膜外腔にカテーテル(硬膜外カテーテル)を挿入し、麻酔で痛みを取りのぞいて分娩を行います。このため、痛みは感じません。陣痛の波に合わせて、いきむ事ができます。当院では、妊婦さんの要望に合わせ、あらかじめご主人が立ち会えるスケジュールに日を合わせて分娩をする「計画無痛分娩」も行いますが、リスクを伴うケースもあるため、基本的にはすすめていません。ほとんどは自然に陣痛が来るのを待ち、痛みを感じたらすぐにカテーテルを挿入する方法をとっています。こちらの方がより安全で、お産がスムーズに進むからです。カテーテルを挿入すると痛みは10分ぐらいで取れて、お産が進んでいきます。痛みを感じない分、妊婦さんはとても冷静になり、赤ちゃんの頭の位置が今どこにあるかが把握でき、だんだん下りてくる感覚がわかります。痛みがなくても意識ははっきりしているので、お産を楽しんでいらっしゃる方が多いです。 「無痛分娩」のメリット・リスク 痛みを伴わない無痛分娩のメリットは、先に話した通り、お産を冷静に楽しめることにあります。よく第一子を自然分娩で出産して、二人目は無痛を選択する人がいるのですが「こんなに痛くないなんて! お産が楽しめた!」と驚かれています。また、自然分娩は体力を消耗しますが、無痛分娩は体力を消耗しない分、母体の回復が早く、お産の翌日から赤ちゃんのケアを十分にできるという利点もあります。分娩時に痛みを感じない分、お産の後にくる「後陣痛」に痛みを感じる方がいます。 無痛分娩のリスクとしては、硬膜外腔の先にある脊髄腔に硬膜外カテーテルが入ってしまうケースがあります。この状態のままお産を進めないよう、麻酔薬をカテーテルに注入する前に位置確認をします。カテーテルからせき髄液が出てこないことを確認し、カテーテルの位置を把握してから麻酔薬を使います。それでもごくまれにカテーテルが入ってしまう時があることが報告されています。この場合は、麻酔科専門医、産科麻酔医が常駐している当院ではすみやかに対応可能です。 高齢の人、痛みに敏感な人におすすめ 10年前は当院での分娩のうち10%ほどだった無痛分娩ですが、最近では年間約400に及ぶ分娩の約50%は無痛分娩です。それだけ無痛分娩を選択する方が増えてきています。 無痛分娩を選ぶ方に多いのは、高齢で体力を温存しておきたいという方です。このなかには体外受精を経験された方も少なくありません。また、痛みの感じ方は本当に人それぞれなので、ちょっとした痛みにも弱い、と思っている方も選択されます。 ただ、もともと子宮筋腫を持っていて、筋腫が大きくなっているケース、胎盤の位置が悪いケース、また途中で赤ちゃんが逆子だとわかった場合などには無痛分娩ができないこともあります。 “お産は楽しくあるべき”。だから無痛分娩がおすすめ 特に日本では、「お腹を痛めてこそ母親になれる」という考え方もまだあり、それはそれで間違いではないと思います。実際、そこで迷って無痛分娩を躊躇される方もいます。私はそういった方に無理強いはせず、どちらも選択できるように用意します。ただ、せっかくのお産は、楽しくあるべき、家族にも出産シーンをオープンにして、ママにはニコッと笑いながら分娩を楽しんでほしいと思います。人生の一大イベントのお産に、無痛分娩と言う選択肢を加えてみてはいかがでしょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 大塩 達弥先生(おおしおウィメンズクリニック 院長) 日本大学医学部卒業 横須賀市立市民病院産婦人科、川口市立市民病院、関東逓信病院産婦人科、セントマーガレット病院産婦人科部長を経て、平成9年おおしおウィメンズクリニックを開設。クリニックは産科、婦人科だけでなく、不妊外来、胎児ドック、ピル外来、産後の美容・エステなど、女性をトータルでサポートしてくれる。日本産科婦人科学会専門医、日本母性衛生学会会員 母体保護法指定医 日本受精着床学会評議員 日本不妊学会会員。ほか、日本大学医学部産婦人科兼任 講師としても活躍中。 ≫ おおしおウィメンズクリニック
2017.7.27
インタビュー 妊娠・出産
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尿モレの情報は出産前に収集しておこう
尿モレの情報は出産前に収集しておこう あなたは尿モレにどのようなイメージを持っていますか?たぶん、40代以降の中年女性が悩むことだと思っているのではないでしょうか。 尿モレは骨盤底筋の緩みから起こるのですが、圧倒的に多いのが出産の経験によるものなのです。尿失禁率は経産婦が未産婦の3倍と言われています。つまり2人に1人は尿モレを経験する計算になるのです。ですから年齢は関係なく20代でも出産経験があるなら、尿モレになる可能性があるということです。 なぜ、尿モレのほとんどは出産が機となるのでしょうか。 それは出産時に骨盤底筋に断裂が起こるからです。その断裂が元に戻るには3か月ほどかかります。子宮は1か月でほぼ妊娠前の大きさに戻りますが骨盤底筋はその3倍も時間が必要なのです。 将来尿モレで悩まないためにも、しっかり骨盤底筋の修復をしておきたい。そのために産褥体操という骨盤底筋を鍛える体操があるのです。骨盤底筋の断裂がしっかり元に戻らず、緩んだ状態で産後の育児を迎えると、内臓が下垂して骨盤底筋はさらに緩んでしまいます。更年期になると下腹部の血行が悪くなり内臓を支える力が低下してくるからです。 一度断裂した部分は弛緩しやすいので、いかに産褥時期のケアが大切かを知ってほしいのです。出産した後では間に合わないので、産前にこのような情報をしっかり調べておくことも必要でしょう。 骨盤底筋の血行をよくするのは産褥体操だけではありません。たとえば、授乳をすると幸せホルモンと言われる「オキシトシン」が分泌されますが、このホルモンは子宮を元の大きさに戻すとともに、骨盤底筋も引き締める作用があります。母乳が出るでないは別として、授乳は赤ちゃんのためだけではなく、ママのからだにも重要だということです。 東洋医学では出産や更年期などで内臓のエネルギーが低下すると胃腸だけではなく膀胱や子宮まで下垂しやすくなります。それをできるだけ早めに回復させてあげることをお勧めします。できれば産前から予防のために漢方薬を服用したり、自身の体質に合わせた鍼灸治療を受けることをお勧めします。 産褥体操は出産直後積極的に行うことで、その後に起こるかもしれない尿モレ予防になるので、ネットなどにも出ていますから、出産前に覚えておき、出産したら実行することをおすすめします。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 ≫ 生活養生で更年期を上手に乗り越えれば老化も緩やかに迎えられる ≫ 更年期障害の治療効果をアップさせる「五志七情」という考え方 ≫ 西洋医学の治療法に抵抗がある人は中医学の漢方薬を試してみよう ≫ 補腎薬と鍼が更年期の治療に相乗効果をもたらす ≫ 食事や生活養生で更年期を穏やかに過ごす~その2 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう あなたは尿モレにどのようなイメージを持っていますか?たぶん、40代以降の中年女性が悩むことだと思っているのではないでしょうか。 尿モレは骨盤底筋の緩みから起こるのですが、圧倒的に多いのが出産の経験によるものなのです。尿失禁率は経産婦が未産婦の3倍と言われています。つまり2人に1人は尿モレを経験する計算になるのです。ですから年齢は関係なく20代でも出産経験があるなら、尿モレになる可能性があるということです。 なぜ、尿モレのほとんどは出産が機となるのでしょうか。 それは出産時に骨盤底筋に断裂が起こるからです。その断裂が元に戻るには3か月ほどかかります。子宮は1か月でほぼ妊娠前の大きさに戻りますが骨盤底筋はその3倍も時間が必要なのです。 将来尿モレで悩まないためにも、しっかり骨盤底筋の修復をしておきたい。そのために産褥体操という骨盤底筋を鍛える体操があるのです。骨盤底筋の断裂がしっかり元に戻らず、緩んだ状態で産後の育児を迎えると、内臓が下垂して骨盤底筋はさらに緩んでしまいます。更年期になると下腹部の血行が悪くなり内臓を支える力が低下してくるからです。 一度断裂した部分は弛緩しやすいので、いかに産褥時期のケアが大切かを知ってほしいのです。出産した後では間に合わないので、産前にこのような情報をしっかり調べておくことも必要でしょう。 骨盤底筋の血行をよくするのは産褥体操だけではありません。たとえば、授乳をすると幸せホルモンと言われる「オキシトシン」が分泌されますが、このホルモンは子宮を元の大きさに戻すとともに、骨盤底筋も引き締める作用があります。母乳が出るでないは別として、授乳は赤ちゃんのためだけではなく、ママのからだにも重要だということです。 東洋医学では出産や更年期などで内臓のエネルギーが低下すると胃腸だけではなく膀胱や子宮まで下垂しやすくなります。それをできるだけ早めに回復させてあげることをお勧めします。できれば産前から予防のために漢方薬を服用したり、自身の体質に合わせた鍼灸治療を受けることをお勧めします。 産褥体操は出産直後積極的に行うことで、その後に起こるかもしれない尿モレ予防になるので、ネットなどにも出ていますから、出産前に覚えておき、出産したら実行することをおすすめします。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 ≫ 生活養生で更年期を上手に乗り越えれば老化も緩やかに迎えられる ≫ 更年期障害の治療効果をアップさせる「五志七情」という考え方 ≫ 西洋医学の治療法に抵抗がある人は中医学の漢方薬を試してみよう ≫ 補腎薬と鍼が更年期の治療に相乗効果をもたらす ≫ 食事や生活養生で更年期を穏やかに過ごす~その2 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2017.7.25
コラム 不妊治療