赤坂レディースクリニック ジネコ取材済
東京都港区赤坂5-4-7 The Hexagonビル 4階
婦人科 / 不妊治療
赤坂レディースクリニック
東京都港区赤坂5-4-7 The Hexagonビル 4階
赤坂駅徒歩10秒。院内は過ごしやすい雰囲気で、先生も優しく気兼ねなくお話ができます。
妊活、年齢、不妊治療、そして将来などの不安や悩みをまずは相談ください。
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診療科
婦人科
不妊治療
基本診療時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~13:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
14:30~19:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | △ |
土曜は17:00まで
休診日
水・日・祝
住所・連絡先
東京都港区赤坂5-4-7 The Hexagonビル 4階
TEL: 03-5545-4123
FAX: 03-5545-4122
クリニックのご案内
赤坂レディースクリニックは、一般不妊治療から体外受精、顕微授精などの高度生殖補助技術(assisted reproductive technique:ART)、さらに卵子凍結を中心に診療を行っています。
「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディーな医療」をモットーに、不妊治療をサポートしていきます。 スタッフは、看護師、胚培養士をはじめ、各分野のスペシャリストを揃えております。
定期的な通院が必要となるため、仕事を続けながら、ストレスなく通院できるように、夜7時までの診療時間とし、土曜日も診療を行っています。 子供をつくるという最高の夢を、私たちと一緒に叶えていきましょう。
下川 理世 院長プロフィール
”親切丁寧で分かりやすく、医学的根拠に基づいた的確な診療を心がけています”
下川 理世 院長略歴
2000年5月~ 慶応義塾大学医学部 産婦人科入局
2002年6月~ 静岡赤十字病院 産婦人科
2003年6月~ 市川総合病院 産婦人科・リプロダクションセンター
2010年10月~湘南IVFクリニック(現 メディカルパーク湘南)
2016年4月~ 赤坂レディースクリニック就任
不妊治療とは
不妊治療は、妊娠しにくい原因を調べ治療することと、妊娠の可能性を高めることで構成されています。 妊娠を考えた際には、まず不妊の原因となるものはないか、スクリーニング検査(基本検査)にて明らかにすることから始めなければなりません。
不妊治療は検査に始まり、いくつかの治療法を試しながら、段階的に行うのが一般的です。 治療開始から妊娠までには平均で、2年から3年程度かかり、時には5年以上の継続的な治療が必要になる場合もあります。
もし、妊娠しにくい原因がありそれを早く知ることができれば、妊娠までの期間を短縮できる可能性がありますので、基本検査はとても重要と言えます。
生殖補助医療(ART)について
生殖補助医療(ART)とは、卵子を採取する「採卵」、体外での卵子と精子の「体外受精」や「顕微授精」、受精卵を子宮内に移植する胚移植などを含む医療技術の総称です。
卵子凍結
体外に卵子を取り出して、凍結保存しておく技術を卵子凍結と呼びます。 日々作られる精子と違って、卵子は卵巣内で新しく作られることはありません。
原始卵胞の数は、生まれたときがピークで200万個ほど存在し、年齢とともに減少していきます。35歳を超えると減少率は加速していきます。 さらに、卵子は 単に卵巣内に保存されているだけで、加齢とともに老化し、その質は低下する と考えられています。 質が低下すると、その結果として受精しにくくなり、また受精がおこっても、細胞分裂の途中で成長が止まる割合も増えます。 卵子の老化により、染色体異常も起こりやすくなり、それは流産と関係しています。 このため、妊娠が成立したとしても、流産率が高くなり、結果的に出生率が激減します。 卵子凍結は、卵子の時を止めて、将来の妊娠に備えておくことができる手段です。 当院は不妊治療専門のクリニックですので、高度生殖補助医療(ART)の中で培った凍結技術を持ち、長期に渡る凍結卵の保存管理が可能です。 将来の妊娠に備えて、今できる準備をお考えの方は、一度ご相談ください。
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心因性頻尿とチョコレート嚢胞がある場合、移植をどう乗り越えれば?
心因性頻尿とチョコレート嚢胞がある場合、移植をどう乗り越えれば? 2017/10/25 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) さおさん(34歳) 心因性頻尿とチョコレート嚢胞がある場合、移植をどう乗り越えれば? 先日、初めて凍結胚移植を行いました。私が通院する不妊治療専門の病院は、尿をためてから移植を行うところでした。 実は10年ほど前、心因性頻尿の症状が出て心療内科に通っていたのですが、担当医と相性が合わず、嫌な思いをしたのでそれ以降、通っていません。何かをする前に必ずトイレを済ませたり、トイレの場所を確認することで安心を得るようにしたりなど自分なりの対処法で過ごしていました。 しかし、今回の凍結胚移植では「尿をためる」という状態で臨まなければいけませんでした。医師や看護師に「尿をためたり我慢するのが苦手」と訴えたのですが理解されず、何回もパニックに陥り、1度目はダメでトイレに行ったりしたものの何とか耐えて移植を終えました。精神的にとてもつらかったです。 それと私は両方の卵巣に5㎝ほどのチョコレート嚢胞があり、その手術の前に体外受精をしたほうがいいということで今回、移植を行いました。まだ、結果待ちですが、もしダメだった場合、年齢的にも早めに次の体外受精をしたい。でもまた、パニックに陥るのが心配です。先に心療内科に通った方がいいのでしょうか? 尿をためないでも移植できる方法があれば、教えてください。 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 凍結胚移植はエコーで移植の位置を確認しながら行うのですが、エコーをお腹にあてる場合は、子宮の内部を見やすくするため、膀胱に尿をためていただきます。ただ、私のところのように経膣エコーだけを使っている医師や病院も多いです。経膣エコーの場合、逆に排尿してもらうことになるので、次回は経膣エコーにしてもらえばいいのではないでしょうか。どちらの方法かは医師や病院によって異なります。今の病院で難しければ、他の病院をあたるのも選択の一つです。 ただ、心因性頻尿に関しては早めに心療内科に通い、改善することをおすすめします。不妊治療のことだけでなく日常生活も大変だと思うので。以前の病院にこだわらず、他をあたったらいいと思います。 気になるのは両側にある5㎝のチョコレート嚢胞。結構大きいです。ただ、手術で取ってしまうと卵巣機能がガクンと落ちてしまう恐れがあります。手術が先か、妊娠が先か。難しいところですが、私はAMHと年齢で判断します。AMHが年齢相応の数値であれば、先に手術するかもしれません。 データによると35歳の方が5回の累積移植で約9割の方が体外受精に成功しています。移植では毎回1個ずつ使いますから、胚盤胞という凍結胚が5個以上あると安心です。さおさんの場合、34歳で一度体外受精を経験されて流れもわかっているので、次回は5個くらい凍結胚をつくっておき、移植前にチョコレート嚢胞の摘出手術を行うのが良いのではないでしょうか。 チョコレート嚢胞は切除しないと治らない病気で、放置すると後々ガンの母体になってしまいます。抱えたままだと刺激物質を腹腔内にずっと置くことになるので、そのままの状態で妊娠するのもあまり良くないと私は思います。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。≫ 赤坂レディースクリニック 心因性頻尿とチョコレート嚢胞がある場合、移植をどう乗り越えれば? 2017/10/25 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) さおさん(34歳) 心因性頻尿とチョコレート嚢胞がある場合、移植をどう乗り越えれば? 先日、初めて凍結胚移植を行いました。私が通院する不妊治療専門の病院は、尿をためてから移植を行うところでした。 実は10年ほど前、心因性頻尿の症状が出て心療内科に通っていたのですが、担当医と相性が合わず、嫌な思いをしたのでそれ以降、通っていません。何かをする前に必ずトイレを済ませたり、トイレの場所を確認することで安心を得るようにしたりなど自分なりの対処法で過ごしていました。 しかし、今回の凍結胚移植では「尿をためる」という状態で臨まなければいけませんでした。医師や看護師に「尿をためたり我慢するのが苦手」と訴えたのですが理解されず、何回もパニックに陥り、1度目はダメでトイレに行ったりしたものの何とか耐えて移植を終えました。精神的にとてもつらかったです。 それと私は両方の卵巣に5㎝ほどのチョコレート嚢胞があり、その手術の前に体外受精をしたほうがいいということで今回、移植を行いました。まだ、結果待ちですが、もしダメだった場合、年齢的にも早めに次の体外受精をしたい。でもまた、パニックに陥るのが心配です。先に心療内科に通った方がいいのでしょうか? 尿をためないでも移植できる方法があれば、教えてください。 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 凍結胚移植はエコーで移植の位置を確認しながら行うのですが、エコーをお腹にあてる場合は、子宮の内部を見やすくするため、膀胱に尿をためていただきます。ただ、私のところのように経膣エコーだけを使っている医師や病院も多いです。経膣エコーの場合、逆に排尿してもらうことになるので、次回は経膣エコーにしてもらえばいいのではないでしょうか。どちらの方法かは医師や病院によって異なります。今の病院で難しければ、他の病院をあたるのも選択の一つです。 ただ、心因性頻尿に関しては早めに心療内科に通い、改善することをおすすめします。不妊治療のことだけでなく日常生活も大変だと思うので。以前の病院にこだわらず、他をあたったらいいと思います。 気になるのは両側にある5㎝のチョコレート嚢胞。結構大きいです。ただ、手術で取ってしまうと卵巣機能がガクンと落ちてしまう恐れがあります。手術が先か、妊娠が先か。難しいところですが、私はAMHと年齢で判断します。AMHが年齢相応の数値であれば、先に手術するかもしれません。 データによると35歳の方が5回の累積移植で約9割の方が体外受精に成功しています。移植では毎回1個ずつ使いますから、胚盤胞という凍結胚が5個以上あると安心です。さおさんの場合、34歳で一度体外受精を経験されて流れもわかっているので、次回は5個くらい凍結胚をつくっておき、移植前にチョコレート嚢胞の摘出手術を行うのが良いのではないでしょうか。 チョコレート嚢胞は切除しないと治らない病気で、放置すると後々ガンの母体になってしまいます。抱えたままだと刺激物質を腹腔内にずっと置くことになるので、そのままの状態で妊娠するのもあまり良くないと私は思います。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。≫ 赤坂レディースクリニック
2017.10.25
専門医Q&A 不妊治療
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妊娠率が高くなるタイミングはいつですか?
妊娠率が高くなるタイミングはいつですか? 2017/6/15 下川理世(赤坂レディースクリニック) 相談者:みーぽこさん(32歳) タイミング法を始めるため、先月初めから近所の産婦人科を受診してます。先生に「高温期が低めで短いですね」と言われ、エコー検査をして「今度の排卵日が21日頃」と指導されました。 そこで質問です。仮に排卵日が21日なら19、20、21日が性交渉のタイミングの日と考えればよいでしょうか。排卵検査薬も使った方が確実ですか? 治療を始めたばかりで、排卵日の予測の仕方、治療の基本的なことがよくわかりません。今後の治療方針も含めてアドバイスをいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします 不妊治療の第一歩は何をするんですか? まず不妊治療は、女性も男性も不妊の原因がないかどうかを確認するため、いくつか検査をするところから始めます。女性の場合、妊娠に大きな役割を果たすのは子宮や卵巣、卵管などの生殖器と、排卵や受精、着床などを行うホルモンです。そのため初診時、患者さんの基礎体温表をもとに生殖器に病気がないか、ホルモンの働きに異常がないかなどを調べます。検査は問診、超音波(エコー検査)、血液・尿検査です。 女性の体は26~35日を一サイクルとして「低温期(卵胞期)、排卵、高温期(黄体期)」と変動します。ホルモンが妊娠の準備にさまざまな働きをするので、その働きに異常がないかを調べます。一通りの検査がすむまでに約2ヵ月。精密検査が必要な場合はさらに時間がかかります。 そこで35歳以下で初診の方で、特に異常が見当たらない場合は、タイミング法に挑戦しながら検査を進めます。ただし、35歳以下でもAMH(抗ミュラー管ホルモン)が低い人は、タイミング法での自然妊娠は難しいと判断し、人工受精から始めます。 黄体ホルモン濃度を調べて10ng/ml以下でしたら、排卵後に注射や内服薬で補充します。とは言っても、これはあくまで体質の問題なのであまり深刻にならないでください。 ●低温期(卵胞期)/月経が終わり、卵胞ホルモンによって卵巣内で次の卵胞が成長する時期。期間は個人差がある。 ●排卵/十分に成長した卵胞が破裂して排卵が起きる。低温期から高温期に変わる境目に排卵が起きる。 ●高温期(黄体期)/排卵後、黄体ホルモンによって子宮の内膜を厚くする。受精しやすくするためで期間は約2週間前後。17日以上高温期が続けば妊娠の可能性あり。妊娠しなければ月経が始まる。 タイミング法の排卵日を予測する検査に何があるか知りたいです。 タイミング法とは、病院で排卵日を正確に予測し、性交渉をして妊娠につなげる治療です。一般的には、3つの検査で排卵の自然現象を観察しながら、排卵日を予測します。 ①卵巣内の卵胞の大きさをエコーで観察 ②黄体ホルモン濃度を血液と尿で検査 ③おりもの(頸管粘液)の状態を検査 エコー検査は2~5㎜の小さい卵胞も観察できるので、排卵日予測にはかなり有効です。また、黄体ホルモンが急激に増えることを「LHサージ」と言います。このLHサージが起こるタイミングをつかめれば、排卵日を予測することができます。LHサージを検知するために実施するのが血液と尿の検査です。さらに、おりものの量や状態でも排卵日を予測できるので、頸管粘液をとって顕微鏡による検査を行います。 妊娠率が高くなるタイミングはいつですか? 排卵日が予測できたらいつセックスをするか。最も妊娠の可能性が高まるのは、排卵日2日前と言われています。次いで排卵日前日、排卵日3日前です。21日が排卵日でしたら19、20、18日の順と言えますね。でもセックスは1日よりも複数日ある方がいいので、排卵日を含む前後5日間に、パートナーと協力して頑張って行いましょう。 市販の排卵検査薬は、先生に言われた排卵日に確信を持つために使ったり、病院は排卵日の2~3日前に受診するのですが、その目安に使うと便利です。 下川先生より まとめ 今後の治療の進め方ですが、タイミング法を半年間行っても妊娠しなければ人工授精に進みましょう。人工授精を4~5回行ったのにもかかわらず、妊娠できなかったら体外受精へと進みます。 パートナーの不妊検査は済んでいますか。不妊治療にはパートナーの協力は必要です。かかりつけの先生ともよくコミュニケーションをとり、疑問や不安はその場で解消するようにしましょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。≫ 赤坂レディースクリニック 妊娠率が高くなるタイミングはいつですか? 2017/6/15 下川理世(赤坂レディースクリニック) 相談者:みーぽこさん(32歳) タイミング法を始めるため、先月初めから近所の産婦人科を受診してます。先生に「高温期が低めで短いですね」と言われ、エコー検査をして「今度の排卵日が21日頃」と指導されました。 そこで質問です。仮に排卵日が21日なら19、20、21日が性交渉のタイミングの日と考えればよいでしょうか。排卵検査薬も使った方が確実ですか? 治療を始めたばかりで、排卵日の予測の仕方、治療の基本的なことがよくわかりません。今後の治療方針も含めてアドバイスをいただけますでしょうか。よろしくお願いいたします 不妊治療の第一歩は何をするんですか? まず不妊治療は、女性も男性も不妊の原因がないかどうかを確認するため、いくつか検査をするところから始めます。女性の場合、妊娠に大きな役割を果たすのは子宮や卵巣、卵管などの生殖器と、排卵や受精、着床などを行うホルモンです。そのため初診時、患者さんの基礎体温表をもとに生殖器に病気がないか、ホルモンの働きに異常がないかなどを調べます。検査は問診、超音波(エコー検査)、血液・尿検査です。 女性の体は26~35日を一サイクルとして「低温期(卵胞期)、排卵、高温期(黄体期)」と変動します。ホルモンが妊娠の準備にさまざまな働きをするので、その働きに異常がないかを調べます。一通りの検査がすむまでに約2ヵ月。精密検査が必要な場合はさらに時間がかかります。 そこで35歳以下で初診の方で、特に異常が見当たらない場合は、タイミング法に挑戦しながら検査を進めます。ただし、35歳以下でもAMH(抗ミュラー管ホルモン)が低い人は、タイミング法での自然妊娠は難しいと判断し、人工受精から始めます。 黄体ホルモン濃度を調べて10ng/ml以下でしたら、排卵後に注射や内服薬で補充します。とは言っても、これはあくまで体質の問題なのであまり深刻にならないでください。 ●低温期(卵胞期)/月経が終わり、卵胞ホルモンによって卵巣内で次の卵胞が成長する時期。期間は個人差がある。 ●排卵/十分に成長した卵胞が破裂して排卵が起きる。低温期から高温期に変わる境目に排卵が起きる。 ●高温期(黄体期)/排卵後、黄体ホルモンによって子宮の内膜を厚くする。受精しやすくするためで期間は約2週間前後。17日以上高温期が続けば妊娠の可能性あり。妊娠しなければ月経が始まる。 タイミング法の排卵日を予測する検査に何があるか知りたいです。 タイミング法とは、病院で排卵日を正確に予測し、性交渉をして妊娠につなげる治療です。一般的には、3つの検査で排卵の自然現象を観察しながら、排卵日を予測します。 ①卵巣内の卵胞の大きさをエコーで観察 ②黄体ホルモン濃度を血液と尿で検査 ③おりもの(頸管粘液)の状態を検査 エコー検査は2~5㎜の小さい卵胞も観察できるので、排卵日予測にはかなり有効です。また、黄体ホルモンが急激に増えることを「LHサージ」と言います。このLHサージが起こるタイミングをつかめれば、排卵日を予測することができます。LHサージを検知するために実施するのが血液と尿の検査です。さらに、おりものの量や状態でも排卵日を予測できるので、頸管粘液をとって顕微鏡による検査を行います。 妊娠率が高くなるタイミングはいつですか? 排卵日が予測できたらいつセックスをするか。最も妊娠の可能性が高まるのは、排卵日2日前と言われています。次いで排卵日前日、排卵日3日前です。21日が排卵日でしたら19、20、18日の順と言えますね。でもセックスは1日よりも複数日ある方がいいので、排卵日を含む前後5日間に、パートナーと協力して頑張って行いましょう。 市販の排卵検査薬は、先生に言われた排卵日に確信を持つために使ったり、病院は排卵日の2~3日前に受診するのですが、その目安に使うと便利です。 下川先生より まとめ 今後の治療の進め方ですが、タイミング法を半年間行っても妊娠しなければ人工授精に進みましょう。人工授精を4~5回行ったのにもかかわらず、妊娠できなかったら体外受精へと進みます。 パートナーの不妊検査は済んでいますか。不妊治療にはパートナーの協力は必要です。かかりつけの先生ともよくコミュニケーションをとり、疑問や不安はその場で解消するようにしましょう。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。≫ 赤坂レディースクリニック
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二人目不妊を克服するには?【二人目不妊の原因と基礎知識】
二人目不妊を克服するには?【二人目不妊の原因と基礎知識】 2017/4/5 下川理世(赤坂レディースクリニック) 「一人目は産めたのに……」。はじめての妊娠・出産はうまくいっても、二人目がなかなかできずに思い悩む夫婦は多いもの。赤坂レディースクリニックの下川先生は、「一人目出産の安心感から二人目不妊への対応が遅れてしまう」と言います。 そこで今回は、二人目不妊の原因や対策について下川先生にくわしくお聞きしました。 二人目不妊の原因の1つに「出産経験」による子宮の変化も 二人目不妊の原因はさまざまですが、その1つに第一子を出産したことによって子宮内の機能が変化してしまうことが挙げられます。 特に、第一子の分娩で、感染症を引き起こしてポリープができてしまったり、卵管の通りが悪くなる方は結構いらっしゃいます。 また、精子の所見が極端に悪いなど、男性側の原因が見つかることもよくあります。 高齢化も二人目不妊の大きな要因 前回の出産から数年が経過しているということは、当然ながら、その分、夫婦の年齢も上がっています。女性のもつ卵子の数は生まれたときに決まっており、精子のように増殖しません。つまり、加齢とともに卵子の数は減少していくのです。 ●卵子の残数を測定するAMH検査 AMH検査をご存じでしょうか。卵巣の中にどのくらいの卵子が残っているかを測定する検査です。この数値は37歳を境に急激に下がっていきます。数値が低いと妊娠のチャンスも低くなり、自然妊娠は相当厳しくなります。 なお、第一子出産の時にすでにAMHの値がギリギリだったものの、なんとか子どもを授かることができたというケースもありますが、そういった方が二人目不妊になることも多いのが現状です。 半年頑張ってもできない時は、産婦人科へ 二人目不妊の相談にこられた方に対しては、まず卵管機能、子宮内膜の状態を調べ、血液検査でAMHの数値も調べます。 そこからの不妊治療は、年齢も若く子宮も健康で、AMHの数値も高ければ、第一子の不妊治療同様、タイミング法からはじめます。 ただし、37歳以上の高齢で、AMHも低い場合は、人工授精からはじめることをおすすめしています。 また、40歳以上で、第二子を望まれている方には体外受精からはじめましょうと提案することもあります。のんびりしていたら、卵巣のポテンシャルも下がる一方だからです。 二人目は「そのうちできる」と、のんびりされている方が多いのですが、本気で授かりたいと思っているのであれば、卒乳1年後から半年頑張っても無理だと思ったら、産婦人科に相談してください。はやければはやいほど良いでしょう。 実践したい二人目妊活生活 妊婦は葉酸を積極的に摂取したほうが良いと言われています。特に胎児の細胞が著しく発達する妊娠初期に、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減する役割を担っているのが葉酸だからです。 ちなみに妊娠に気づけるほど体が変化するのは妊娠2〜3カ月目です。そのため、その時になって慌てて摂るのではなく、妊娠したいと思っているのであれば、妊娠前からサプリなどを上手に活用し、積極的に摂取するようにしましょう。 できれば、バランス良く、ビタミンも含めて、さまざまな栄養を摂ったほうが流産率も少ないと言われています。 もちろん、バランスの良い食事も大切。一人目の子育てに追われて、自分の食事がおろそかになりがちな方が多いのですが、しっかりした食事を心がけてください。 また、旦那さんも、精子の所見があまり良くなければ、規則正しい生活を心がけてください。飲酒はほどほどに。たばこも禁煙したほうがいいです。 流産・「それでもできない」の心のケアはホットラインで 仮に妊娠できても、高齢の妊婦の場合、流産しやすくなります。ある意味、しかたがないことですが、ご本人は相当ショックを受けられます。最終目標の二人目分娩にたどりつくためにも、はやく気持ちを切り替えてほしいのですが、なかなか難しい場合もあります。 担当医師や旦那さんと話し合ったり、まわりの方に話しても、気持ちに折り合いがつかない場合は、厚労省や地方自治体の「不妊ホットライン」を活用し、カウンセリングを受けてみるのもいいと思いますよ。 下川先生より まとめ 二人目は「そのうちできる」と思っている方は要注意。卒乳1年後から半年頑張っても無理なら、はやめに産婦人科に相談しましょう。葉酸の摂取も日頃から忘れずに。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。 二人目不妊を克服するには?【二人目不妊の原因と基礎知識】 2017/4/5 下川理世(赤坂レディースクリニック) 「一人目は産めたのに……」。はじめての妊娠・出産はうまくいっても、二人目がなかなかできずに思い悩む夫婦は多いもの。赤坂レディースクリニックの下川先生は、「一人目出産の安心感から二人目不妊への対応が遅れてしまう」と言います。 そこで今回は、二人目不妊の原因や対策について下川先生にくわしくお聞きしました。 二人目不妊の原因の1つに「出産経験」による子宮の変化も 二人目不妊の原因はさまざまですが、その1つに第一子を出産したことによって子宮内の機能が変化してしまうことが挙げられます。 特に、第一子の分娩で、感染症を引き起こしてポリープができてしまったり、卵管の通りが悪くなる方は結構いらっしゃいます。 また、精子の所見が極端に悪いなど、男性側の原因が見つかることもよくあります。 高齢化も二人目不妊の大きな要因 前回の出産から数年が経過しているということは、当然ながら、その分、夫婦の年齢も上がっています。女性のもつ卵子の数は生まれたときに決まっており、精子のように増殖しません。つまり、加齢とともに卵子の数は減少していくのです。 ●卵子の残数を測定するAMH検査 AMH検査をご存じでしょうか。卵巣の中にどのくらいの卵子が残っているかを測定する検査です。この数値は37歳を境に急激に下がっていきます。数値が低いと妊娠のチャンスも低くなり、自然妊娠は相当厳しくなります。 なお、第一子出産の時にすでにAMHの値がギリギリだったものの、なんとか子どもを授かることができたというケースもありますが、そういった方が二人目不妊になることも多いのが現状です。 半年頑張ってもできない時は、産婦人科へ 二人目不妊の相談にこられた方に対しては、まず卵管機能、子宮内膜の状態を調べ、血液検査でAMHの数値も調べます。 そこからの不妊治療は、年齢も若く子宮も健康で、AMHの数値も高ければ、第一子の不妊治療同様、タイミング法からはじめます。 ただし、37歳以上の高齢で、AMHも低い場合は、人工授精からはじめることをおすすめしています。 また、40歳以上で、第二子を望まれている方には体外受精からはじめましょうと提案することもあります。のんびりしていたら、卵巣のポテンシャルも下がる一方だからです。 二人目は「そのうちできる」と、のんびりされている方が多いのですが、本気で授かりたいと思っているのであれば、卒乳1年後から半年頑張っても無理だと思ったら、産婦人科に相談してください。はやければはやいほど良いでしょう。 実践したい二人目妊活生活 妊婦は葉酸を積極的に摂取したほうが良いと言われています。特に胎児の細胞が著しく発達する妊娠初期に、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減する役割を担っているのが葉酸だからです。 ちなみに妊娠に気づけるほど体が変化するのは妊娠2〜3カ月目です。そのため、その時になって慌てて摂るのではなく、妊娠したいと思っているのであれば、妊娠前からサプリなどを上手に活用し、積極的に摂取するようにしましょう。 できれば、バランス良く、ビタミンも含めて、さまざまな栄養を摂ったほうが流産率も少ないと言われています。 もちろん、バランスの良い食事も大切。一人目の子育てに追われて、自分の食事がおろそかになりがちな方が多いのですが、しっかりした食事を心がけてください。 また、旦那さんも、精子の所見があまり良くなければ、規則正しい生活を心がけてください。飲酒はほどほどに。たばこも禁煙したほうがいいです。 流産・「それでもできない」の心のケアはホットラインで 仮に妊娠できても、高齢の妊婦の場合、流産しやすくなります。ある意味、しかたがないことですが、ご本人は相当ショックを受けられます。最終目標の二人目分娩にたどりつくためにも、はやく気持ちを切り替えてほしいのですが、なかなか難しい場合もあります。 担当医師や旦那さんと話し合ったり、まわりの方に話しても、気持ちに折り合いがつかない場合は、厚労省や地方自治体の「不妊ホットライン」を活用し、カウンセリングを受けてみるのもいいと思いますよ。 下川先生より まとめ 二人目は「そのうちできる」と思っている方は要注意。卒乳1年後から半年頑張っても無理なら、はやめに産婦人科に相談しましょう。葉酸の摂取も日頃から忘れずに。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。
2017.4.5
インタビュー 不妊治療
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卵子凍結保存という選択がはじまった!【不妊治療最前線】
卵子凍結保存という選択がはじまった!【不妊治療最前線】 2017/3/15 下川理世(赤坂レディースクリニック) 日進月歩の医療の現場から、最新の不妊治療を紹介する【不妊治療最前線】。 今回は「卵子凍結」について、赤坂レディースクリニックの下川先生にお聞きしました。 卵子を凍らせて長期保存する「卵子凍結」 正しくは、未受精卵の凍結保存のこと。受精する前の成熟卵を凍結させ、長期間保存しておく方法です。 -196℃という超低温で液体窒素に浸して凍結し、保存するので、何十年もまったく状態を変化させないまま保存できます。 これまで、卵子凍結は、放射線治療や抗がん剤治療を受けるガン患者さんのなかで、治療によって卵巣や卵子に影響が出る可能性があると見なされた場合にのみ認められていました。 それが、2013年11月、一般社団法人日本生殖医学会によるガイドラインで、健康な未婚女性が将来に備えて卵子を凍結保存することが認められ、誰でも卵子凍結ができるようになったのです。 産みたいときに「産める」を選択できる 卵子凍結のメリットは「将来の妊娠への安心感」です。 卵子の老化は、30歳からゆるやかにはじまります。卵子が老化すると流産の確率も高まってしまいます。しかし、若いうちに卵子を凍結保存しておけば、卵子のポテンシャルも高いままなので、30代後半〜40代になっても妊娠できる確率も高まるというわけです。 産める限界は、自分の年齢より卵子の年齢にあると思ってください。生理があるからといっていつまでも妊娠できるわけではありません。 ですから、「今はパートナーがいない」「今は仕事などの理由で出産できない」という人も含めて、「将来、子どもが欲しい」あるいは「子どもが産める選択肢を残しておきたい」という方にはぜひ、卵子凍結という方法があることを知っておいてほしいと思います。 デメリットは高額な費用がかかること 卵子凍結は保険が適用しません。そのため、病院によって異なりますが数十万円の費用がかかります。また、年数を更新する場合、更新料もかかります。そこが一番のデメリットでしょう。 また、卵子採取の際、卵巣刺激ホルモン注射を行いますが、その副作用が起きたり、卵巣から出血する方もまれにいます。 費用対効果を考えると、39歳以下が最適 卵子凍結を実施する時期としては、若ければ若いほど卵子のポテンシャルも高く、取れる個数も多いので良いでしょう。 ある報告では、40歳まで出産を遅らせようと考えている女性において、38歳未満で卵子凍結保存を試みることによって生児出産あたりの費用を減少させることができると言われています。 受精卵の保存期間は通常1年。延長もできますが、先に述べた通り、都度、更新料がかかります。また、20代から30代前半くらいまでであれば、保存しなくても妊娠したい時に授かる可能性もあります。 ちなみに更新料はクリニックによってさまざまですので、いくつか訪ねてみるといいでしょう。 まだ日本での症例は少ないですが、今後、確実に増えてくると思います。卵子凍結保存は、多くの女性に注目してほしい治療法です。 下川先生より まとめ 卵子凍結のメリットは、30代後半〜40代になっても妊娠できる確率が高まることです。ただ、保険適応外で費用が数十万からかかるため、計画的に。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。 卵子凍結保存という選択がはじまった!【不妊治療最前線】 2017/3/15 下川理世(赤坂レディースクリニック) 日進月歩の医療の現場から、最新の不妊治療を紹介する【不妊治療最前線】。 今回は「卵子凍結」について、赤坂レディースクリニックの下川先生にお聞きしました。 卵子を凍らせて長期保存する「卵子凍結」 正しくは、未受精卵の凍結保存のこと。受精する前の成熟卵を凍結させ、長期間保存しておく方法です。 -196℃という超低温で液体窒素に浸して凍結し、保存するので、何十年もまったく状態を変化させないまま保存できます。 これまで、卵子凍結は、放射線治療や抗がん剤治療を受けるガン患者さんのなかで、治療によって卵巣や卵子に影響が出る可能性があると見なされた場合にのみ認められていました。 それが、2013年11月、一般社団法人日本生殖医学会によるガイドラインで、健康な未婚女性が将来に備えて卵子を凍結保存することが認められ、誰でも卵子凍結ができるようになったのです。 産みたいときに「産める」を選択できる 卵子凍結のメリットは「将来の妊娠への安心感」です。 卵子の老化は、30歳からゆるやかにはじまります。卵子が老化すると流産の確率も高まってしまいます。しかし、若いうちに卵子を凍結保存しておけば、卵子のポテンシャルも高いままなので、30代後半〜40代になっても妊娠できる確率も高まるというわけです。 産める限界は、自分の年齢より卵子の年齢にあると思ってください。生理があるからといっていつまでも妊娠できるわけではありません。 ですから、「今はパートナーがいない」「今は仕事などの理由で出産できない」という人も含めて、「将来、子どもが欲しい」あるいは「子どもが産める選択肢を残しておきたい」という方にはぜひ、卵子凍結という方法があることを知っておいてほしいと思います。 デメリットは高額な費用がかかること 卵子凍結は保険が適用しません。そのため、病院によって異なりますが数十万円の費用がかかります。また、年数を更新する場合、更新料もかかります。そこが一番のデメリットでしょう。 また、卵子採取の際、卵巣刺激ホルモン注射を行いますが、その副作用が起きたり、卵巣から出血する方もまれにいます。 費用対効果を考えると、39歳以下が最適 卵子凍結を実施する時期としては、若ければ若いほど卵子のポテンシャルも高く、取れる個数も多いので良いでしょう。 ある報告では、40歳まで出産を遅らせようと考えている女性において、38歳未満で卵子凍結保存を試みることによって生児出産あたりの費用を減少させることができると言われています。 受精卵の保存期間は通常1年。延長もできますが、先に述べた通り、都度、更新料がかかります。また、20代から30代前半くらいまでであれば、保存しなくても妊娠したい時に授かる可能性もあります。 ちなみに更新料はクリニックによってさまざまですので、いくつか訪ねてみるといいでしょう。 まだ日本での症例は少ないですが、今後、確実に増えてくると思います。卵子凍結保存は、多くの女性に注目してほしい治療法です。 下川先生より まとめ 卵子凍結のメリットは、30代後半〜40代になっても妊娠できる確率が高まることです。ただ、保険適応外で費用が数十万からかかるため、計画的に。 [無料]気軽にご相談ください お話を伺った先生のご紹介 下川理世先生(赤坂レディースクリニック) 福岡県出身。山口大学医学部卒。 2000年慶応義塾大学医学部産婦人科入局。その後、静岡赤十字病院産婦人科、市川総合病院産婦人科リプロダクションセンター、湘南IVFクリニック(現メディカルパーク湘南)を経て、2016年4月、赤坂レディースクリニックを開業。婦人科診療から不妊治療まで総合的に行っている。不妊治療に関しては一般不妊治療から体外受精、顕微授精など高度生殖補助技術まで行う。「負担が少なく、医学的根拠に基づく的確でスピーディな医療」をモットーに不妊治療をサポート。
2017.3.15
インタビュー 不妊治療