誠心堂 漢方館 銀座店 ジネコ取材済
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル1階
婦人科 / 不妊治療
誠心堂 漢方館 銀座店
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル1階
漢方相談薬店と鍼灸院が併設され、漢方相談と鍼灸治療を同時に相談できるのが特徴です。 経験豊かな中医学アドバイザーをはじめ登録販売者、鍼灸師が常駐しております。 不妊症を専門としており、自然妊娠から高度生殖医療の方までご相談を承っております。 東京・千葉の誠心堂グループ全20店舗にて年間2000名ほどのお客様からご相談をいただいており、年間400組前後のご夫婦よりお喜びの声の報告をいただいております。 子宝相談30年の実績や経験に基づいた中医学の知恵を生かした相談で一人でも多くの方のお悩みの力になれるようにスタッフ一同研鑽努力しております。 不妊症以外にも生理不順、更年期といった婦人病、皮膚病、ダイエットなど幅広いご相談を承っております。 相談は完全予約制で皆様のお悩みに対してじっくりカウンセリングをする時間を設けております。 ぜひ一度しっかりとしたご相談をご体験ください。 ご連絡をお待ちしております。
診療科
婦人科
不妊治療
基本診療時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~20:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
休診日
年中無休《予約制》
住所・連絡先
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル1階
TEL: 03-6278-8693
FAX: 03-6226-2293
西野 裕一 代表取締役プロフィール
毎年多くのご夫婦の妊活相談をさせて頂くようになり、年間400人近くの方の夢をかなえるサポートをさせていただいております。
私自身多くのご夫婦と相談させていただきました。 そうして妊活のむずかしさを痛感し、多くの専門医との交流を重ね、悩み苦しみ努力することで多くの感動を体験させていただきました。
私は是非皆さんに漢方薬の素晴らしさ、鍼灸治療の素晴らしさ、その両方を組み合わせた中医学の力を皆様に体験していただきたいと思っています。
ぜひ一度ご相談にいらしてください。お待ちしております。
西野 裕一 代表取締役略歴
株式会社誠心堂薬局代表取締役。
(一社)日本中医学会理事。
中国漢方普及協会会長。
このクリニックに関連する監修記事、取材内容、ユーザー様からの質問と回答など、ジネコが企画した様々なコンテンツの一覧です。
記事一覧
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男性不妊を改善する日常生活とは
男性不妊を改善する日常生活とは 前回は晩婚化が男性不妊の原因にもなっていることをお話ししましたが、そのほかにはどのようなことが原因としてあげられるでしょう。 男性不妊の9割が元気な精子をつくりだすことができない「造精機能障害」です。造精機能障害の種類は以下の3つです。 1 無精子症 精巣の中で精子がつくられているにもかかわらず、精子の通り道がふさがれていることから受精が成立しない「閉塞性無精子症」と、精子自体が存在しない「非閉塞性無精子症」があります。 2 乏精子症 精子はつくられていますが、極端に数が少ない状態です。基準を少しだけ下回る程度でしたら、タイミング法が成功するケースもあります。精子がほとんど見当たらない場合は、人工授精や体外受精を行う必要があります。 3 精子無力症 精子の数に問題はないのですが、質が悪く、あまり元気ではない状態です。卵子の元にたどり着くには十分な運動能力がある精子が必要です。 子の元にたどり着くには十分な運動能力がある精子が必要です。 3つの種類のうち、乏精子症や精子無力症はストレスの影響が大きいことがあります。ですから精子の数も体調によってムラがあることも多いのです。このような症状は、鹿角膠・亀板膠などの動物性補腎薬が有効である場合があります。錠剤や丸剤などの製剤もあり手軽に服用することができます。多くの場合2~3か月で効果が出ることが多いようです。 また、日常生活も影響しますので、以下のようなことに気をつけてください。 食事の改善 1日のカロリー摂取を調整します。とくに肥満傾向にある方は炭水化物を控えるようにしましょう。暴飲暴食や逆に食事を抜くことは避けます。ビタミンC、D、E、亜鉛、カルシウムを十分摂るようにします。 下半身を圧迫しない 下着やジーパンなどで下半身を圧迫しないようにします。下半身を締め付けると血液の循環が悪くなります。また、精子の発育を阻害する可能性もあります。 禁煙 たばこは精子の数、運動量ともに減少します。さらには奇形精子の量が増え、受精能力の低下につながります。 そのほか、大量のアルコール摂取、大量のカフェイン摂取はNG。バイクや自転車に長時間乗るのもよくありません。さらに電磁波に気をつけてください。ラップトップのパソコンを膝の上に乗せて作業するなどもってのほかです。 そして、一番大切なのは規則正しい生活習慣です。睡眠は夜12時までに就寝し最低でも6時間半はとるようにしましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる ≫ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 男性不妊を改善する日常生活とは 前回は晩婚化が男性不妊の原因にもなっていることをお話ししましたが、そのほかにはどのようなことが原因としてあげられるでしょう。 男性不妊の9割が元気な精子をつくりだすことができない「造精機能障害」です。造精機能障害の種類は以下の3つです。 1 無精子症 精巣の中で精子がつくられているにもかかわらず、精子の通り道がふさがれていることから受精が成立しない「閉塞性無精子症」と、精子自体が存在しない「非閉塞性無精子症」があります。 2 乏精子症 精子はつくられていますが、極端に数が少ない状態です。基準を少しだけ下回る程度でしたら、タイミング法が成功するケースもあります。精子がほとんど見当たらない場合は、人工授精や体外受精を行う必要があります。 3 精子無力症 精子の数に問題はないのですが、質が悪く、あまり元気ではない状態です。卵子の元にたどり着くには十分な運動能力がある精子が必要です。 子の元にたどり着くには十分な運動能力がある精子が必要です。 3つの種類のうち、乏精子症や精子無力症はストレスの影響が大きいことがあります。ですから精子の数も体調によってムラがあることも多いのです。このような症状は、鹿角膠・亀板膠などの動物性補腎薬が有効である場合があります。錠剤や丸剤などの製剤もあり手軽に服用することができます。多くの場合2~3か月で効果が出ることが多いようです。 また、日常生活も影響しますので、以下のようなことに気をつけてください。 食事の改善 1日のカロリー摂取を調整します。とくに肥満傾向にある方は炭水化物を控えるようにしましょう。暴飲暴食や逆に食事を抜くことは避けます。ビタミンC、D、E、亜鉛、カルシウムを十分摂るようにします。 下半身を圧迫しない 下着やジーパンなどで下半身を圧迫しないようにします。下半身を締め付けると血液の循環が悪くなります。また、精子の発育を阻害する可能性もあります。 禁煙 たばこは精子の数、運動量ともに減少します。さらには奇形精子の量が増え、受精能力の低下につながります。 そのほか、大量のアルコール摂取、大量のカフェイン摂取はNG。バイクや自転車に長時間乗るのもよくありません。さらに電磁波に気をつけてください。ラップトップのパソコンを膝の上に乗せて作業するなどもってのほかです。 そして、一番大切なのは規則正しい生活習慣です。睡眠は夜12時までに就寝し最低でも6時間半はとるようにしましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる ≫ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.12.14
コラム 不妊治療
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晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる
晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる 少子高齢化、晩婚化など、さまざまな理由から不妊症が増加していますが、不妊原因は女性だけでなく男性にもあります。その男性不妊が多くなっているのが現状です。 2010年WHOの発表では、男性に不妊原因がある割合は全体の24%で、男女ともに原因がある24%を加えると、約半数が男性に不妊原因があるケースということになります。さらにWHOの国際調査によると、1998年から2011年の間で、男性の精子の数と運動率は全体で20%も下がっているといいます。これは潜在的な「男性不妊症」がいかに多いかを現していると言ってもいいでしょう。 晩婚化が進み、女性の妊娠年齢が上がると加齢の影響で卵子の質が悪くなり、それが不妊症の要因と言われていますが、実は男性も女性と同じように、加齢によって精子の質が悪くなるのです。 中医学では「女性は7の倍数、男性は8の倍数」で体が変化し、女性は21歳から28歳、男性は24歳から32歳がもっとも生殖機能が強いと言われています。 実際、日本生殖医学会によると、30歳代の精子と 50歳代の精子を比較したところ、精液量は3~22%、精子運動率は3~37%、精子正常形態率は4~18%低下すると報告されています。 また、男性が35歳を過ぎると、生殖補助医療による出産率が低下する、男性の加齢の影響で自然流産の確率が上昇するという報告もあります。さらに、自然流産に与える影響では、男性の 40歳以上が女性の30歳以上に相当するという報告もあります。 男性不妊の増加は加齢による精子の質の悪化だけでなく、生活環境によるものも少なくありません。 精巣は卵巣と同じように血管から栄養分が補給されています。しかし精巣動脈は直径1ミリほどのとても細いものなんです。ですからちょっとしたことで血流が悪くなりやすい、つまり精巣に影響が出やすいのです。 長時間座ったままのデスクワーク、PCなどから出ている電磁波、ストレス、喫煙による活性酸素などから、血流が偏ったり、悪くなっている男性が増えています。そのために精巣に血液が滞り、結果として精子の質が悪くなっている男性が多いと考えられます。これが原因で若い男性でも精子の数や運動率が下がっていることがあるのです。 次回も引き続き男性不妊が増えている理由についてお話しします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる 少子高齢化、晩婚化など、さまざまな理由から不妊症が増加していますが、不妊原因は女性だけでなく男性にもあります。その男性不妊が多くなっているのが現状です。 2010年WHOの発表では、男性に不妊原因がある割合は全体の24%で、男女ともに原因がある24%を加えると、約半数が男性に不妊原因があるケースということになります。さらにWHOの国際調査によると、1998年から2011年の間で、男性の精子の数と運動率は全体で20%も下がっているといいます。これは潜在的な「男性不妊症」がいかに多いかを現していると言ってもいいでしょう。 晩婚化が進み、女性の妊娠年齢が上がると加齢の影響で卵子の質が悪くなり、それが不妊症の要因と言われていますが、実は男性も女性と同じように、加齢によって精子の質が悪くなるのです。 中医学では「女性は7の倍数、男性は8の倍数」で体が変化し、女性は21歳から28歳、男性は24歳から32歳がもっとも生殖機能が強いと言われています。 実際、日本生殖医学会によると、30歳代の精子と 50歳代の精子を比較したところ、精液量は3~22%、精子運動率は3~37%、精子正常形態率は4~18%低下すると報告されています。 また、男性が35歳を過ぎると、生殖補助医療による出産率が低下する、男性の加齢の影響で自然流産の確率が上昇するという報告もあります。さらに、自然流産に与える影響では、男性の 40歳以上が女性の30歳以上に相当するという報告もあります。 男性不妊の増加は加齢による精子の質の悪化だけでなく、生活環境によるものも少なくありません。 精巣は卵巣と同じように血管から栄養分が補給されています。しかし精巣動脈は直径1ミリほどのとても細いものなんです。ですからちょっとしたことで血流が悪くなりやすい、つまり精巣に影響が出やすいのです。 長時間座ったままのデスクワーク、PCなどから出ている電磁波、ストレス、喫煙による活性酸素などから、血流が偏ったり、悪くなっている男性が増えています。そのために精巣に血液が滞り、結果として精子の質が悪くなっている男性が多いと考えられます。これが原因で若い男性でも精子の数や運動率が下がっていることがあるのです。 次回も引き続き男性不妊が増えている理由についてお話しします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.12.8
コラム 不妊治療
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三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ
三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ 中医学では三因制宜(さんいんせいぎ)という、とても有名な病気の治療の考え方があります。三因とは、「時」、「地」、「人」の三つ、つまり、時、場所、人を意味しています。この三つを合わせて三因制宜と言います。宜というのは、料理のレシピなどに使われる「適宜」の宜、加減をするという意味です。この考え方は、患者の個人差や生活状況の違いを考慮するために生まれました。この三つをもう少し詳しく説明しましょう。「因時制宜」は時ですから、季節、気候などの時期を考慮すること。なぜなら四季の気候変化は必ず人体に影響するからです。冬は寒気(陰気)が盛んですから体温(陽気)が奪われやすく、血行障害がおこり、それに伴う冷え症や肩こり、痛み(頭痛・腰痛・生理痛・腹痛)の症状が現れやすくなります。この時期は、冷たい飲み物や生ものを控えて陽気が損なわれないように養生しましょう。また、このような症状でお悩みの方は陽の気が盛んになる春から夏のうちに内臓の陽気(冷え)を改善する治療が必要です。次に「因地制宜」です。これは住んでいる場所、北か南かなど、地理的環境の違いを考慮することです。場所が違えば、標高・気候・生活習慣が違い、罹りやすい病気や病変の特徴も異なりますから、それを考慮して治療を行う必要があるのです。例えば、日本の気候は昔に比べて亜熱帯気候となってきました。スコールのような激しい雨や蒸し暑さはウイルス感染症が蔓延する温床にもなっています。このような環境の変化は体調に大きくかかわっています。亜熱帯地域で多かった呼吸器疾患や胃腸病や感染症は中医学の肺や脾と関連しており、住環境の変化に合わせて予防法を講じる必要があります。養生も治療も環境に合わせたものにしなければいけないという考え方です。 最後の「因人制宜」は、 性別、年齢、体格といった、その人の体質を考慮することです。性別や年齢、体質、生活習慣などによって罹りやすい病気が違ってくるし、同じ病気でも適切な治療は一人一人違います。治療で最初に考えるのが「因人制宜」、次に考えるのが「因時制宜」です。患者さんを診るときは、「時」「地」「人」の要素を外してはいけないというのが「三因制宜」の教えです。中医学が「オーダーメイド治療」と言われる特長を端的に表した考え方だと言えるでしょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 ≫ 食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ 中医学では三因制宜(さんいんせいぎ)という、とても有名な病気の治療の考え方があります。三因とは、「時」、「地」、「人」の三つ、つまり、時、場所、人を意味しています。この三つを合わせて三因制宜と言います。宜というのは、料理のレシピなどに使われる「適宜」の宜、加減をするという意味です。この考え方は、患者の個人差や生活状況の違いを考慮するために生まれました。この三つをもう少し詳しく説明しましょう。「因時制宜」は時ですから、季節、気候などの時期を考慮すること。なぜなら四季の気候変化は必ず人体に影響するからです。冬は寒気(陰気)が盛んですから体温(陽気)が奪われやすく、血行障害がおこり、それに伴う冷え症や肩こり、痛み(頭痛・腰痛・生理痛・腹痛)の症状が現れやすくなります。この時期は、冷たい飲み物や生ものを控えて陽気が損なわれないように養生しましょう。また、このような症状でお悩みの方は陽の気が盛んになる春から夏のうちに内臓の陽気(冷え)を改善する治療が必要です。次に「因地制宜」です。これは住んでいる場所、北か南かなど、地理的環境の違いを考慮することです。場所が違えば、標高・気候・生活習慣が違い、罹りやすい病気や病変の特徴も異なりますから、それを考慮して治療を行う必要があるのです。例えば、日本の気候は昔に比べて亜熱帯気候となってきました。スコールのような激しい雨や蒸し暑さはウイルス感染症が蔓延する温床にもなっています。このような環境の変化は体調に大きくかかわっています。亜熱帯地域で多かった呼吸器疾患や胃腸病や感染症は中医学の肺や脾と関連しており、住環境の変化に合わせて予防法を講じる必要があります。養生も治療も環境に合わせたものにしなければいけないという考え方です。 最後の「因人制宜」は、 性別、年齢、体格といった、その人の体質を考慮することです。性別や年齢、体質、生活習慣などによって罹りやすい病気が違ってくるし、同じ病気でも適切な治療は一人一人違います。治療で最初に考えるのが「因人制宜」、次に考えるのが「因時制宜」です。患者さんを診るときは、「時」「地」「人」の要素を外してはいけないというのが「三因制宜」の教えです。中医学が「オーダーメイド治療」と言われる特長を端的に表した考え方だと言えるでしょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 ≫ 食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.11.14
コラム 不妊治療
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食材や漢方薬には「五性」という寒熱にかかわる5つの性質がある
食材や漢方薬には「五性」という寒熱にかかわる5つの性質がある 前回は「五味」についてお話ししましたが、今回は「五性」について説明しましょう。中医学では食材や漢方薬には体を温めるものと冷やすものがあると考えます。その度合いを「熱性」「温性」「平性」「涼性」「寒性」の5つに分け、「五性」と言います。例えば、風邪をひいて悪寒があるときは、温めて発汗させて風邪を治します。逆にのぼせや便秘の方は身体を冷やすことが必要なので、涼性のものを摂ります。このように五性を知っていれば、体調に適した食材を摂って養生ができ、風邪をひいても回復を早めたり、冷え性の緩和が期待できます。さらに、自分の体質を知っていれば、生活養生がしやすくなり、それが健康維持へとつながっていきます。とはいっても、あまり偏った食材を摂ることは、かえって効果を半減させる原因にもなります。寒熱両方の組み合わせ、バランスも必要なのです。バランスのとれた栄養素を摂るのと同じように、五性も体に摂り入れることを心がけてください。五性の働きと該当するおもな食材を表にしましたので、食生活で意識的に摂り入れてみましょう。 熱性 働き・・・体を熱くして寒気を取り去る。新陳代謝や血行を促進(温性よりも暖める作用が強い。但し、食べ過ぎは興奮やイライラ、体液消耗が増すので注意が必要)。おもな食材・・・羊肉 唐辛子 山椒 シナモン こしょうなど 温性 働き・・・熱性よりも穏やかに体を温めて寒気を取り去る。冷え性の体質を改善する。おもな食材・・・牛肉 エビ 玉ねぎ ニラ ニンニク 生姜 みかん なつめなど 平性 働き・・・体を冷やしすぎず温めすぎない温熱性と寒冷性の中間の性質。全身のバランスを調節する。滋養強壮効果もある。季節や体質を問わず、長期間食べ続けても副作用がない。おもな食材・・・玄米 鶏肉 鶏卵 山芋 枝豆 ジャガイモ きくらげ キャベツ 春菊 サンマなど 涼性 働き・・・寒性よりも穏やかな解熱や消炎、鎮静作用がある。おもな食材・・・豚肉 豆腐 緑豆 ハトムギ ナス きゅうり ほうれん草 セロリ ミント 大根など 寒性 働き・・・涼性よりも高い解熱や消炎、鎮静作用がある(ただし、食べすぎると体を冷やしてしまうので注意を)。おもな食材・・・昆布 ごぼう あさり レンコン なし トマト にがうり バナナ こんにゃく 冬瓜など 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 ≫ 食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 食材や漢方薬には「五性」という寒熱にかかわる5つの性質がある 前回は「五味」についてお話ししましたが、今回は「五性」について説明しましょう。中医学では食材や漢方薬には体を温めるものと冷やすものがあると考えます。その度合いを「熱性」「温性」「平性」「涼性」「寒性」の5つに分け、「五性」と言います。例えば、風邪をひいて悪寒があるときは、温めて発汗させて風邪を治します。逆にのぼせや便秘の方は身体を冷やすことが必要なので、涼性のものを摂ります。このように五性を知っていれば、体調に適した食材を摂って養生ができ、風邪をひいても回復を早めたり、冷え性の緩和が期待できます。さらに、自分の体質を知っていれば、生活養生がしやすくなり、それが健康維持へとつながっていきます。とはいっても、あまり偏った食材を摂ることは、かえって効果を半減させる原因にもなります。寒熱両方の組み合わせ、バランスも必要なのです。バランスのとれた栄養素を摂るのと同じように、五性も体に摂り入れることを心がけてください。五性の働きと該当するおもな食材を表にしましたので、食生活で意識的に摂り入れてみましょう。 熱性 働き・・・体を熱くして寒気を取り去る。新陳代謝や血行を促進(温性よりも暖める作用が強い。但し、食べ過ぎは興奮やイライラ、体液消耗が増すので注意が必要)。おもな食材・・・羊肉 唐辛子 山椒 シナモン こしょうなど 温性 働き・・・熱性よりも穏やかに体を温めて寒気を取り去る。冷え性の体質を改善する。おもな食材・・・牛肉 エビ 玉ねぎ ニラ ニンニク 生姜 みかん なつめなど 平性 働き・・・体を冷やしすぎず温めすぎない温熱性と寒冷性の中間の性質。全身のバランスを調節する。滋養強壮効果もある。季節や体質を問わず、長期間食べ続けても副作用がない。おもな食材・・・玄米 鶏肉 鶏卵 山芋 枝豆 ジャガイモ きくらげ キャベツ 春菊 サンマなど 涼性 働き・・・寒性よりも穏やかな解熱や消炎、鎮静作用がある。おもな食材・・・豚肉 豆腐 緑豆 ハトムギ ナス きゅうり ほうれん草 セロリ ミント 大根など 寒性 働き・・・涼性よりも高い解熱や消炎、鎮静作用がある(ただし、食べすぎると体を冷やしてしまうので注意を)。おもな食材・・・昆布 ごぼう あさり レンコン なし トマト にがうり バナナ こんにゃく 冬瓜など 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 ≫ 食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.9.28
コラム 不妊治療
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食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する
食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する 中医学では食物の味に関わる性質によって、酸(さん)(すっぱい)、苦(く)(にがい)、甘(かん)(あまい)、辛(しん)(からい)、鹹(かん)(塩からい)の「五味」に分類しています。五味はそれぞれが体に対する作用、つまり影響を受けやすいと考えられています。酸は「肝」、苦は「心」、甘は「脾」、辛は「肺」、鹹は「腎」に対応し、それぞれの働きをよくします。逆に過不足になるとその臓腑を悪くします。ですから臓腑が弱ってくると、それに対応した味のものを摂りたくなると言われています。五味の作用と主な食材を表にまとめました。毎日の食事でバランスよく五味を摂りたいですが、食物には同じ味の中にも体を冷やすもの、温めるものがあります。体の陰陽バランスを保つためには、自分の体質に合わせた食物を摂ることがポイントとなります。 酸(すっぱい)➡肝 作用・・・肝に働き、収斂、固渋作用がある主な食材・・・酢 りんご ぶどう すっぽん レモン みかん トマト カキ肉エキス 苦(にがい)➡心 作用・・・心に働き、解毒や燥湿作用がある主な食材・・・らっきょう コーヒー 銀杏 小麦 ニガウリ 緑豆 ビール 緑茶 甘(あまい)➡脾 作用・・・脾に働き、調和、気血を補う作用がある主な食材・・・牛肉 ハモ 豚肉 うなぎ 牛乳 はちみつ 米 山芋 豆腐 大根 バナナ 辛(からい)➡肺 作用・・・肺に働き、気や津液の発散利尿作用がある主な食材・・・唐辛子 にんにく シナモン コショウ ネギ ニラ 落花生 里芋 スイカ 鹹(塩からい)➡腎 作用・・・腎に働き、ホルモン分泌や身体を潤す作用がある主な食材・・・羊肉 エビ アワビ カキ 海藻 塩 味噌 豆 ごま キウイフルーツ カルシウム剤 次回は体を冷やす食物、温める食物についてお話しします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 食物の5つの味「五味」が体内の「五臓」に対応する 中医学では食物の味に関わる性質によって、酸(さん)(すっぱい)、苦(く)(にがい)、甘(かん)(あまい)、辛(しん)(からい)、鹹(かん)(塩からい)の「五味」に分類しています。五味はそれぞれが体に対する作用、つまり影響を受けやすいと考えられています。酸は「肝」、苦は「心」、甘は「脾」、辛は「肺」、鹹は「腎」に対応し、それぞれの働きをよくします。逆に過不足になるとその臓腑を悪くします。ですから臓腑が弱ってくると、それに対応した味のものを摂りたくなると言われています。五味の作用と主な食材を表にまとめました。毎日の食事でバランスよく五味を摂りたいですが、食物には同じ味の中にも体を冷やすもの、温めるものがあります。体の陰陽バランスを保つためには、自分の体質に合わせた食物を摂ることがポイントとなります。 酸(すっぱい)➡肝 作用・・・肝に働き、収斂、固渋作用がある主な食材・・・酢 りんご ぶどう すっぽん レモン みかん トマト カキ肉エキス 苦(にがい)➡心 作用・・・心に働き、解毒や燥湿作用がある主な食材・・・らっきょう コーヒー 銀杏 小麦 ニガウリ 緑豆 ビール 緑茶 甘(あまい)➡脾 作用・・・脾に働き、調和、気血を補う作用がある主な食材・・・牛肉 ハモ 豚肉 うなぎ 牛乳 はちみつ 米 山芋 豆腐 大根 バナナ 辛(からい)➡肺 作用・・・肺に働き、気や津液の発散利尿作用がある主な食材・・・唐辛子 にんにく シナモン コショウ ネギ ニラ 落花生 里芋 スイカ 鹹(塩からい)➡腎 作用・・・腎に働き、ホルモン分泌や身体を潤す作用がある主な食材・・・羊肉 エビ アワビ カキ 海藻 塩 味噌 豆 ごま キウイフルーツ カルシウム剤 次回は体を冷やす食物、温める食物についてお話しします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 ≫ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.9.21
コラム 不妊治療
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数字が表す中医学の不妊治療の効果
数字が表す中医学の不妊治療の効果 前回、お話しした「周期調節法」は、受精卵をより確実に着床させるための治療法です。治療に必要な条件は各ホルモンが分泌される性腺軸の流れが正常に働いていることです。当然、受精や受精卵の分割が正常でなければなりません。そして、それらの良し悪しを決める鍵のひとつが血流です。血液はよく使う場所に多く流れる特徴があります。食事をした後には胃や腸などの消化器官に血液が集まるといったように……。問題となるのは、現代ではIT機器の発達からパソコン、スマートフォンなどを長時間使用している人が少なくないことです。常に使っているのは脳や目となり、血液は頭部に集中しがちです。その一方で、卵巣や子宮は日常的に使う場所ではないため、血流の優先順位が低くなるわけです。こうして現代人は必然的に卵巣(男性なら精巣)、子宮の血流が悪くなってしまいます。血流が悪くなった部位は萎縮していき機能も低下しやすくなっていきます。加えて女性は35歳以降、卵巣や子宮への血流が悪くなっていきます。つまり卵巣や子宮の老化とは血流が減ることなんです。解決法はよく使うことですが、卵巣や子宮は自分ではどうすることもできません。そこで鍼灸による「三焦調整法」で子宮や卵巣の血流をあげることをおすすめしたいのです。三焦とは、上焦(脳や視床下部)、中焦(肝・脾・胃腸)、下焦(卵巣・子宮・精巣)のことで、この治療で自律神経の調整、ホルモン分泌の調整、卵巣(精巣)・子宮の血流量を高めることができます。結果、性腺軸の流れがよくなり、卵巣に残っている大切な卵子を守ることができるのです。しかし西洋医学ではホルモンの分泌が悪い場合、ホルモン剤を投与し血液中のホルモンの濃度を補います。当然、即効的に血中濃度は変化します。中医学では自分の機能を改善してホルモンを分泌させるのですから、どうしても時間はかかります。もちろん、卵を元気にするのにも時間が必要です。卵の数が少ないとなれば、あせって採卵をする人は多いのですが、元気のない卵巣では採卵のリスクや卵子の質にも注意が必要です。特に40歳代になっても不妊が続けば、時間がないとあせるでしょう。しかし、そういう人ほど、残っている卵を傷つけないようにしながら、元気にするために6カ月くらいは時間をかけて欲しいのです。最後に誠心堂で周期調節法と三焦調整法などを併用した場合と西洋医学の不妊治療の違いを数字で見ていきましょう。2015年は、誠心堂にご相談された1600人のうち452名の方がご妊娠されました。相談された方の平均年齢は35.8歳、総平均妊娠率は28%でした。年代別では30歳~35歳未満の方で42%、35歳~40歳未満の方42%、40歳~45歳未満の方18%、45歳以上の方4%です。各年代別の漢方・鍼灸による自然妊娠の方の占める割合は、30歳~35歳未満の方で55%、35歳~40歳未満で38%、40歳~45歳未満で24%、45歳以上で16%です。さらに注目してほしいのは流産の確率です(右の数字が誠心堂で左は日本産婦人科学会の発表)。30〜34歳 6.8%→約20%35〜39歳 14.1%→約25%40〜44歳 23.7%→約45% 45〜50歳 50.0%→約65% ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 数字が表す中医学の不妊治療の効果 前回、お話しした「周期調節法」は、受精卵をより確実に着床させるための治療法です。治療に必要な条件は各ホルモンが分泌される性腺軸の流れが正常に働いていることです。当然、受精や受精卵の分割が正常でなければなりません。そして、それらの良し悪しを決める鍵のひとつが血流です。血液はよく使う場所に多く流れる特徴があります。食事をした後には胃や腸などの消化器官に血液が集まるといったように……。問題となるのは、現代ではIT機器の発達からパソコン、スマートフォンなどを長時間使用している人が少なくないことです。常に使っているのは脳や目となり、血液は頭部に集中しがちです。その一方で、卵巣や子宮は日常的に使う場所ではないため、血流の優先順位が低くなるわけです。こうして現代人は必然的に卵巣(男性なら精巣)、子宮の血流が悪くなってしまいます。血流が悪くなった部位は萎縮していき機能も低下しやすくなっていきます。加えて女性は35歳以降、卵巣や子宮への血流が悪くなっていきます。つまり卵巣や子宮の老化とは血流が減ることなんです。解決法はよく使うことですが、卵巣や子宮は自分ではどうすることもできません。そこで鍼灸による「三焦調整法」で子宮や卵巣の血流をあげることをおすすめしたいのです。三焦とは、上焦(脳や視床下部)、中焦(肝・脾・胃腸)、下焦(卵巣・子宮・精巣)のことで、この治療で自律神経の調整、ホルモン分泌の調整、卵巣(精巣)・子宮の血流量を高めることができます。結果、性腺軸の流れがよくなり、卵巣に残っている大切な卵子を守ることができるのです。しかし西洋医学ではホルモンの分泌が悪い場合、ホルモン剤を投与し血液中のホルモンの濃度を補います。当然、即効的に血中濃度は変化します。中医学では自分の機能を改善してホルモンを分泌させるのですから、どうしても時間はかかります。もちろん、卵を元気にするのにも時間が必要です。卵の数が少ないとなれば、あせって採卵をする人は多いのですが、元気のない卵巣では採卵のリスクや卵子の質にも注意が必要です。特に40歳代になっても不妊が続けば、時間がないとあせるでしょう。しかし、そういう人ほど、残っている卵を傷つけないようにしながら、元気にするために6カ月くらいは時間をかけて欲しいのです。最後に誠心堂で周期調節法と三焦調整法などを併用した場合と西洋医学の不妊治療の違いを数字で見ていきましょう。2015年は、誠心堂にご相談された1600人のうち452名の方がご妊娠されました。相談された方の平均年齢は35.8歳、総平均妊娠率は28%でした。年代別では30歳~35歳未満の方で42%、35歳~40歳未満の方42%、40歳~45歳未満の方18%、45歳以上の方4%です。各年代別の漢方・鍼灸による自然妊娠の方の占める割合は、30歳~35歳未満の方で55%、35歳~40歳未満で38%、40歳~45歳未満で24%、45歳以上で16%です。さらに注目してほしいのは流産の確率です(右の数字が誠心堂で左は日本産婦人科学会の発表)。30〜34歳 6.8%→約20%35〜39歳 14.1%→約25%40〜44歳 23.7%→約45% 45〜50歳 50.0%→約65% ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する ≫ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.8.31
コラム 不妊治療
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周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質
周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 体のリズムを整えることによって、自然妊娠はもちろん、体外受精の成功率、受精卵の着床率も高められることから、西洋医学の治療と併用する利点も大きい周期調節法ですが、行うための前提条件があるのです。それは、性腺軸の流れがうまくいっているかどうかです。性腺軸とは、生殖に関わるホルモンの分泌器官のこと。つまり、視床下部、下垂体前葉、卵巣、子宮のホルモンの流れがうまくいっているかどうかということです。これがうまく流れていないと、基礎体温が崩れてしまいます。基礎体温のパターンは正常型以外に、以下のようなタイプが見られます。まずはあなたの基礎体温のタイプを見つけましょう。その上で中医学の専門家に相談して、正常型の基礎体温になる適切な対処を施すことが大切です。さらに問題なのは、卵巣に残っている卵の数です。何度かお話ししているように、卵子は女性の体で常につくられているわけではなくて、生まれた時点ですでに卵子細胞の数は決まっているのです。つまり、年齢とともにその数は減っていく一方です。卵子がどれくらい残っているかは年齢だけでは測れません。病院で「AMH」検査を受ければ、卵巣に残された卵子の数を推測できます。その他次にあげるような症状は卵子の数が少ない可能性がある人です。・月経周期が早い・排卵とオリモノの区別がはっきりつかない・高温期の体温が低い、高温期が短い・10日未満で排卵がきてしまう時間の経過の中で失われていく卵子をとどめておくことはできません。だからこそ限りある卵子の質を良くすることが重要になってくるのです。これらの対処法として最も有効なのが、以前にお話しした「三焦調整法」なのです。次回は実際のデータから三焦調整法の効果を見ていきましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 周期調節法で問われるのは基礎体温のリズムと卵子の質 体のリズムを整えることによって、自然妊娠はもちろん、体外受精の成功率、受精卵の着床率も高められることから、西洋医学の治療と併用する利点も大きい周期調節法ですが、行うための前提条件があるのです。それは、性腺軸の流れがうまくいっているかどうかです。性腺軸とは、生殖に関わるホルモンの分泌器官のこと。つまり、視床下部、下垂体前葉、卵巣、子宮のホルモンの流れがうまくいっているかどうかということです。これがうまく流れていないと、基礎体温が崩れてしまいます。基礎体温のパターンは正常型以外に、以下のようなタイプが見られます。まずはあなたの基礎体温のタイプを見つけましょう。その上で中医学の専門家に相談して、正常型の基礎体温になる適切な対処を施すことが大切です。さらに問題なのは、卵巣に残っている卵の数です。何度かお話ししているように、卵子は女性の体で常につくられているわけではなくて、生まれた時点ですでに卵子細胞の数は決まっているのです。つまり、年齢とともにその数は減っていく一方です。卵子がどれくらい残っているかは年齢だけでは測れません。病院で「AMH」検査を受ければ、卵巣に残された卵子の数を推測できます。その他次にあげるような症状は卵子の数が少ない可能性がある人です。・月経周期が早い・排卵とオリモノの区別がはっきりつかない・高温期の体温が低い、高温期が短い・10日未満で排卵がきてしまう時間の経過の中で失われていく卵子をとどめておくことはできません。だからこそ限りある卵子の質を良くすることが重要になってくるのです。これらの対処法として最も有効なのが、以前にお話しした「三焦調整法」なのです。次回は実際のデータから三焦調整法の効果を見ていきましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 ≫ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.8.24
コラム 不妊治療
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月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する
月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する 毎月繰り返される月経周期を4期に分けて考えるのが周期調節法です。周期調節法では月経周期に合わせて異なる漢方薬をそれぞれ服用します。これは月経周期によって女性ホルモンの種類や分泌が異なり、体調も変化するからです。この月経周期に合わせて漢方薬を飲み分けるという方法により、細かな体質改善が可能となり、自然妊娠も望めるのです。とは言っても、中医学に基づいた漢方薬で体質改善を行い、自然な妊娠、出産へとつなげていきますから、西洋医学のような即効性はありません。周期調節法は最低でも6か月間は続けてくださいね。では、その4期ある月経周期の特徴をそれぞれ挙げてみましょう。 ●月経期 赤ちゃんが宿る子宮をきれいにお掃除する時期血行を促進する活血薬と、古くなった子宮内膜や月経血を排出できるように子宮の筋肉や血管の運動のリズムを改善する理気薬を使用します。 ●低温期 質のいい卵を育てながら、子宮では受精卵を迎える丈夫なベッドをつくる時期養血滋陰薬を中心に少量の補陽薬を併用して、子宮内膜の増殖と回復を促し、卵胞の成熟も助けます。 ●排卵期 赤ちゃんの卵を迎え、子宮を温めて着床の準備をする時期活血薬と理気薬を用いて、ホルモン分泌の連携をよくし、確実でスムーズな排卵ができるようにします。 ●高温期 やわらかで温かく、栄養を豊富に届けられる快適な子宮で赤ちゃんを育てる時期補陽薬を中心に少量の補陰血薬を併用して、受精卵を子宮内に着床させ、流産を予防します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 月経周期に合わせたそれぞれの漢方薬を服用する 毎月繰り返される月経周期を4期に分けて考えるのが周期調節法です。周期調節法では月経周期に合わせて異なる漢方薬をそれぞれ服用します。これは月経周期によって女性ホルモンの種類や分泌が異なり、体調も変化するからです。この月経周期に合わせて漢方薬を飲み分けるという方法により、細かな体質改善が可能となり、自然妊娠も望めるのです。とは言っても、中医学に基づいた漢方薬で体質改善を行い、自然な妊娠、出産へとつなげていきますから、西洋医学のような即効性はありません。周期調節法は最低でも6か月間は続けてくださいね。では、その4期ある月経周期の特徴をそれぞれ挙げてみましょう。 ●月経期 赤ちゃんが宿る子宮をきれいにお掃除する時期血行を促進する活血薬と、古くなった子宮内膜や月経血を排出できるように子宮の筋肉や血管の運動のリズムを改善する理気薬を使用します。 ●低温期 質のいい卵を育てながら、子宮では受精卵を迎える丈夫なベッドをつくる時期養血滋陰薬を中心に少量の補陽薬を併用して、子宮内膜の増殖と回復を促し、卵胞の成熟も助けます。 ●排卵期 赤ちゃんの卵を迎え、子宮を温めて着床の準備をする時期活血薬と理気薬を用いて、ホルモン分泌の連携をよくし、確実でスムーズな排卵ができるようにします。 ●高温期 やわらかで温かく、栄養を豊富に届けられる快適な子宮で赤ちゃんを育てる時期補陽薬を中心に少量の補陰血薬を併用して、受精卵を子宮内に着床させ、流産を予防します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 ≫ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.8.18
コラム 不妊治療
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西洋医学と中医学が結合した不妊治療法
西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 「周期調節法」という言葉を、妊活中の方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。周期調節法というのは、不妊治療法のひとつで、1980年代初期に中医学界で発表された「中西結合医学」です。中西結合医学とは、中医学と西洋医学を結合した医学のこと。つまり周期調節法とは、西洋医学で使われている基礎体温のグラフに中医学の「陰陽理論」を当てはめて女性ホルモンの変化を分析し、それに合わせて漢方薬を周期ごとに変更することで妊娠率を高める不妊治療法なのです。近年、西洋医学の不妊治療の発展は目覚しく、その成果は不妊症で悩んでいた夫婦の悩みに応えています。しかし、その一方で、体外受精、顕微授精、ホルモン治療など、体への負担が少なからずともあることは否めません。しかし、同じ不妊治療でも周期調節法なら、体が本来持っている力を尊重する中医学理論に基づいていますから、体の調子を整えながらホルモンの分泌を無理なく最大限活発にすることができるのです。ここが西洋医学のホルモン療法と大きく違う点だといえるでしょう。春、長夏(梅雨)、夏、秋、冬と季節が違うように、個人の体質にもさまざまな違いがあります。それを分析して、その人にあった治療法を考えるのが周期調節法です。西洋医学の不妊治療は高度医療を駆使して受精・着床させることが目的ですが、中医学は赤ちゃんの育つ母体の環境を整えることで妊娠可能な体になることが目的と考えます。この二つの考え方を融合させた周期調節法によって、自然妊娠の可能性がそれまでよりも高くなりました。また、身体のリズムを整える中医学によって、西洋医学で行われる体外受精の成功率や受精卵の着床率も高められます。まさに中西結合医学である周期調節法は合理的な不妊治療法です。次回は周期調節法を具体的に紹介します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 西洋医学と中医学が結合した不妊治療法 「周期調節法」という言葉を、妊活中の方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。周期調節法というのは、不妊治療法のひとつで、1980年代初期に中医学界で発表された「中西結合医学」です。中西結合医学とは、中医学と西洋医学を結合した医学のこと。つまり周期調節法とは、西洋医学で使われている基礎体温のグラフに中医学の「陰陽理論」を当てはめて女性ホルモンの変化を分析し、それに合わせて漢方薬を周期ごとに変更することで妊娠率を高める不妊治療法なのです。近年、西洋医学の不妊治療の発展は目覚しく、その成果は不妊症で悩んでいた夫婦の悩みに応えています。しかし、その一方で、体外受精、顕微授精、ホルモン治療など、体への負担が少なからずともあることは否めません。しかし、同じ不妊治療でも周期調節法なら、体が本来持っている力を尊重する中医学理論に基づいていますから、体の調子を整えながらホルモンの分泌を無理なく最大限活発にすることができるのです。ここが西洋医学のホルモン療法と大きく違う点だといえるでしょう。春、長夏(梅雨)、夏、秋、冬と季節が違うように、個人の体質にもさまざまな違いがあります。それを分析して、その人にあった治療法を考えるのが周期調節法です。西洋医学の不妊治療は高度医療を駆使して受精・着床させることが目的ですが、中医学は赤ちゃんの育つ母体の環境を整えることで妊娠可能な体になることが目的と考えます。この二つの考え方を融合させた周期調節法によって、自然妊娠の可能性がそれまでよりも高くなりました。また、身体のリズムを整える中医学によって、西洋医学で行われる体外受精の成功率や受精卵の着床率も高められます。まさに中西結合医学である周期調節法は合理的な不妊治療法です。次回は周期調節法を具体的に紹介します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を ≫ さまざまなことから生じる不妊の原因 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.8.10
コラム 不妊治療
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さまざまなことから生じる不妊の原因
さまざまなことから生じる不妊の原因 さて、妊娠の条件とはなんでしょうか?最終目的は健康な赤ちゃんを産むことですから、妊娠をすればそれでいいわけではないですよね。となれば、受精、着床、発育・出産という一連の流れが妊娠であって、どこかがうまくいかなければ不妊になります。高度医療が発達した現代において、卵管が詰まっているような受精障害なら、体外受精を行うことで、受精だけであれば、ほぼうまくいくようになりました。しかし、不妊の原因はもっと複雑でさまざまな原因があるから、どんなに医療が進歩したといっても出産にこぎつけられるのは20~30%くらいだということを、皆さん分かってきているのが現状です。では、そのさまざまな原因にそった治療が必要なのですが、それが西洋医学だけでは補えないこともあるのです。たとえば高度医療で受精がうまくいっても、もともとの精子や卵子が元気でなければ、受精卵が胚盤胞にならないこともあります。また着床がうまくいくためには、子宮の質も問われます。さらに12週までは胚の質、それ以降は母体の体質、体調が影響します。つまり、妊娠するかしないかは、受精前の卵子、精子の状態から始まり、着床に置いては子宮の質が関わり、12週までは受精卵の質が重要となります。さらに出産に至るまでは、母体の健康状態が重要になります。結婚が決まって、いずれ子どもが欲しいと考えているなら、子づくりをする前から体調管理をするにこしたことはないのです。子どもが欲しいと思えば、すぐに妊娠するとは必ずしもならないのですから。次回は妊娠のはじめにかかわる、精子、卵子の質についてお話ししますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ さまざまなことから生じる不妊の原因 さて、妊娠の条件とはなんでしょうか?最終目的は健康な赤ちゃんを産むことですから、妊娠をすればそれでいいわけではないですよね。となれば、受精、着床、発育・出産という一連の流れが妊娠であって、どこかがうまくいかなければ不妊になります。高度医療が発達した現代において、卵管が詰まっているような受精障害なら、体外受精を行うことで、受精だけであれば、ほぼうまくいくようになりました。しかし、不妊の原因はもっと複雑でさまざまな原因があるから、どんなに医療が進歩したといっても出産にこぎつけられるのは20~30%くらいだということを、皆さん分かってきているのが現状です。では、そのさまざまな原因にそった治療が必要なのですが、それが西洋医学だけでは補えないこともあるのです。たとえば高度医療で受精がうまくいっても、もともとの精子や卵子が元気でなければ、受精卵が胚盤胞にならないこともあります。また着床がうまくいくためには、子宮の質も問われます。さらに12週までは胚の質、それ以降は母体の体質、体調が影響します。つまり、妊娠するかしないかは、受精前の卵子、精子の状態から始まり、着床に置いては子宮の質が関わり、12週までは受精卵の質が重要となります。さらに出産に至るまでは、母体の健康状態が重要になります。結婚が決まって、いずれ子どもが欲しいと考えているなら、子づくりをする前から体調管理をするにこしたことはないのです。子どもが欲しいと思えば、すぐに妊娠するとは必ずしもならないのですから。次回は妊娠のはじめにかかわる、精子、卵子の質についてお話ししますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.7.22
コラム 不妊治療
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血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を
血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を 妊活で相談にきた方に腎の働きはもちろんですが、肝の働きも重要なことは前回お話ししたとおりです。体の血液量は決まっていますから、不足している部位があるからといって血液を増やすことはできません。だからこそ血液が偏ることなく体全体に分布させることが大切なんです。そこで私たちがやるのが「誠心堂式 三焦調整法」です。「三焦」とは、頭からみぞおちまでの「上焦(じょうしょう)」、みぞおちからへそまでの「中焦(ちゅうしょう)」、へそから足先の「下焦(げしょう)」、の3つのことです。どの部位も血液が不足してはならないのですが、不妊の方は子宮のある「下焦」に血液が不足しているケースが多いのです。また、第二の心臓といわれるふくらはぎの動きが悪くなることで、子宮に戻る血液の循環が滞りがちです。「誠心堂式 三焦調整法」とは、上焦、中焦、下焦にある経穴(ツボ)を調整することで、血液の偏りや滞りをなくし、体全体に血液を分布させる方法です。よく用いる経穴には、「四神聡(ししんそう)」、「内関(ないかん)」、「関元(かんげん)」、「三陰交(さんいんこう)」、「太衝(たいしょう)」などがあります。現代では無意識にストレス、夜更かし、PCやスマートフォンなどでブルーライトを長時間浴びているといった、交感神経を緊張させる刺激が多く、血液が頭部に集中している方が多いのです。全身の血液量は一定ですから、血液が頭部に集まると、子宮・卵巣・精巣への血流が相対的に減ってしまいます。これでは機能が充分に力を発揮できなくなる恐れがありますので、妊活をしているなら、少しでも持っている機能を回復させる必要があるのです。この治療法の導入することで、今まで卵が育たなかった40代の女性でも効果がでるようになってきました。妊活で治療を受ける前に、自分の体は血液の偏りがないか、一度相談してみてはどうですか?とくに冷えを自覚している方は三焦のどこかに血液の偏りがあるのかもしれませんよ。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を 妊活で相談にきた方に腎の働きはもちろんですが、肝の働きも重要なことは前回お話ししたとおりです。体の血液量は決まっていますから、不足している部位があるからといって血液を増やすことはできません。だからこそ血液が偏ることなく体全体に分布させることが大切なんです。そこで私たちがやるのが「誠心堂式 三焦調整法」です。「三焦」とは、頭からみぞおちまでの「上焦(じょうしょう)」、みぞおちからへそまでの「中焦(ちゅうしょう)」、へそから足先の「下焦(げしょう)」、の3つのことです。どの部位も血液が不足してはならないのですが、不妊の方は子宮のある「下焦」に血液が不足しているケースが多いのです。また、第二の心臓といわれるふくらはぎの動きが悪くなることで、子宮に戻る血液の循環が滞りがちです。「誠心堂式 三焦調整法」とは、上焦、中焦、下焦にある経穴(ツボ)を調整することで、血液の偏りや滞りをなくし、体全体に血液を分布させる方法です。よく用いる経穴には、「四神聡(ししんそう)」、「内関(ないかん)」、「関元(かんげん)」、「三陰交(さんいんこう)」、「太衝(たいしょう)」などがあります。現代では無意識にストレス、夜更かし、PCやスマートフォンなどでブルーライトを長時間浴びているといった、交感神経を緊張させる刺激が多く、血液が頭部に集中している方が多いのです。全身の血液量は一定ですから、血液が頭部に集まると、子宮・卵巣・精巣への血流が相対的に減ってしまいます。これでは機能が充分に力を発揮できなくなる恐れがありますので、妊活をしているなら、少しでも持っている機能を回復させる必要があるのです。この治療法の導入することで、今まで卵が育たなかった40代の女性でも効果がでるようになってきました。妊活で治療を受ける前に、自分の体は血液の偏りがないか、一度相談してみてはどうですか?とくに冷えを自覚している方は三焦のどこかに血液の偏りがあるのかもしれませんよ。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする ≫ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.7.14
コラム 不妊治療
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妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは
妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは 腎が元気だと子宮も元気ということですが、元気な子宮であるためには、もう一つ大切なポイントがあります。それは何かと言うと「血流」です。「血流って、血液がサラサラかドロドロで違うということ?」血液をサラサラにするのが身体にいいというのはよく話題になりましたね。もちろん、それも重要ですが、ここでお話しするのは、もともと血液は身体じゅうを巡っているのですが、あなたの血液の分布が偏っていないかどうかということです。血流のリズム、基礎体温に関わるホルモンのリズムをコントロールしているのは自律神経なんですが、中医学でいうところの「肝」と深く関わっています。体重が50キロの人なら、約5リットルの血液が全身をくまなく回っているのですが、「肝」がうまく機能していないと、血液の分布が偏ってしまうのです。血液は食事をすると胃腸に集まるように、活動している器官に多く分布します。現代人は深夜まで起きていたり、パソコンやスマートフォンなどを長時間使用していたりすることなどから、脳や目を酷使している傾向にあります。このことから自律神経失調になる人が増えている、これは「肝」が失調している人が増えていることにもつながるのです。脳や目を多く使えば、血液はつねに頭部周辺に多く分布しているため、腹部を含めた内臓は血液不足となっている状態が続いているのです。もうお分かりですよね。腹部に血液が不足しているということは、子宮にも充分な血液が分布されていないということです。これでは子宮は元気を保てないし、ホルモンのリズムも不安定なので排卵などもうまくいかなくなります。不妊の原因に「冷え」がありますが、ただ温めるだけでは解決しないのは、血流の問題、血液の分布に偏りがあるからなのです。現代の不妊に関わっているのは「腎の虚」と「肝の失調」と言われるように、妊活に欠かせないのは「腎」と「肝」の働きを良くすることです。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 妊活に欠かせない血流と自律神経をつかさどる「肝」とは 腎が元気だと子宮も元気ということですが、元気な子宮であるためには、もう一つ大切なポイントがあります。それは何かと言うと「血流」です。「血流って、血液がサラサラかドロドロで違うということ?」血液をサラサラにするのが身体にいいというのはよく話題になりましたね。もちろん、それも重要ですが、ここでお話しするのは、もともと血液は身体じゅうを巡っているのですが、あなたの血液の分布が偏っていないかどうかということです。血流のリズム、基礎体温に関わるホルモンのリズムをコントロールしているのは自律神経なんですが、中医学でいうところの「肝」と深く関わっています。体重が50キロの人なら、約5リットルの血液が全身をくまなく回っているのですが、「肝」がうまく機能していないと、血液の分布が偏ってしまうのです。血液は食事をすると胃腸に集まるように、活動している器官に多く分布します。現代人は深夜まで起きていたり、パソコンやスマートフォンなどを長時間使用していたりすることなどから、脳や目を酷使している傾向にあります。このことから自律神経失調になる人が増えている、これは「肝」が失調している人が増えていることにもつながるのです。脳や目を多く使えば、血液はつねに頭部周辺に多く分布しているため、腹部を含めた内臓は血液不足となっている状態が続いているのです。もうお分かりですよね。腹部に血液が不足しているということは、子宮にも充分な血液が分布されていないということです。これでは子宮は元気を保てないし、ホルモンのリズムも不安定なので排卵などもうまくいかなくなります。不妊の原因に「冷え」がありますが、ただ温めるだけでは解決しないのは、血流の問題、血液の分布に偏りがあるからなのです。現代の不妊に関わっているのは「腎の虚」と「肝の失調」と言われるように、妊活に欠かせないのは「腎」と「肝」の働きを良くすることです。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは ≫ 冷え症のタイプ別改善策 ≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 ≫ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.7.8
コラム 不妊治療
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「補腎」で弱った卵巣を元気にする
「補腎」で弱った卵巣を元気にする 前回とりあげた「補腎」は中医学における妊活で重要なポイントなので、もう少し話を続けましょう。西洋医学の妊活において「採卵」は不可欠なことです。これを否定するわけではないのですが、採卵は卵巣に対してダメージを与えることも確かなんです。ですから採卵をする人ほど「補腎」をしっかりおこなってほしいのです。採卵は普通の排卵と違って卵巣に大きな負担をかけてしまいます。それは中医学的に言うと「精」に負担をかけることとなります。精が弱れば当然腎も弱くなってしまいます。よく体力を回復するために「安静」にすると言いますが、採卵のような大きなダメージを受けた場合は、ただ寝ているだけの「安静」では、心許ないです。もちろん、採卵をネガティブに捉えるわけではありません。しかし、弱った卵巣のままでは次の採卵でも元気な卵を期待することはできないのです。採卵が1回で終わればいいのですが、不妊症の人は腎も弱い人がほとんど。つまり、もともと元気な卵がなく、そのため何度も採卵するケースが多くなります。このようなことから、妊活中の方は採卵をしたあと、卵巣を早く回復させる必要があります。採卵のあと、基礎体温が乱れる人は多いですが、それは中医学でいう「腎精」が傷んでしまったことが原因です。この状態で採卵を続けても、いい卵をとることは期待できません。それどころか、せっかく卵があるのに採卵しても卵が取れなくなる人もいます。そうならないために、採卵をした人は、現状を回復させる「安静」ではなく、より積極的に「精」を養う「養生」で、より卵巣の生命力を養い高めていく必要があるのです。「養生」とは、現状よりパワーアップをすること。つまり、妊活の「養生」において「補腎」は欠かせないことなのです。≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 「補腎」で弱った卵巣を元気にする 前回とりあげた「補腎」は中医学における妊活で重要なポイントなので、もう少し話を続けましょう。西洋医学の妊活において「採卵」は不可欠なことです。これを否定するわけではないのですが、採卵は卵巣に対してダメージを与えることも確かなんです。ですから採卵をする人ほど「補腎」をしっかりおこなってほしいのです。採卵は普通の排卵と違って卵巣に大きな負担をかけてしまいます。それは中医学的に言うと「精」に負担をかけることとなります。精が弱れば当然腎も弱くなってしまいます。よく体力を回復するために「安静」にすると言いますが、採卵のような大きなダメージを受けた場合は、ただ寝ているだけの「安静」では、心許ないです。もちろん、採卵をネガティブに捉えるわけではありません。しかし、弱った卵巣のままでは次の採卵でも元気な卵を期待することはできないのです。採卵が1回で終わればいいのですが、不妊症の人は腎も弱い人がほとんど。つまり、もともと元気な卵がなく、そのため何度も採卵するケースが多くなります。このようなことから、妊活中の方は採卵をしたあと、卵巣を早く回復させる必要があります。採卵のあと、基礎体温が乱れる人は多いですが、それは中医学でいう「腎精」が傷んでしまったことが原因です。この状態で採卵を続けても、いい卵をとることは期待できません。それどころか、せっかく卵があるのに採卵しても卵が取れなくなる人もいます。そうならないために、採卵をした人は、現状を回復させる「安静」ではなく、より積極的に「精」を養う「養生」で、より卵巣の生命力を養い高めていく必要があるのです。「養生」とは、現状よりパワーアップをすること。つまり、妊活の「養生」において「補腎」は欠かせないことなのです。≫ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.6.20
コラム 不妊治療
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妊活に欠かせない「補腎」という考え方
妊活に欠かせない「補腎」という考え方 「補腎」という言葉を聞いたことはありますか?「腎」は腎臓の腎。「補」はおぎなうことですよね。そのため、「腎臓をフォローすること」と思いがちですが、実はちょっと違うんですよ。中医学で言う「腎」とは、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、成長・発育・生殖・老化など生命の根本をつかさどっている臓器と考えます。腎に蓄えられた生命エネルギーの源となる栄養「腎精」が尽きる時に生命も尽きると考えられていますから、いわゆる「老化」は腎の状態次第ということになるのです。もちろん、生殖能力と最も深い関わりがあるのも腎です。子宮・卵巣といった生殖器の働き、ホルモンバランスなど、妊活に欠かせない機能は、すべて腎によってコントロールされています。もともと遺伝で腎のエネルギーが不足している先天的なことや、不摂生や加齢などの後天的なことによって腎の機能が低下してくると、不妊傾向になります。また、腎の中にも腎陰と腎陽という2つの働きがあり、陰は物質的なもの、つまり卵胞の発育に必要な栄養や潤い、子宮内の血液や粘液、女性ホルモンなどにあたります。一方で陽は子宮・卵巣の機能や、黄体ホルモンなど温かさを保つ力、妊娠力と考えます。妊活では腎陰・腎陽のバランスをとりながら、腎の力を補っていくことが重要になってきます。腎の力を充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますから、高齢の方でも卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるため、より良い卵子の排卵も期待できますよ。卵子の数は生まれた時点ですでに決まっています。それが初経の頃から女性ホルモンが活発になり、その刺激を受けて原始卵胞が順次育っていき、約190日かかって卵子を排卵するのです。ですから質の良い卵子が育つ体内環境を作るのも、最低6ヶ月はかかると考えてくださいね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 妊活に欠かせない「補腎」という考え方 「補腎」という言葉を聞いたことはありますか?「腎」は腎臓の腎。「補」はおぎなうことですよね。そのため、「腎臓をフォローすること」と思いがちですが、実はちょっと違うんですよ。中医学で言う「腎」とは、西洋医学の腎臓だけを指すのではなく、成長・発育・生殖・老化など生命の根本をつかさどっている臓器と考えます。腎に蓄えられた生命エネルギーの源となる栄養「腎精」が尽きる時に生命も尽きると考えられていますから、いわゆる「老化」は腎の状態次第ということになるのです。もちろん、生殖能力と最も深い関わりがあるのも腎です。子宮・卵巣といった生殖器の働き、ホルモンバランスなど、妊活に欠かせない機能は、すべて腎によってコントロールされています。もともと遺伝で腎のエネルギーが不足している先天的なことや、不摂生や加齢などの後天的なことによって腎の機能が低下してくると、不妊傾向になります。また、腎の中にも腎陰と腎陽という2つの働きがあり、陰は物質的なもの、つまり卵胞の発育に必要な栄養や潤い、子宮内の血液や粘液、女性ホルモンなどにあたります。一方で陽は子宮・卵巣の機能や、黄体ホルモンなど温かさを保つ力、妊娠力と考えます。妊活では腎陰・腎陽のバランスをとりながら、腎の力を補っていくことが重要になってきます。腎の力を充実させるには植物性の漢方薬だけでは足りないこともあるので、動物性の漢方薬も使います。中医学には「補腎薬」が数多くありますから、高齢の方でも卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができるため、より良い卵子の排卵も期待できますよ。卵子の数は生まれた時点ですでに決まっています。それが初経の頃から女性ホルモンが活発になり、その刺激を受けて原始卵胞が順次育っていき、約190日かかって卵子を排卵するのです。ですから質の良い卵子が育つ体内環境を作るのも、最低6ヶ月はかかると考えてくださいね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.6.2
コラム 不妊治療
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冷え症のタイプ別改善策
冷え症のタイプ別改善策 前回お話しした冷えのタイプ。あなたはどのタイプでしたか?自分のタイプがわかったなら、さっそくそれに合った改善策を試してみましょう。漢方薬は続けることで徐々に体質改善が進むため、気がついたら冷えが良くなっているはずです。結果がでるまであきらめずに続けてみてくださいね。「千里の道も一歩から」ですよ。 お血タイプ 食生活の不摂生や運動不足による血行不良が原因の冷えなので、ただ体を温めるのではなく、血流を良くすることが大切。以下の養生のポイントを実践して血流をよくしていきましょう。【おすすめの食材】血液をサラサラにする食材。にんにく、玉ねぎ、ねぎ、にら、らっきょう、桃、さんま、いわしなどの青魚、黒きくらげなど。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪、生クリーム、チョコレートなどの甘いもの、味の濃いものなど。【おすすめのお茶】ほうじ茶、紅花茶、バラ茶など。【心掛けたい生活】適度な運動を行いましょう。シャワーではなく湯船に浸かって。足首をよく動かすために、ヒールのある靴よりもかかとの低い靴を履き、足のストレッチをしましょう。 陽虚タイプ 疲れやすくて体を温めるエネルギーが不足していることが原因の冷えなので、体の温める力を高めることが必要です。体を元気にする養生で新陳代謝を良くしましょう。【おすすめの食材】体を元気にして温める食材。長いも、大和いもなどの山いも類、牛肉、羊肉、うなぎ、ねぎ、にら、生姜、大豆や枝豆などの豆類、栗など。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。刺身などの生もの。天ぷらなどの脂っこいもの。チョコレートなどの甘いもの。唐辛子、にんにくなど刺激の強いもの(唐辛子やにんにくは体を温めるが汗をかかせ、その後一気に冷えるのでNG)。【おすすめのお茶】紅茶(シナモンや生姜を加えるといい)、ほうじ茶、杜仲茶など。【心掛けたい生活】湿気が多く、日光の入らない部屋は避けましょう。体質に合った漢方ハーブを入れた湯船に浸かって体を温めるようにします。休息や睡眠は十分にとって。 気滞タイプ 常に緊張が抜けにくい、まじめな性格が原因の冷えですから、ストレスから解放してあげるためにも、心身ともにリラックスして気が巡るようにしましょう。【おすすめの食材】気を巡らせる食材。ミント、セロリ、春菊、パクチー、パセリ、あさり、しじみ、ゆず、ジャスミンなど。【避けたい食べもの】冷刺激や辛味の強い食べもの。さつまいもや炒豆など、ガスの発生しやすいもの。お酒の飲み過ぎ。【おすすめのお茶】ジャスミン茶、ミントティー、カモミールティーなど。【心掛けたい生活】ストレス発散のために、映画鑑賞、音楽鑑賞、親しい友人との会話など、リラックスした時間を設けて気分転換を。軽いウォーキングやお散歩の適度な運動もいいですね。タバコもあまりいい解決策ではないので控えましょう。 痰湿タイプ 新陳代謝が悪く水分が停滞してむくんでいることが原因の冷えです。体の余分な水分を排出させることが改善のポイントです。【おすすめの食材】水分や老廃物を取り除く食材。玄米、ごぼう、昆布やわかめ、海苔などの海藻類、緑豆もやし、緑豆はるさめなど。【避けたい食べもの】バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪。チョコレートや生クリームなどの甘いもの。果物や炭酸飲料、アルコール、炭水化物や塩分のとりすぎ。【おすすめのお茶】ウーロン茶、プーアル茶、はと麦茶、杜仲茶など。温めたものをとりましょう。【心掛けたい生活】湿度や日当たりといったお部屋の環境を見直しましょう。胃腸の負担を減らすため食物繊維たっぷりの食事をよく噛んで食べる習慣を。毎日運動をして、体にたまった水分や老廃物を積極的に排出しましょう。 ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 冷え症のタイプ別改善策 前回お話しした冷えのタイプ。あなたはどのタイプでしたか?自分のタイプがわかったなら、さっそくそれに合った改善策を試してみましょう。漢方薬は続けることで徐々に体質改善が進むため、気がついたら冷えが良くなっているはずです。結果がでるまであきらめずに続けてみてくださいね。「千里の道も一歩から」ですよ。 お血タイプ 食生活の不摂生や運動不足による血行不良が原因の冷えなので、ただ体を温めるのではなく、血流を良くすることが大切。以下の養生のポイントを実践して血流をよくしていきましょう。【おすすめの食材】血液をサラサラにする食材。にんにく、玉ねぎ、ねぎ、にら、らっきょう、桃、さんま、いわしなどの青魚、黒きくらげなど。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪、生クリーム、チョコレートなどの甘いもの、味の濃いものなど。【おすすめのお茶】ほうじ茶、紅花茶、バラ茶など。【心掛けたい生活】適度な運動を行いましょう。シャワーではなく湯船に浸かって。足首をよく動かすために、ヒールのある靴よりもかかとの低い靴を履き、足のストレッチをしましょう。 陽虚タイプ 疲れやすくて体を温めるエネルギーが不足していることが原因の冷えなので、体の温める力を高めることが必要です。体を元気にする養生で新陳代謝を良くしましょう。【おすすめの食材】体を元気にして温める食材。長いも、大和いもなどの山いも類、牛肉、羊肉、うなぎ、ねぎ、にら、生姜、大豆や枝豆などの豆類、栗など。【避けたい食べもの】冷たい飲みものや食べもの。刺身などの生もの。天ぷらなどの脂っこいもの。チョコレートなどの甘いもの。唐辛子、にんにくなど刺激の強いもの(唐辛子やにんにくは体を温めるが汗をかかせ、その後一気に冷えるのでNG)。【おすすめのお茶】紅茶(シナモンや生姜を加えるといい)、ほうじ茶、杜仲茶など。【心掛けたい生活】湿気が多く、日光の入らない部屋は避けましょう。体質に合った漢方ハーブを入れた湯船に浸かって体を温めるようにします。休息や睡眠は十分にとって。 気滞タイプ 常に緊張が抜けにくい、まじめな性格が原因の冷えですから、ストレスから解放してあげるためにも、心身ともにリラックスして気が巡るようにしましょう。【おすすめの食材】気を巡らせる食材。ミント、セロリ、春菊、パクチー、パセリ、あさり、しじみ、ゆず、ジャスミンなど。【避けたい食べもの】冷刺激や辛味の強い食べもの。さつまいもや炒豆など、ガスの発生しやすいもの。お酒の飲み過ぎ。【おすすめのお茶】ジャスミン茶、ミントティー、カモミールティーなど。【心掛けたい生活】ストレス発散のために、映画鑑賞、音楽鑑賞、親しい友人との会話など、リラックスした時間を設けて気分転換を。軽いウォーキングやお散歩の適度な運動もいいですね。タバコもあまりいい解決策ではないので控えましょう。 痰湿タイプ 新陳代謝が悪く水分が停滞してむくんでいることが原因の冷えです。体の余分な水分を排出させることが改善のポイントです。【おすすめの食材】水分や老廃物を取り除く食材。玄米、ごぼう、昆布やわかめ、海苔などの海藻類、緑豆もやし、緑豆はるさめなど。【避けたい食べもの】バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪。チョコレートや生クリームなどの甘いもの。果物や炭酸飲料、アルコール、炭水化物や塩分のとりすぎ。【おすすめのお茶】ウーロン茶、プーアル茶、はと麦茶、杜仲茶など。温めたものをとりましょう。【心掛けたい生活】湿度や日当たりといったお部屋の環境を見直しましょう。胃腸の負担を減らすため食物繊維たっぷりの食事をよく噛んで食べる習慣を。毎日運動をして、体にたまった水分や老廃物を積極的に排出しましょう。 ≫ 中医学から診た、冷え性体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.5.26
コラム 不妊治療
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中医学から診た、冷え性体質とは
中医学から診た、冷え性体質とは 「ひえしょう」とパソコンに入力すると「冷え性」と「冷え症」がでてくることをご存知でしょうか?同じ「ひえしょう」でも違いがあるのです。まず「冷え性」ですが、これは睡眠や食生活、運動不足など、生活習慣の乱れから血行不良になり、体の特定の部位に冷えを感じる症状のこと。それに対して「冷え症」は、自律神経系の乱れからくる血管障害から、特定の部位に極度の冷えを生じる症状を言います。 冷えは西洋医学の世界では、病気とは扱われないので、冷えの為の薬は存在しません。でも、中医学では病気の一つとして捉え、改善するための漢方薬があるのです。単に「冷える」といっても、おなか(へその下)、お尻、手足、腰など、部位の違いや〝冷えるのにのぼせる〟など、体質によって冷えの状態が違います。ここでは代表的な冷えの体質をお話ししますね。 ◯血行不良タイプ:お血(おけつ)冷え体質で最も多いのはこの〝お血(おけつ)〟タイプです。お血は血の流れが滞って、体の血の循環が悪い状態のため、体は冷えて冷たいのに頭はのぼせて熱いという状態に。お血タイプの冷えは単に温めればよくなるものではなく、血流を良くして流れの悪くなった状態を改善することが大切です。◯温める力不足タイプ:陽虚(ようきょ)冷え性で、「お血」の次に多いと言われるのが「陽虚(ようきょ)」タイプです。このタイプはへその下のおなか(丹田)が冷えています。手足の末端だけではなく、手首足首、さらには肘・膝まで冷えるなんていう人は要注意です。「陽虚」は「腎陽虚(じんようきょ)」とも言われ、体を温めてくれるはずの「陽(エネルギー)」が不足している状態。ですから、新陳代謝が悪く、下痢や腰痛になりやすいです。このタイプは体の「陽」を奪われないようにすることと、「陽」を補って高めていく(補陽)ことが大事です。◯ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)手足など体の末端が冷たくなりやすいのがこのタイプ。交感神経がつねに優位に働いているため、末梢血管が収縮したままになっていることから冷えを引き起こしています。交感神経が優位とは、頭や体が気を張って緊張している状態ということ。仕事が忙しかったり、心配事や常に何かを考えているような方に多いですね。緊張から気の巡りが悪くなっているのですから、リラックスして気を巡らせるようにすると冷えが改善されます。時には休息をとって、心身をストレスから解放してあげましょう。◯水分ためこみタイプ:痰湿(たんしつ)体に余分な水分が停滞しているのが「痰湿」タイプ。水分の停滞からむくんでしまい、そのむくみが体を冷やします。たとえると、バスタオルが濡れて冷たくなっている状態。ですから、バスタオルの水分を取り除けば、乾いて冷たさがなくなるように、体の余分な水分を排出させることで冷えが改善します。女性に多いと言われている冷え性ですが、ストレスなどから、最近は男性も増えてきているようです。あなたに当てはまる冷えの状態はありましたか?次回は冷えのタイプ別に注意したいことをお伝えしますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 中医学から診た、冷え性体質とは 「ひえしょう」とパソコンに入力すると「冷え性」と「冷え症」がでてくることをご存知でしょうか?同じ「ひえしょう」でも違いがあるのです。まず「冷え性」ですが、これは睡眠や食生活、運動不足など、生活習慣の乱れから血行不良になり、体の特定の部位に冷えを感じる症状のこと。それに対して「冷え症」は、自律神経系の乱れからくる血管障害から、特定の部位に極度の冷えを生じる症状を言います。 冷えは西洋医学の世界では、病気とは扱われないので、冷えの為の薬は存在しません。でも、中医学では病気の一つとして捉え、改善するための漢方薬があるのです。単に「冷える」といっても、おなか(へその下)、お尻、手足、腰など、部位の違いや〝冷えるのにのぼせる〟など、体質によって冷えの状態が違います。ここでは代表的な冷えの体質をお話ししますね。 ◯血行不良タイプ:お血(おけつ)冷え体質で最も多いのはこの〝お血(おけつ)〟タイプです。お血は血の流れが滞って、体の血の循環が悪い状態のため、体は冷えて冷たいのに頭はのぼせて熱いという状態に。お血タイプの冷えは単に温めればよくなるものではなく、血流を良くして流れの悪くなった状態を改善することが大切です。◯温める力不足タイプ:陽虚(ようきょ)冷え性で、「お血」の次に多いと言われるのが「陽虚(ようきょ)」タイプです。このタイプはへその下のおなか(丹田)が冷えています。手足の末端だけではなく、手首足首、さらには肘・膝まで冷えるなんていう人は要注意です。「陽虚」は「腎陽虚(じんようきょ)」とも言われ、体を温めてくれるはずの「陽(エネルギー)」が不足している状態。ですから、新陳代謝が悪く、下痢や腰痛になりやすいです。このタイプは体の「陽」を奪われないようにすることと、「陽」を補って高めていく(補陽)ことが大事です。◯ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)手足など体の末端が冷たくなりやすいのがこのタイプ。交感神経がつねに優位に働いているため、末梢血管が収縮したままになっていることから冷えを引き起こしています。交感神経が優位とは、頭や体が気を張って緊張している状態ということ。仕事が忙しかったり、心配事や常に何かを考えているような方に多いですね。緊張から気の巡りが悪くなっているのですから、リラックスして気を巡らせるようにすると冷えが改善されます。時には休息をとって、心身をストレスから解放してあげましょう。◯水分ためこみタイプ:痰湿(たんしつ)体に余分な水分が停滞しているのが「痰湿」タイプ。水分の停滞からむくんでしまい、そのむくみが体を冷やします。たとえると、バスタオルが濡れて冷たくなっている状態。ですから、バスタオルの水分を取り除けば、乾いて冷たさがなくなるように、体の余分な水分を排出させることで冷えが改善します。女性に多いと言われている冷え性ですが、ストレスなどから、最近は男性も増えてきているようです。あなたに当てはまる冷えの状態はありましたか?次回は冷えのタイプ別に注意したいことをお伝えしますね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.5.9
コラム 不妊治療
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中医学から診た、妊娠しにくい体質とは
中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ご存知でしたか?卵子は女性の体で常に作り続けているわけではないのです。胎児の時に、卵巣に一生分の卵子の前身である原始卵胞ができ、生まれた時には約200万個になっています。つまり卵子の数は生まれたときから決まっているのです。思春期・生殖年齢頃には約25万個まで減少し、月経ごとに約1000個の卵子が消滅するといわれ、年齢とともに減っていき、あとから増えることはないのです。ですから妊娠の確率を最大限高める為には「卵巣に残された卵子をいかに若々しく健康な状態にするか」がポイント!「え!卵子を若々しく健康な状態にするってどういうこと?」と思われる人もいるでしょう。中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。前回、女性の体(生命エネルギーの源である「腎」の元気)は28歳をピークに7の倍数で変化する、とお話しましたが、加齢によりこの「腎」の働きが弱まっていくと、卵子を若々しく保ちにくくなり、どうしても妊娠しづらい傾向になるようです。しかし、年齢を重ねても、「腎」の元気を高めることによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができ、より質の良い卵子の排卵が期待できます。ところで、「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はその機能だけでなく、生殖や成長、ホルモンの分泌や免疫全般などをつかさどるとされています。だから、ちょっと大げさですが、妊娠に関しても「腎」の働きが左右すると言えるのです。「腎」の働きが弱まっている方は、「腎」を高める一般の漢方だけではなく、鹿茸、紫河車などの動物性生薬を一緒に服用することで、卵巣機能をより早く高めることができます。また、卵子は初潮のころから原始卵胞が活発化し、発育卵胞⇒前胞状卵胞⇒胞状卵胞⇒成熟卵胞と約180日かかって成長し、排卵します。つまり、質の良い卵子を育てるには、最低6か月は必要なのです。「急がば回れ」の卵巣環境づくりということ、覚えておきたいですね。 次回は中医学でいう〝冷え性〟についてお話しします。 ≫ あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは ご存知でしたか?卵子は女性の体で常に作り続けているわけではないのです。胎児の時に、卵巣に一生分の卵子の前身である原始卵胞ができ、生まれた時には約200万個になっています。つまり卵子の数は生まれたときから決まっているのです。思春期・生殖年齢頃には約25万個まで減少し、月経ごとに約1000個の卵子が消滅するといわれ、年齢とともに減っていき、あとから増えることはないのです。ですから妊娠の確率を最大限高める為には「卵巣に残された卵子をいかに若々しく健康な状態にするか」がポイント!「え!卵子を若々しく健康な状態にするってどういうこと?」と思われる人もいるでしょう。中医学では女性の卵巣機能は「腎」にコトントロールされていると考えます。前回、女性の体(生命エネルギーの源である「腎」の元気)は28歳をピークに7の倍数で変化する、とお話しましたが、加齢によりこの「腎」の働きが弱まっていくと、卵子を若々しく保ちにくくなり、どうしても妊娠しづらい傾向になるようです。しかし、年齢を重ねても、「腎」の元気を高めることによって、卵巣年齢(腎年齢)を実年齢よりも若く維持することができ、より質の良い卵子の排卵が期待できます。ところで、「腎」とは何でしょうか。西洋医学で腎臓といえば、体液から不要な物質を膀胱へ運んで、尿として排泄する臓器ですが、中医学の「腎」はその機能だけでなく、生殖や成長、ホルモンの分泌や免疫全般などをつかさどるとされています。だから、ちょっと大げさですが、妊娠に関しても「腎」の働きが左右すると言えるのです。「腎」の働きが弱まっている方は、「腎」を高める一般の漢方だけではなく、鹿茸、紫河車などの動物性生薬を一緒に服用することで、卵巣機能をより早く高めることができます。また、卵子は初潮のころから原始卵胞が活発化し、発育卵胞⇒前胞状卵胞⇒胞状卵胞⇒成熟卵胞と約180日かかって成長し、排卵します。つまり、質の良い卵子を育てるには、最低6か月は必要なのです。「急がば回れ」の卵巣環境づくりということ、覚えておきたいですね。 次回は中医学でいう〝冷え性〟についてお話しします。 ≫ あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.5.6
コラム 不妊治療
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あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体
あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 中国最古の医学書〝黄帝内経(こうていだいけい)〟に、「女性の体(生命エネルギーの源である腎の元気)は7の倍数で変化する」という一文があります。20代、30代という十進法や日本の干支でとらえる十二進法で数える年齢ではなく、中医学では体の変化を7の倍数でとらえます。7歳で人間として身体の基礎ができ、14歳に女性として身体ができ初潮を迎えます。そして21歳から最も妊娠に適した時期に入ります。そして28歳で身体機能、性機能ともにピークを迎え、35歳から少しずつ身体や性機能の衰えが始まります。 7歳 歯が生え変わる / 14歳 初月経を迎える / 21歳 身長が伸びきる。身体機能・性機能が高くなる / 28歳 身体機能・性機能のピーク / 35歳 肌ツヤが衰えはじめ、ほうれい線が出てくる / 42歳 白髪が気になりはじめる / 49歳 閉経 黄帝内経から2000年経った今でも、14歳で初潮、49歳で閉経という、女性の身体のリズムがほとんど変わっていないことに驚きませんか?このことからも、女性の身体は、月経に大きく左右されることがわかります。年々晩婚化が進み、出産の平均年齢が高くなっても、世の中がどんどん進化しても、28歳が生殖力のピークということは変わらないのです。ですから「いつかは赤ちゃんがほしい」と思うのなら、すぐに予定はなくても、バランスのとれた食事や適度な運動をこころがけ、月経は順調にしておきたいものです。そうすれば、いざ妊娠を希望し、中医学の子宝治療を受けたとき、その成功率もより高くなります。また、その後の更年期を穏やかに迎えるための備えにもなるからです。 ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ あなたは今何歳?7の倍数で変化する女性の体 中国最古の医学書〝黄帝内経(こうていだいけい)〟に、「女性の体(生命エネルギーの源である腎の元気)は7の倍数で変化する」という一文があります。20代、30代という十進法や日本の干支でとらえる十二進法で数える年齢ではなく、中医学では体の変化を7の倍数でとらえます。7歳で人間として身体の基礎ができ、14歳に女性として身体ができ初潮を迎えます。そして21歳から最も妊娠に適した時期に入ります。そして28歳で身体機能、性機能ともにピークを迎え、35歳から少しずつ身体や性機能の衰えが始まります。 7歳 歯が生え変わる / 14歳 初月経を迎える / 21歳 身長が伸びきる。身体機能・性機能が高くなる / 28歳 身体機能・性機能のピーク / 35歳 肌ツヤが衰えはじめ、ほうれい線が出てくる / 42歳 白髪が気になりはじめる / 49歳 閉経 黄帝内経から2000年経った今でも、14歳で初潮、49歳で閉経という、女性の身体のリズムがほとんど変わっていないことに驚きませんか?このことからも、女性の身体は、月経に大きく左右されることがわかります。年々晩婚化が進み、出産の平均年齢が高くなっても、世の中がどんどん進化しても、28歳が生殖力のピークということは変わらないのです。ですから「いつかは赤ちゃんがほしい」と思うのなら、すぐに予定はなくても、バランスのとれた食事や適度な運動をこころがけ、月経は順調にしておきたいものです。そうすれば、いざ妊娠を希望し、中医学の子宝治療を受けたとき、その成功率もより高くなります。また、その後の更年期を穏やかに迎えるための備えにもなるからです。 ≫ 中医学から診た、妊娠しにくい体質とは 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2016.4.25
コラム 不妊治療
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あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)
あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、滞り体質の3タイプについて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <血行不良タイプ:お血(おけつ)> 「血」がスムーズに循環しないため、栄養が全身に行き渡らず、老廃物も溜まりやすくなっている状態です。放っておくと、月経痛や頭痛、肩こりの原因にもなります。婦人科系では、子宮や卵巣の毛細血管の血流も低下し、卵子の質に影響することも。● 食事「血」の巡りがよくなる、 しょうが、にんにく、タマネギ、らっきょうや、サバ、イワシなどの青魚を温かくして食べましょう。また、色の濃い緑黄色野菜も「血」の働きを助けてくれます。● 日常生活中医学では「元気(気)」「血」「潤い(陰)」はすべてリンクしていると考え、「血」は「元気(気)」のエネルギーが動かしていると考えます。ですから「気」の巡りがストレスなどによって悪くなってしまうと「血」も滞ってしまいます。できるだけストレスはその日の内にリセットできるようにしましょう。睡眠時間を7時間は確保してほしいですね。水が氷になるように、「血」も冷えると動かなくなります。冷えには注意が必要です。座りっぱなしの人は1~2時間に一度は立って伸びなどのストレッチをしましょう。また、適度な運動も血行がよくなるのでオススメです。 <ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)> 「元気(気)」は足りているのですが、スムーズに全身に巡っていない状態です。生理前になると胸やお腹が張ったり、甘いものがほしくなったり、イライラしやすくなります。婦人科系では、基礎体温がジグザグになり、いつ排卵しているかわかりにくかったり、自律神経の乱れからホルモンバランスの乱れにつながることも。● 食事ストレスを感じると、ついつい食べ過ぎたり、甘いものに手が伸びてしまうことが多いので注意しましょう。カフェインや香辛料などの刺激物をとりすぎるのも控えましょう。三つ葉、春菊、パクチー、セロリ、しそ、バジルなどの香味野菜は、ストレスで滞った気の巡りをよくして、気持ちをリラックスさせる効果があります。カモミールやローズヒップなどのハーブティーもいいですね。● 日常生活ストレスを上手に解消するために、のんびり過ごすことを心がけましょう。うまくストレスを解消できない人は、ヨガや太極拳など、深い呼吸を取り入れたエクササイズで呼吸法がおススメです。リラックス作用のあるアロマオイルを部屋に香らせるのも効果的です。 <老廃物溜め込みタイプ:痰湿(たんしつ)> 水分の循環がスムーズにいかず、不要な水分や脂肪分が溜まりやすいタイプです。むくみ、重だるさ、吹き出物ができやすくなります。婦人科系では、排卵しにくかったり、ホルモンバランスに影響することも。● 食事この体質にはなんといっても体重管理が大切。まず野菜を食べてからメイン、炭水化物の順番で食べる食習慣を心がけましょう。食事やお酒の量を減らし、油っこいもの、甘いものはひかえるようにしましょう。夜食は厳禁ですが、温かい緑豆春雨スープなどカロリーが控えめな温かいものでしのぎましょう。余分なものを排出しながら、血液をサラサラにしてくれる、海藻類、食物繊維が多い根菜などを多めにとることをおススメします。代謝を高めるスパイス類や排出効果を高める酢も積極的に利用するとよいでしょう。● 日常生活体重管理のほかに水分のとりすぎで体調を崩しやすいので、塩辛いものは控えて、のどの渇きを予防ししょう。発汗は体に溜まった余分な水分や老廃物をリセットしてくれます。適度な運動でじわりと汗をかく、夜はゆっくり半身浴でお風呂に浸かり、たっぷりと汗をかくようにしましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、滞り体質の3タイプについて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <血行不良タイプ:お血(おけつ)> 「血」がスムーズに循環しないため、栄養が全身に行き渡らず、老廃物も溜まりやすくなっている状態です。放っておくと、月経痛や頭痛、肩こりの原因にもなります。婦人科系では、子宮や卵巣の毛細血管の血流も低下し、卵子の質に影響することも。● 食事「血」の巡りがよくなる、 しょうが、にんにく、タマネギ、らっきょうや、サバ、イワシなどの青魚を温かくして食べましょう。また、色の濃い緑黄色野菜も「血」の働きを助けてくれます。● 日常生活中医学では「元気(気)」「血」「潤い(陰)」はすべてリンクしていると考え、「血」は「元気(気)」のエネルギーが動かしていると考えます。ですから「気」の巡りがストレスなどによって悪くなってしまうと「血」も滞ってしまいます。できるだけストレスはその日の内にリセットできるようにしましょう。睡眠時間を7時間は確保してほしいですね。水が氷になるように、「血」も冷えると動かなくなります。冷えには注意が必要です。座りっぱなしの人は1~2時間に一度は立って伸びなどのストレッチをしましょう。また、適度な運動も血行がよくなるのでオススメです。 <ストレス過剰タイプ:気滞(きたい)> 「元気(気)」は足りているのですが、スムーズに全身に巡っていない状態です。生理前になると胸やお腹が張ったり、甘いものがほしくなったり、イライラしやすくなります。婦人科系では、基礎体温がジグザグになり、いつ排卵しているかわかりにくかったり、自律神経の乱れからホルモンバランスの乱れにつながることも。● 食事ストレスを感じると、ついつい食べ過ぎたり、甘いものに手が伸びてしまうことが多いので注意しましょう。カフェインや香辛料などの刺激物をとりすぎるのも控えましょう。三つ葉、春菊、パクチー、セロリ、しそ、バジルなどの香味野菜は、ストレスで滞った気の巡りをよくして、気持ちをリラックスさせる効果があります。カモミールやローズヒップなどのハーブティーもいいですね。● 日常生活ストレスを上手に解消するために、のんびり過ごすことを心がけましょう。うまくストレスを解消できない人は、ヨガや太極拳など、深い呼吸を取り入れたエクササイズで呼吸法がおススメです。リラックス作用のあるアロマオイルを部屋に香らせるのも効果的です。 <老廃物溜め込みタイプ:痰湿(たんしつ)> 水分の循環がスムーズにいかず、不要な水分や脂肪分が溜まりやすいタイプです。むくみ、重だるさ、吹き出物ができやすくなります。婦人科系では、排卵しにくかったり、ホルモンバランスに影響することも。● 食事この体質にはなんといっても体重管理が大切。まず野菜を食べてからメイン、炭水化物の順番で食べる食習慣を心がけましょう。食事やお酒の量を減らし、油っこいもの、甘いものはひかえるようにしましょう。夜食は厳禁ですが、温かい緑豆春雨スープなどカロリーが控えめな温かいものでしのぎましょう。余分なものを排出しながら、血液をサラサラにしてくれる、海藻類、食物繊維が多い根菜などを多めにとることをおススメします。代謝を高めるスパイス類や排出効果を高める酢も積極的に利用するとよいでしょう。● 日常生活体重管理のほかに水分のとりすぎで体調を崩しやすいので、塩辛いものは控えて、のどの渇きを予防ししょう。発汗は体に溜まった余分な水分や老廃物をリセットしてくれます。適度な運動でじわりと汗をかく、夜はゆっくり半身浴でお風呂に浸かり、たっぷりと汗をかくようにしましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.3.18
コラム 不妊治療
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あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、不足体質の3タイプに冷えタイプを加えて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <「血」不足タイプ:血虚(けっきょ)> 中医学では「血(けつ)」は単純に血液だけでなく、体に必要な栄養を含めて考えます。血虚体質の人は、これが足りていない状態です。無理なダイエットや睡眠不足、食生活の偏りなどでなりやすく、ひどくなると貧血や精神失調を起こす方もいます。婦人科系でいうと、子宮内膜が厚くなりにくかったり、生理の量が少なくなったり、という影響がでてくることがあります。●食事栄養の吸収力が弱いので一度にたくさん食べず、多種類の食品を何度かに分けて少しずつとりましょう。「血」を補うために色の濃い食品、たとえば、ドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、黒キクラゲなどを食事に取り入れてみましょう。「血」を補う作用が強い、レバー、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなどの動物性たんぱく質もオススメです。●日常生活「血」は夜の睡眠中に作られます。ですから夜更かしや夜の仕事はできるだけ避けて、夜の22時から2時の間にできるだけたくさん睡眠を取れるようにしましょう。就寝前の1~2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすことも大事です。あまり体力がないので、激しい運動ではなく、全身をほぐすヨガやストレッチ、太極拳など、疲れが残らない程度の運動を取り入れましょう。 <「気(元気)」不足タイプ:気虚(ききょ)> やる気が出ない状態が続き、消化器や免疫機能も弱りやすいため、疲れやすかったり、アレルギー症状がでたり、風邪をひきやすくなることも。婦人科系では、不正出血があったり、生理がダラダラ続いたりする場合があります。●食事「気」が不足しているので、朝食を抜くのはNG。胃腸の消化・吸収力を低下させる冷たいもの、生もの、油っこいもののとりすぎにも注意をしましょう。胃腸の働きを高めながら、血のめぐりもよくする、麦、ひえ、あわなどの雑穀を白米に混ぜて食べてみましょう。よく噛んで食べると内臓が強くなり、元気を作れるようになりますよ。●日常生活忙しい日が続いたり睡眠不足があると「気」を消耗します。睡眠時間はたっぷりとりましょう。スタミナ不足なので、休息時間をこまめにとり、できるなら昼食後に10〜15分の昼寝を取り入れるとよいでしょう。激しい運動は逆に「気」を消耗させるので、ウォーキングやヨガなど、ゆっくりした運動を、疲れない程度から始めてみましょう。 <「陰(潤い)」不足タイプ:陰虚(いんきょ)> 体内の潤いが不足することで、のぼせ、火照りを鎮める消火水が少なくなっている状態です。加齢や睡眠不足などにより起こりやすくなります。婦人科系では、生理周期が短くなったり、低温気が短くなったり、基礎体温が全体的に高めになったりして、卵子の質に影響がでることもあります。●食事唐辛子、こしょう、山椒などの香辛料のとりすぎは、体を火照らせるだけでなく、体のうるおいを奪ってしまいます。また、油っこいものも発汗や火照りを悪化させます。食事は野菜中心のあっさりしたものが理想的。水分補給をこまめに行ってほしいのですが、必要以上に水を飲んでもうまく体に吸収されない体質でもあるので、野菜や果物からおだやかに水分補給をしていきましょう。●日常生活適度に汗をかくのはよいことですが、この体質の人は汗をかきやすいため、激しい運動や炎天下でのスポーツ、サウナ、ホットヨガなど、大量に汗をかくことは避けましょう。水泳やアクアビクスなどの水中運動がおすすめです。もちろん水分補給は忘れずに。 <冷えタイプ:陽虚(ようきょ)> 体を温める力が弱っているタイプです。手足や足腰に冷えを感じます。多尿や軟便が生じることも。婦人科系では、基礎体温が全体的に低めだったり、高温期が短かったりします。●食事生野菜、生ものなどの体を冷やす食べもの、氷の入った飲み物、アイスクリームなどの冷菓はNG。冷え改善には、雑穀を多くしたご飯をよく噛んで食べましょう。小魚やラム肉も体を温めます。調理法も温かいスープや鍋料理がおススメです。味付けにスパイスを上手に取り入れて。唐辛子も胃を荒らさない程度はOK。●日常生活体を冷やさないために、服装にはいつも気を配りましょう。薄着やスカートよりはパンツスタイルがおススメです。とくに冷えが体内に入り込みやすい、おなか、腰、足首、かかとは、いつもしっかりガードして。入浴はシャワーではなく湯船につかってしっかり汗をかく習慣をつけるとよいでしょう。適度な運動で体を温め、熱の源である筋力もアップしましょう。ただし、水泳や水中運動は体の熱を奪うので避けましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、不足体質の3タイプに冷えタイプを加えて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。 <「血」不足タイプ:血虚(けっきょ)> 中医学では「血(けつ)」は単純に血液だけでなく、体に必要な栄養を含めて考えます。血虚体質の人は、これが足りていない状態です。無理なダイエットや睡眠不足、食生活の偏りなどでなりやすく、ひどくなると貧血や精神失調を起こす方もいます。婦人科系でいうと、子宮内膜が厚くなりにくかったり、生理の量が少なくなったり、という影響がでてくることがあります。●食事栄養の吸収力が弱いので一度にたくさん食べず、多種類の食品を何度かに分けて少しずつとりましょう。「血」を補うために色の濃い食品、たとえば、ドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、黒キクラゲなどを食事に取り入れてみましょう。「血」を補う作用が強い、レバー、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなどの動物性たんぱく質もオススメです。●日常生活「血」は夜の睡眠中に作られます。ですから夜更かしや夜の仕事はできるだけ避けて、夜の22時から2時の間にできるだけたくさん睡眠を取れるようにしましょう。就寝前の1~2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすことも大事です。あまり体力がないので、激しい運動ではなく、全身をほぐすヨガやストレッチ、太極拳など、疲れが残らない程度の運動を取り入れましょう。 <「気(元気)」不足タイプ:気虚(ききょ)> やる気が出ない状態が続き、消化器や免疫機能も弱りやすいため、疲れやすかったり、アレルギー症状がでたり、風邪をひきやすくなることも。婦人科系では、不正出血があったり、生理がダラダラ続いたりする場合があります。●食事「気」が不足しているので、朝食を抜くのはNG。胃腸の消化・吸収力を低下させる冷たいもの、生もの、油っこいもののとりすぎにも注意をしましょう。胃腸の働きを高めながら、血のめぐりもよくする、麦、ひえ、あわなどの雑穀を白米に混ぜて食べてみましょう。よく噛んで食べると内臓が強くなり、元気を作れるようになりますよ。●日常生活忙しい日が続いたり睡眠不足があると「気」を消耗します。睡眠時間はたっぷりとりましょう。スタミナ不足なので、休息時間をこまめにとり、できるなら昼食後に10〜15分の昼寝を取り入れるとよいでしょう。激しい運動は逆に「気」を消耗させるので、ウォーキングやヨガなど、ゆっくりした運動を、疲れない程度から始めてみましょう。 <「陰(潤い)」不足タイプ:陰虚(いんきょ)> 体内の潤いが不足することで、のぼせ、火照りを鎮める消火水が少なくなっている状態です。加齢や睡眠不足などにより起こりやすくなります。婦人科系では、生理周期が短くなったり、低温気が短くなったり、基礎体温が全体的に高めになったりして、卵子の質に影響がでることもあります。●食事唐辛子、こしょう、山椒などの香辛料のとりすぎは、体を火照らせるだけでなく、体のうるおいを奪ってしまいます。また、油っこいものも発汗や火照りを悪化させます。食事は野菜中心のあっさりしたものが理想的。水分補給をこまめに行ってほしいのですが、必要以上に水を飲んでもうまく体に吸収されない体質でもあるので、野菜や果物からおだやかに水分補給をしていきましょう。●日常生活適度に汗をかくのはよいことですが、この体質の人は汗をかきやすいため、激しい運動や炎天下でのスポーツ、サウナ、ホットヨガなど、大量に汗をかくことは避けましょう。水泳やアクアビクスなどの水中運動がおすすめです。もちろん水分補給は忘れずに。 <冷えタイプ:陽虚(ようきょ)> 体を温める力が弱っているタイプです。手足や足腰に冷えを感じます。多尿や軟便が生じることも。婦人科系では、基礎体温が全体的に低めだったり、高温期が短かったりします。●食事生野菜、生ものなどの体を冷やす食べもの、氷の入った飲み物、アイスクリームなどの冷菓はNG。冷え改善には、雑穀を多くしたご飯をよく噛んで食べましょう。小魚やラム肉も体を温めます。調理法も温かいスープや鍋料理がおススメです。味付けにスパイスを上手に取り入れて。唐辛子も胃を荒らさない程度はOK。●日常生活体を冷やさないために、服装にはいつも気を配りましょう。薄着やスカートよりはパンツスタイルがおススメです。とくに冷えが体内に入り込みやすい、おなか、腰、足首、かかとは、いつもしっかりガードして。入浴はシャワーではなく湯船につかってしっかり汗をかく習慣をつけるとよいでしょう。適度な運動で体を温め、熱の源である筋力もアップしましょう。ただし、水泳や水中運動は体の熱を奪うので避けましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 ≫ あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)はこちら <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(後半)
2016.3.4
コラム 不妊治療