誠心堂 漢方館 銀座店 ジネコ取材済
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル1階
婦人科 / 不妊治療
誠心堂 漢方館 銀座店
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル1階
漢方相談薬店と鍼灸院が併設され、漢方相談と鍼灸治療を同時に相談できるのが特徴です。 経験豊かな中医学アドバイザーをはじめ登録販売者、鍼灸師が常駐しております。 不妊症を専門としており、自然妊娠から高度生殖医療の方までご相談を承っております。 東京・千葉の誠心堂グループ全20店舗にて年間2000名ほどのお客様からご相談をいただいており、年間400組前後のご夫婦よりお喜びの声の報告をいただいております。 子宝相談30年の実績や経験に基づいた中医学の知恵を生かした相談で一人でも多くの方のお悩みの力になれるようにスタッフ一同研鑽努力しております。 不妊症以外にも生理不順、更年期といった婦人病、皮膚病、ダイエットなど幅広いご相談を承っております。 相談は完全予約制で皆様のお悩みに対してじっくりカウンセリングをする時間を設けております。 ぜひ一度しっかりとしたご相談をご体験ください。 ご連絡をお待ちしております。
診療科
婦人科
不妊治療
基本診療時間
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10:00~20:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
休診日
年中無休《予約制》
住所・連絡先
東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル1階
TEL: 03-6278-8693
FAX: 03-6226-2293
西野 裕一 代表取締役プロフィール
毎年多くのご夫婦の妊活相談をさせて頂くようになり、年間400人近くの方の夢をかなえるサポートをさせていただいております。
私自身多くのご夫婦と相談させていただきました。 そうして妊活のむずかしさを痛感し、多くの専門医との交流を重ね、悩み苦しみ努力することで多くの感動を体験させていただきました。
私は是非皆さんに漢方薬の素晴らしさ、鍼灸治療の素晴らしさ、その両方を組み合わせた中医学の力を皆様に体験していただきたいと思っています。
ぜひ一度ご相談にいらしてください。お待ちしております。
西野 裕一 代表取締役略歴
株式会社誠心堂薬局代表取締役。
(一社)日本中医学会理事。
中国漢方普及協会会長。
このクリニックに関連する監修記事、取材内容、ユーザー様からの質問と回答など、ジネコが企画した様々なコンテンツの一覧です。
記事一覧
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舌で分かる!?あなたの健康状態(後半)
舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) ≫ 舌で分かる!?あなたの健康状態(前半)はこちら 今回は前回お話しした、舌診の続きです。「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が前回とは反対にスムーズに体を巡ることができていない3つのタイプを紹介します。 <お血(おけつ)の舌>舌の色は紫っぽく、黒いシミのような斑点があることも。苔はうっすらあり、舌の裏の2本の静脈が浮き出ている状態。 □肩こりがある□頭痛、腰痛などの痛みがある□生理痛がある□経血に塊が混じる□目の下にクマができやすい□シミ、そばかすが気になる「お血」は、スムーズに流れて全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収しているはずの「血」が様々な原因で滞っている状態です。女性に多い原因は、冷えやストレスによって「お血」」になっているケース。「お血」の状態を放っておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣膿腫などの病気に発展することもあるので、早めに対処することが大切です。 <気滞(きたい)の舌>舌の色は両側が赤い。中央に白または黄色の苔がある状態。 □イライラしやすい□ため息が多い□生理前に胸が張りやすい□お腹にガスがたまりやすい□基礎体温が不安定□目が疲れやすい健康な体では、「気」は滞りなく体中を巡って、エネルギーを全身に運んでいます。しかし、それがストレスや心配事などが続くことによって、自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れた状態が「気滞」です。「気滞」を放っておくと、ストレスに弱くなり、ますます気が滞るという悪循環になり、気と一緒に体内を巡っている血まで滞ってしまうこともあるのです。女性の場合、「気」が滞りやすくなるのは月経前と排卵期。この時期に症状が出やすい人は、気滞があると思われます。何と言ってもストレスを発散することが大切。体を動かしたり、大きな声で歌を歌ったり、友達とおしゃべりを楽しむなど、あなたに合ったストレス発散法を見つけましょう。 <痰湿(たんしつ)の舌>舌に厚いベトベトした白色または黄色の苔がある状態。 □むくみやすい□ニキビができやすい□オリモノが黄色い□脂っこいものや甘いものが大好き□お酒をよく飲む□暑がり川の水が清らかに流れている状態が「陰」、池のように流れが留まっている状態が「痰湿」で、体に必要な潤いを補う「陰(きれいな水分)」の巡りが滞ると、体に有害な物質である「痰湿」へと変化してしまいます。痰湿になる原因はさまざまですが、胃腸を酷使するような食生活を続けることで、消化・吸収・排泄がスムーズではなくなり、老廃物が体中に溜まるケースが最も多いです。老廃物は、中性脂肪やコレステロールなどに変化して血中に入り込み、血管にへばりつくと血液がスムーズに流れなくなってしまいます。すると、子宮に栄養が行きにくくなったり多嚢胞性卵巣などになりやすくなることも。体に溜まった老廃物や余分な水分をだすために、じわりと汗が出るようなスポーツを。また、夜はゆっくりお風呂に浸かり、たっぷり汗をかきましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) ≫ 舌で分かる!?あなたの健康状態(前半)はこちら 今回は前回お話しした、舌診の続きです。「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が前回とは反対にスムーズに体を巡ることができていない3つのタイプを紹介します。 <お血(おけつ)の舌>舌の色は紫っぽく、黒いシミのような斑点があることも。苔はうっすらあり、舌の裏の2本の静脈が浮き出ている状態。 □肩こりがある□頭痛、腰痛などの痛みがある□生理痛がある□経血に塊が混じる□目の下にクマができやすい□シミ、そばかすが気になる「お血」は、スムーズに流れて全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収しているはずの「血」が様々な原因で滞っている状態です。女性に多い原因は、冷えやストレスによって「お血」」になっているケース。「お血」の状態を放っておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣膿腫などの病気に発展することもあるので、早めに対処することが大切です。 <気滞(きたい)の舌>舌の色は両側が赤い。中央に白または黄色の苔がある状態。 □イライラしやすい□ため息が多い□生理前に胸が張りやすい□お腹にガスがたまりやすい□基礎体温が不安定□目が疲れやすい健康な体では、「気」は滞りなく体中を巡って、エネルギーを全身に運んでいます。しかし、それがストレスや心配事などが続くことによって、自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れた状態が「気滞」です。「気滞」を放っておくと、ストレスに弱くなり、ますます気が滞るという悪循環になり、気と一緒に体内を巡っている血まで滞ってしまうこともあるのです。女性の場合、「気」が滞りやすくなるのは月経前と排卵期。この時期に症状が出やすい人は、気滞があると思われます。何と言ってもストレスを発散することが大切。体を動かしたり、大きな声で歌を歌ったり、友達とおしゃべりを楽しむなど、あなたに合ったストレス発散法を見つけましょう。 <痰湿(たんしつ)の舌>舌に厚いベトベトした白色または黄色の苔がある状態。 □むくみやすい□ニキビができやすい□オリモノが黄色い□脂っこいものや甘いものが大好き□お酒をよく飲む□暑がり川の水が清らかに流れている状態が「陰」、池のように流れが留まっている状態が「痰湿」で、体に必要な潤いを補う「陰(きれいな水分)」の巡りが滞ると、体に有害な物質である「痰湿」へと変化してしまいます。痰湿になる原因はさまざまですが、胃腸を酷使するような食生活を続けることで、消化・吸収・排泄がスムーズではなくなり、老廃物が体中に溜まるケースが最も多いです。老廃物は、中性脂肪やコレステロールなどに変化して血中に入り込み、血管にへばりつくと血液がスムーズに流れなくなってしまいます。すると、子宮に栄養が行きにくくなったり多嚢胞性卵巣などになりやすくなることも。体に溜まった老廃物や余分な水分をだすために、じわりと汗が出るようなスポーツを。また、夜はゆっくりお風呂に浸かり、たっぷり汗をかきましょう。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.2.18
コラム 不妊治療
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舌で分かる?!あなたの健康状態(前編)
舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 中医学では「四診」という診察法が診断の元となります。では、「四診」とは、どんな診察なのでしょうか?それは読んで字のごとく、診察法が四つあるということです。その四つの診察法を箇条書きで簡単に説明しますね。1望診(ぼうしん)患者さんの動作や状態を観察。2聞診(ぶんしん)声や呼吸音、話し方、咳の音、口臭や体臭から判断。3問診(もんしん)自覚症状や病歴、生活習慣、家族歴などの質問の答えから判断。4切診(せっしん)患者様の脈やお腹の状態を診る。この中でも望診は「神技」と呼ばれるほど、四診の中でも最も難しい診断法と言われています。でもそれは言い換えると、「西洋医学にはない、中医学の特徴」とも言えますよね。望診には顔の色艶を診る「面診(めんしん)」や、舌の状態から体質や病状の深さ、進行度などを診断する「舌診(ぜっしん)」があります。その中でも、今回は「舌診」の中でよく見られる6つのタイプの内、大切な「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が不足している3つのタイプをご紹介します。あなたも鏡で舌の状態を是非チェックしてみてください! <正常な舌>舌の色は淡紅色(鮮やかなピンク色)で、U字のような形で柔らかい舌。苔はうっすらと薄くて白く舌の色が透けてみえる状態。 <血虚(けっきょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色。苔がうっすらある状態。 □寝つきがよくない□髪や爪が傷みやすい□月経量が少ない□肌が乾燥しやすい□顔色が白っぽい□めまい、立ちくらみがあるこのような症状がいくつかあれば、血液検査で貧血と診断されていなくても、中医学では血の全体量が不足している「血虚」体質だと考えます。血にはホルモンの働きにも影響するので、「血虚」を放っておくと、子宮内膜が薄くなって月経量が減ったり、生理の期間が短くなることがあり、不妊に発展するおそれもあるのです。血虚の兆候が少しでもあるなら、普段の生活の中で、血を補う工夫をしましょう。 <気虚(ききょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色で、厚くて腫れぼったい感じです。舌の縁に歯の痕が波打つように付いています。苔は白っぽい状態。 □冷えやすい□休みの日は家でゆっくりしたい□不正出血がある□風をひきやすい□月経が8日間以上ダラダラ続く□慢性下痢・便秘「気(元気)」はエネルギーの一種。だから、睡眠不足や激しい運動の後は、だれでも一時的に気が不足します。でも、食事や睡眠をしっかりとれば、自然に「気」は回復します。ところが、過労、睡眠不足、過激なダイエットなどが続くと、慢性的に気が不足した状態の「気虚」になります。「病は気から」という言葉があるように、気の不足を放っておくのは万病の元になりかねません。過労や睡眠不足をなくし、食生活を改めるといった、日々の生活から変えていきましょう。 <陰虚(いんきょ)の舌>舌の色は舌全体が赤く、舌表面に裂け目があることも。苔は少ないかほとんどない状態。 □のどが渇きやすい□お肌や目が乾燥しやすい□寝汗をかきやすい□オリモノが少ない□手足が火照る□基礎体温が全体的に高め「陰」とは体に必要な潤いのこと。水分補給不足、スポーツやサウナで大量に汗をかくと、肩こりや頭痛、疲労感などが現れることがありますよね。その状態が慢性化しているのが「陰虚」なんです。「陰」は加齢とともに不足しやすくなり、40歳以降の女性に多く見られます。また、睡眠不足、飲酒などから陰虚になることも。「陰虚」になると、精子と卵子が出会いにくい環境になったり、卵子の質にも影響してきます。いくつか症状があてはまる方は、生活習慣を見直してアンチエイジング(補腎)を心がけましょう。 次回は舌診の後半。さらに3つのタイプをお教えします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 中医学では「四診」という診察法が診断の元となります。では、「四診」とは、どんな診察なのでしょうか?それは読んで字のごとく、診察法が四つあるということです。その四つの診察法を箇条書きで簡単に説明しますね。1望診(ぼうしん)患者さんの動作や状態を観察。2聞診(ぶんしん)声や呼吸音、話し方、咳の音、口臭や体臭から判断。3問診(もんしん)自覚症状や病歴、生活習慣、家族歴などの質問の答えから判断。4切診(せっしん)患者様の脈やお腹の状態を診る。この中でも望診は「神技」と呼ばれるほど、四診の中でも最も難しい診断法と言われています。でもそれは言い換えると、「西洋医学にはない、中医学の特徴」とも言えますよね。望診には顔の色艶を診る「面診(めんしん)」や、舌の状態から体質や病状の深さ、進行度などを診断する「舌診(ぜっしん)」があります。その中でも、今回は「舌診」の中でよく見られる6つのタイプの内、大切な「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が不足している3つのタイプをご紹介します。あなたも鏡で舌の状態を是非チェックしてみてください! <正常な舌>舌の色は淡紅色(鮮やかなピンク色)で、U字のような形で柔らかい舌。苔はうっすらと薄くて白く舌の色が透けてみえる状態。 <血虚(けっきょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色。苔がうっすらある状態。 □寝つきがよくない□髪や爪が傷みやすい□月経量が少ない□肌が乾燥しやすい□顔色が白っぽい□めまい、立ちくらみがあるこのような症状がいくつかあれば、血液検査で貧血と診断されていなくても、中医学では血の全体量が不足している「血虚」体質だと考えます。血にはホルモンの働きにも影響するので、「血虚」を放っておくと、子宮内膜が薄くなって月経量が減ったり、生理の期間が短くなることがあり、不妊に発展するおそれもあるのです。血虚の兆候が少しでもあるなら、普段の生活の中で、血を補う工夫をしましょう。 <気虚(ききょ)の舌>舌の色は全体的に淡い色で、厚くて腫れぼったい感じです。舌の縁に歯の痕が波打つように付いています。苔は白っぽい状態。 □冷えやすい□休みの日は家でゆっくりしたい□不正出血がある□風をひきやすい□月経が8日間以上ダラダラ続く□慢性下痢・便秘「気(元気)」はエネルギーの一種。だから、睡眠不足や激しい運動の後は、だれでも一時的に気が不足します。でも、食事や睡眠をしっかりとれば、自然に「気」は回復します。ところが、過労、睡眠不足、過激なダイエットなどが続くと、慢性的に気が不足した状態の「気虚」になります。「病は気から」という言葉があるように、気の不足を放っておくのは万病の元になりかねません。過労や睡眠不足をなくし、食生活を改めるといった、日々の生活から変えていきましょう。 <陰虚(いんきょ)の舌>舌の色は舌全体が赤く、舌表面に裂け目があることも。苔は少ないかほとんどない状態。 □のどが渇きやすい□お肌や目が乾燥しやすい□寝汗をかきやすい□オリモノが少ない□手足が火照る□基礎体温が全体的に高め「陰」とは体に必要な潤いのこと。水分補給不足、スポーツやサウナで大量に汗をかくと、肩こりや頭痛、疲労感などが現れることがありますよね。その状態が慢性化しているのが「陰虚」なんです。「陰」は加齢とともに不足しやすくなり、40歳以降の女性に多く見られます。また、睡眠不足、飲酒などから陰虚になることも。「陰虚」になると、精子と卵子が出会いにくい環境になったり、卵子の質にも影響してきます。いくつか症状があてはまる方は、生活習慣を見直してアンチエイジング(補腎)を心がけましょう。 次回は舌診の後半。さらに3つのタイプをお教えします。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.2.12
コラム 不妊治療
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長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは?
長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 前回は中医学のおおまかなあらましを説明したので、今回は中医学の治療法と治療手段についてお話しします。中医学は長い歴史の中で得た経験から生まれた医学です。そこに「気血津液学説」(きけつしんえきがくせつ)「陰陽学説」(いんようがくせつ)「五行学説」(ごぎょうがくせつ)という3つの中国古代哲学が理論の支えとなっています。なんだか難しい言葉なので、それぞれを簡単に説明しますね。まず、「気血津液学説」とは、身体の機能を動かす源は「気」(き)・「血」(けつ)・「津液」(しんえき)という、3つの物質だという考え方です。その3つの中の「気」は生命活動の根源であるエネルギー源。「血」は全身を巡りながら、全身の臓器や器官に潤いと栄養を与えます。「津液」は、よだれ、涙、鼻水、汗、尿など、血以外の身体の体液全てのことです。これらが十分にあってスムーズに体内を回ることで健康は維持され、不足したり滞ると不調や病気になると考えます。「陰陽学説」とは、全てのものを陰と陽に分け、それらは対立する関係にあるという考え方です。例えば、陽が太陽で陰が月。陽が男で陰が女。もちろん人の身体にも陰と陽があり、健康な時はそのバランスが保たれていますが、それが崩れると病気になると考えます。妊活で重要な女性ホルモンにも陰陽があって、エストロゲン(卵胞ホルモン)は陰、プロゲステロン(黄体ホルモン)は陽です。このバランスが崩れていることが不妊につながることもあるのです。「五行学説」とは、自然界に存在するものを、「木・火・土・金・水(もく・か・ど・こん・すい)の5つに分類し、それぞれに作用したり変化するという考え方。体内にある五臓(肝、心、脾、肺、腎)も自然界とつながっていて、「木は肝」「火は心」「土は脾」「金は肺」「水は腎」と割り当てられ、それぞれがお互いに働きを促したり抑えたりする関係にあるのです。つまりまとめると、中医学でいう健康とは、身体を構成している「気・血・津液」の量が十分あって、それらがスムーズに体中を循環している状態。そして陰陽のバランスが保たれ、五臓が協調的に働いている状態なのですね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 前回は中医学のおおまかなあらましを説明したので、今回は中医学の治療法と治療手段についてお話しします。中医学は長い歴史の中で得た経験から生まれた医学です。そこに「気血津液学説」(きけつしんえきがくせつ)「陰陽学説」(いんようがくせつ)「五行学説」(ごぎょうがくせつ)という3つの中国古代哲学が理論の支えとなっています。なんだか難しい言葉なので、それぞれを簡単に説明しますね。まず、「気血津液学説」とは、身体の機能を動かす源は「気」(き)・「血」(けつ)・「津液」(しんえき)という、3つの物質だという考え方です。その3つの中の「気」は生命活動の根源であるエネルギー源。「血」は全身を巡りながら、全身の臓器や器官に潤いと栄養を与えます。「津液」は、よだれ、涙、鼻水、汗、尿など、血以外の身体の体液全てのことです。これらが十分にあってスムーズに体内を回ることで健康は維持され、不足したり滞ると不調や病気になると考えます。「陰陽学説」とは、全てのものを陰と陽に分け、それらは対立する関係にあるという考え方です。例えば、陽が太陽で陰が月。陽が男で陰が女。もちろん人の身体にも陰と陽があり、健康な時はそのバランスが保たれていますが、それが崩れると病気になると考えます。妊活で重要な女性ホルモンにも陰陽があって、エストロゲン(卵胞ホルモン)は陰、プロゲステロン(黄体ホルモン)は陽です。このバランスが崩れていることが不妊につながることもあるのです。「五行学説」とは、自然界に存在するものを、「木・火・土・金・水(もく・か・ど・こん・すい)の5つに分類し、それぞれに作用したり変化するという考え方。体内にある五臓(肝、心、脾、肺、腎)も自然界とつながっていて、「木は肝」「火は心」「土は脾」「金は肺」「水は腎」と割り当てられ、それぞれがお互いに働きを促したり抑えたりする関係にあるのです。つまりまとめると、中医学でいう健康とは、身体を構成している「気・血・津液」の量が十分あって、それらがスムーズに体中を循環している状態。そして陰陽のバランスが保たれ、五臓が協調的に働いている状態なのですね。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.1.29
コラム 不妊治療
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中医学とは、アンチエイジング医学だった!
中医学とは、アンチエイジング医学だった! 35歳から考える〝妊活〟で、今、漢方が注目されていることから〝中医学(中国伝統医学)〟という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?「でも、中医学って何?西洋医学とはどこが違うの?」と思っている人も多いはず。ということで、今回はその中医学についてお話ししますね。世界には〝伝統医学〟という長い歴史を経た医学がいくつもあります。有名なところでいえば、インドのアーユルヴェーダ、ギリシャのユナニ医学など。その中でも中医学は、2000年以上の長い歴史と経験に基づいた理論的な体系を整えている〝世界三大伝統医学〟のひとつなのです。中医学は漢方薬だけではなく、鍼灸治療、推拿(すいな)や気功など、いろいろな治療法を備えています。つまり、「かゆいところに手が届く」治療法。これは伝統医学の中でも類を見ない特徴なのです。では何故、こんなに中医学が今注目されているのでしょうか。それは中医学が〝アンチエイジング医学〟だからなのです。中国の歴史といえば皇帝の歴史ともいえますが、国の安泰が続くには皇帝が健康で長生きして子孫が繁栄することが重要な課題です。そのために発達したのが中医学です。つまり中医学は皇帝のために、試行錯誤をくりかえしながら発展した〝宮廷医学〟。なんとも贅沢な医学ですから、アンチエイジングや子宝治療は得意分野ともいえます。これで35歳からの妊活に、中医学が重要なポイントを占めている理由がご理解いただけたかと思います。漢方薬や鍼灸治療なんて聞くと、中医学は民間療法のように思われがちですが、WHO(世界保健機構)でも認められているれっきとした医学なのです。すでにアメリカ、ヨーロッパでは積極的に取り入れられている治療法なのですよ。とはいっても、一般の病院が行っている西洋医学と中医学、どちらが優れているということではありません。そもそも医学の成り立ちが異なりますし、病気へのアプローチも違いますからね。西洋医学は解剖学や生理学といった、科学的に人の体を捉えるのが特徴。身体の細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視し、その結果をもとに治療します。だから、「検査に現れない異常は病気ではない」ということになります。急性疾患、検査でわかる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くなどが西洋医学の得意なことです。一方、中医学は人の身体は全身が関連していると考えます。その病気がその部分だけの問題なのか、身体全体のバランスの乱れが原因なのか、さらに生まれ育った環境や季節までも含め、さまざまな視点から病気を追求していくのです。病院の検査では異常が現れない〝半健康〟についても、自己治癒力を高めることで改善できるという考えが基本です。つまり病名じゃなくて、体質と症状を総合的に診て治療するのです。得意なのは、慢性疾患、半健康、虚弱体質、ホルモンの乱れ、免疫の異常、老化現象など、どれも西洋医学では原因がわからないようなものです。西洋医学と中医学、両方の良いところ取りができるといいですね。次回は、「長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは?」 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 35歳から考える〝妊活〟で、今、漢方が注目されていることから〝中医学(中国伝統医学)〟という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?「でも、中医学って何?西洋医学とはどこが違うの?」と思っている人も多いはず。ということで、今回はその中医学についてお話ししますね。世界には〝伝統医学〟という長い歴史を経た医学がいくつもあります。有名なところでいえば、インドのアーユルヴェーダ、ギリシャのユナニ医学など。その中でも中医学は、2000年以上の長い歴史と経験に基づいた理論的な体系を整えている〝世界三大伝統医学〟のひとつなのです。中医学は漢方薬だけではなく、鍼灸治療、推拿(すいな)や気功など、いろいろな治療法を備えています。つまり、「かゆいところに手が届く」治療法。これは伝統医学の中でも類を見ない特徴なのです。では何故、こんなに中医学が今注目されているのでしょうか。それは中医学が〝アンチエイジング医学〟だからなのです。中国の歴史といえば皇帝の歴史ともいえますが、国の安泰が続くには皇帝が健康で長生きして子孫が繁栄することが重要な課題です。そのために発達したのが中医学です。つまり中医学は皇帝のために、試行錯誤をくりかえしながら発展した〝宮廷医学〟。なんとも贅沢な医学ですから、アンチエイジングや子宝治療は得意分野ともいえます。これで35歳からの妊活に、中医学が重要なポイントを占めている理由がご理解いただけたかと思います。漢方薬や鍼灸治療なんて聞くと、中医学は民間療法のように思われがちですが、WHO(世界保健機構)でも認められているれっきとした医学なのです。すでにアメリカ、ヨーロッパでは積極的に取り入れられている治療法なのですよ。とはいっても、一般の病院が行っている西洋医学と中医学、どちらが優れているということではありません。そもそも医学の成り立ちが異なりますし、病気へのアプローチも違いますからね。西洋医学は解剖学や生理学といった、科学的に人の体を捉えるのが特徴。身体の細胞レベルまで細かく診て、検査データを重要視し、その結果をもとに治療します。だから、「検査に現れない異常は病気ではない」ということになります。急性疾患、検査でわかる疾患、外科手術などで、体に不要なものを取り除くなどが西洋医学の得意なことです。一方、中医学は人の身体は全身が関連していると考えます。その病気がその部分だけの問題なのか、身体全体のバランスの乱れが原因なのか、さらに生まれ育った環境や季節までも含め、さまざまな視点から病気を追求していくのです。病院の検査では異常が現れない〝半健康〟についても、自己治癒力を高めることで改善できるという考えが基本です。つまり病名じゃなくて、体質と症状を総合的に診て治療するのです。得意なのは、慢性疾患、半健康、虚弱体質、ホルモンの乱れ、免疫の異常、老化現象など、どれも西洋医学では原因がわからないようなものです。西洋医学と中医学、両方の良いところ取りができるといいですね。次回は、「長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは?」 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2016.1.21
コラム 不妊治療
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知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと
知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと テレビCMの影響でしょうか。最近、女性の体質改善に、“漢方が効果的”と思う人が増えています。その波は「妊活」にも来ているのです。妊活が思うようにいかないと、「私って妊娠しづらい体質なのかな?」と落ち込んだことはありませんか?そんな妊活中の女性が体質改善を考えた時「自然界の動物や植物からできている薬だから身体に優しそう」と、漢方での治療を考えるケースが増えています。もちろんそこには、漢方が妊活でしっかり成果を出しているという実話やデータの話が、マスコミをはじめ、様々なところで話題になっていることも後押ししているようです。さて、こんな話から「漢方ってすごい。試してみたい!」と思っているあなた。ちょっと待ってください。漢方ってすごく奥が深い薬なのです。せっかくですからこの機会に、漢方についてちょっとだけ勉強してみませんか?まず、漢方といっても大きく2つに分かれます。それは日本の漢方(いわゆる和漢)と中医学(中国医学)の漢方。とはいっても、日本の漢方はもともと中国から伝わったものだし、どちらも原料は自然の生薬。でも、大きく違うのが、処方の決め方や証(その人の体質や病状)のとらえ方。これをまず踏まえておきましょう。では、その違いについて詳しく説明しますね。現在の日本の漢方の主流は、江戸時代に発達した古方派(こほうは)と言われるもの。これは難解な理論よりも経験・実践を重視します。つまり「こういう症状には、こういう処方をしなさい」という、その人の体質がどの処方と合致しているかを診るのです。一方、中医学には陰陽五行説を基礎とした中医基礎理論が確立していて、それを元に患者さんの症状を診ます。つまり「症状を分析して、その人の体質を決め、それに合う漢方薬を組み合わせる」という流れなのです。体質を診る時は、「五臓六腑」「気(元気)・血・津液(水分)」などといった、中医学独特の判別法を用います。それに中医学には「未病を治す」という、病気になる前に体調の悪いところを良くすることで、「病気を未然に防ぐ」という概念があります。「半健康」という言葉をご存知ですか?「なんとなく体調がよくないけど検査をしても異常が見つからない」というような状態のことですが、その半健康にも中医学は効果を発揮します。ちょっとわかりやすいところで洋服にたとえると、日本の漢方は既製服で、中医学の漢方はオーダーメイドという感じです。日本でも中医学の漢方は一般化してきていますが、使用が認可されている生薬が約350種類ほど。しかし、中国には700種類以上の生薬があるのです。いかに中国では中医学がその歴史を脈々と受け継がれているかが分かりますよね。次週は、「中医学とは、アンチエイジング医学だった!」です。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半) 知っていますか?妊活で注目されている漢方のこと テレビCMの影響でしょうか。最近、女性の体質改善に、“漢方が効果的”と思う人が増えています。その波は「妊活」にも来ているのです。妊活が思うようにいかないと、「私って妊娠しづらい体質なのかな?」と落ち込んだことはありませんか?そんな妊活中の女性が体質改善を考えた時「自然界の動物や植物からできている薬だから身体に優しそう」と、漢方での治療を考えるケースが増えています。もちろんそこには、漢方が妊活でしっかり成果を出しているという実話やデータの話が、マスコミをはじめ、様々なところで話題になっていることも後押ししているようです。さて、こんな話から「漢方ってすごい。試してみたい!」と思っているあなた。ちょっと待ってください。漢方ってすごく奥が深い薬なのです。せっかくですからこの機会に、漢方についてちょっとだけ勉強してみませんか?まず、漢方といっても大きく2つに分かれます。それは日本の漢方(いわゆる和漢)と中医学(中国医学)の漢方。とはいっても、日本の漢方はもともと中国から伝わったものだし、どちらも原料は自然の生薬。でも、大きく違うのが、処方の決め方や証(その人の体質や病状)のとらえ方。これをまず踏まえておきましょう。では、その違いについて詳しく説明しますね。現在の日本の漢方の主流は、江戸時代に発達した古方派(こほうは)と言われるもの。これは難解な理論よりも経験・実践を重視します。つまり「こういう症状には、こういう処方をしなさい」という、その人の体質がどの処方と合致しているかを診るのです。一方、中医学には陰陽五行説を基礎とした中医基礎理論が確立していて、それを元に患者さんの症状を診ます。つまり「症状を分析して、その人の体質を決め、それに合う漢方薬を組み合わせる」という流れなのです。体質を診る時は、「五臓六腑」「気(元気)・血・津液(水分)」などといった、中医学独特の判別法を用います。それに中医学には「未病を治す」という、病気になる前に体調の悪いところを良くすることで、「病気を未然に防ぐ」という概念があります。「半健康」という言葉をご存知ですか?「なんとなく体調がよくないけど検査をしても異常が見つからない」というような状態のことですが、その半健康にも中医学は効果を発揮します。ちょっとわかりやすいところで洋服にたとえると、日本の漢方は既製服で、中医学の漢方はオーダーメイドという感じです。日本でも中医学の漢方は一般化してきていますが、使用が認可されている生薬が約350種類ほど。しかし、中国には700種類以上の生薬があるのです。いかに中国では中医学がその歴史を脈々と受け継がれているかが分かりますよね。次週は、「中医学とは、アンチエイジング医学だった!」です。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 <外部サイト>店舗で相談してみる→ http://www.seishin-do.co.jp/rd/ ■ あわせて読みたい ■ 中医学とは、アンチエイジング医学だった! 長い歴史のなかで得た中医学。その理論とは? 舌で分かる?!あなたの健康状態(前編) 舌で分かる!?あなたの健康状態(後半) あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)
2015.12.21
コラム 不妊治療
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抗精子抗体といわれ夫は精子無力症。以前も試したけどおすすめの漢方薬があれば再び試したい
相談者 リンゴキティ さん(34歳) 【不妊の原因:男性不妊・抗精子抗体】 ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○便が黒ずんでいることがある ○頬が赤っぽい ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい ○痰が出やすい 漢方薬の効果は6ヶ月くらいから現れる場合が多いのであせらずに続けて 抗精子抗体の存在は自然妊娠するうえで問題になります。ご主人さまの精子無力症では、SMI(SpermMotilite Index)精子自動性指数が低くなりますので自然妊娠しにくくなります。すでに、漢方薬を試されたようですので、その役割については説明を受けていると思います。免疫性不妊(抗精子抗体)に関して、直接改善する漢方薬はありません。 漢方の補腎薬が年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防改善し頸管粘液を良くする 漢方薬は妊娠しやすくする条件を高めるためのひとつの方法です。漢方薬の補腎薬は、年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防したり改善したりします。また、頸管粘液の質や分泌を高める効果も期待できます。自覚症状では頸管粘液の量が増え質の変化がおこり、その結果、自然妊娠されたケースもありますので、あせらずに自分に合った治療方法を専門家と相談しながら見つけてください。 これらの検査結果はそのときの状況によってかなり大きく変化するとされます。今までプラスだったのにマイナスになったり、数値が急激に下がったりということもあります。また抗精子抗体があっても絶対に赤ちゃんを授からないということもありません。変動しやすい因子であることを覚えておくといいのではないでしょうか。 また、精液検査において前進する精子が32%以下の場合は精子無力症と診断されますが、中医学では「腎虚」または「気虚」と考えられます。治療効果が比較的出やすいケースが多いです。「補中益気湯」などの補気薬と「亀鹿二仙丸」などの補腎薬を組み合わせる方法が一般的です。仕事のストレスや慢性疲労が蓄積していると精子の状態もよくありません。夜は12時までに就寝し、7時間以上の睡眠時間を取るように改善してみてください。 生殖機能にもいい影響を与える天然発酵食品をとり「杞菊地黄丸」などの補腎薬を服用する 食生活ではミネラルの多い魚介類をはじめ、天然発酵食品「味噌」「醤油」などにもこだわりを持ってください。天然発酵食品には中医学でいう「気」が多く含まれています。体の新陳代謝を活発にするだけではなく生殖機能にもいい影響を与えてくれます。 漢方薬の効果に関しては6か月くらいから現れてくる場合が多いです。よく用いられる漢方薬に「亀鹿二仙丸」、「杞菊地黄丸」などの補腎薬があります。一度試してみてはいかがでしょう。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。 ■ あわせて読みたい ■ 抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました 流産を3回経験。抗精子抗体が原因という可能性はゼロですか? 抗精子抗体の検査時期と遺伝について 抗精子抗体検査|不妊検査 誠心堂薬局 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 リンゴキティ さん(34歳) 【不妊の原因:男性不妊・抗精子抗体】 ○冷え性である ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○イライラをため込みやすい ○抜け毛や白髪が多くなってきた ○爪がもろく割れやすい ○めまいや立ちくらみがよくある ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○便が黒ずんでいることがある ○頬が赤っぽい ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○手足がいつも冷たい ○とくにおなかや下半身が冷える ○むくみやすい ○痰が出やすい 漢方薬の効果は6ヶ月くらいから現れる場合が多いのであせらずに続けて 抗精子抗体の存在は自然妊娠するうえで問題になります。ご主人さまの精子無力症では、SMI(SpermMotilite Index)精子自動性指数が低くなりますので自然妊娠しにくくなります。すでに、漢方薬を試されたようですので、その役割については説明を受けていると思います。免疫性不妊(抗精子抗体)に関して、直接改善する漢方薬はありません。 漢方の補腎薬が年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防改善し頸管粘液を良くする 漢方薬は妊娠しやすくする条件を高めるためのひとつの方法です。漢方薬の補腎薬は、年齢からくる卵子や精子の老化や機能低下を予防したり改善したりします。また、頸管粘液の質や分泌を高める効果も期待できます。自覚症状では頸管粘液の量が増え質の変化がおこり、その結果、自然妊娠されたケースもありますので、あせらずに自分に合った治療方法を専門家と相談しながら見つけてください。 これらの検査結果はそのときの状況によってかなり大きく変化するとされます。今までプラスだったのにマイナスになったり、数値が急激に下がったりということもあります。また抗精子抗体があっても絶対に赤ちゃんを授からないということもありません。変動しやすい因子であることを覚えておくといいのではないでしょうか。 また、精液検査において前進する精子が32%以下の場合は精子無力症と診断されますが、中医学では「腎虚」または「気虚」と考えられます。治療効果が比較的出やすいケースが多いです。「補中益気湯」などの補気薬と「亀鹿二仙丸」などの補腎薬を組み合わせる方法が一般的です。仕事のストレスや慢性疲労が蓄積していると精子の状態もよくありません。夜は12時までに就寝し、7時間以上の睡眠時間を取るように改善してみてください。 生殖機能にもいい影響を与える天然発酵食品をとり「杞菊地黄丸」などの補腎薬を服用する 食生活ではミネラルの多い魚介類をはじめ、天然発酵食品「味噌」「醤油」などにもこだわりを持ってください。天然発酵食品には中医学でいう「気」が多く含まれています。体の新陳代謝を活発にするだけではなく生殖機能にもいい影響を与えてくれます。 漢方薬の効果に関しては6か月くらいから現れてくる場合が多いです。よく用いられる漢方薬に「亀鹿二仙丸」、「杞菊地黄丸」などの補腎薬があります。一度試してみてはいかがでしょう。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。 ■ あわせて読みたい ■ 抗精子凝集抗体です。人工授精を行わず、すぐに体外受精をすすめられました 流産を3回経験。抗精子抗体が原因という可能性はゼロですか? 抗精子抗体の検査時期と遺伝について 抗精子抗体検査|不妊検査 誠心堂薬局 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2015.1.29
コラム 不妊治療
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卵巣年齢を若々しくするために積極的にとったほうがいい漢方薬や食品は?
相談者 み さん(41歳) 【不妊の原因:卵巣嚢腫】 ○冷え性である ○ゲップやおならが出やすい ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のぼせやほてりがある ○寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい 良質な栄養摂取や漢方薬、鍼灸などを利用し生活習慣や養生対策で卵巣の質を高める 最近、卵巣年齢に関心を持つ女性が大変増えています。医療機関でもAMHなどの血液検査を行って卵巣予備能をチェックするようになりました。卵巣年齢は、ご自身の卵巣のなかにある卵胞の数と質で決まります。残念ながら、数は生まれたときに決まっていますので増やすことはできません。卵巣の質を高める生活習慣や養生対策を取るしかありません。卵巣の質をつくる過程は約150日程度かかります。その間、卵巣の動脈に流れる血液の栄養をもらいながら1次卵胞から2次卵胞へと成長していきます。ポイントは骨盤内血流改善と良質な栄養摂取です。 コレステロールは卵巣を元気にする栄養素良質の脂質を積極的にとることが大切 卵巣を元気にする栄養素のおすすめは、女性ホルモンの材料となるコレステロールです。脂肪の多い青魚に含まれるEPAやDHAなどの良質の脂質を積極的に摂りましょう。しそ油、えごま油、亜麻仁油などのαリノレン酸は酸化しやすいので、加熱調理はひかえたほうがいいでしょう。 骨盤内血流を改善するためには、定期的な運動がおすすめです。1日1時間、ゆっくり呼吸をしながら少し汗ばむ程度の散歩をしましょう。よく通勤時間を散歩時間と考える方もいますが、浅い呼吸での運動や交感神経を刺激する作用からすると、適していないと思えます。帰宅後に30分ほど、ゆっくり散歩する習慣を身につけましょう。 時間がない方や運動が苦手な方におすすめなのが、「活血薬」を代表とする漢方薬です。漢方薬のメリットはいつでも毎日できることです。食事もそうですが毎日繰り返し行うことが、血流を改善し体質を立て直すために必要です。また、子宮は前方が膀胱、後方が直腸に接しているため、飲食物の温度も重要です。基本的に、自分の体温より冷たい食べ物は避けてください。 骨盤内血流を改善するために定期的な運動を漢方薬を利用すれば運動の補助になる 漢方薬は体質や「瘀血」の蓄積具合によって異なります。冷え性が強い方には、「温経湯」、貧血気味の方には「?帰調血飲」、ストレスの多い方には「血府逐瘀湯」などがあります。自分の体質を専門家にもみてもらってから服用してください。 即効性を期待する場合には鍼灸を利用することをおすすめします。東洋医学全般に時間がかかるイメージがありますが、そのなかにあって鍼灸は即効性が期待できる治療方法です。骨盤に血流を集める治療法に「三焦調整法」があります。この方法は骨盤の血流を改善するために考えられたものです。ストローの口を片方ふさいでしまうとストロー内の水分は閉じ込められたままですね。体も同じで、ストレスや仕事の負担がかかると頭部の充血が起こるため、骨盤への血流が抑えられてしまいます。また、胃腸や肝臓の血流が悪い方も同じです。さらに、冷え性や腰痛を持病で持つ方は、血流が悪くなります。「三焦調整法」は全身の調整を行いながら骨盤全体の血流を改善する方法です。1クールが12回で毎週1回のペースで治療します。詳しくは、「三焦調整法」を実践なさっている鍼灸師の先生にご相談ください。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。 相談者 み さん(41歳) 【不妊の原因:卵巣嚢腫】 ○冷え性である ○ゲップやおならが出やすい ○目がかすんだり疲れる ○肩こりや頭痛が慢性的にある ○レバーのような経血の塊が出る ○のぼせやほてりがある ○寝不足の日が多い ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい 良質な栄養摂取や漢方薬、鍼灸などを利用し生活習慣や養生対策で卵巣の質を高める 最近、卵巣年齢に関心を持つ女性が大変増えています。医療機関でもAMHなどの血液検査を行って卵巣予備能をチェックするようになりました。卵巣年齢は、ご自身の卵巣のなかにある卵胞の数と質で決まります。残念ながら、数は生まれたときに決まっていますので増やすことはできません。卵巣の質を高める生活習慣や養生対策を取るしかありません。卵巣の質をつくる過程は約150日程度かかります。その間、卵巣の動脈に流れる血液の栄養をもらいながら1次卵胞から2次卵胞へと成長していきます。ポイントは骨盤内血流改善と良質な栄養摂取です。 コレステロールは卵巣を元気にする栄養素良質の脂質を積極的にとることが大切 卵巣を元気にする栄養素のおすすめは、女性ホルモンの材料となるコレステロールです。脂肪の多い青魚に含まれるEPAやDHAなどの良質の脂質を積極的に摂りましょう。しそ油、えごま油、亜麻仁油などのαリノレン酸は酸化しやすいので、加熱調理はひかえたほうがいいでしょう。 骨盤内血流を改善するためには、定期的な運動がおすすめです。1日1時間、ゆっくり呼吸をしながら少し汗ばむ程度の散歩をしましょう。よく通勤時間を散歩時間と考える方もいますが、浅い呼吸での運動や交感神経を刺激する作用からすると、適していないと思えます。帰宅後に30分ほど、ゆっくり散歩する習慣を身につけましょう。 時間がない方や運動が苦手な方におすすめなのが、「活血薬」を代表とする漢方薬です。漢方薬のメリットはいつでも毎日できることです。食事もそうですが毎日繰り返し行うことが、血流を改善し体質を立て直すために必要です。また、子宮は前方が膀胱、後方が直腸に接しているため、飲食物の温度も重要です。基本的に、自分の体温より冷たい食べ物は避けてください。 骨盤内血流を改善するために定期的な運動を漢方薬を利用すれば運動の補助になる 漢方薬は体質や「瘀血」の蓄積具合によって異なります。冷え性が強い方には、「温経湯」、貧血気味の方には「?帰調血飲」、ストレスの多い方には「血府逐瘀湯」などがあります。自分の体質を専門家にもみてもらってから服用してください。 即効性を期待する場合には鍼灸を利用することをおすすめします。東洋医学全般に時間がかかるイメージがありますが、そのなかにあって鍼灸は即効性が期待できる治療方法です。骨盤に血流を集める治療法に「三焦調整法」があります。この方法は骨盤の血流を改善するために考えられたものです。ストローの口を片方ふさいでしまうとストロー内の水分は閉じ込められたままですね。体も同じで、ストレスや仕事の負担がかかると頭部の充血が起こるため、骨盤への血流が抑えられてしまいます。また、胃腸や肝臓の血流が悪い方も同じです。さらに、冷え性や腰痛を持病で持つ方は、血流が悪くなります。「三焦調整法」は全身の調整を行いながら骨盤全体の血流を改善する方法です。1クールが12回で毎週1回のペースで治療します。詳しくは、「三焦調整法」を実践なさっている鍼灸師の先生にご相談ください。 西野 裕一先生 薬剤師。鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓蒙・普及させる活動に尽力。著書多数。
2015.1.29
コラム 不妊治療
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くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる
くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる せっかく妊娠したのに流産してしまうと、肉体的にも精神的にもダメージが大きいものです。しかもそれが2回、3回と続き、習慣性流産になってしまうと、受精がうまくいっても「今度もだめになるかも」と、つねに不安がつきまといますよね。 流産の原因を医療機関で調べてもらうことも有効ですが、そこからどのように流産しない体づくりをしていくかが重要となります。 どうしても流産がさけられないのは染色体異常によるものです。もちろん染色体異常にも程度がありますが、ほとんど12週までに結論がでます。 ただし、習慣性流産の3割くらいは染色体異常ではなく卵巣機能不全で、12週までに流産していると、山東中医薬大学高度医療生殖センターの蓮方教授がおっしゃっていました。山東中医薬大学高度医療生殖センターは、IVFやICSIに中医学をプラスするという、私たちが理想としている不妊治療を行なっている施設です。日本の場合は高度医療と中医学の治療は単発で別々に行なっているのが現状です。 蓮方教授のお話からいうと、12週までの流産のうち、3割はそれを避けることが可能だということです。このとこからもわかるように、妊娠前から卵巣機能を高めておく、つまり卵巣の状態をよくしておくことで12週までの流産の3割が防げるのです。 卵巣機能低下を中医学では「腎虚」といいます。卵子の質、精子の質、子宮の質、すべてが腎の良し悪しで決まります。腎には「精血」という、人体の生命活動を維持する栄養物質をいかに充足させるかが重要なポイントになります。年齢とともに腎の精血が不足し、痰湿や瘀血などが入り込んだり、逆に痰湿や瘀血から精血の供給が不足し腎虚になるからです。腎虚になれば流産が起こりやすくなります。つまり、精血が不足すると赤ちゃんを育て上げられないため、痰湿や瘀血を取り除いて精血を補うことが流産には有効です。とくに習慣性流産になっている方は、痰湿や瘀血を取り除いて腎に精血をしっかり補う必要があります。 中医学ではこれらを同時に行うことができるのが大きな特徴です。もちろん染色体異常など、ダメージを受けてしまった卵を中医学で救うことはできません。しかし、卵が発育する140〜150日ほどの間に、「虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)」という、血流が悪い状態から発生する活性酸素がDNAのダメージを与えているとしたら、元気な卵を守ることは可能です。実際に50歳で自然妊娠され出産されたお客様がいることからも、十分に試す価値のある方法と言えます。 虚血再灌流は瘀血とも絡んでいます。つまりできるだけ虚血再灌流を起こさせないようにすることで、染色体異常を防げるケースもあるのです。そのためには、鍼と併用しながら血流量をあげて安定させることです。さらに漢方で腎精や腎血を補います。中医学の鍼と漢方を組み合わせることで、着床障害や流産、さらに卵の染色体のダメージをできるだけ軽くしていきます。習慣性流産の方はもちろん、そうでない方もお腹の赤ちゃんの発育を促すために、週に1度は鍼を打つことをおすすめします。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 誠心堂での妊活レポート−3 ≫ 誠心堂での妊活レポート−2 ≫ 誠心堂での妊活レポート−1 ≫ 更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を ≫ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる せっかく妊娠したのに流産してしまうと、肉体的にも精神的にもダメージが大きいものです。しかもそれが2回、3回と続き、習慣性流産になってしまうと、受精がうまくいっても「今度もだめになるかも」と、つねに不安がつきまといますよね。 流産の原因を医療機関で調べてもらうことも有効ですが、そこからどのように流産しない体づくりをしていくかが重要となります。 どうしても流産がさけられないのは染色体異常によるものです。もちろん染色体異常にも程度がありますが、ほとんど12週までに結論がでます。 ただし、習慣性流産の3割くらいは染色体異常ではなく卵巣機能不全で、12週までに流産していると、山東中医薬大学高度医療生殖センターの蓮方教授がおっしゃっていました。山東中医薬大学高度医療生殖センターは、IVFやICSIに中医学をプラスするという、私たちが理想としている不妊治療を行なっている施設です。日本の場合は高度医療と中医学の治療は単発で別々に行なっているのが現状です。 蓮方教授のお話からいうと、12週までの流産のうち、3割はそれを避けることが可能だということです。このとこからもわかるように、妊娠前から卵巣機能を高めておく、つまり卵巣の状態をよくしておくことで12週までの流産の3割が防げるのです。 卵巣機能低下を中医学では「腎虚」といいます。卵子の質、精子の質、子宮の質、すべてが腎の良し悪しで決まります。腎には「精血」という、人体の生命活動を維持する栄養物質をいかに充足させるかが重要なポイントになります。年齢とともに腎の精血が不足し、痰湿や瘀血などが入り込んだり、逆に痰湿や瘀血から精血の供給が不足し腎虚になるからです。腎虚になれば流産が起こりやすくなります。つまり、精血が不足すると赤ちゃんを育て上げられないため、痰湿や瘀血を取り除いて精血を補うことが流産には有効です。とくに習慣性流産になっている方は、痰湿や瘀血を取り除いて腎に精血をしっかり補う必要があります。 中医学ではこれらを同時に行うことができるのが大きな特徴です。もちろん染色体異常など、ダメージを受けてしまった卵を中医学で救うことはできません。しかし、卵が発育する140〜150日ほどの間に、「虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)」という、血流が悪い状態から発生する活性酸素がDNAのダメージを与えているとしたら、元気な卵を守ることは可能です。実際に50歳で自然妊娠され出産されたお客様がいることからも、十分に試す価値のある方法と言えます。 虚血再灌流は瘀血とも絡んでいます。つまりできるだけ虚血再灌流を起こさせないようにすることで、染色体異常を防げるケースもあるのです。そのためには、鍼と併用しながら血流量をあげて安定させることです。さらに漢方で腎精や腎血を補います。中医学の鍼と漢方を組み合わせることで、着床障害や流産、さらに卵の染色体のダメージをできるだけ軽くしていきます。習慣性流産の方はもちろん、そうでない方もお腹の赤ちゃんの発育を促すために、週に1度は鍼を打つことをおすすめします。 中医学の素晴らしさ 皆さんは中医学をご存知ですか? 漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。 1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。 漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。 ぜひ、あなたに合った組み合わせ方法を中医学の誠心堂へご相談ください。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 誠心堂での妊活レポート−3 ≫ 誠心堂での妊活レポート−2 ≫ 誠心堂での妊活レポート−1 ≫ 更年期の尿モレは漢方薬と鍼灸で相談を ≫ 尿モレの情報は出産前に収集しておこう ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-2 ≫ 三焦調整法で卵子の質を守る-1 <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
0000.1.1
コラム 不妊治療
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更年期は出産の次に大切な人生のターニングポイント
更年期は出産の次に大切な人生のターニングポイント よく耳にする「更年期」と「更年期障害」とは何かご存じでしょうか。以前このコラムでも取り上げましたが、中医学では女性の体の変化を7の倍数でとらえます。7の2倍の14歳に初月経がおとずれ、4倍の28歳で身体機能、性機能ともにピークを迎え、5倍の35歳から少しずつ月経と性機能の衰えが始まり、7倍の49歳で閉経という女性の体のリズムは、日本人男女の平均寿命が初めて50歳を超えた1947年から80歳を超えた現在まで変化はないのです。つまり、昔の女性は閉経とほぼ同じ時期に寿命を迎えたのですが、現代はそこから30年以上の時間が女性にはあるのです。 ですから更年期は女性にとって出産の次に大切な人生のターニングポイントだと思います。更年期をうまくケアするか否かで老後の健康レベルは大きく変わり、QOL(quality of life=生活の質)に影響すると言っても過言ではないでしょう。 ここでは数回に渡って更年期、更年期障害について取り上げていきます。 では、冒頭にも書いた「更年期」とは何かから説明していきましょう。 中医学では体の節目をいくつかの「期」として区切っています。 ●青春期(10歳〜19歳) 第二次成長期で生殖器が発達する時期。 ●性成熟期(18歳〜35歳) 性ホルモンが旺盛な時期。 ●絶経過渡期(40歳〜55歳くらい) 卵巣機能低下、月経不規則、不正出血などが起こる時期。いわゆる更年期のこと。 ●絶経後期(60歳以降) ホルモンバランス崩れて性器の萎縮、骨密度低下などが起こる時期。 ということで更年期は、女性の閉経を基準にした前後5年間、つまり約10年間のことを言います。日本人の閉経の平均年齢は50.5歳ですから、だいたい45~55歳と考えます。もちろん、その方の閉経を基準に考えますので個人差はあります。 この時期、女性の体は大きな変化時期に入りますから、時にさまざまな不調や症状が現れます。更年期の各症状に対する中医学の基本的なスタンスは、西洋医学とは大きく異なります。西洋医学では卵巣機能の衰えは女性ホルモンであるエストロゲンの低下をベースに更年期を考えます。一方、中医学では更年期とは「陰陽」の失調によってホルモンや自律神経のバランスが乱れると考えます。「陰」を例えるとガソリンで「陽」はエネルギーのことです。「陰陽失調」には次の3つのタイプがあります。①陰が不足する、②陽が不足する、③陰陽共に不足する。 そのタイプによって症状や治療法も異なります。さらに、この3つのタイプは連続性があり予防が重要なのです。 この更年期に起こる、頭痛やほてり、気分の落ち込み、月経不順などのさまざまな体や心の不調を更年期症状と言い、その症状が重く辛さが続き、日常生活が普通に送れないため何らかの治療が必要な場合を「更年期障害」言います。 更年期の捉え方が西洋医学と中医学では違うのですから、更年期障害の治療方法も違います。 西洋医学の「不足している女性ホルモンを補充する」という治療法に対して、中医学は陰陽失調のタイプによって治療法も予防法も全く異なります。崩れかけている体全体のバランスを回復し、調和を取りつつ、環境への順応力を高めて、緩やかに老化していけるようにお手伝いをするのです。 次回は中医学の更年期の考え方をさらに掘り下げて説明します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 三焦の理論と症状に合わせた不妊のための鍼灸治療 ≫ 中医学の鍼灸治療による妊活の効果とは ≫ 男性不妊を改善する日常生活とは ≫ 晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる ≫ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/ 更年期は出産の次に大切な人生のターニングポイント よく耳にする「更年期」と「更年期障害」とは何かご存じでしょうか。以前このコラムでも取り上げましたが、中医学では女性の体の変化を7の倍数でとらえます。7の2倍の14歳に初月経がおとずれ、4倍の28歳で身体機能、性機能ともにピークを迎え、5倍の35歳から少しずつ月経と性機能の衰えが始まり、7倍の49歳で閉経という女性の体のリズムは、日本人男女の平均寿命が初めて50歳を超えた1947年から80歳を超えた現在まで変化はないのです。つまり、昔の女性は閉経とほぼ同じ時期に寿命を迎えたのですが、現代はそこから30年以上の時間が女性にはあるのです。 ですから更年期は女性にとって出産の次に大切な人生のターニングポイントだと思います。更年期をうまくケアするか否かで老後の健康レベルは大きく変わり、QOL(quality of life=生活の質)に影響すると言っても過言ではないでしょう。 ここでは数回に渡って更年期、更年期障害について取り上げていきます。 では、冒頭にも書いた「更年期」とは何かから説明していきましょう。 中医学では体の節目をいくつかの「期」として区切っています。 ●青春期(10歳〜19歳) 第二次成長期で生殖器が発達する時期。 ●性成熟期(18歳〜35歳) 性ホルモンが旺盛な時期。 ●絶経過渡期(40歳〜55歳くらい) 卵巣機能低下、月経不規則、不正出血などが起こる時期。いわゆる更年期のこと。 ●絶経後期(60歳以降) ホルモンバランス崩れて性器の萎縮、骨密度低下などが起こる時期。 ということで更年期は、女性の閉経を基準にした前後5年間、つまり約10年間のことを言います。日本人の閉経の平均年齢は50.5歳ですから、だいたい45~55歳と考えます。もちろん、その方の閉経を基準に考えますので個人差はあります。 この時期、女性の体は大きな変化時期に入りますから、時にさまざまな不調や症状が現れます。更年期の各症状に対する中医学の基本的なスタンスは、西洋医学とは大きく異なります。西洋医学では卵巣機能の衰えは女性ホルモンであるエストロゲンの低下をベースに更年期を考えます。一方、中医学では更年期とは「陰陽」の失調によってホルモンや自律神経のバランスが乱れると考えます。「陰」を例えるとガソリンで「陽」はエネルギーのことです。「陰陽失調」には次の3つのタイプがあります。①陰が不足する、②陽が不足する、③陰陽共に不足する。 そのタイプによって症状や治療法も異なります。さらに、この3つのタイプは連続性があり予防が重要なのです。 この更年期に起こる、頭痛やほてり、気分の落ち込み、月経不順などのさまざまな体や心の不調を更年期症状と言い、その症状が重く辛さが続き、日常生活が普通に送れないため何らかの治療が必要な場合を「更年期障害」言います。 更年期の捉え方が西洋医学と中医学では違うのですから、更年期障害の治療方法も違います。 西洋医学の「不足している女性ホルモンを補充する」という治療法に対して、中医学は陰陽失調のタイプによって治療法も予防法も全く異なります。崩れかけている体全体のバランスを回復し、調和を取りつつ、環境への順応力を高めて、緩やかに老化していけるようにお手伝いをするのです。 次回は中医学の更年期の考え方をさらに掘り下げて説明します。 株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。≫ 誠心堂薬局 関連コラム ≫ 三焦の理論と症状に合わせた不妊のための鍼灸治療 ≫ 中医学の鍼灸治療による妊活の効果とは ≫ 男性不妊を改善する日常生活とは ≫ 晩婚化は女性不妊だけでなく男性不妊の原因にもなる ≫ 三因制宜(さんいんせいぎ)という考え方で適切な治療を選ぶ ≫ 血液を体全体に分布させる「誠心堂式 三焦調整法」で子宮・卵巣の機能回復を <外部サイト>店舗で相談してみる→ 誠心堂薬局 http://www.seishin-do.co.jp/rd/
2017.3.21
コラム 女性の健康