シマヤ真鍋漢方薬局 ジネコ取材済
シマヤ真鍋漢方薬局
香川県仲多度郡琴平町225
当薬局に来られる患者様のタイプで特に多いのは漢方的に言いますと腎陽の虚と脾の陽気の虚が混在したタイプで、体内に余分な水分が多く有り、身体を冷やして卵巣の機能を低下させて受精を困難にされている方です。適切な漢方の診断を受けて漢方薬を服用したり、鍼灸療法を継続的に行いますとこのようなタイプの方は慢性的な腰痛や起床時の体のだるさ、足のむくみや軟便下痢の症状が改善するとともにめでたく妊娠するという結果になります。
この他にも腎の虚が原因のものであれば、腎陰虚証とか、肝の虚の原因のものであれば、肝陰虚証で肝気が鬱結して疎泄失常といって、精神作用が失調してイライラしたり、場合によっては落ち込んだり、血液の流れが悪くなって漢方医学で言う「瘀血」(おけつ)を生じて、下腹部痛や月経困難症を生じたり、のぼせや動悸、耳鳴りなど更年期障害のような症状を発生したりします。
当薬局では鍼灸院を併設いたしており、漢方医学的に正しく不妊症の原因を確かめるため脈診や腹診をさせていただいております。より正確な診断に基づいた漢方薬を投与し、必要に応じて鍼灸治療も並行して行います。(漢方薬本来の形である煎じ薬を自宅で煎じることなくアルミパック包装にしてお渡しするサービスも行っております。)
この他にも患者様のさまざまな訴えをじっくりと問診させていただき、それぞれに応じた生活習慣の指導や食事養生の指導をさせていただいております。是非一度ホームページをご覧の上、お気軽にご相談ください。
診療科
基本診療時間
休診日
日曜日
住所・連絡先
香川県仲多度郡琴平町225
TEL: 0877-75-3574
FAX: 0877-75-3662
真鍋立夫 鍼灸師 薬剤師プロフィール
真鍋立夫 鍼灸師 薬剤師略歴
(社)日本漢方交流会前理事長
(社)香川県鍼灸師会前会長
古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長
日本伝統鍼灸学会評議員
日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師
不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。
漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。
このクリニックに関連する監修記事、取材内容、ユーザー様からの質問と回答など、ジネコが企画した様々なコンテンツの一覧です。
記事一覧
-
体質改善アドバイス
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【ポリンさん(42歳)】 気になる症状から体質改善のアドバイスをお願いします。 気になる主な症状 ・体温が全体的に低い ・基礎体温が安定しない ・月経血の量が少なく、期間が短い ・月経周期が遅れがち ・月経前は普段の便秘がさらに強くなる ・のぼせやほてりがある ・足腰のだるさや冷えを感じる 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局まず、体温が全体的に低いということが気になります。 加えて、月経血が少なく周期は遅れがちで期間も短い。 さらに月経中は体が冷えるなどから、漢方的には「脾と腎」の陽気が非常に虚している。 そして全身の血も少ないために「肝の血虚」も生じていると考えます。 「肝の血虚」や「脾や腎の陽虚」があって、お腹が冷えている人は下痢をしやすく、普段は便秘でも月経が始まると、軟便や下痢になりやすいのです。 ポリンさんは月経の前に便秘がひどくなっても、月経がはじまると便秘は治るのではないでしょうか? また、気血が少ないので、のぼせやほてりが現れ、足や腰は冷えてだるくなる、いわゆる、冷えのぼせの状態になっています。 これを治すには「脾」を丈夫にして、腎の陽気を立て直します。 そうなれば必然的に「肝」の血も増えるので月経血も増え、月経の周期をつかさどる「肝」の気も正常になって月経不順は解消されます。 「脾と腎」をしっかり立て直すことができれば、現代医学的にいう卵巣機能不全も治りますから、排卵も基礎体温も正常になることができます。 体温が低く免疫力が低下した状態である「脾腎の陽虚」になっている方は、冷たい物、たとえば生野菜や果物、アイスクリームや砂糖が入っているヨーグルトなど甘い物を過食しているケースが多いのです。 まずはそれをやめなければ、どのような漢方薬を飲んでも効果が弱められ、思ったような効き目はありません。 体を冷やさないよう注意しましょう。治療は胃腸を温めて丈夫にすることが第一歩です。 人参湯(にんじんとう)、六君子湯(りっくんしとう)、人参当芍散(にんじんとうしゃくさん)、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)など、その時の体に合ったものを飲むといいでしょう。 また「痰飲」という、体に余分な水分が多い状態になっている時はむやみに水分を摂らず、尿をしっかりだすために、にがりの残っている自然塩を適量食べてください。 体の冷えている人にはしばしば、控えなくてよい塩分まで摂らないようにして、一方で控えるべき甘い物、冷たい物、生野菜や果物を過食している方がいるようです。 今一度、ご自分の食生活を再点検してみましょう。
2014.4.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
一人目を出産後二度の稽留流産に悩んでいます。次に向けておすすめの漢方はありますか?
相談者 もんぷちさん(32歳)■ 3月に稽留流産し、その後月経を3回見送って、また、妊娠したのですが、またも稽留流産という診断を受けました。2回とも心拍確認ができなかったのです。一人出産していることと、血液検査で何も異常がないことから、今回も偶然だといわれました。しかし、私は納得できず悩んでいます。次の妊娠に向けて、良い漢方などありますか? 保温、甘いもの冷たいものの過食を避け、水分を摂り過ぎないようにしながら漢方を 手術で子宮のなかを妊娠前の状態に戻したときは、漢方でいう「瘀血」が発生し、産後と同じようにいろいろな不定愁訴がでやすいことを考えて服薬します。一般的には「芎帰調血飲」や「芎帰調血飲第一加減」を用います。 妊娠中や妊娠する可能性のある時期は「脾」の働きを害する食事を避ける 子宮内膜に着床した受精卵が成長してゆく時期には「脾」の働きが最も重要になります。稽留流産は3~6か月の時期に起こりやすいようですが、その時期には「心包」から「三焦」「脾」「胃」と、主に消化器官に関わる臓器が形成され、それらに関与する経脈が働きます。胎児の脾が形成されるころは、母親の脾も重要な働きを余儀なくされるのです。それが不調なときに「ツワリ」が症状として出やすくなります。しばしば流産する方は、受精卵の成長がうまくいっていないのですから、妊娠中や妊娠する可能性のある時期の活に気をつけてください。「脾」の働きを害する食事は、甘いもの、砂糖の過食です。とくに果糖、グラニュー糖は消化吸収する過程で、ビタミンB1、とカルシウムを大量に消耗し、免疫の低下や精神神経の安定に影響します。次に冷たいものの過食。「脾」は冷えと湿気を嫌います。 体の余分な水分を排出するためには、自然塩を適宜食べることも必要 妊娠中に過食して太る人もいますが、これもいけません。妊婦は痩体が良いのです。お産もそのほうが軽く済みます。水分を多く摂取した水太りもいけません。妊娠中の養生薬に「当帰散(とうきさん)」や「白朮散」がありますが、「当帰」という薬は肝や腎の血を増やし、「白朮」という薬は、体のなかの余分な水分を排出します。体の余分な水分を排出する、ハトムギ茶や、体を温める玄米を焙煎したサプリメントもあります。また、水分を排出するためには、自然塩を適宜食べることも必要です。稽留流産に限らず流産を防ぐためには、保温に気を付け、甘いもの冷たいものの過食を避ける。そして水分の摂り過ぎに注意をしてください。これを守らなければ、どんな良い薬を飲んでも効果はないといえます。 真鍋 立夫 先生 明治薬科大学卒。経絡治療学会理事・伝統鍼灸学会評議員・バイディジタル-O-リングテスト協会認定鍼灸師・日本漢方交流会前理事長・香川県鍼灸師会前会長。宝永七年より300年以上続く薬局の伝統を継承し、鍼灸と漢方を組み合わせて治療に取り組んでいる。 相談者 もんぷちさん(32歳)■ 3月に稽留流産し、その後月経を3回見送って、また、妊娠したのですが、またも稽留流産という診断を受けました。2回とも心拍確認ができなかったのです。一人出産していることと、血液検査で何も異常がないことから、今回も偶然だといわれました。しかし、私は納得できず悩んでいます。次の妊娠に向けて、良い漢方などありますか? 保温、甘いもの冷たいものの過食を避け、水分を摂り過ぎないようにしながら漢方を 手術で子宮のなかを妊娠前の状態に戻したときは、漢方でいう「瘀血」が発生し、産後と同じようにいろいろな不定愁訴がでやすいことを考えて服薬します。一般的には「芎帰調血飲」や「芎帰調血飲第一加減」を用います。 妊娠中や妊娠する可能性のある時期は「脾」の働きを害する食事を避ける 子宮内膜に着床した受精卵が成長してゆく時期には「脾」の働きが最も重要になります。稽留流産は3~6か月の時期に起こりやすいようですが、その時期には「心包」から「三焦」「脾」「胃」と、主に消化器官に関わる臓器が形成され、それらに関与する経脈が働きます。胎児の脾が形成されるころは、母親の脾も重要な働きを余儀なくされるのです。それが不調なときに「ツワリ」が症状として出やすくなります。しばしば流産する方は、受精卵の成長がうまくいっていないのですから、妊娠中や妊娠する可能性のある時期の活に気をつけてください。「脾」の働きを害する食事は、甘いもの、砂糖の過食です。とくに果糖、グラニュー糖は消化吸収する過程で、ビタミンB1、とカルシウムを大量に消耗し、免疫の低下や精神神経の安定に影響します。次に冷たいものの過食。「脾」は冷えと湿気を嫌います。 体の余分な水分を排出するためには、自然塩を適宜食べることも必要 妊娠中に過食して太る人もいますが、これもいけません。妊婦は痩体が良いのです。お産もそのほうが軽く済みます。水分を多く摂取した水太りもいけません。妊娠中の養生薬に「当帰散(とうきさん)」や「白朮散」がありますが、「当帰」という薬は肝や腎の血を増やし、「白朮」という薬は、体のなかの余分な水分を排出します。体の余分な水分を排出する、ハトムギ茶や、体を温める玄米を焙煎したサプリメントもあります。また、水分を排出するためには、自然塩を適宜食べることも必要です。稽留流産に限らず流産を防ぐためには、保温に気を付け、甘いもの冷たいものの過食を避ける。そして水分の摂り過ぎに注意をしてください。これを守らなければ、どんな良い薬を飲んでも効果はないといえます。 真鍋 立夫 先生 明治薬科大学卒。経絡治療学会理事・伝統鍼灸学会評議員・バイディジタル-O-リングテスト協会認定鍼灸師・日本漢方交流会前理事長・香川県鍼灸師会前会長。宝永七年より300年以上続く薬局の伝統を継承し、鍼灸と漢方を組み合わせて治療に取り組んでいる。
2013.6.25
コラム 不妊治療
-
流産後について
もんぷちさん(32歳)私は3月にケイリュウ流産そし生理3回見送り今回妊娠しましたが多分ケイリュウ流産だろうと診断されました。 2回とも心拍確認出来ず… 一人出産している事と前回も血液検査で何も異常がないことで今回も異常ないと思うし、偶然だと言われました。けど私は納得出来ず何故継続出来ないのか悩んでおります。不育症ダイヤルにも相談しましたが特に検査出来ないと言われました。 まだ手術してないですが次に向けて良い漢方などありますか? 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局手術で子宮のなかを妊娠前の状態に戻したときは漢方でいう「瘀血(おけつ)」が発生し、産後と同じようにいろいろな不定愁訴がでやすいことを考えて服薬します。 一般的には「芎帰調血飲(きゅうきちょうけついん)」や「芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)」を用います。 子宮内膜に着床した受精卵が成長してゆく時期には「脾」の働きが最も重要になります。 稽留流産は3〜6か月の時期に起こりやすいようですが、その時期には「心包」から「三焦」「脾」「胃」と、主に消化器官に関わる臓器が形成され、それらに関与する経脈が働きます。 胎児の脾が形成されるころは、母親の脾も重要な働きを余儀なくされるのです。 それが不調なときに「ツワリ」が症状として出やすくなります。 しばしば流産する方は、受精卵の成長がうまくいっていないのですから、妊娠中や妊娠する可能性のある時期の食生活に気をつけてください。 「脾」の働きを害する食事は、甘いもの、砂糖の過食です。 とくに果糖、グラニュー糖は消化吸収する過程で、ビタミンB1、とカルシウムを大量に消耗し、免疫の低下や精神神経の安定に影響します。 次に冷たいものの過食。「脾」は冷えと湿気を嫌います。 妊娠中に過食して太る人もいますが、これもいけません。 妊婦は痩体が良いのです。お産もそのほうが軽く済みます。 水分を多く摂取した水太りもいけません。妊娠中の養生薬に「当帰散(とうきさん)」や「白朮散(びゃくじゅつさん)」がありますが、「当帰」という薬は肝や腎の血を増やし、「白朮」という薬は、体のなかの余分な水分を排出します。 体の余分な水分を排出する、ハトムギ茶や、体を温める玄米を焙煎したサプリメントもあります。 また、水分を排出するためには、自然塩を適宜食べることも必要です。 稽留流産に限らず流産を防ぐためには、保温に気を付け、甘いもの冷たいものの過食を避ける。そして水分の摂り過ぎに注意をしてください。 これを守らなければ、どんな良い薬を飲んでも効果はないといえます。
2012.8.24
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
冷え性に良い漢方を教えてください。
crisさん(43歳)5年近く不妊治療を続けています。 3年ほど前からIVFに切り替えました。 結婚前から生理痛がひどい時もあり、 当帰芍薬散を服用していました。 結婚後、生理が不定期になり、不妊治療を開始しました。 3年ほど前には、基礎体温も平行なままで、 温経湯に切り替えたところ、高温期が数日現れ、 生理がきました。 (現在はホルモン治療をしているので、何もしないときの状態がわかりませんが、 たぶん、何もホルモン剤を服用しなければ、 生理もこないと思います。) 以来、温経湯を服用しています。 当時は冷え性がひどく、 下肢がどす黒くなっていました。 現在はずいぶん改善されましたが、 いまだに冷え性は続いています。 特に2月にホルモン療法を行ったときは、 むくみがひどく、今は水分摂取を控え、 六君子湯も併用したところ、 むくみがずいぶん改善しました。 暖かくなってきたからか、冷え性やむくみもずいぶん改善されましたので、このまま六君子湯を服用し続けるべきか、 他に何か良いお薬があればお教えいただけませんか? 体力は中等度、乾燥肌、少しストレスがかかると、 首がこった感じになります。 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局43歳だということで、IVFに切り替えられたそうですが、卵胞の質の向上が大切ですから、全身的な健康状態をアップさせるために努力することは大切です。 若いころから時々ではあっても強い生理痛があったということは、漢方でいう「瘀血」:オケツを持つ体質であると考えます。 当帰芍薬散でなかなか効果が出なくて、温経湯で多少なりとも効果があったことがそれを示しているように思えます。瘀血をとるための処方はいろいろありますから、担当の漢方医に、あなたに合うものを選んでもらう必要があります。 乾燥肌だそうですから、少し「地黄」を加えてみてはいかがでしょうか。 冷え症は瘀血を改善することも大切ですが、あなたの便秘症は基本的には腸の動きが悪い弛緩性便秘症のように思えます。カマグは、あなたのように胃腸が冷えやすくて弱い方が常服する薬とは言えません。 胃腸の働きを良くする、温めるような薬が必要かもしれません。ただ体は筋肉質で乾燥肌、イライラしやすい肩や首がいつも凝っているというような症状は、肝臓の気すなわち、言い換えると肝臓の働きがうまくいってない状態、漢方でいう「肝気不調和:肝欝」または肝臓と胃腸の調和が悪い「肝脾不和」のような病理もあるように思えますから、ただ胃腸を温めるだけの薬ではなく、肝気の調和も良くする薬を飲んで、慢性的な下痢や便秘を起こしやすく、しかも胃がすぐに悪くなるという体質を治さなければいけません。 胃腸の水を減らし温める、六君子湯があっているようですから、水分の取りすぎに注意して、「六君子湯」をベースにして「四逆散」をほんの少し併用したり、「香砂六君子湯」などを用いるとよいと思います。 それで、便の出が悪い時は寝る前に「麻子仁丸」を少し用いて、便が気持ちよく出るように服用量を自分で加減しながら飲んでください。便秘した時だけ飲むという「便秘薬」として飲むというやり方はいけません。 便秘症が治るまで毎日夜寝る前に1回服用か、それで出ない場合は朝晩に飲むようにしてください。
2012.6.6
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
桂枝茯苓丸について。
わかめさん(33歳)いま2回目の体外治療をしている、わかめと申します。 よろしくお願いします。 16日に採卵をして、14個取れました。 うまく受精したら18日か20日に戻す予定です。 今回体外治療を始めるにあたって、以前から月経前症候群[排卵痛や生理前の頭痛]があった為、自分から漢方を希望しました。 先生が診断で処方したのが、桂枝茯苓丸でした。 飲んで1ヶ月たった辺りから、体が楽なのを感じるのですごく私に合ってると思います。 ただ、ネットで検索していると妊娠したら直ぐにやめた方が良いと言うのを見て、胚移植後飲み続けていいのか不安です。 病院の先生は大丈夫といいます。 先生を信じて飲み続けてみようと思う反面、専門の方の話を聞きたく質問させていただきました。 まだ受精確認もしてないのに、って自分でも思いますが… ちなみに1回目は、受精したものも着床しませんでした。(その時は漢方飲んでませんでした) 今回の治療がうまくいくように、少しでも不安を取り除きたいです。 よろしくお願いします(^人^) 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局桂枝茯苓丸を服用していて身体の調子が良いのだが、もし服用中に妊娠したら受精卵にたいして桂枝茯苓丸が悪い影響をあたえるのではないかと言うご心配のようですが、結論から言うと心配ないと思います。 むしろ前回は受精しても着床しなかったそうですが、着床しなかった原因は不確かですが、現在桂枝茯苓丸を飲んでいて体調が良いという事は、身体に漢方で言う「瘀血:おけつ」という、非生理的な血液があることを示しています。とくに不妊で困っている方にはこの瘀血体質の人が多いものです。ですからこの瘀血体質を改善することは不妊を治すのにはとても重要な事です。桂枝茯苓丸が身体に合っていると感じている間は継続して服用することをおすすめいたします。 万が一この度も着床しなかったり、流産するような事があっても、それは桂枝茯苓丸の薬害のためではなく、桂枝茯苓丸を服用する必要のある身体本体のほうが、まだ十分治っていなかったと考える方が良いでしょう。着床しなかったり、流産しそうになるのを無理やり現代医学で処置して、不自然に出産を迎えるより、桂枝茯苓丸を飲んで身体を健康体にしてから、安全な出産を迎えることが大切なことなのです。
2012.4.17
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
冷え性を解消し、妊娠しやすい体質に改善したいのですが・・・
まーるさん(33歳)月経周期が不安定で早まったり遅れたりします。 また、いつ排卵したかわかりにくいせいか、不妊治療をしていたときに排卵が悪いと先生に言われて人工授精をしました。 しかし、妊娠はしませんでした。 冷え性を治したくて、ウォーキングや食生活に気をつけています。 体質改善に良い漢方や鍼灸があれば教えて下さい。 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局 風邪を引きやすくて、手足が冷えやすく、時々めまいや立ちくらみがあるという人は基本的に「血虚・陽虚体質」と考えます。 「血虚」とは簡単にいうと血が足りない人のことですが、それは血をつくる働きをしている「脾」が弱く、うまく機能していないのです。 水分の摂り過ぎで体の水分処理が不十分になる病態を「水毒」といいます。めまいや立ちくらみには水毒症の代表的な症状です。 「脾」は水分の過剰を嫌い、過剰になると働きが停滞し冷えていきます。そうなると体を活発に動かす源の「陽気」が不足し疲れやすくなります。 「脾」を守るには水分を摂りすぎないこと。「脾」が弱ると水分代謝を調整する「腎」も影響を受けて、代謝失調をおこします。これが風邪をひきやすい体質にするのです。 体温より低い温度の飲料物、生野菜、果物、刺身などの生ものや白砂糖の入った甘い物などの過食は控えます。これらは体を冷やす本になり「脾」や「腎」を弱めます。 呼吸も大切です。鼻呼吸ではなく口呼吸だと、外界の冷たい空気の影響が大きくなり、体が冷える原因になります。 「肝」には、血を使って体を動かしたり、体をめぐる「気」によどみが生じないように循環させる働きがあります。 「肝」の働きを保つためには、たくさんの血が必要ですが、その血をつくって提供しているのが「脾」なのです。 「肝」の働きが悪くなると、イライラしやすくなります。「肝」の働きが悪くなくても、いつもイライラしていたら「肝」に異常が生じてきます。 高温期の途中で陥落が見られたり、月経中に体温が上がったり下がったりするのは、ホルモンの働きが良くないから。漢方薬で五臓の働きのバランスをとれば解決します。 鍼灸療法も同じで、経絡を補瀉(ほしゃ)して五臓の調整をします。どの経絡をどう補瀉して何の臓の変調を治すかという診断と治療計画が重傷ですから、脈診や腹診から的確な治療を行える鍼灸師にかかることが肝要です。
2012.4.5
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
漢方薬で不妊を改善できますか。
エンジェルさん(37歳)不妊治療を始めて、8ヶ月になります。 私の場合は、基礎体温が安定しません。 排卵誘発のクロミドや注射などをしていますが、 なかなか妊娠しないので漢方薬で不妊が改善して妊娠したという話を聞いたので、 漢方薬を飲み始めました。 でも、漢方薬は値段が高く効き目があるのかなぁとまだ疑問があります。 なので、疑問を解くようなお話を聞かせてください。 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局漢方薬は自然の材料を基にして作られているので原価が高く、 そのために薬価が高くなっています。 薬を大切にして、正しい使い方・飲み方をしましょう。 また薬を患者さんの病態に合わせて 選択する技術を持っている医者や薬剤師はまだまだ少ないのが現実です。 本当に実力のある人を選ぶ知恵も必要です。 基本的に保険が効きませんので治療費はどうしても高くなりますから、 他の色々な無駄遣いを減らして、本当に必要な薬に絞って、 医者もよく選んで集中的に治療しなければだめです。 自分に本当にあった漢方医を探して下さい。 また漢方治療は患者さんのもともと持っている自然治癒力を うまく利用して病気を治すものですから、どんな病気でも治る可能性はあります。 大切なのは漢方的に病気の原因をよく考えて 正しい処方を用いなければならないという事と、 薬による治療のみではなく、漢方的な考えによる衣食住、 心の用い方に至る正しい養生法を守らなければだめだという事をよく理解して下さい。
2012.1.11
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
私には鍼灸はあっていない?
かぴさん(30歳)鍼灸について質問です 鍼灸に週2回に通い始め5ヶ月たちましたが効果が実感できずにいます 内膜症があるため生理痛もヒドいのですが改善されません 他の方が鍼灸の後はポカポカすると言っていましたがそれもなく冷え性も治りません 肩こりの治療も一緒にしてもらってますがこちらも特に変化がないように思います 私には鍼灸はあってないということでしょうか 実感はできないが内面的には効果があると考えて良いのでしょうか? 治療費も高いので今後通院するか迷っています 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局かぴさんへお答えします。 子宮内膜症という疾患は漢方で言う「瘀血」が原因になっている事が多いのですが、鍼灸治療でこの瘀血を治すのはなかなか困難です。漢方薬の併用が良いでしょう。 また鍼灸治療ではいわゆる「冷え症」とか「肩こり症」に対しては、一般的に速効があります。生理痛であっても内膜症とかその他の骨盤内臓器の器質的障害が無い場合は、非常によく効きます。かぴさんの場合鍼灸治療が合ってないというわけではないようです。そもそも鍼灸治療が合わないという人は極度の金属アレルギーの人であったり、病気の進行がとても速い感染症の人などであって、鍼灸が全く効かない場合は、鍼灸治療が合わないのではなく、鍼灸をする人が患者の体質や病理を的確に把握してない場合や、鍼灸の技術がとても低い場合です。 かぴさんの治療をしている鍼灸師の先生に、自分の病気がどんな原因で起っているか、東洋医学的に説明してもらって、先生の診断と治療計画を聞いてみてください。診察の時に脈診や腹診もしない、よく問診もしないという先生もいます。 鍼灸の先生が、かぴさんの納得できる説明をして下さらないときは、鍼灸治療院を変えることをお薦めします。
2011.12.8
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
漢方治療について
迷さん(41歳)はじめまして。初めての投稿で手探りですが、 ご回答よろしくお願いいたします。 結婚したのが今年の5月で、 タイミングを知りたくて病院に行ったら、 主人(46歳)の精子の数も運動率も少なく、 私に子宮筋腫4センチがあり、 なにより、私の年齢が41であることで、 顕微授精をすすめられ、 7月から治療開始し、 採卵10個。受精6個。胚盤胞までいったのが4個。 これまでに3個戻しましたが、 着床さえしませんでした。 9月末より、鍼灸治療を開始し、 10月より、漢方をはじめました。 漢方の先生は内科の先生で、 婦人科を専門とされていません。 ただ、鍼灸の先生の信頼できる方ということで、 通い始めました。 そこで処方されたのが、 とうきしゃくやく散 四物湯2種類を1日1回14日分。 その後、 上記2種に加えて 六味丸 補中益気湯を1日1回21日分 (上記2種を朝食前、残り2種を夕食前) その後、 とうきしゃくやく散1日2回30日 温経湯をET前から飲み始め14日分。 そして、今回も妊娠判定は陰性でした。 いろいろ悩んで、 ETをしてくださる産婦人科では、 あまり漢方をすすめる先生ではありませんが、 漢方を飲んでみたいと相談したところ、 補中益気湯を20日分出してくださいました。 残りの凍結卵1個を戻すのは、 1月の生理が来たら病院に行く。 1ヶ月お休みすることになっています。 この場合、 補中益気湯だけを飲み続ければよいのでしょうか・・・。 漢方に力を入れておられる先生でしたら、 生理前とか生理中とか生理後とか薬を変えられるような話を聞いたようなきがしているので、 通っている産婦人科の先生を疑うわけではありませんが、 一度教えていただきたいと思っています。 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局迷さんへお答えいたします ① 御主人の精子の運動が弱い事に関して。 診察してみないと解りませんが、一般的にはリュウコツ「龍骨」やボレイ「牡蠣」の入った薬で対応することが多いのです。「柴胡加龍骨牡蠣湯」「桂枝加龍骨牡蠣湯」ですね。一方基本的な体力をつける薬として、「十全大補湯」とか「補中益気湯」などを用いることもあります。いずれにしても東洋医学的に何が原因で精子の動きが悪いかをよく診察して処方を考えなければいけません。 ② 迷さんの場合は、同じように不妊と言う情報以外に基本的な漢方的診断をするための情報が足りませんので、一般的な事しか言えませんが、「当帰芍薬散」「四物湯」「補中益気湯」「温経湯」等を使って期待する効果が得られないと云う事は、前記した薬の傾向はだいたいすべて、体を元気にする薬、血液を増やしたり、身体を温めたり、気の巡りを良くしたり・・・というものですが、迷さんの「子宮筋腫」があるという情報から考えられる、「瘀血」に対しての治療の傾向が見られません。「子宮筋腫」があるからといって、「子宮筋腫」そのものが不妊の原因になるというわけではありませんが、それに付随してしばしば診られる「瘀血」に対する対策をしないと、なかなか不妊と言う症状は改善しないのではないでしょうか?たとえば「桂枝茯苓丸」というような薬をうまく使う事によって、卵巣や子宮の浮腫が取れれば、卵巣や子宮の生理的な働きが改善されて、めでたく妊娠と言う事になるということもあります。 とにかく、しっかりと東洋医学的な見地から不妊の原因を考えて、その原因を治す治療をして下さい。何の薬が不妊に効くとか効かないとかというものではありません。「補中益気湯」だけであっても、迷さんの不妊の原因が、「補中益気湯」で治すことのできる。脾胃の気血の虚、少しの肝気の停滞というようなことであれば、りっぱに不妊症を改善することが出来ます。
2011.12.7
専門医Q&A 漢方・鍼灸
-
生理周期に合わせて頭痛?
チャンネルさん(37歳)最近、頭痛によくなります。 仕事でパソコン作業をしているので、長時間続け過ぎたかな?車の運転を長時間したからかな?とか思っていたのですが、ふと、生理の周期に合わせて頭痛になっている事に気がつきました。 生理の前日に頭痛が始まり、翌日生理になります。また排卵日頃にも頭痛になります。 思い返してみれば、ここ半年ぐらいの間に何度か生理の前日に頭痛になっていました。 今までも頭痛はあったのですが、生理周期との関係には気づきませんでした。 こういう方はほかにもいらっしゃるんでしょうか? 生理痛でお腹や腰が痛いというのは想像できるのですが、頭痛って聞いたことがなくて。 因みに、子供が一人いるのですが、出産前はこんなことはなかったような気がします。 二人目の妊娠を希望しているので、市販の薬などは飲みたくないのですが、子供がいる以上、頭痛でも休んでいるわけにもいかず、何かいい解決方法がないかと悩んでいます。 おすすめの漢方があれば、教えていただければ助かります。」 真鍋立夫 先生 (シマヤ真鍋漢方薬局) 「薬剤師・鍼灸師」真鍋 立夫 (社)日本漢方交流会前理事長 (社)香川県鍼灸師会前会長 古典鍼灸「経絡治療学会」理事・香川県支部長 日本伝統鍼灸学会評議員 日本バイ・デジタルO-Ring学会認定鍼灸師 不妊症の治療においては、現代医学的に考えて問題の見つかるタイプの物で、例えば卵巣機能不全や、卵管の閉塞、卵巣のう腫であったり、子宮筋腫があったり、等の方がいらっしゃいますが、それらの原因と思われるものに対処しても、不妊症が改善しなかったり、あるいは現代医学的にはこれといった原因の見当たらない方が実は大変大勢いらっしゃいます。 漢方医学的には、月経の状態は無論のことですが、現代医学ではあまり不妊の原因として問題視されない、冷え症、軟便または便秘、夜間の排尿、慢性的な起床時の腰痛や食事の好みの偏りなどをむしろ重視いたします。 ≫ シマヤ真鍋漢方薬局チャンネル37才さんにお答えいたします。 生理の周期に合わせて頭が痛くなるのはどうしてでしょうか?というご質問ですが、東洋医学的にその原因を考えれば、五蔵六腑の中の肝の働きの失調ということが一番に疑われます。 肝の働きは、現代医学的な事はさておき、漢方では肝の主たる働きは「疎泄・発揚作用」といって、人間の身体を巡る、気・血の循環をスムーズにさせコントロールする「疎泄作用」と、気や血をうまく利用し働かす「発揚作用」であると考えます。 気や血が不足したり、また熱を持ったり冷えたり、粘ったりする「瘀血」になったり、さらにストレスなどによって肝の作用がうまく働かない「肝気滞」になったりして、人間の体の中を気や血がスムーズに循環しなくなりますと、さまざまな症状が起こってきます。 痛みはそのさまざまな症状の中の一つで、東洋医学の古典の素問に言う「通ぜずば痛みを為す」という現象、気や血が停滞して流れない状態が起こると痛みを発するとう病態です。 気や血が生理的に順調に巡ることにより、月経も定期的にまたスムーズに起ります。当然全く健康な女性には月経痛はありません、またその他の月経に伴う腰痛や腹痛は無いのです。 頭痛にしても月経が起こる前の肝気が正常に働いておれば、発生しないのです。肝の気が正常に働くと月経のみでなく、大便や尿も正常に排泄されますが、とかく一般的な女性は、肝の気が停滞しやすいので、便秘や排尿の異常を起こしやすいのです。月経がはじまって肝の気が停滞しないでスムーズに動き出すと、便秘も治って、「月経がはじまると便秘が治る」と云うような人も多いのです。 あなたの場合は月経のはじまる寸前の頭痛ですから、まさにこの肝の気が動こうかどうしようかとよどんで迷っている時の症状なのでしょう。月経が始まって肝の気の停滞が取れると、いつの間にか頭痛も治ると云う人もいます。またあなたの場合は産後にこのような症状が発生したと云うことも考え合わせれば、もっぱら「気」のみの症状では無く、「血」の流れがスムーズ行われないという、専門用語で「瘀血」という物があることも考えられます。この場合は気をスムーズに動かす治療のみでなく、「瘀血」を除くと云う治療も同時に行わなければなりません。この「瘀血」があって気や血の流れを悪くして生じる様々な症状を「瘀血症」といって、産後の人や骨盤内臓器のさまざまな疾病、子宮筋腫や卵巣膿腫や子宮内膜炎などを持っている人や、更年期の女性に生じやすいのです。 いずれの場合も「瘀血」をのぞいたり、冷えや熱の為に気血が動きにくくなっているのを、肝や肝に非常に関連の深い腎などの臓の働きを、正常に戻すように漢方薬を服用したり、鍼灸によって肝の臓や腎の臓の働きを経絡の補瀉を行って治療すれば治癒します。
2011.11.22
専門医Q&A 漢方・鍼灸