ときわ漢方薬局 ジネコ取材済
ときわ漢方薬局
神奈川県藤沢市鵠沼石上1丁目8-1
漢方薬と一言で言ってもその処方内容は多数有りまた、漢方薬の選薬方法も漢方の先生によって変化します。
私共では、下記の選薬方法を基に漢方薬をお勧めいたします。
1. 八綱弁証
2. 気血津弁証
3. 臓腑弁証
4. 古典(中国古来の本)
等を軸としてお客様の声にしっかりと耳を傾け今何が適した漢方薬なのかを考えていきます。
診療科
基本診療時間
休診日
日曜・祝日・第1、第3水曜日
住所・連絡先
神奈川県藤沢市鵠沼石上1丁目8-1
TEL: 0466-22-5514
FAX: 0466-22-5527
岩本治美 薬剤師プロフィール
岩本治美 薬剤師略歴
このクリニックに関連する監修記事、取材内容、ユーザー様からの質問と回答など、ジネコが企画した様々なコンテンツの一覧です。
記事一覧
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不妊治療をしながら冷えも治す漢方は ありますか?どこの漢方薬局に行けばいいの?
相談者 みっこ さん(32歳) ここ何年か前から、少し暑いと上半身が汗だくになります。背中を汗が流れるのがわかるくらいで、なかなか引きません。手は冬でも熱いのにお腹より下のお尻、太ももはとても冷たいのです。冬は足がつりそうなほど冷たくてなかなか寝付けません。子宮内腺症と診断されたので、治療をしますが冷えも直していきたいです。私に合う漢方はありますか。どこの漢方薬局に行けばいいのか相談できる友だちなどもいません。 ○月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ○レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている ○のどが渇き易い ○のぼせやほてりがある 「気」の流れ、および「お血」を改善する漢方薬の服用を先ずおすすめします お話しの内容から察するに、みっこさんは元気がない状態が続いているのではないでしょうか。 汗をとめておく力は体を温める力である「気」そのめぐりが悪いから上半身だけ汗をかく 汗が流れでるとのことですが、これは汗をとめておくことができないためにおこっているのでしょう。とめておく力は体を温める力である「気(元気)」なのです。 また、上半身が熱く下半身が冷えている状態も加味して考えますと、「気」のめぐりも良くないのでしょう。そのため体全体を温めるはずの「気」が、上にだけにしか昇らない状態になっているのでしょう(温かい空気が上へ上へと昇るのと同様です)。汗を大量にかいたことで体の中の陰分(津液)を失い、それが上半身の熱さに拍車をかけてしまっているのです。のどが渇くのもこのことが原因と考えます。 中医学・経方学などを熟知していて話をじっくり聞いてくれる漢方薬局を 以上の状態を中医学用語では「陰陽両虚」と言います。 ただし、みっこさんはベースが「陰陽両虚」の状態で、そこから踏み込んだ状態もあるのではないかと考えられます。それは、子宮内膜症、経血の塊、イライラと怒りやすいなどから推察できるのです。これらの状態は長期の体調不良がストレスとなり、「気」の流れをさらに悪化させ、それに伴って血の流れも停滞することからおこる「お血」も存在していると考えます。 つまり、何らかの原因でみっこさんの体が疲れてしまい、それが体の陰分の消耗へとつながり、長期の体調不良がおこり、その状態がストレスとなっている。ストレスで「気」の流れが悪くなり、イライラや怒りやすさをまねいたことで血のめぐりも悪くなり、「お血」を形成しさらなる体調不良につながっているのだと考えます。 妊娠をご希望とのことですので、先ずは「気」の流れの改善および、「お血」の改善を強くおすすめいたします。そのあとで体調不良のベースである、「陰陽両虚」の改善をするのがいいでしょう。 また漢方相談はみっこさんの話をじっくり聞いてくれる中医学・経方学などを熟知している漢方薬局で行いましょう。ホームページを閲覧したり、直接電話してみて雰囲気を確かめるのも一案です。お体に無理することなくお過ごしくださいませ。 岩本 治美先生 東京薬科大学卒。神奈川中医学研究会で漢方の研鑽を積み、30 年以上漢方相談に従事。とくに女性特有の悩みが得意で、多くの女性の悩みを改善してきた。最近は不妊に悩まれている女性の相談に多くの時間を割いている。日本不妊カウンセリング学会会員。 相談者 みっこ さん(32歳) ここ何年か前から、少し暑いと上半身が汗だくになります。背中を汗が流れるのがわかるくらいで、なかなか引きません。手は冬でも熱いのにお腹より下のお尻、太ももはとても冷たいのです。冬は足がつりそうなほど冷たくてなかなか寝付けません。子宮内腺症と診断されたので、治療をしますが冷えも直していきたいです。私に合う漢方はありますか。どこの漢方薬局に行けばいいのか相談できる友だちなどもいません。 ○月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ○レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている ○のどが渇き易い ○のぼせやほてりがある 「気」の流れ、および「お血」を改善する漢方薬の服用を先ずおすすめします お話しの内容から察するに、みっこさんは元気がない状態が続いているのではないでしょうか。 汗をとめておく力は体を温める力である「気」そのめぐりが悪いから上半身だけ汗をかく 汗が流れでるとのことですが、これは汗をとめておくことができないためにおこっているのでしょう。とめておく力は体を温める力である「気(元気)」なのです。 また、上半身が熱く下半身が冷えている状態も加味して考えますと、「気」のめぐりも良くないのでしょう。そのため体全体を温めるはずの「気」が、上にだけにしか昇らない状態になっているのでしょう(温かい空気が上へ上へと昇るのと同様です)。汗を大量にかいたことで体の中の陰分(津液)を失い、それが上半身の熱さに拍車をかけてしまっているのです。のどが渇くのもこのことが原因と考えます。 中医学・経方学などを熟知していて話をじっくり聞いてくれる漢方薬局を 以上の状態を中医学用語では「陰陽両虚」と言います。 ただし、みっこさんはベースが「陰陽両虚」の状態で、そこから踏み込んだ状態もあるのではないかと考えられます。それは、子宮内膜症、経血の塊、イライラと怒りやすいなどから推察できるのです。これらの状態は長期の体調不良がストレスとなり、「気」の流れをさらに悪化させ、それに伴って血の流れも停滞することからおこる「お血」も存在していると考えます。 つまり、何らかの原因でみっこさんの体が疲れてしまい、それが体の陰分の消耗へとつながり、長期の体調不良がおこり、その状態がストレスとなっている。ストレスで「気」の流れが悪くなり、イライラや怒りやすさをまねいたことで血のめぐりも悪くなり、「お血」を形成しさらなる体調不良につながっているのだと考えます。 妊娠をご希望とのことですので、先ずは「気」の流れの改善および、「お血」の改善を強くおすすめいたします。そのあとで体調不良のベースである、「陰陽両虚」の改善をするのがいいでしょう。 また漢方相談はみっこさんの話をじっくり聞いてくれる中医学・経方学などを熟知している漢方薬局で行いましょう。ホームページを閲覧したり、直接電話してみて雰囲気を確かめるのも一案です。お体に無理することなくお過ごしくださいませ。 岩本 治美先生 東京薬科大学卒。神奈川中医学研究会で漢方の研鑽を積み、30 年以上漢方相談に従事。とくに女性特有の悩みが得意で、多くの女性の悩みを改善してきた。最近は不妊に悩まれている女性の相談に多くの時間を割いている。日本不妊カウンセリング学会会員。
2015.1.19
コラム 不妊治療
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PCOS治療中。漢方も考えているが体に合うのか不安。どのような体質改善が必要?
相談者 hirotan さん(29歳) 【不妊の原因:多嚢胞性卵巣症候群】 ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○爪がもろく割れやすい ○顔にシミやクマが出やすい ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい ○むくみやすい ○冷たいものをよく摂る ○口の中がよく粘つく まずはしっかりと妊娠できる体の基礎を漢方薬の服用で準備してみる hirotanさんのチェック表を拝見する限り、改善していった方がいいと思われる点が多々見受けられます。順をおって説明していきましょう。 「気」には、体にためておく力があるが気が低下しているとためておくことができない 1. 人は体温調節のために汗をかくことは、通常の生理反応としてなんら問題はないのですが、「少し動くと汗が出る」のは、体の元気が少し不足しておきるもので、通常とは違うタイプの汗だと考えます。 漢方では「自汗(自然に出る汗)」というのがあり、この自汗が起きてしまう原因は「気」の不足だと考えます。元気の「気」には、体にとどめておく力があると考えられていますが、「気」が低下しているから汗をとどめておくことができず、少し動くと汗がでるのです。 2. 「月経の乱れ」「乳房、下腹部の張り」「ゲップ、おなら」は、「気」の流れの乱れにより引き起こされていると考えられます。漢方では「気血」の流れが正常に流れなくなると、張り・おならなどが多くなるという考えがあります。その原因はストレスによるものが多いのです。ストレスは月経周期を狂わせる大きな要因です。 3. 「爪がもろく…」「肌が乾燥しやすい」というのは、「血」の弱さが原因であると考えます。 漢方のなかには「血虚」という表現があり、これにあてはまる方は、hirotan さんと同じ症状をうったえることが多いのです。 また、「喉が渇きやすい」「冷たい物をよく摂る」「口の中が粘つく」は、この「血虚」の状態が進行し、血の不足や弱さだけでなく「津液(体内の正常な水)」にもおよんできたと考えられます。 顔にシミやクマが出やすいのは血の流れのとどこおりによって引きおこされた 4. 「顔にシミやクマが出やすい」ですが、これは1から3の状態が長い期間続き、血の流れのとどこおりによって引きおこされたと考えます。漢方では「お血」と表現します。 冒頭にもお話ししましたが、hirotanさんには、1から4を改善する漢方薬を服用することを強くおすすめします。hirotanさんはまだ29歳と若いので、漢方で体質改善してから、西洋の不妊治療を行っても遅くはないと思います。まずは、しっかりと妊娠できる体の基礎を漢方薬で準備しましょう。 岩本 治美先生 東京薬科大学卒。神奈川中医学研究会で漢方の研鑽を積み、30年以上漢方相談に従事。とくに女性特有の悩みが得意で、多くの女性の悩みを改善してきた。最近は不妊に悩まれている女性の相談に多くの時間を割いている。日本不妊カウンセリング学会会員。 相談者 hirotan さん(29歳) 【不妊の原因:多嚢胞性卵巣症候群】 ○少し動くだけで汗が出る ○冷え性である ○月経が乱れやすい ○月経前になると乳房や下腹部が張る ○ゲップやおならが出やすい ○爪がもろく割れやすい ○顔にシミやクマが出やすい ○肌が乾燥しやすい ○のどが乾きやすい ○とくにおなかや下半身が冷える ○太りやすい ○むくみやすい ○冷たいものをよく摂る ○口の中がよく粘つく まずはしっかりと妊娠できる体の基礎を漢方薬の服用で準備してみる hirotanさんのチェック表を拝見する限り、改善していった方がいいと思われる点が多々見受けられます。順をおって説明していきましょう。 「気」には、体にためておく力があるが気が低下しているとためておくことができない 1. 人は体温調節のために汗をかくことは、通常の生理反応としてなんら問題はないのですが、「少し動くと汗が出る」のは、体の元気が少し不足しておきるもので、通常とは違うタイプの汗だと考えます。 漢方では「自汗(自然に出る汗)」というのがあり、この自汗が起きてしまう原因は「気」の不足だと考えます。元気の「気」には、体にとどめておく力があると考えられていますが、「気」が低下しているから汗をとどめておくことができず、少し動くと汗がでるのです。 2. 「月経の乱れ」「乳房、下腹部の張り」「ゲップ、おなら」は、「気」の流れの乱れにより引き起こされていると考えられます。漢方では「気血」の流れが正常に流れなくなると、張り・おならなどが多くなるという考えがあります。その原因はストレスによるものが多いのです。ストレスは月経周期を狂わせる大きな要因です。 3. 「爪がもろく…」「肌が乾燥しやすい」というのは、「血」の弱さが原因であると考えます。 漢方のなかには「血虚」という表現があり、これにあてはまる方は、hirotan さんと同じ症状をうったえることが多いのです。 また、「喉が渇きやすい」「冷たい物をよく摂る」「口の中が粘つく」は、この「血虚」の状態が進行し、血の不足や弱さだけでなく「津液(体内の正常な水)」にもおよんできたと考えられます。 顔にシミやクマが出やすいのは血の流れのとどこおりによって引きおこされた 4. 「顔にシミやクマが出やすい」ですが、これは1から3の状態が長い期間続き、血の流れのとどこおりによって引きおこされたと考えます。漢方では「お血」と表現します。 冒頭にもお話ししましたが、hirotanさんには、1から4を改善する漢方薬を服用することを強くおすすめします。hirotanさんはまだ29歳と若いので、漢方で体質改善してから、西洋の不妊治療を行っても遅くはないと思います。まずは、しっかりと妊娠できる体の基礎を漢方薬で準備しましょう。 岩本 治美先生 東京薬科大学卒。神奈川中医学研究会で漢方の研鑽を積み、30年以上漢方相談に従事。とくに女性特有の悩みが得意で、多くの女性の悩みを改善してきた。最近は不妊に悩まれている女性の相談に多くの時間を割いている。日本不妊カウンセリング学会会員。
2015.1.15
コラム 妊活
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不妊治療をしながら冷えも治す漢方はありますか?
JINEKO事務局さん(14歳)アンケートにてお寄せ頂いたご相談について、ジネコが先生に聞いてきました。 【みっこさん(32歳)】 ここ何年か前から、少し暑いと上半身が汗だくになります。背中を汗が流れるのがわかるくらいで、なかなか引きません。手は冬でも熱いのにお腹より下のお尻、太ももはとても冷たいのです。冬は足がつりそうなほど冷たくてなかなか寝付けません。 子宮内腺症と診断されたので、治療をしますが冷えも直していきたいです。私に合う漢方はありますか。どこの漢方薬局に行けばいいのか相談できる友だちなどもいません。 主な症状 ・月経前はイライラしやすく、怒りっぽい。落ち込みやすい。 ・レバー状の塊や、粘膜のような塊が混じっている ・のどが渇き易い ・のぼせやほてりがある 岩本治美 先生 (ときわ漢方薬局) 東京薬科大学卒結婚後、夫の家が薬局経営していたので2人の子供を育てながら調剤業務に従事。子育ても一段落したころ現在の漢方の恩師に出会い、漢方の勉強をはじめる。その後、漢方相談薬局として多くのお客さまの相談に対応。月経不順・月経痛・月経前症候群・更年期など、女性特有の症状に対応。なかでも不妊の相談が多く、たくさんの喜びの声をいただいている。 ≫ ときわ漢方薬局汗が流れでるとのことですが、これは汗をとめておくことができないためにおこっているのでしょう。 とめておく力は体を温める力である「気(元気)」なのです。 また、上半身が熱く下半身が冷えている状態も加味して考えますと、「気」のめぐりも良くないのでしょう。 そのため体全体を温めるはずの「気」が、上にだけにしか昇らない状態になっているのでしょう(温かい空気が上へ上へと昇るのと同様です)。 汗を大量にかいたことで体の中の陰分(津液)を失い、それが上半身の熱さに拍車をかけてしまっているのです。 のどが渇くのもこのことが原因と考えます。 以上の状態を中医学用語では「陰陽両虚」と言います。 ただし、みっこさんはベースが「陰陽両虚」の状態で、そこから踏み込んだ状態もあるのではないかと考えられます。 それは、子宮内膜症、経血の塊、イライラと怒りやすいなどから推察できるのです。 これらの状態は長期の体調不良がストレスとなり、「気」の流れをさらに悪化させ、それに伴って血の流れも停滞することからおこる「瘀血」も存在していると考えます。 つまり、何らかの原因でみっこさんの体が疲れてしまい、それが体の陰分の消耗へとつながり、長期の体調不良がおこり、その状態がストレスとなっている。 ストレスで「気」の流れが悪くなり、イライラや怒りやすさをまねいたことで血のめぐりも悪くなり、「瘀血」を形成しさらなる体調不良につながっているのだと考えます。 妊娠をご希望とのことですので、先ずは「気」の流れの改善および、「瘀血」の改善を強くおすすめいたします。 そのあとで体調不良のベースである、「陰陽両虚」の改善をするのがいいでしょう。 また漢方相談はみっこさんの話をじっくり聞いてくれる中医学・経方学などを熟知している漢方薬局で行いましょう。 ホームページを閲覧したり、直接電話してみて雰囲気を確かめるのも一案です。 お体に無理することなくお過ごしくださいませ。
2014.2.14
専門医Q&A 漢方・鍼灸
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医師から卵子の質の改善につながる治療はないといわれました。漢方薬なら改善できる?
相談者 ゆうゆうさん(37歳)■ 約4年半当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を飲んで、月経痛や冷え性は劇的に改善しました。今の悩みは卵子の質が良くないことです。医師からは卵子の質の改善につながる治療はないといわれました。受精卵の質が悪いのにも関わらず、妊娠経験が二度あります。悲しいことに「死産」「流産」となりましたが……。卵子の質に問題があるのでしょうか?漢方薬で改善できるなら教えてください。 卵の改善には腎の改善が不可欠。流産予防には妊娠前から後も、気血を補う漢方薬を 卵の改善は漢方薬で役立てることがあると思います。漢方では腎は生命力をつかさどると考え、命の発生・誕生に大きく関わっています。また、腎は「先天の精」といわれるくらい、生まれながらのエネルギーとの関わりが深いとも考えられています。 腎の改善には腎陽虚と腎陰虚と大きく2つのパターンに分かれる 卵の改善には、この腎の状態を改善することが重要です。卵の改善以外でも排卵が確認しづらい、低温期から高温期への移行に時間がかかる、高温期の上昇が遅い、排卵期の体温上昇が緩やかなども、腎を改善する漢方薬で良くなることが多くあります。腎の改善は大きく2つのパターンに分かれます。1つ目は腎陽虚と呼ばれる状態。これは体を温める力が弱い方に多く見られます。2つ目は腎陰虚と呼ばれる状態です。こちらはホルモン療法を長く続けている方に多く見られます。当帰芍薬散は血のめぐりを改善するので、服用で冷え性が改善されたのでしょう。しかし、腎経に入っていく漢方薬ではないので、これのみで卵の改善は難しいと思います。 気の流れが悪い状態の肝気鬱結は、血の流れの悪さにも関係してくる 月経前の頭痛や周期のばらつき、月経中のイライラ感・不安感があることから、情感の不安定さもありますね。この状態を中医学では肝気鬱結といいます。体中の気がスムーズにめぐっていないことを指します。この状態がある方は基礎体温を一定に保つことができません。この肝気鬱結も妊娠のしづらさに関係しています。また、気の流れの悪さは血の流れの悪さにも関係してきますので、それも考慮した漢方薬をおすすめします。月経周期の遅れや着床後すぐの流産などを考慮すると、腎の弱さに脾の弱さも加わっていると思われます。脾が弱いから衝任胞宮の気血が不足し、胞宮の機能が低下していると考えられます。流産しないために、妊娠前だけでなく妊娠後も気血を補う漢方薬を。妊娠中に服用できる漢方薬もあるし、妊娠中は服用できない漢方薬もありますので、専門家の意見を聞いて服用してください。 岩本 治美 先生 東京薬科大学卒。夫の家が薬局経営していたので2人の子供を育てながら調剤業務に従事。子育ても一段落したころ現在の漢方の恩師に出会い、漢方の勉強をはじめる。その後、漢方相談薬局として多くのお客さまの相談に対応。月経不順・月経痛・月経前症候群・更年期など、女性特有の症状に対応。なかでも不妊の相談が多く、たくさんの喜びの声をいただいている。 ■ あわせて読みたい ■ 卵子のグレードと実際の質は違うのでしょうか? 排卵までに時間がかかった...卵子は質が落ちますか? 卵子の質が悪く受精せず自然周期採卵なら妊娠できますか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO 相談者 ゆうゆうさん(37歳)■ 約4年半当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を飲んで、月経痛や冷え性は劇的に改善しました。今の悩みは卵子の質が良くないことです。医師からは卵子の質の改善につながる治療はないといわれました。受精卵の質が悪いのにも関わらず、妊娠経験が二度あります。悲しいことに「死産」「流産」となりましたが……。卵子の質に問題があるのでしょうか?漢方薬で改善できるなら教えてください。 卵の改善には腎の改善が不可欠。流産予防には妊娠前から後も、気血を補う漢方薬を 卵の改善は漢方薬で役立てることがあると思います。漢方では腎は生命力をつかさどると考え、命の発生・誕生に大きく関わっています。また、腎は「先天の精」といわれるくらい、生まれながらのエネルギーとの関わりが深いとも考えられています。 腎の改善には腎陽虚と腎陰虚と大きく2つのパターンに分かれる 卵の改善には、この腎の状態を改善することが重要です。卵の改善以外でも排卵が確認しづらい、低温期から高温期への移行に時間がかかる、高温期の上昇が遅い、排卵期の体温上昇が緩やかなども、腎を改善する漢方薬で良くなることが多くあります。腎の改善は大きく2つのパターンに分かれます。1つ目は腎陽虚と呼ばれる状態。これは体を温める力が弱い方に多く見られます。2つ目は腎陰虚と呼ばれる状態です。こちらはホルモン療法を長く続けている方に多く見られます。当帰芍薬散は血のめぐりを改善するので、服用で冷え性が改善されたのでしょう。しかし、腎経に入っていく漢方薬ではないので、これのみで卵の改善は難しいと思います。 気の流れが悪い状態の肝気鬱結は、血の流れの悪さにも関係してくる 月経前の頭痛や周期のばらつき、月経中のイライラ感・不安感があることから、情感の不安定さもありますね。この状態を中医学では肝気鬱結といいます。体中の気がスムーズにめぐっていないことを指します。この状態がある方は基礎体温を一定に保つことができません。この肝気鬱結も妊娠のしづらさに関係しています。また、気の流れの悪さは血の流れの悪さにも関係してきますので、それも考慮した漢方薬をおすすめします。月経周期の遅れや着床後すぐの流産などを考慮すると、腎の弱さに脾の弱さも加わっていると思われます。脾が弱いから衝任胞宮の気血が不足し、胞宮の機能が低下していると考えられます。流産しないために、妊娠前だけでなく妊娠後も気血を補う漢方薬を。妊娠中に服用できる漢方薬もあるし、妊娠中は服用できない漢方薬もありますので、専門家の意見を聞いて服用してください。 岩本 治美 先生 東京薬科大学卒。夫の家が薬局経営していたので2人の子供を育てながら調剤業務に従事。子育ても一段落したころ現在の漢方の恩師に出会い、漢方の勉強をはじめる。その後、漢方相談薬局として多くのお客さまの相談に対応。月経不順・月経痛・月経前症候群・更年期など、女性特有の症状に対応。なかでも不妊の相談が多く、たくさんの喜びの声をいただいている。 ■ あわせて読みたい ■ 卵子のグレードと実際の質は違うのでしょうか? 排卵までに時間がかかった...卵子は質が落ちますか? 卵子の質が悪く受精せず自然周期採卵なら妊娠できますか? 女性のための健康生活マガジン JINEKO
2013.6.25
コラム 不妊治療
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体質改善のアドバイス希望
ゆうゆさん(37歳)約4年半当帰芍薬散を飲んでいます。生理痛や冷え性改善に飲み始め、今は劇的に改善されています。 今の悩みは卵子の質の改善んに繋がる良い漢方がないかと思っています。医師は卵子の質の改選に繋がる物は医学的に無いといわれました。でもレーザー等で改善を試みる等あるので、漢方にもあると嬉しいです。 受精卵の質が悪いのにも関わらず妊娠経験が2度ありますが、悲しい事に「死産」「流産」になりました・・・。 もし卵子の質に問題があるのであれば教えて頂きたいです。 岩本治美 先生 (ときわ漢方薬局) 東京薬科大学卒結婚後、夫の家が薬局経営していたので2人の子供を育てながら調剤業務に従事。子育ても一段落したころ現在の漢方の恩師に出会い、漢方の勉強をはじめる。その後、漢方相談薬局として多くのお客さまの相談に対応。月経不順・月経痛・月経前症候群・更年期など、女性特有の症状に対応。なかでも不妊の相談が多く、たくさんの喜びの声をいただいている。 ≫ ときわ漢方薬局卵の改善は漢方薬で役立てることがあると思います。 漢方では腎は生命力をつかさどると考え、命の発生・誕生に大きく関わってきます。 また、腎は「先天の精」といわれるくらい、生まれながらのエネルギーとの関わりが深いとも考えられています。 卵の改善には、この腎の状態を改善することが重要です。 卵の改善以外でも排卵が確認しづらい、低温期から高温期への移行に時間がかかる、高温期の上昇が遅い、排卵期の体温上昇が緩やかなども、腎を改善する漢方薬で良くなることが多くあります。 腎の改善には大きく2つのパターンが分かれます。 1つは腎陽虚と呼ばれる状態。これは体を温める力が弱い方に見られることが多いです。 2つ目は腎陰虚と呼ばれる状態。こちらはホルモン療法を長く続けている方に多く見られます。 当帰芍薬散は血のめぐりを改善するので、服用で冷え性が改善されたのでしょう。 しかし、腎経に入っていく漢方薬ではないので、これのみで卵の改善は難しいと思います。 月経前の頭痛や周期のばらつき、月経中のイライラ感・不安感があることから、情感の不安定さもありますね。 この状態を中医学では肝気鬱結といいます。体中の気がスムーズにめぐっていないことを指します。 この状態がある方は基礎体温を一定に保つことができません。この肝気鬱結も妊娠のしづらさに関係しています。 また、気の流れの悪さは血の流れの悪さにも関係してきますので、それも考慮した漢方薬をおすすめします。 月経周期の遅れや着床後すぐの流産などを考慮すると腎の弱さに脾の弱さも加わっていると思われます。 脾が弱いから衝任胞宮の気血が不足し、胞宮の機能が低下していると考えられます。 流産しないために、妊娠前だけでなく妊娠後も気血を補う漢方薬を。 妊娠中に服用できる漢方薬もあるし、妊娠中は服用できない漢方薬もありますので、専門家の意見を聞いて服用してください。
2012.9.30
専門医Q&A 漢方・鍼灸