国立国際医療センター ジネコ取材済
国立国際医療センター
東京都新宿区戸山1-21-1
大石 元 産婦人科医長プロフィール
内視鏡手術などの低侵襲手術から体外受精まで可能な施設を目指すと同時に、周産期から更年期医療までのトータルヘルスケアを提供できるよう努力致します。
大石 元 産婦人科医長略歴
東京大学医学部医学科卒業
東京大学医学部附属病院周産母子部助教
三楽病院医長
医学博士
<主な経歴・学位>
専門:不妊症、腹腔鏡手術、更年期医療
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医
日本生殖医学会認定生殖医療専門医
このクリニックに関連する監修記事、取材内容、ユーザー様からの質問と回答など、ジネコが企画した様々なコンテンツの一覧です。
記事一覧
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子宮けいがんの可能性
まーにゃんさん(43歳)今月、初めて排卵付近に薄い出血が2日続けて有りました。1回だけでその後、出血がなく一昨日D31で出血したので生理が来たと思ったら出血は一度きりでおかしいと心配になり産婦人科に受診し尿検査、内診、ホルモンの採血、念のためがんの検査をしました。 内診で少し出血してると言われまた2週間後に受診します。 今月は基礎体温が高温にならずずっと低温が続いてます。生理周期は26〜28と多少、前後しますがだいたい30日以内に来ます。 今月は31で出血し先ほどトイレに行ったらペーパーに薄い血が付き不正出血が続いてます。出たり出なかったりです。今月は生理が来ないのでしょうか?がんでは無いかと不安です。 大石 元 先生 (国立国際医療センター ) <主な経歴・学位> 東京大学医学部医学科卒業 東京大学医学部附属病院周産母子部助教 三楽病院医長 医学博士 <主な経歴・学位> 専門:不妊症、腹腔鏡手術、更年期医療 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医 日本生殖医学会認定生殖医療専門医 ≫ 国立国際医療センター 不正出血に対してはまず検査を受けることが重要なので、産婦人科を受診されたのは良かったと思います。 生理はほぼ定期的に来ているものの、今月は低温が続いているということなので、この周期は無排卵なのではないかと思います。 生理には排卵してくる生理と、排卵しないで分厚くなりすぎた内膜が破たんしてドッと出血する生理の2通りがあります。後者の場合は出血が止まりづらく、10日くらい続くこともあります。 30代後半以降はこのような排卵しない月経周期が普通の周期に混ざってきて、周期が早くなったり遅くなったり、出血が多くなったりがあり、そのような折り混ざった状況からだんだんと間があき、閉経を迎えるというふうになります。 閉経の平均年齢は51歳ですから、まーにゃんさんはすぐに閉経するというわけではないと思いますが、43歳ということなので、徐々に周期が早くなったり排卵しない生理が混ざってくる頃だと思います。 これが毎月のように続くと子宮体がんのリスクになってくると思いますが、この周期に限ったことであればそういうわけではないので、心配はないと思います。 次の生理を待っていても問題ないとは思いますが、無排卵の場合はいつ来るかわかりませんし、出血が長くなることもあるので、黄体ホルモンを内服して出血を起こすか、黄体ホルモンとエストロゲンが一緒になったピルを飲んで一回リセットし、普通の周期が回るようにしてあげたほうがいいかもしれません。
2016.1.4
専門医Q&A 女性の健康
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更年期が辛いです。
konamoさん(47歳) 数年前から生理が不順になり不正出血も度々あるので婦人科を受診したところ、数値的にはまだ更年期ではないと言われて漢方で様子をみていました。 体のだるさや気分の沈みなどが激しくて困っているのですが、何とか上手に付き合っていきたいと思っています。 週に2回ほどジムで運動したり、自分の好きなことをしていますが、どうしても体のだるさ特に最近は腰のだるさが激しいのが悩みです。 独身で一人暮らしのため、気持ちが沈んでも家で一人悶々と過ごしたりすることもありますが休日は、運動や旅行などに終日出かけていますがなかなか気持ちも上向きにならず過去を悔やんだりして落ち込んでは涙を流しています。 婦人科より精神科の助けを借りた方がいいのかと考えたりもしますが、更年期の際の気分の落ち込みや体の不調はどのようにすればよいでしょうか? 大石 元 先生 (国立国際医療センター ) <主な経歴・学位> 東京大学医学部医学科卒業 東京大学医学部附属病院周産母子部助教 三楽病院医長 医学博士 <主な経歴・学位> 専門:不妊症、腹腔鏡手術、更年期医療 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医 日本生殖医学会認定生殖医療専門医 ≫ 国立国際医療センター 更年期は閉経の前後2~3年に症状が出やすく、長い人では前後5年という場合もあります。 閉経の定義は最終月経があってから1年以上月経が来ないこと。ですので、閉経前の更年期は結果的にあとからわかります。 更年期の主な症状としては、ホットフラッシュやのぼせなどの血管運動症状といわれるもの、肩こり、だるさ、不眠など不定愁訴といわれるもの、ほかにうつのような症状が出る人もいます。 更年期の診断はエストロゲン値、FSH値を測ったり、SMIスコアというアンケート式のスコアリングシステムで行われます。 konamoさんの場合は、おそらくエストロゲン値がまだ更年期ほどにはなっていないということだったのでしょう。しかし、この数値は変動するものなので、一度で決めないほうがよいと思います。 たまたまその時に卵ができていれば、更年期とはならない数値が出ます。 現在漢方で様子を見ているとのことですが、ホットフラッシュなどの血管運動症状がないのであれば、確かに漢方でもいいかもしれません。 更年期症状に効く漢方として、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」、「加味逍 散(かみしょうようさん)」、「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」があり、症状によって処方されるものが変わります。メンタルの落ち込みには「加味逍 散」、全体的に元気がない場合は「当帰芍薬散」が使われることが多いです。 漢方は穏やかに効いていくもので、すごく合う人もいるし全く合わないという人もいますので、様子を見ながら使っていくとよいかと思います。 1~2週間で効果はわかるので、それであまり変わらないようなら別の治療法を試した方がよいでしょう。 気分の落ち込みが2週間以上続くなら、うつ病の可能性もあるので、精神科の助けを借りたほうがいいということもあります。 今後、何回かエストロゲン値を測ってみて低くなってきているのであれば、ホルモンを補充してもいいのではないかと思います。 更年期障害の治療にはこれが正解というものはないので、様子を見ながらご自分に合う治療法を見つけていただければと思います。
2016.1.4
専門医Q&A 女性の健康
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膀胱炎予防、これ以上どうしたら…
らんばとさん(54歳)結婚して15年になります。 結婚するまでは、膀胱炎には無縁だったのに、 結婚して最初のHで酷い膀胱炎になりました。 それ以降、何回かに1度はなるように。 医者のアドバイスを受け、 私は予防で漢方を飲み、 直前に2人共シャワーでしっかり洗い、 後もすぐトイレに行った後、またシャワーで良く洗う。 本当に気を遣っているのに、なってしまう。 この15年間、Hは私にとって苦痛以外の何物でもありませんでした。 主人も気にして、近年はあまりしないようにしてくれています。 今は月に1度位ですが、以前よりなる率が高く、 2ヵ月前、真っ赤な血尿となり、 今月も、した翌日、血尿となりました。 正直、月1も止めたいけれど、 善人の主人が可哀想なので、応じています。 そして、痛みに耐えています。 今以上の予防法があるなら、教えて下さい。 よろしくお願いします。 大石 元 先生 (国立国際医療センター ) <主な経歴・学位> 東京大学医学部医学科卒業 東京大学医学部附属病院周産母子部助教 三楽病院医長 医学博士 <主な経歴・学位> 専門:不妊症、腹腔鏡手術、更年期医療 日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 日本女性医学学会認定女性ヘルスケア専門医 日本生殖医学会認定生殖医療専門医 ≫ 国立国際医療センター 更年期の症状はさまざまあり、段階を踏んで時期がずれて出てきますが、膣の乾燥感、泌尿器系生殖器症状もその一つです。 膣内は乳酸杆菌がいて酸性に保たれ、エストロゲンが出ていると粘液の自浄作用で炎症が起こりにくくなっています。ところがホルモンが減ってくると、粘液も少なくなって自浄作用がなくなり、ばい菌が入りやすくなるのです。 らんぱどさんは泌尿器系生殖器症状に悩まれているとのことですが、ご結婚した当時から膀胱炎になっていたとのこと。月経がある時期からかかっていたということなので、無菌性膀胱炎の可能性があると思います。 もともと泌尿器症状があって、そこに更年期でエストロゲンが減ってきたために自浄作用もなくなって、萎縮性膣炎、萎縮性尿道炎、膀胱炎を繰り返すようになったのではないでしょうか。 まずは泌尿器科でしっかり診てもらった方がいいのではないかと思います。 性交渉の時の痛みの改善策としては、薬局で販売されているリューブゼリーを使う方法があります。 さらに他にも更年期症状があるなら、ホルモン治療をすることにより萎縮性膣炎が改善することもありますし、膣座薬を使う治療法もありますので、婦人科で相談してみるとよいかと思います。
2015.5.7
専門医Q&A 女性の健康