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出生前診断を受けるべきか

専門医Q&A 妊娠・出産

出生前診断を受けるべきか

2017Webコラム

2017.10.3

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出生前診断を受けるべきか


2017/10/3 村林 奈緒 先生(俵IVFクリニック)







相談者:タンスさん(主婦/35歳)


産院で出生前診断の案内をされ、こういう検査を受けるかどうかはどう判断すればいいのだろうかと悩んでいます。全員に説明しているそうです。
私は4年の不妊治療で5回目のIVFの末にやっと授かったので、異常があってもあきらめることなんてとてもできないと思っています。でもこの考えは甘いのか?とも……。
羊水検査で障害がわかったのに産むのは、一生苦しむことになる子供には迷惑でしかなく、親のエゴのような気もします。
といいつつ、今15週ですでに胎動が始まっているので、心情的にますますさよならするのはつらい。でも、特に21トリソミーで長生きだった場合、並大抵の苦労ではないでしょうから、あとから後悔なんてしたりするかもしれない?
覚悟がないなら受けない、あるなら受ければいい、という話も聞きますが……。
受ける・受けないの判断はどうすればいいのかわかりません。



 



出生前診断の対象になる人は?


タンスさんが通っている病院では妊婦さん全員に説明しているようですね。染色体異常は高齢妊娠で確率が高くなってきます。施設によって考え方が異なると思いますが、35歳以上、あるいは40歳以上など、ある程度高齢の方に情報提供している場合が多いと思います。
当院では35歳以上の方に検査の説明を、40歳以上の方については「お子さんの染色体異常の確率がかなり高くなります」ということをお伝えしています。積極的にすすめるのではなく、あくまでも情報を提供するという形ですね。
なかには「自分には染色体異常がないことを確認するために受けたい」という方もいらっしゃいますが、陽性に出る確率はある一定の割合であるので、自分が陽性である可能性というのも想定したうえで、検査を受けるか受けないかを決めていただきたいと思います。


出生前診断ではどんな検査をするのですか?


種類としては、胎児の異常を形態的に診断する超音波検査、血液検査、羊水を採って調べる羊水検査などがあります。今回のケースではおそらく、羊水検査を受けるかどうかで悩まれているのではないでしょうか。羊水検査では、染色体異常の中でもっとも多いダウン症の有無を調べることが可能で、その診断精度は98~99%といわれています。


検査を受ける・受けないの診断は?


検査を受けたほうがいいかどうかというのは、非常に難しい問題だと思います。「もし染色体異常の子が生まれたら?」という状況をご主人とよく話し合い、育てていけるのかどうかなど今後のこともしっかり考えたうえで、決めていただくのがいいかと思います。
それでも迷われているようなら、検査を受けて結果を知った時点でもう一度、「妊娠継続すべきか」ということを考えるのも1つの方法なのではないかと思います。




村林先生より まとめ


40歳を過ぎると出生前診断を受ける方の割合は増えます。とはいえ、長い不妊治療を経て妊娠された場合は「どんな子でも受け入れる」と、検査を受けない選択をされる方も。考え方はお一人おひとり違うので、ご家族ともよく話し合ったうえで決めることをおすすめします。



 



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お話を伺った先生のご紹介





村林 奈緒 先生(俵IVFクリニック)


浜松医科大学、三重大学大学院医学系研究科(博士課程)卒業。浜松医科大学「生殖周産期医学講座」准教授。俵IVFクリニックでは不妊治療全般に加え、毎週月曜日・木曜日の午後、生殖周産期外来(妊娠初期の健康管理)を担当。

俵IVFクリニック


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