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【医師取材】妊娠高血圧症候群かも?その原因と可能性とは?

コラム 女性の健康

【医師取材】妊娠高血圧症候群かも?その原因と可能性とは?

高齢、肥満、塩分過多の食生活を送っている人は妊娠性高血圧症候群のリスクが高まりますが、そのような条件に当てはまらなくてもなることがあります。俵IVFクリニック村林奈緒先生にお聞きしました。

2017.10.5

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相談者:ちびさん(主婦/34歳)



現在34週の初産婦です。32週の健診から今まで+-だった尿蛋白が++になってしまい、また血圧も高めであることから妊娠高血圧症候群の疑いありで、自宅でも朝晩に血圧を測ることになりました。これは妊娠初期の時からなのですが、病院でも自宅でも最初に測るとかなり高い数値が出て、すぐにもう一度測り直すと、だいぶ下がった数値になります。
1回目 130~150/80~100、 2回目 110~130/60~80
上記のような場合が多く、上下とも20(ひどいときは30)くらい差が出ます。
1回目の測定前も、できるだけ落ち着いてから測るようにしているのにもかかわらずです。

1回目の数値だと明らかに高血圧ですが、2回目だと正常値内なので、どちらの値を参考にすべきか判断しかねています。
通院している病院で事情を話しても、先生や助産師さんによって、2回目の数値を見て「大丈夫だね」といわれたり、自宅で計測するときは1回だけ測るようにいわれたり、「何度測っても高かったら連絡して」といわれたりであいまいです。
助産師さんには「ずいぶん極端だね~」といわれたので、ここまで差が出るのは稀なのでしょうか……? とはいえ、妊娠前は100/60前後だったと思うので、どちらにしても血圧は上がっているし、尿蛋白も出ていることから要注意であることに変わりはないのですが、ぜひアドバイスを頂けたらうれしいです。



 



血圧の正しい測り方は?


ちびさんのように、「血圧を測る度に数値が下がる」という方もいらっしゃいます。2回目に測った血圧が1回目に比べて5mmHg以上下がる時は、安定するまで測定をして、差が少なくなったところが最終血圧ということになります。家庭で計測する時も、差が出やすい人は安定するまで何回か測ってみることをおすすめします。


どのくらいの数値になると「妊娠高血圧症候群」?


上の血圧が140mmHg、下の血圧が90mmHgを超えると、妊娠高血圧症候群という診断になります。ちびさんの場合、2回目の血圧をみるとまだ正常値範囲内になるのですが、妊娠前と比べると明らかに上がってきていますし、蛋白尿の検査で陽性が出ています。
血圧の上昇に蛋白尿が加わると、その後、急速に血圧や肝臓など体の状態が悪化することがあるので、総合的に考えると注意が必要な状況だと思います。
自宅血圧が今よりも上がってくる傾向があれば、一度先生に詳しく診ていただいたほうがいいでしょう。


妊娠高血圧症候群の治療法は?


妊娠性高血圧は、慢性高血圧のように降圧剤を使えば改善するというものではありません。一番の治療は妊娠を終了させることなんですね。
ですから、薬で血圧を下げるというより、場合によっては入院して安静な状態で経過を見ていくというのが一般的な対処法となります。


血圧が高めの状態でいるとどうなりますか?


放っておくと急激に悪化することもあり、1日、2日で180mmHg、190mmHgという高い値になってしまうことも。ひどくなると痙攣を起こすこともあります。

また、血圧が高い人は陣痛が来ると痛みでさらに血圧が上がりやすくなるので、分娩時にも血圧管理を十分に行うことが必要です。痙攣を抑えるために抗痙攣薬を使ったり、急激な血圧上昇を防ぐために降圧剤を点滴で使うことも。
血圧が180mmHgを超えてきて、しかも分娩がなかなか進まないという場合は、帝王切開になる可能性もあります。




村林先生より まとめ


高齢、肥満、塩分過多の食生活を送っている人は妊娠性高血圧症候群のリスクが高まりますが、そのような条件に当てはまらなくてもなることがあります。妊娠前より血圧が上昇傾向にある人は、家庭でも毎日血圧測定をするなど、注意するようにしましょう。



 



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お話を伺った先生のご紹介





村林 奈緒 先生(俵IVFクリニック)


浜松医科大学、三重大学大学院医学系研究科(博士課程)卒業。浜松医科大学「生殖周産期医学講座」准教授。俵IVFクリニックでは不妊治療全般に加え、毎週月曜日・木曜日の午後、生殖周産期外来(妊娠初期の健康管理)を担当。

俵IVFクリニック


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