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男性不妊、卵管障害を乗り越え、待望の妊娠

コラム 不妊治療

男性不妊、卵管障害を乗り越え、待望の妊娠

2017夏 P10-11

2017.5.23

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夫婦で不妊に向き合うこと。協力し、前向きに取り組むことで治療が楽しい思い出に変わりました。




 


まさか私たちが体外受精なんて…。不妊の診断を受けてから、つらい治療も二人で乗り越えてきたナツコさん、アキトさんご夫婦(ともに仮名)。待望のお子さんを授かった今、伝えたい思いがあります。


「30歳までに産めれば」軽く考えていた結婚2年目


今回、二人揃ってインタビューに臨んでくれた、ナツコさん(31歳)とアキトさん(28歳)ご夫婦。ナツコさんは現在妊娠4カ月、結婚5年目で初めて授かったお子さんとの生活が楽しみで仕方ないという二人です。

夫婦の出会いはナツコさんが27歳、アキトさんが23歳の時でした。「お互い別のグループで訪れた飲食店でたまたま出会い、意気投合したんです。可愛くて優しい女性だなと思って」とアキトさん。

そして、偶然の出会いから約8カ月で結婚と、トントン拍子に進んでいったといいます。「漠然と『30歳までには子どもを授かりたい』、と思っていたので、27歳で出会って28歳で結婚という選択は自然な流れでした」。

ナツコさんのこの「30歳までには」という言葉には、理由がありました。「実は、私の知人が体外受精で子どもを授かったということに影響を受けています。その様子をそばで見ていたので、子どもは30歳までには産みたいし、それには結婚はできるだけ早いほうがいいと思っていたんです」。

子どもはなるべく早めに、という気持ちで結婚した二人でしたが、意外にも結婚後の計画は気ままでマイペースなものだったといいます。「知人の子どもたちがとにかく可愛くて(笑)。自分たちのことは棚に上げて、そのうち授かるだろうと軽く考えていましたね」。

そして結婚して2年目に入った頃に、不妊治療の先輩でもある知人にすすめられたこともあり、「一応診てもらっておこうか」と夫婦で受診することに。その結果、アキトさんの男性不妊が判明。そのうえ、ナツコさんにも卵管狭窄と卵管癒着が見つかり、子どもを授かるには体外受精しかないという診断を受けます。

 



協力して取り組むも成功せず一度は治療を中断したことも


当初、不妊に対する知識はまったくなかったというアキトさんでしたが、男性不妊という結果を知った時は、「ショックというよりも、じゃあこれから何をすればいいのか? という気持ち」だったといいます。それからは同じ境遇の人のブログを読んだり、クリニックの勉強会へ参加したりすることで知識を得て、夫婦で不妊を乗り越える決意をしていくのです。

実はこの時、まだ二人の頭には、「不妊とはいえ、体外受精を行えば、すぐに子どもは授かるだろう」という考えがありました。「知人は移植1回目で陽性、妊娠できましたので、そういうものだと考えていました。だから自分も1回で授かれるだろう、と」。

しかし、初めての移植の結果は陰性。その2カ月後に再度トライし、陽性反応が出ますが、8週ほどで残念ながら流産してしまいます。「体外受精でもダメなことってあるの? と、本当に落ち込みました。それで、そこから1年ほど治療をお休みしたんです」。

もう一度チャレンジしてみようと思ったのは、ナツコさんの職場が、時間の融通がきくようになったためです。「治療再開となると仕事を抜けなければばらないことや、休ませてもらうことも多くなります。前回の結果のこともあって気後れしていたのですが、環境が整ったことで勢いがついたというか、『チャレンジするなら今だ!』と。幸い、女性が多い職場で、みんなが応援してくれたのも後押しになりました」。

再開後、最初の採卵ではグレードの良い卵子が採れず、血流が悪いことがうまくいかない要因のひとつかもしれない、という指摘を受けたナツコさんは、血流アップのために週2回のレーザー治療や、鍼灸治療にも通います。また、結果が思わしくなかった低刺激法ではなく、高刺激法にシフトして再度チャレンジをしたところ、トータル4回目の移植で妊娠の判定が!

「今となってはなにが功を奏したのかわかりませんが、その採卵の時はグレードの良い卵子が採れたんです。その時のものを現在も5つほど凍結しています。これからもその凍結した卵子を使ってチャレンジするつもりですが、まずは1人目を授かれたことに感謝しながら、しっかり育てていこうと思います」

 



不妊治療のスタートは早ければ早いほどいい


終始前向きに、支え合いながら治療に取り組んだ二人。先の見えない不安に押しつぶされそうになるたびに、話し合い、協力して治療を楽しんできたのだそうです。ナツコさんはいいます。「もちろん通院はつらかったですが、毎回採卵のやり方を変えていたこともあり、次はどうだろう? うまくいくかな? と結果を楽しみに待つ気持ちが強かったです」。

今、二人がジネコ読者に伝えたいこと。それは「結婚半年を過ぎても妊娠しなかったら、とにかく早めにクリニックを受診してほしい」ということです。「何もしないままいつの間にか時が過ぎてしまい、妊娠の機会を遅らせてしまう夫婦が少しでも減ってほしいんです」とナツコさん。このことは常日頃から、二人の周囲の人たちにも伝えているそう。また、男性不妊という結果を受け止めたアキトさんからは、「男性も、自分には関係ないと思ってはいけません。それに、女性には妊娠にタイムリミットがあるということをもっと男性も知るべきだと思います。不妊について関心をもつ男性が増えることを願っています」。

今は毎日、二人でお腹にドップラー心音計をあてて鼓動を確認するのが日課だと、幸せそうに語ってくれました。


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.34 2017 Summer
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