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コラム   >   不妊治療の広場   >   その他   >   背水の陣での転院。心から信頼できる医師との出会いが、奇跡の結果につながりました。

背水の陣での転院。心から信頼できる医師との出会いが、奇跡の結果につながりました。

納得できる病院に出会えず、夫婦で思い悩んだ日々。何でも相談できる医師と出会い、信頼関係を築けたことが精神的ダメージを取り除くきっかけに。

 

8回の移植がことごとく空振りに終わり、「次で最後にする」という決死の思いで臨んだ最後のクリニック。数々の困難を乗り越え、3人のお子さんに恵まれたご夫婦の物語です。

納得できる病院に出会えず、3度もの転院を経験

チロさんは、結婚2年目から本格的な不妊治療を開始しました。しかし説明が十分でなかったり、希望する治療法を行っていなかったりと、なかなか満足いく病院には出会えず…。ときには医師やスタッフの方から「このくらいは我慢して」と厳しい口調で諭されることもあったとか。ご自身が医療従事者であり、すべて納得した上で治療を行いたいと考えていたチロさんにとって、聞きたいことも満足に聞けず、上から押さえつけられるような環境は大きなストレスとなりました。病院を変わるたびに「この先生についていかなければ妊娠できないのでは」と焦り、必死で治療を続けるものの、計8回行なった移植はすべて空振り。イライラが募り、夫婦間で衝突することもあったそうです。そんな中、不妊治療を通じて知り合った友人に紹介されたのが「ARTクリニックみらい」でした。

 

「ここなら絶対大丈夫!」その言葉通り、理想の医師に巡り合う

この頃にはすでに疲れ切り、「次でダメならば諦めよう」と決めていたチロさんご夫婦。採卵は厳しいかも、とも考えていましたが、村田先生の口から出た言葉は、「採れそうな気がするよ」という希望溢れるものでした。確かな技術を持ち、どんな質問にも丁寧に答え、患者側の希望を最優先に考えてくれる医師と、いつも優しく気にかけてくれるスタッフ。そこで初めて、今までの治療がどれだけ心身に負担をかけていたか実感したそうです。片道2時間かけての通院は決して楽なものではありませんでしたが、精神的に安定したことも手伝ったのか、注射と飲み薬で無事に8個を採卵。そのうち4個が受精、凍結保存に成功しました。しかしチロさんはこれまで、移植の際には管がなかなか入らず過呼吸になるほどの激しい痛みに悩まされていました。しかし当日は痛みもなく、するっと入ってしまったのです。しかもそれが1回目にして大成功、陽性反応が出るという奇跡的な結果に!今まで失敗を積み重ね、泣きに泣き続けてきたご夫婦の驚きと喜びは相当なものでした。しかしその後、つわりがひどく遠距離の通院が難しくなり、緊急措置として駆け込んだ地元の大病院でそのまま入院・出産。27歳の結婚から8年、ご長男は、そんな多くの苦難を乗り越えてこの世に誕生したのです。

 

2人目で待ち受けていた悲劇と、新たな希望の光

凍結胚が残っていたので、「2人目もここで」と考えていました。子ども連れでの通院はさらに大変なものでしたが、ご主人の献身的な協力と託児所を備えたクリニックに支えられ、治療をスタート。すると、今回も移植一回目で陽性反応が。しかし喜んだのもつかの間、その赤ちゃんはうまく成長していないようでした。チロさんは泣く泣く諦めて手術を決意します。しかしいざ手術となると「自ら決めてしまった」という重みが襲いかかりました。その重みに耐えきれず、婦長さんと1時間半にわたって面談、胸の内を吐き出します。そこで婦長さんが言ってくれた「一人で決めたと思わなくていい。私たち医師やスタッフも考えての結論だから」という言葉が、次の治療へと心を向かわせてくれたのです。
その後の経過も順風満帆ではありませんでした。子宮内に胎盤のかけらが残っている疑いで再手術となったり、子宮内膜が十分に厚くならなかったり。心配は絶えませんでしたが、ひとつひとつ懸念材料を消していき、条件をすべて整えて移植当日を迎えました。今回は念には念を入れ、グレードの違う2個の受精卵を移植しました。そして奇跡は再び起こります。2個の受精卵はともに着床、男の子と女の子、可愛い双子の誕生となりました。

当時の日記を読み返しながら感慨深げに語ってくれたチロさんは「今は3人の子育てで手一杯」と笑います。苦労して手に入れた大切な命、「今はただ、元気に育ってほしいと願っています」。その言葉に、母としての新しい決意をのぞかせていました。

From Doctor 治療を振り返って

ARTクリニックみらい院長 村田泰隆先生

 

クリニックに来院されたときはすでに3回転院を繰り返し、相当深く悩んでいらっしゃるご様子でした。治療でひどい痛みを伴ったり、薬に対して鋭く反応したり、麻酔が切れにくくなかなか目が覚めなかったり、いろいろあったようです。そういった経験がトラウマとなり、治療に後ろ向きになっていた部分もあったかと思います。私のクリニックでは、何か特別な治療をしたとは考えていません。今までの経緯から不安材料をお聞きすることができましたので、注射の仕方を工夫したり、切れのよい麻酔薬を使ったり、少しでもストレスを減らして母体が力をより発揮できるよう、スタッフ一同で取り組みました。過去の失敗経験はすべて次に活かす重要な情報となります。確かに子宮頸管はひどく湾曲していて移植には工夫が必要でした。流産後に組織が残って再手術という回り道もありました。しかし、最後には2個入れた受精卵が双子へと成長。これは私にとっても予想以上のことで、リスクの高い妊娠に、無事な出産、そして育児を乗り越えて幸せを感じていただけるのか、その後をずっと心配していました。 不妊治療は、患者様が妊娠してそれで終わり、ではありません。お子様を無事に出産し、幸せなご家族、人生を築いていただくことが目標です。今回、チロさんが無事に出産をし、ご夫婦が力を合わせて子育てを楽しんでいるご様子を伺うことができ、大変嬉しく思っています。

 

先生のご紹介

村田 泰隆 先生(ARTクリニックみらい院長)

平成6年名古屋大学医学部卒業。同大学院卒業。安城更生病院、名古屋大学医学部産婦人科にて臨床、研究に従事。IVF大阪クリニック・なんばクリニックにて体外受精症例を豊富に経験し、子宮内膜と胚の協調性に関する世界初の論文を執筆するなどして生殖医療専門医に。その後愛知県三河地区にて、竹内病院トヨタ不妊センター長、エンジェルベルクリニック不妊センター長を歴任。平成28 エンジェルベル不妊センターを移設する形でARTクリニックみらいを開院。生殖医療一筋に、地域に一人でも多くの子宝を授けることを生きがいに日々邁進中。妊娠から出産、ご夫婦の生涯の健康やご家族の幸せな「未来」を見据えての診療を目標としている。生殖医療専門医。産婦人科専門医。医学博士。



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