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コラム   >   不妊治療の広場   >   その他   >   顕微授精の受精率が低く、胚盤胞まで到達しません

顕微授精の受精率が低く、胚盤胞まで到達しません

顕微授精の受精率が低く、胚盤胞まで到達しません

臼井 彰 先生(臼井医院不妊治療センター)

相談者:うさうささん(29歳)からの相談

顕微授精での受精率の低さ

アンタゴニスト法で採卵。エコー検査で卵胞は25個ほど見えているといわれましたが、実際に採れたのは14個。そのうち3個未熟卵、1個変形卵でした。予定では半分は体外受精になる予定でしたが、精液の数値が悪く、10個すべて顕微授精になりました。10個のうち受精したのが5個。すべて胚盤胞にならず、2~9分割で成長が止まり、凍結に至らず移植できませんでした。私の年齢と、採卵前のホルモン値も問題がなかったのに、こんな結果になってしまうのはまれなことなのでしょうか。卵子の質が悪いのですか? ちなみに採卵日の2日前に夫が風邪を引いて熱を出していました。当日までに熱は下がりましたが、これは精液の数値が悪くなる原因になりますか?

 

卵子の数は採れているようですが、胚盤胞までなかなか進まないようです。

卵胞も25個見えていたということですね。うさうささんはAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値が4・22 ng/mlとのこと。20代という年齢の割には高めです。もしかしたらPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)の傾向があるのではないでしょうか。PCOSだと排卵障害などを引き起こしますが、生理は順調ということなので確定的なもの、深刻な病態ではなく、多嚢胞性卵巣ぎみということなのかもしれませんね。

PCOSの場合、卵子がたくさん採れても質の良いものが少ない場合が多いようです。胚の分裂がうまくいかないのは、もしかしたらそのようなことが原因になっているのかもしれません。

排卵誘発法が合っていないということも考えられるのでしょうか。

もしPCOSの傾向があるのなら、次はアンタゴニスト法ではなく、飲み薬のクロミッド®やフェマーラ®を使う低刺激法でトライされてみてはどうでしょうか。採れる卵子の数は減ってしまいますが、少ないなかでうまく卵胞を成熟させていけば、もっと質の良い卵子が採れる可能性があります。AMH値が高くて卵巣の反応がいいので、注射をいっぱいして刺激するという形ではないほうがいいかもしれませんね。

ただ、今回が初めての採卵だということ。周期によって採れる卵子の状態も違うので、あと1回は同じ方法で試してみるという選択もあるかと思います。

精子の状態や影響についてはどう思われますか。

ご主人の検査結果を拝見すると、確かに悪く、これでは顕微授精になると思います。しかし、その1カ月前の精液検査ではそれほど問題がなく、急に数値が悪くなったようです。直前に引いた風邪の影響かどうかは何ともいえませんが、もともと精子の状態にバラつきがある可能性も。

こういう方は時々いらっしゃって、受精率も良くない傾向があります。造精機能に問題があるかもしれないので、一度ではなく、何度か検査を受けてもバラつきがみられるようなら、一度男性不妊外来を受診して詳しい検査を受けてみることをおすすめします。

今後の治療について何かアドバイスはありますか。

前述したように排卵誘発法を低刺激や自然周期に変えてみたり、受精の方法も精子の状態をみて体外受精と顕微授精、半々でトライしてみるなど、これまでと違うやり方で試してみてもいいでしょう。

また、うさうささんは23歳の時に人工授精を2回されています。「金銭的に次の採卵は先になる」ということなので、その間に精子を調べるという意味でも、人工授精を何度かされてみてもいいと思いますね。

臼井先生より まとめ

●PCOSの傾向があるので、次は低刺激法でトライされてみては?
●精子の状態がバラつくようなら一度男性不妊外来の受診を。

 


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お話を伺った先生のご紹介

臼井 彰 先生(臼井医院不妊治療センター)

東邦大学医学部卒業。東邦大学大森病院で久保春海教授の体外受精グループにて研究・診察に従事。医局長を経て、1995年より現在の東京・亀有にて産婦人科医院を開業。いつも元気で精力的に診察をこなしている臼井先生ですが、最近腰痛に悩まされているとか。お休みが取れたら、温泉にゆっくり浸かって体をほぐしたいそうです。

≫ 臼井医院不妊治療センター

 

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.36 2017 Winter
≫ 掲載記事一覧はこちら

 


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