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コラム   >   不妊治療の広場   >   AIH   >   人工授精するタイミングが早いのではないかと心配です

人工授精するタイミングが早いのではないかと心配です

人工授精するタイミングが早いのではないかと心配です

堀川 隆 先生(高崎ARTクリニック)

相談者:ききさん(33歳)

人工授精のタイミングと精子の寿命について

 土曜日に卵胞チェックと血液検査をして、月曜に人工授精をすることに。月曜日の午前11時過ぎに実施し、その後HCG注射をしました。私がつけているカレンダーでの排卵予定日は火曜日。生理周期は安定していて、D14に排卵していると思います。前回の人工授精でも排卵予定の前日11時頃行っており、排卵検査薬をみても排卵は人工授精の翌日の夕方から夜にかけてだったと思います。今回はHCG注射をしているので、検査薬が反応してしまってよくわからず、今朝火曜日の基礎体温はまだ低温でした。人工授精のタイミングが早かったのではないでしょうか。洗浄・濃縮後の精子の寿命もネットで調べると6〜12時間、24時間、2日とバラバラで、少し心配です。

 

人工授精はどのタイミングで行うのが一番望ましいのでしょうか。

以前は、「卵子は1日程度、精子は2~3日は受精能力があるので、排卵より前に精子を入れたほうがいい」というのが一般的な考え方でした。しかし最近は、遠心分離や抽出など、人工授精前に必ず精子を処理。負荷をかけることで、受精能力が落ちてしまうことがあるんですね。そうすると、受精できる期間はあまり長くない。

ききさんも処理後の精子の寿命を調べて、6~12時間という情報もあって心配されたようですが、それは少し短いかもしれません。おそらく1日くらいは、能力を保つことができるのではないかと思います。

そのようなことを考えると、やはり適したタイミングは排卵日あたりが最も望ましい。ぴったり合わせるのは難しいかもしれませんが、排卵日前後で半日以内程度のズレなら問題はないと思います。

なるべく確実に排卵日を見極めるためにはどうしたらいいのですか?

排卵日を探る方法として、一つは排卵時に分泌が高まるホルモン・LHの値を目安にタイミングを見つけます。もう一つはHCG注射などで排卵誘発をして、タイミングをしっかり合わせていく。この二つがあると思います。

それぞれの方法には一長一短があって、施設の考え方や患者さんの状況によって、選択が異なることも。LH値の上昇を目安にみていったほうがよりナチュラルで、本当の排卵日のところでタイミングを合わせやすいと思いますが、そのためには連日のように来院していただいて、採血や卵胞チェックを何度もしなければなりません。

一方、HCG注射で排卵誘発する場合は、本来よりも早く排卵させようとするので、子宮の準備が追いつかなかったり、卵子が成熟していないこともゼロとはいえないので、あまりよくないという意見も。ただし、来院回数が少なく、人工授精の日を決めやすいという利点もあります。

担当医の先生もそれらをご存じで、コストや患者さんの負担など、さまざまな側面からみて、方法や実施日を決められたのだと思います。ご自身でも検査薬などで排卵日を予測されていますが、生理が順調な方でも周期によって1~2日ずれてしまうことはよくあります。今回の先生の判断は一般的だと思うので、神経質に考えすぎることはないのでは。このパターンでも妊娠の可能性は十分あると思います。

もっと厳密に行うなら、日曜日にも診察したり、月曜日だけでなく、火曜日も人工授精する方法もあるかと思いますが、それで妊娠の可能性が劇的に高まるとは考えにくいでしょう。

当院では人工授精のリスクヘッジとして、ヒューナーテストなどに問題がなければ、受精しやすい時期ということで、同時に自然な形での夫婦生活をもっていただいています。ききさんのご主人は精子の数が少なめということですが、極端に悪い数値ではないので、タイミング法も重ねてトライしてみてはどうでしょうか。

堀川先生より まとめ

●排卵日前後、半日以内程度のズレなら問題はないと思います。
●ヒューナーテストが不良でなければ、同時に自然のタイミングもとってみては?

 


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お話を伺った先生のご紹介

堀川 隆 先生(高崎ARTクリニック)

琉球大学医学部卒業。国立国際医療センター、国立成育医療センター不妊診療科勤務を経て、2009年12月より高崎ARTクリニック院長に就任。国際医療センター勤務時より内視鏡手術・生殖補助医療に従事。成育医療センターでは難治性不妊治療・加齢と不妊についての研究に取り組む。桜が大好きという堀川先生。ご出身の沖縄にも桜はありますが、やはり繊細な色みのソメイヨシノに惹かれるとか。とうとう苗木を3本購入。ベランダで育てて、"マイ桜"が咲くのを楽しみにしているとか。

≫ 高崎ARTクリニック

出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.34 2017 Summer
≫ 掲載記事一覧はこちら

 

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