妊娠生活で身近に喫煙者、赤ちゃんへの影響は?
コラム 妊娠・出産
たばこは胎児に影響するため、妊娠中は喫煙を控えるよう指導されます。自分は喫煙しなくても、周囲で喫煙されると胎児に影響してしまうか心配な妊婦さんからの相談に、看護師さんたちはどのように答えているでしょうか。
妊婦さんからの相談:「職場で周囲の人が喫煙します。お腹の赤ちゃんへの影響が心配です」
私の仕事は事務職です。座り仕事なので出産直前まで続けるつもりですが、職場のたばこの煙がひどく気になっています。私を含め3人の職場ですが、小さな室内で私以外の2人が吸っています。しかも2人ともヘビースモーカーで、消しては吸いの繰り返し状態です。ここまで周りの煙がひどいと、赤ちゃんに影響するのではないかと毎日不安です。自分が吸っていなくても影響するものでしょうか。(30代、女性)
たばこの煙は、胎児の発達障害などの原因に
周りのたばこの煙を吸ってしまうことを受動喫煙といい、妊婦さん本人が喫煙したときと同様に胎児に悪影響を与えてしまいます。特に、妊娠初期に吸うとよりリスクの高い状況になってしまうと教えてくれました。
周りのたばこの煙を副流煙といい、それを吸ってしまうことを受動喫煙といいます。受動喫煙も、妊婦さん本人が喫煙した場合と同じように、早産のリスクが高まったり、血管が収縮するため赤ちゃんに栄養がいきわたらず、低体重や発達遅滞などの障害が出やすくなります。特に赤ちゃんの神経や脳が形成される妊娠初期ですと、無脳症や神経障害、ダウン症になるリスクも高まります。(産科・婦人科、呼吸器科看護師)
主流煙(口腔内に留まる煙)より、副流煙(煙草の点火部からでる煙)の方が有害物質が多く影響が強いと言われていますが、妊婦さん本人が喫煙するのに比べると確率は高いものではありません。日本禁煙医師連盟のデータによると、一日に40本以上喫煙する人の横に10時間ほどいたことと、妊婦さんが4本程度の喫煙をしたことは同じと考えられるようですが、実際には受動喫煙がどの程度影響を与えるのかははっきりしていません。(産科・婦人科、呼吸器科看護師)
できるだけ煙を吸わないよう対策を。
たばこの煙は、妊婦さんや赤ちゃんにとって悪影響しか与えません。赤ちゃんを守るために、できるだけ煙を吸わないよう対策をとりましょう。
受動喫煙も含め、たばこの臭いでつわりが悪化することもあるので、できれば分煙してもらうか、換気扇の下で吸ってもらったり、窓を開けて換気を良くしてください。スモーカーの妊婦さんで無事に出産された方もいますが、たばこの煙は妊婦さんにとって良いものではありません。なるべく避けるにこしたことはないのですが、服や髪についた臭いに対してまでは、神経質にならなくてもよいようです。(産科・婦人科、呼吸器科看護師)
きちんと説明して分煙をしてもらうか、できるなら早めに産休を取るのも一つです。あなたが胎児を守ってあげなければなりません。後悔しないためにも、理解してもらえるようにまずは説明してみてはいかがでしょうか。(一般内科看護師)
妊婦さん本人がたばこを吸わなくても、周囲の人の煙を吸ってしまうと、早産や神経障害など胎児に悪影響を与えてしまう恐れがあります。周囲に理解を求めたり、室内の換気を良くするなどして、できるだけたばこの煙を吸わないよう対策を行いましょう。
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