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「油」の常識が変わった!体にいい油VS.悪い油(その1)

コラム くらし

「油」の常識が変わった!体にいい油VS.悪い油(その1)

プロテア・ジャパン用コラム

2015.9.25

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 「油」の常識が変わった!体にいい油VS.悪い油(その1)


その昔、「油抜きダイエット」がもてはやされ、油は健康やダイエットの敵とされていた時代がありました。でも、最近、そんな油の常識が大きく変わってきましたね。

油は私たちの身体には欠かせない栄養素。細胞膜、血液、ホルモンなどの原料になり、身体を動かすエネルギーになります。つまり油が不足したら、エネルギー不足で元気に動けなくなり、血管がもろく切れやすくなり、脂溶性ビタミンの不足から老化が早まるということ。ホルモン異常を招くなど、さまざまなトラブルの原因にもなりかねません。

ただ、残念なのは、すべての油が身体にいいわけではないということ。巷にあふれる悪い油を摂り過ぎてしまったら、それこそ健康から遠ざかってしまいます。

悪い油の代名詞といえば、以前はバターよりヘルシーと言われていた「マーガリン」。いわゆるトランス脂肪酸の代表です。ショートニングも同じで、市販のパンやケーキ、ドーナツなどには必ずと言っていいほど含まれています。ショートニングはサクサク、パリパリした軽い食感が出せるため、ファストフートなどではフライドポテトやドーナッツを揚げるときに、スーパーやお弁当屋さんでもお総菜のフライに使われていることがあります。

トランス脂肪酸が「狂った油」「食べるプラスチック」とまで言われるのはなぜでしょう?

トランス脂肪酸は、植物油など液体の油に水素を添加することにより、固形化する際に発生する油。つまり人工的に合成された油です。これが、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを高める、喘息やアレルギーなどにつながる、妊産婦・胎児への影響があるなどと報告されているのです。

そのため、食品にトランス脂肪酸の含有量表示が義務づけられている国も多くなりました。
アメリカ、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、中国、台湾、韓国などで対策が取られていますが、日本ではまだ規制がありません。日本人は諸外国に比べ、摂取量が多くないから問題がないからということのようですが、それは平均での話。規制がない分、摂りすぎてしまう人もいるはずなので、要注意ですね。

そしてマーガリンとくればバター。4,50年間もの間「動物性脂肪は体に悪い」とされ、バターやラードは悪者でした。今では、バターなどに含まれている飽和脂肪酸は、糖尿病、肥満、心臓発作、心血管疾患を促進することはないとされています。

常識が変わった事で言えば、卵もそうでしょう。コレステロールが上がるから卵を制限されている人もいましたが、最近は「卵に含まれるコレステロールを必要以上に恐れる必要はない」という考え方が主流。健康な人が1日1~2個程度の卵を食べる分には、冠状動脈疾患や脳梗塞の発症に影響は与えないという報告があったからです。

そして、注目の身体にいい油。最近、スーパーにはたくさんのオリーブ油が並んでいます。オリーブ油には、オレイン酸が多く含まれているのが特徴。オレイン酸とはオメガ9系に分類される「一価不飽和脂肪酸」です。

オレイン酸は酸化されにくく、体内で活性酸素と結びついて過酸化脂質をつくりにくいため、動脈硬化、高血圧や心疾患などの生活習慣病を予防・改善すると言われ、とても見直されてきています。オレイン酸を多く含む油には、オリーブオイルのほか、べに花油、こめ油、なたね油などもあります。

同じ調理に使うなら、いい油にこだわって選びたいものですね。さらに健康によい油については、次回へ続きます。

文/蓮見 則子


≫「油」の常識が変わった!体にいい油VS.悪い油(その2)はこちら






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