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卵管鏡下卵管形成術|不妊治療

コラム 不妊治療

卵管鏡下卵管形成術|不妊治療

不妊症の原因を見つけ、治療につなげるには、まず体の状態を把握することが不可欠です。そのために、初診から約1カ月をかけて、一般的な検査をします。

2015.10.21

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不妊症の原因を見つけ、治療につなげるには、まず体の状態を把握することが不可欠です。そのために、初診から約1カ月をかけて、一般的な検査をします。同じ血液検査でも目的が異なる場合もありますから、何のための検査なのかを理解しておくと、治療への理解も深まるでしょう。また、一般的な検査の後、必要があれば精密検査をする場合もあります。



英ウイメンズクリニック 塩谷 雅英先生



英ウイメンズクリニック 塩谷 雅英先生

島根医科大学卒業。卒業と同時に京都大学産婦人科に入局。体外受精チームに所属し、不妊治療の臨床の傍ら研究を継続する。1994年から神戸市立中央市民病院に勤務し、顕微授精による赤ちゃん誕生に貢献。2000年3月、英ウィメンズクリニックを開院。

≫ 英ウィメンズクリニック





 




 卵管鏡下卵管形成術


卵管の修復で自然妊娠の可能性が


近年、卵管鏡という極細のカメラで卵管の中を観察したり、このカメラを使って卵管を中から治療する手術が可能になってきました。簡単な麻酔によって日帰りで行える、体に優しい手術です。

従来は卵管に問題があるために体外受精しか方法がなかった患者さまに、有効な治療として注目を集めるようになりました。また、体外受精による妊娠の場合には、2人目を望んだ時にもやはり体外受精となりますが、卵管を修復して自然な妊娠が成立すれば、2人目も自然に妊娠できる可能性があるのもメリットです。

卵管鏡下卵管形成術(FT法:falloposcopic tuboplasty)に用いられ
る卵管鏡は、円筒状の伸張性バルーンカテーテルと、その内側に毛髪ほどの細さのカメラを組み込んだシステムを備えています。これにより卵管内腔をリアルタイムで観察しながら治療できます。

卵管はキャッチした卵子の移動、受
精、受精卵の発育と移動に重要な役割を担っていますが、とても繊細な構造であるため、容易にダメージを受けてしまう生殖器官です。最近、卵管が傷ついてしまったことによる不妊症の患者さまが増加しています。原因はさまざまですが、クラミジアなどによる性感染症もその原因の一つと考えられており、注意が必要です。


卵管鏡下卵管形成術の様子
卵管鏡下卵管形成術の様子



FT法と効果


<卵管鏡下卵管形成術の様子>


円筒状のバルーンカテーテルの内腔に、内径0.5mmの微細なファイバースコープを挿入し、加圧式のフレキシブルなバルーンカテーテルを卵管内に押し進めることにより、卵管形成を行い、同時に卵管内腔を観察する方法です。カテーテル外径は1.2mm。
原則外来日帰り手術(静脈麻酔を実施)とし、FT法は卵管鏡バルーンカテーテルシステム(テルモ社製)を用いて行います。


卵管鏡下卵管形成術の様子


<FTカテーテルによる観察と治療の過程>





















①治療前に麻酔を行い、細い卵管鏡を内蔵したカテーテルを用います。
②カテーテルを腟から子宮へ挿入し、卵管に近づいたら、バルーンを膨らませます。バルーンの先の卵管鏡で内部を観察します。
③卵管鏡で閉塞している部分などを見つけます。
④バルーンを押し進め、閉塞している部分を広げます。

<FT法による治療年齢と妊娠率>


FT法による治療年齢と妊娠率


<卵管障害別通過性改善率>


卵管狭窄例 94.0%(36/38) p<0.05
卵管閉塞例 50.0%(25/50) p<0.05
(p=有意差)



出典:Hanabusa with Jineko.net


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