今さら聞けない?!「体幹トレーニング」のこと
体幹を鍛えることが、さまざまなよい影響を与えると言われ始めてからだいぶ経ちます。ところで、「体幹」とは何なのでしょう?
実は、体幹ということばの明確な定義はないと言われます。もちろん、広い意味では人間の「胴体」を差します。頭や手足を除く部分のことです。
体幹を鍛えることは、スポーツ選手や愛好家だけでなく、スポーツを特にしない人にもメリットが多いもの。日常の動作を安定させることにつながるため、太りにくくなる、姿勢が美しくなるなど、女性のキレイに効果があります。
「体幹トレーニング」というと、どうしてもインナーマッスル(=深層筋)を鍛えるイメージが強いもの。でも、インナーマッスルはあくまで体の表面に見えているアウターマッスル(=表層筋)に対して、深い場所にある筋肉のこと。つまり、体幹は場所の概念で、インナーマッスルは深さの概念です。体幹トレーニングにはインナーマッスルも含まれますが、必ずしもイコールではありません。
体幹のインナーマッスルは「コア(中心部)」と呼ばれることもあります。お腹まわりを中心に、下は骨盤底筋、上は横隔膜、前側の腹横筋と背中側の多裂筋で囲まれた部分です。最近は「インナーユニット」と呼ぶことも増えてきました。
インナーユニットは、内臓を保護するとともに、ぜんどう運動を助けるなどの働きもあります。それぞれの筋肉が連動して働くことで、日常の動作やスポーツの動きの源にもなっているのです。
体幹トレーニングがこれほど注目されてきた理由を見てみましょう。
■ボディラインが美しく整う
筋肉がつくことでお腹周りに天然のガードルができ、ウエストやお尻のたるみ防止効果が。ボディラインが引き締まり、メリハリのある体型に。
■太りにくく、痩せやすくなる
基礎代謝量が増え、エネルギー消費量が増えます。それまでと同じ生活をしていても太りにくく痩せやすい体質になります。
■姿勢良く、立ち姿がキレイ
抗重力筋が鍛えられ、体の真ん中に一本の芯が通ったように安定し、自然とキレイな姿勢を取りやすくなります。
■肩こりや腰痛の改善
長時間のデスクワークなどで肩こりや腰痛を感じていた人も、体幹を鍛えて姿勢がよくなると、嘘のように痛くなくなることも。
■フットワークが軽くなる
いつのまにか基礎体力がつき、階段を昇るときでも脚が軽やか。行動がテキパキしてフットワークが軽くなり、若々しいイメージに。
体幹を鍛えることは、やはりいいことずくめ。マシンやウエイトを使わない、自重トレーニングが向いているので、自宅で一人でもできるのもメリットです。本などもたくさん出ているので、ぜひトライしてみて。
文/蓮見 則子