舌で分かる!?あなたの健康状態(後半)
今回は前回お話しした、舌診の続きです。
「血」「気(元気)」「陰(潤い)」が前回とは反対にスムーズに体を巡ることができていない3つのタイプを紹介します。
<お血(おけつ)の舌>
舌の色は紫っぽく、黒いシミのような斑点があることも。苔はうっすらあり、舌の裏の2本の静脈が浮き出ている状態。
□肩こりがある
□頭痛、腰痛などの痛みがある
□生理痛がある
□経血に塊が混じる
□目の下にクマができやすい
□シミ、そばかすが気になる
「お血」は、スムーズに流れて全身に酸素や栄養を運び、老廃物を回収しているはずの「血」が様々な原因で滞っている状態です。女性に多い原因は、冷えやストレスによって「お血」」になっているケース。
「お血」の状態を放っておくと、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣膿腫などの病気に発展することもあるので、早めに対処することが大切です。
<気滞(きたい)の舌>
舌の色は両側が赤い。中央に白または黄色の苔がある状態。
□イライラしやすい
□ため息が多い
□生理前に胸が張りやすい
□お腹にガスがたまりやすい□基礎体温が不安定
□目が疲れやすい
健康な体では、「気」は滞りなく体中を巡って、エネルギーを全身に運んでいます。しかし、それがストレスや心配事などが続くことによって、自律神経が乱れ、さまざまな症状が現れた状態が「気滞」です。
「気滞」を放っておくと、ストレスに弱くなり、ますます気が滞るという悪循環になり、気と一緒に体内を巡っている血まで滞ってしまうこともあるのです。
女性の場合、「気」が滞りやすくなるのは月経前と排卵期。この時期に症状が出やすい人は、気滞があると思われます。何と言ってもストレスを発散することが大切。体を動かしたり、大きな声で歌を歌ったり、友達とおしゃべりを楽しむなど、あなたに合ったストレス発散法を見つけましょう。
<痰湿(たんしつ)の舌>
舌に厚いベトベトした白色または黄色の苔がある状態。
□むくみやすい
□ニキビができやすい
□オリモノが黄色い
□脂っこいものや甘いものが大好き
□お酒をよく飲む
□暑がり
川の水が清らかに流れている状態が「陰」、池のように流れが留まっている状態が「痰湿」で、体に必要な潤いを補う「陰(きれいな水分)」の巡りが滞ると、体に有害な物質である「痰湿」へと変化してしまいます。痰湿になる原因はさまざまですが、胃腸を酷使するような食生活を続けることで、消化・吸収・排泄がスムーズではなくなり、老廃物が体中に溜まるケースが最も多いです。
老廃物は、中性脂肪やコレステロールなどに変化して血中に入り込み、血管にへばりつくと血液がスムーズに流れなくなってしまいます。すると、子宮に栄養が行きにくくなったり多嚢胞性卵巣などになりやすくなることも。
体に溜まった老廃物や余分な水分をだすために、じわりと汗が出るようなスポーツを。また、夜はゆっくりお風呂に浸かり、たっぷり汗をかきましょう。
株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生
株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。
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