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あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)

コラム 不妊治療

あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)

誠心堂コラム

2016.3.4

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あなたの体質はどのタイプ?中医学的タイプ診断(前半)



今回は前回までにお話しした6タイプのうちの、不足体質の3タイプに冷えタイプを加えて、中医学的体質の簡単な解説と体質改善のために日常生活で気をつけたいことをお話します。


<「血」不足タイプ:血虚(けっきょ)>


中医学では「血(けつ)」は単純に血液だけでなく、体に必要な栄養を含めて考えます。血虚体質の人は、これが足りていない状態です。無理なダイエットや睡眠不足、食生活の偏りなどでなりやすく、ひどくなると貧血や精神失調を起こす方もいます。婦人科系でいうと、子宮内膜が厚くなりにくかったり、生理の量が少なくなったり、という影響がでてくることがあります。
●食事
栄養の吸収力が弱いので一度にたくさん食べず、多種類の食品を何度かに分けて少しずつとりましょう。
「血」を補うために色の濃い食品、たとえば、ドライフルーツ、黒豆、黒ゴマ、ひじき、黒キクラゲなどを食事に取り入れてみましょう。
「血」を補う作用が強い、レバー、牛肉の赤身、まぐろ、かつおなどの動物性たんぱく質もオススメです。
●日常生活
「血」は夜の睡眠中に作られます。ですから夜更かしや夜の仕事はできるだけ避けて、夜の22時から2時の間にできるだけたくさん睡眠を取れるようにしましょう。就寝前の1~2時間は、できるだけリラックスした時間を過ごすことも大事です。
あまり体力がないので、激しい運動ではなく、全身をほぐすヨガやストレッチ、太極拳など、疲れが残らない程度の運動を取り入れましょう。


<「気(元気)」不足タイプ:気虚(ききょ)>


やる気が出ない状態が続き、消化器や免疫機能も弱りやすいため、疲れやすかったり、アレルギー症状がでたり、風邪をひきやすくなることも。婦人科系では、不正出血があったり、生理がダラダラ続いたりする場合があります。
●食事
「気」が不足しているので、朝食を抜くのはNG。胃腸の消化・吸収力を低下させる冷たいもの、生もの、油っこいもののとりすぎにも注意をしましょう。
胃腸の働きを高めながら、血のめぐりもよくする、麦、ひえ、あわなどの雑穀を白米に混ぜて食べてみましょう。よく噛んで食べると内臓が強くなり、元気を作れるようになりますよ。
●日常生活
忙しい日が続いたり睡眠不足があると「気」を消耗します。睡眠時間はたっぷりとりましょう。スタミナ不足なので、休息時間をこまめにとり、できるなら昼食後に10〜15分の昼寝を取り入れるとよいでしょう。
激しい運動は逆に「気」を消耗させるので、ウォーキングやヨガなど、ゆっくりした運動を、疲れない程度から始めてみましょう。


<「陰(潤い)」不足タイプ:陰虚(いんきょ)>


体内の潤いが不足することで、のぼせ、火照りを鎮める消火水が少なくなっている状態です。加齢や睡眠不足などにより起こりやすくなります。婦人科系では、生理周期が短くなったり、低温気が短くなったり、基礎体温が全体的に高めになったりして、卵子の質に影響がでることもあります。
●食事
唐辛子、こしょう、山椒などの香辛料のとりすぎは、体を火照らせるだけでなく、体のうるおいを奪ってしまいます。また、油っこいものも発汗や火照りを悪化させます。食事は野菜中心のあっさりしたものが理想的。
水分補給をこまめに行ってほしいのですが、必要以上に水を飲んでもうまく体に吸収されない体質でもあるので、野菜や果物からおだやかに水分補給をしていきましょう。
●日常生活
適度に汗をかくのはよいことですが、この体質の人は汗をかきやすいため、激しい運動や炎天下でのスポーツ、サウナ、ホットヨガなど、大量に汗をかくことは避けましょう。水泳やアクアビクスなどの水中運動がおすすめです。もちろん水分補給は忘れずに。


<冷えタイプ:陽虚(ようきょ)>


体を温める力が弱っているタイプです。手足や足腰に冷えを感じます。多尿や軟便が生じることも。婦人科系では、基礎体温が全体的に低めだったり、高温期が短かったりします。
●食事
生野菜、生ものなどの体を冷やす食べもの、氷の入った飲み物、アイスクリームなどの冷菓はNG。冷え改善には、雑穀を多くしたご飯をよく噛んで食べましょう。小魚やラム肉も体を温めます。調理法も温かいスープや鍋料理がおススメです。味付けにスパイスを上手に取り入れて。唐辛子も胃を荒らさない程度はOK。
●日常生活
体を冷やさないために、服装にはいつも気を配りましょう。薄着やスカートよりはパンツスタイルがおススメです。とくに冷えが体内に入り込みやすい、おなか、腰、足首、かかとは、いつもしっかりガードして。入浴はシャワーではなく湯船につかってしっかり汗をかく習慣をつけるとよいでしょう。
適度な運動で体を温め、熱の源である筋力もアップしましょう。ただし、水泳や水中運動は体の熱を奪うので避けましょう。





株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生

株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。

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