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子宮内膜症の影響で卵管采(らんかんさい)に異常あり 手術を受けたほうがいい?

コラム 不妊治療

子宮内膜症の影響で卵管采(らんかんさい)に異常あり 手術を受けたほうがいい?

「子宮内膜症による癒着があり、卵管采の動きを悪くしているため、すぐに腹腔鏡手術を受けるように言われました。」

2010.11.18

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■ 送信者:インコさん(29歳)
■ 件 名:子宮内膜症の場合の不妊治療について
子宮内膜症による癒着があり、卵管采の動きを悪くしているため、すぐに腹腔鏡手術を受けるように言われました。早く手術を受けたほうがいい?それとも体外受精を考えたほうがよいのでしょうか。日に日に不安が募っていきます。



ジネコ:卵管采の動きが悪いということですが、やはりすぐに手術するべきでしょうか?
塩谷先生:卵管采は、卵管の先のほうきのようになった部分。卵管造影剤だけで癒着はなかなか見つけにくいんです。それが見つかったということは、軽く考えられない状況だということ。卵管が閉塞する原因はいろいろあると思いますが、子宮内膜症もその一つ。子宮内膜症の場合、一番大切なこの卵管采が侵されてしまうことが多いのです。

そこで意見が分かれるんですよ。不妊治療の前に、腹腔鏡手術で病巣をきれいに取り除くのか、やはりホルモン治療か、あるいは体外受精へ行くのか。大きく分けてこの3つの考えがあると思います。何人かの医師に聞いてみても、おそらく1:1:1ぐらいの割合で意見が分かれるでしょうね。
ジネコ:そんなに分かれるものですか?
塩谷先生:はい。その医師の考え、経験、技量によると思います。インコさんは年齢がまだ若いことと、治療期間が短いことから、当院ではホルモン治療か体外受精で様子をみるでしょうね。特に、卵巣にできる子宮内膜症は慎重になるべきです。手術後にうまく妊娠できることも多いですが、卵巣の健康な部分まで失くしてしまうケースも少なくない。再発を防ぐためにも、病巣をできるだけきれいに取り除くべきだというドクターもいらっしゃると思います。しかし、子宮内膜症は正常な部分と異常な部分の境界があいまいなので、きれいに取ろうと思えば思うほど、正常な部分も一部取らねばなりません。
ジネコ:その選択は、最終的に患者さん自身が行うしかないんですね。
塩谷先生:たとえば、不妊治療は登山のようなもの。頂上は一つだけど、山に登るときのルートはいっぱいあります。頂上=赤ちゃんができるということですが、医師は頂上まで案内するガイド役。崖を避けて遠回りするのか、崖があるけど近道を選ぶのか、どのルートを選ぶかは山に登る人が決める。そういう意味でも、不妊治療は医師との信頼関係がとても大切なのです。

塩谷 雅英 先生


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島根医科大学卒業。卒業と同時に京都大学産婦人科に入局。体外受精チームに所属し、不妊症治療の臨床に取り組みながら研究を継続する。1994~2000年、神戸市立中央市民病院に勤務し、顕微授精による赤ちゃん誕生に貢献。2000年3月、不妊専門クリニック、英ウィメンズクリニックを開院する。A型・しし座の先生のストレス解消法は、テニスとジョギング。クリニック~神戸大橋~ポートアイランドの往復が、最近のお気に入りのジョギングコースだとか。




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