妊娠中のレバーは赤ちゃんの先天性異常を引き起こす!?
妊娠中の食事は赤ちゃんや母体の健康に影響するため、いろいろと気をつかうものです。アルコール、コーヒーや緑茶などカフェインを含むもの、生肉や生の魚介類など、妊娠中に避けた方がいい食べ物や飲み物はいろとありますが、妊娠中はレバーが要注意というのは聞かれたことはありますか?
今回は、妊娠中のレバーの摂取について医師に解説していただきました。
妊娠中のレバーはなぜ危険なの?
妊娠中は貧血になりやすいため、母体と赤ちゃんのために、鉄分をとることがとても大切だということは聞かれたことがあるのではないでしょうか?
鉄分が多いといえばレバー。それでは、鉄分をたくさん含んでいるレバーを食べよう!と思われる方も多いかもしれません。
しかし、レバーは鉄分も多く含んでいるのですが、その他に含まれている栄養素が妊娠中、特におなかのなかで赤ちゃんの様々な器官がつくられる妊娠初期には問題となってくるのです。この問題となる栄養素は、レチノールと呼ばれる栄養素で、動物性の食べ物に含まれているビタミンAの一種です。
レチノールは赤ちゃんにどんな影響を与えるの?
これ自体が妊婦さんの体に害を与えるわけではなく、普段は影響が強いというわけではありません。しかし、にんじんなど野菜に含まれる植物性のビタミンAであるプロビタミンAカロテノイドと比較すると、体の外に出されにくいために、蓄積しやすくなるという性質があります。
この性質も影響して、レチノールの過剰摂取が妊娠中の女性に起こると、おなかの中の赤ちゃんに、耳の形態異常など、奇形や先天異常などの障害が起きやすくなるという報告がされています。この奇形や先天異常を起こすのを避けるために、妊娠中のレチノールは要注意なのです。
レチノールが多く含まれている食品は要注意!
レバーにはこのレチノールがたくさん含まれています。例えば、鶏レバーは100gあたり、14.000μgRE、豚レバーは、100gあたり、13.000μgREのレチノールが含まれているとされています。
妊娠中の女性の、一日あたりのビタミンA、レチノール摂取上限量は、2.700μgREとされていますので、だいたいレバーを20gもとると、一日の摂取量の上限を超えてしまいます。そのため、レバーは妊娠中は避けた方がいいとされているのです。
他にはウナギもレチノールが多い食べ物として知られています。
レバーを少しでも食べたら危険?
ただ、すでにレバーを妊娠中に食べてしまっていたとしても、どうしよう!と思い悩み心配しすぎる必要はありません。これらの異常は、妊娠初期に恒常的にレチノールを過剰摂取した場合に起こりやすいとされています。そのため、数度食べたことを気にしすぎる必要はありません。
毎日、レバーなどレチノール多く含む食べ物を摂りすぎることは避けるようにしましょう。
【医師からのアドバイス】
出産後は、毎日授乳されていても赤ちゃんへのレチノールの悪影響はないため、レバーの摂取を制限する必要はありません。
(監修:Doctors Me 医師)
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