冷え症のタイプ別改善策
前回お話しした冷えのタイプ。あなたはどのタイプでしたか?自分のタイプがわかったなら、さっそくそれに合った改善策を試してみましょう。
漢方薬は続けることで徐々に体質改善が進むため、気がついたら冷えが良くなっているはずです。結果がでるまであきらめずに続けてみてくださいね。「千里の道も一歩から」ですよ。
お血タイプ
食生活の不摂生や運動不足による血行不良が原因の冷えなので、ただ体を温めるのではなく、血流を良くすることが大切。以下の養生のポイントを実践して血流をよくしていきましょう。
【おすすめの食材】
血液をサラサラにする食材。にんにく、玉ねぎ、ねぎ、にら、らっきょう、桃、さんま、いわしなどの青魚、黒きくらげなど。
【避けたい食べもの】
冷たい飲みものや食べもの。バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪、生クリーム、チョコレートなどの甘いもの、味の濃いものなど。
【おすすめのお茶】
ほうじ茶、紅花茶、バラ茶など。
【心掛けたい生活】
適度な運動を行いましょう。シャワーではなく湯船に浸かって。足首をよく動かすために、ヒールのある靴よりもかかとの低い靴を履き、足のストレッチをしましょう。
陽虚タイプ
疲れやすくて体を温めるエネルギーが不足していることが原因の冷えなので、体の温める力を高めることが必要です。体を元気にする養生で新陳代謝を良くしましょう。
【おすすめの食材】
体を元気にして温める食材。長いも、大和いもなどの山いも類、牛肉、羊肉、うなぎ、ねぎ、にら、生姜、大豆や枝豆などの豆類、栗など。
【避けたい食べもの】
冷たい飲みものや食べもの。刺身などの生もの。天ぷらなどの脂っこいもの。チョコレートなどの甘いもの。唐辛子、にんにくなど刺激の強いもの(唐辛子やにんにくは体を温めるが汗をかかせ、その後一気に冷えるのでNG)。
【おすすめのお茶】
紅茶(シナモンや生姜を加えるといい)、ほうじ茶、杜仲茶など。
【心掛けたい生活】
湿気が多く、日光の入らない部屋は避けましょう。体質に合った漢方ハーブを入れた湯船に浸かって体を温めるようにします。休息や睡眠は十分にとって。
気滞タイプ
常に緊張が抜けにくい、まじめな性格が原因の冷えですから、ストレスから解放してあげるためにも、心身ともにリラックスして気が巡るようにしましょう。
【おすすめの食材】
気を巡らせる食材。ミント、セロリ、春菊、パクチー、パセリ、あさり、しじみ、ゆず、ジャスミンなど。
【避けたい食べもの】
冷刺激や辛味の強い食べもの。さつまいもや炒豆など、ガスの発生しやすいもの。お酒の飲み過ぎ。
【おすすめのお茶】
ジャスミン茶、ミントティー、カモミールティーなど。
【心掛けたい生活】
ストレス発散のために、映画鑑賞、音楽鑑賞、親しい友人との会話など、リラックスした時間を設けて気分転換を。軽いウォーキングやお散歩の適度な運動もいいですね。タバコもあまりいい解決策ではないので控えましょう。
痰湿タイプ
新陳代謝が悪く水分が停滞してむくんでいることが原因の冷えです。体の余分な水分を排出させることが改善のポイントです。
【おすすめの食材】
水分や老廃物を取り除く食材。玄米、ごぼう、昆布やわかめ、海苔などの海藻類、緑豆もやし、緑豆はるさめなど。
【避けたい食べもの】
バター、ラード、肉の脂身などの動物性脂肪。チョコレートや生クリームなどの甘いもの。果物や炭酸飲料、アルコール、炭水化物や塩分のとりすぎ。
【おすすめのお茶】
ウーロン茶、プーアル茶、はと麦茶、杜仲茶など。温めたものをとりましょう。
【心掛けたい生活】
湿度や日当たりといったお部屋の環境を見直しましょう。胃腸の負担を減らすため食物繊維たっぷりの食事をよく噛んで食べる習慣を。毎日運動をして、体にたまった水分や老廃物を積極的に排出しましょう。
株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生
株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。
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