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つわりには明確な治療法がありません・・・。必要なことは抑えるよりどう乗り切るか。

コラム 妊娠・出産

つわりには明確な治療法がありません・・・。必要なことは抑えるよりどう乗り切るか。

マタニティコラム

2016.6.27

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つわりには明確な治療法がありません・・・。必要なことは抑えるよりどう乗り切るか。



Q:つわりがつらい、助けてください。
今9週に入ったところですが、つわりがつらくて死にそうです。いつか終わりがくるとわかっていても、毎日嘔吐する度に「こんな思いをするなら、妊娠しなければよかった」と考えてばかりいます。毎日がとても長く、「死んだ方がいい」と叫んでしまうこともあります。



A:明確な治療法がないつわりは、妊婦にとって大変つらい症状。抑えるより乗り切ることを考え、ひどいときは医師に相談を。(おおのレディースクリニック院長・大野 元先生)

つわりは妊娠初期に、吐き気や胃のむかつき、倦怠感といった症状としてあらわれます。ホルモンバランスや代謝など、妊娠に伴う体の変化が関係していると考えられていますが、いまだにはっきりとした原因はわかっていません。そのため「こうすれば治る」といった治療法もなく、妊婦にとって非常につらい悩みとなっています。
つわりの重さや症状は人によってさまざまで、安静にしていればおさまる人もいれば、水も飲むだけで吐いてしまう人もいます。つわり自体がお腹の赤ちゃんに悪影響を与えることはありませんが、つわりのため食事が摂れず、母体の栄養状態が悪くなると、脱水症状や他の病気を引き起こす原因になります。その場合は点滴が必要になりますので、継続的な体重減少、目安として2~3kg体重が落ちたなと思ったら、がまんせず、早めに医師に相談しましょう。点滴の目的は、口から摂取できない水分や栄養を補うことが主です。また多くの場合、ウェルニッケ脳症(眼球運動障害や意識障害を引き起こす病気)を防ぐためのビタミンB1も含まれています。

つわりがつらいときでも、少しずつ可能な限り食物を口に入れることをお勧めします。つるんと食べられる冷奴やアイスキャンディー、冷凍フルーツ、レモン水、炭酸水などが比較的摂取しやすいようです。だし味がダメならばポン酢を使ってみるなど、味つけで工夫するのもよいでしょう。この際、栄養バランスを考慮する必要はありません。それよりも、なんでもいいから食べてみることを心がけてください。また、ビタミンA・B1・B2・B6・B12・C・D・E、葉酸、ミネラルを含む、いわゆる「妊婦用マルチビタミン」がつわりを予防したとの報告もあがっています。有効成分や効果についてはまだ解明されていませんが、参考としてご紹介しておきます。

吐き気がつらいときは、吐き気止めを用いることもあります。吐き気止めは北米では積極的に使われており、ドラマミン®など日本で認可されている薬や、漢方薬でもいくつかの種類があります。しかし効果には個人差があり、頼みの綱として常に期待できるわけではありません。つわりを治す薬はないと考え、なんとかつきあって乗り切ることを考えた方がよいでしょう。
つわりは大変つらいものですが、16、17週にはほぼ終わることも事実。無理せず体を休めながら、必要に応じて医師に相談していただきたいと思います。





おおのレディースクリニック 大野 元先生

医学博士。岐阜大学医学部卒業。岐阜大学医学部大学院、ブリティッシュ、コロンビア大学研究員(2年間)、岐阜大学助手、IVF大阪クリニックを経て、平成11年8月開業。専門は、周産期と不妊。特に体外受精はエキスパート。




 






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