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羊水には適量があった。多すぎ・少なすぎによる影響とは。

コラム 妊娠・出産

羊水には適量があった。多すぎ・少なすぎによる影響とは。

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2016.9.8

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羊水は赤ちゃんの尿からできていた!?


お腹の中にいる赤ちゃんを守り、赤ちゃんの命を維持するのに欠かせない羊水。

この羊水は多くても、少なくても、お母さん、赤ちゃんにさまざまな悪影響を及ぼします。そもそも、羊水は、赤ちゃんが排泄した、肺胞液や尿から作られており、赤ちゃんが飲み込むことで吸収されます。通常は、この排出する量と飲み込む量のバランスが保たれていますが、何らかの理由でバランスが崩れてしまうことで引き起こされる羊水過多(羊水が多すぎてしまう)と羊水過少(羊水が少なすぎてしまう)についてみていきましょう。


なぜ、羊水の量に問題が発生するの?


【羊水過多】
<定義>
妊娠の時期を問わず、羊水量が800ml以上を羊水過多といいます。

<原因>
[1]多胎妊娠(双子、三つ子など)による双胎間輸血症候群(胎盤に血管吻合が存在し、いっぽうの胎児から他の胎児に血液が移動する)。それにより、血液が入ってくる赤ちゃんは、多尿になるため高度の羊水過多に。
[2]中枢神経系の異常(無脳児、水頭症、脊柱破裂)、消化管の通過障害(消化管閉鎖、口唇・口蓋裂、腹壁破裂)などで、胎児が羊水をきちんと飲み込めない。
[3]臍帯ヘルニアなどが原因で、赤ちゃんの体内から髄液が漏れ出している
[4]お母さんが、妊娠糖尿病、心臓や腎臓、肝臓の疾患、ウイルス感染などの病気をもっている。

<症状>
急激に子宮底が上がってくることで、お腹の膨満感、呼吸困難、頻尿などが起こります。

<治療方法>
入院、安静、になります。前期破水、切迫早産の予防のために、必要に応じて、薬の投与も行われます。


稀に、赤ちゃんに障害が残るケースも……


羊水過多と診断されても、赤ちゃんに問題が生じないことが多いですが、先天性奇形などの障害が残る可能性があります。また、羊水が多いと赤ちゃんがよくうごくため逆子になりやすいです。

【羊水過少】
<定義>
羊水量が100ml以下を羊水過少といいます。

<原因>
[1]破水に気がつかず、慢性的に羊水が子宮外に流れでてしまう。
[2]先天異常で、赤ちゃんがきちんと尿を産生できない。
[3]胎盤機能不全による赤ちゃんの低酸素症(過期妊娠、妊娠高血圧症候群で起こりやすい)。
[4]赤ちゃんの発育不全。
[5]感染症

<症状>
症状を自覚することは少なく、原因と妊娠時期により治療は異なります。

<治療方法>
妊娠初期~中期では、安静になります。妊娠後期では、赤ちゃんの心拍をモニタリングするなど、赤ちゃんの状態を十分に検査して、分娩時期や方法の決定が行われます。妊娠のかなり早い時期から、羊水過少が認められる場合は、赤ちゃんの先天異常を伴っていることが多く、一般的には予後不良になります。


心配のしすぎも、考えもの


妊娠中は、わずかな異変でも、不安、心配になってしまいますが、心配しすぎはよくありません。しっかり定期的に妊婦健診を受け、分からないことは、かかりつけの産科の先生にじっくり相談しましょう。





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