2歳までに人生の基礎ができる!? ~親子でたくさん歩いて五感を磨き、体力をつけてあげましょう!~
コラム 子育て・教育
幼少期は人生の基礎を作る大切な時期。
親子でたくさん歩いて五感を磨き、体力をつけてあげましょう!
歩育(ほいく)という言葉を聞いたことがありますか?歩育とは「歩くことで自然や社会と触れ合い、五感を磨いて豊かな心と生きる力を育てる」ことで、一般社団法人日本ウオーキング協会が推進している活動です。
今回は幼少期の発達と歩育について、日本ウオーキング協会専務理事の井上成美氏と、老舗抱っこひもメーカーであるラッキー工業社長の樋口博之氏に語っていただきました。
井上成美氏 プロフィール
一般社団法人日本ウオーキング協会専務理事。同協会は子どもからお年寄りまでのウオーキングを通じた健康づくりを推進し、初心者向けのウオーキング教室やウォーキングイベントなどを実施している。井上氏は現在、子どもを対象とした「健康な精神と健康な体を持つ21世紀を生きる力づくりの歩育」のプログラムを企画中。
井上:日本ウオーキング協会は、歩くことを通して健康づくりの推奨を行っている団体です。対象年齢は5歳位からですが、樋口さんから“幼児期からの歩くことの大切さを広めませんか?”という問いかけをいただきました。とても素晴らしいことだと思います。
樋口:ありがとうございます。歩きたいのに歩けない、そんな赤ちゃんが抱っこひもの中でぐずっているところを街中で見た時に、かわいそうだなと思ったことが始まりで声をかけさせていただきました。
井上:今の日本では赤ちゃんを連れていることがファッションの一つになっているように感じます。樋口さんとの対談が決まってから、街で抱っこのお母さんを観察してみたのですが、抱っこひもの多くは、親中心の作りになっているようですね。赤ちゃんの動きがかなり制限されているようですが、その状態が長時間続くと発育の問題につながりますね。
樋口:確かに多くの抱っこひもはお母さんが長時間抱っこしても疲れない、がっちりした作りになっています。最近のママたちのライフスタイルから、そのような抱っこひもが必要とされていることは確かです。しかし当社でも歩くことの大事さを認識し、歩育を推進するための簡易型の抱っこひもを作っています。歩くことはもっとも手軽に行える健康管理法とよくいわれますが、実際、歩くことにはどのような効果があるのでしょうか?
井上:人間は二足歩行を始めたことにより、視野が広がり、脳が発達しました。脳科学や運動生理学、健康科学から見ても歩くことはとても大事です。人生をいくつかに区切って考えると、0~3歳はベースとなる体力がつく期間です。次に「やってみたい」という気力を身につけ、その二つが基礎にあって知力がついてきます。体力がすべての基本になるんですよ。それは歩くことで養われます。五感を磨き、脳を発達させ、身体能力を高めるために、幼少期に歩くことはとても大切なのです。このことを多くの方に知ってもらいたいですね。
樋口:日本の伝統の育児では、抱っこよりおんぶが主流でした。おんぶでは子どもが自分でしがみつくことで体力もつくし、バランス感覚も鍛えられました。また、親と同じ目線で社会を見ることで共感性や五感も磨かれていました。抱っこが主流になった現代で子どもの成長の機会が奪われている分、歩くことで体力や五感力を身につけさせてあげたいですね。
小さな子どもと一緒に歩く時、親はどのようなサポートをしてあげるのが良いのでしょうか。
井上:“コーチング”と“ティーチング”という言葉があります。ティーチングは「教育」、つまり知識を与えることですが、この時期に親にやってもらいたいのは、慈しみ育みながら教えるコーチング手法を用いた「育教」です。つまり、子どもの目線に立って、子どもに考えさせながら導くことです。歩く時は子どもの手を引くのではなく、子どもが興味をもった方に見守りながらついて行って、知的好奇心を満たしてあげてほしいです。ただ、歩き初めの子どもはすぐに疲れてしまうので、疲れたらすぐに抱き上げて休ませてください。抱っこすることで副交感神経を働かせることができるので、すぐに子どもは元気になりますよ。
樋口:親のペースではなく、子どもを中心にするということですね。
井上:そうですね。生まれたばかりの赤ちゃんには体力も知力もありません。持っているのは「親や周りの人に喜びを与える」という資産です。親御さんはもっともっとこの喜びを享受して子どもと向き合い、子どもを中心にした育児を楽しんでいただきたいですね。
最後に、歩育をしやすい抱っこひもには、手軽に乗せおろしができる抱っこひもがおすすめです。
画像提供:http://iko-yo.net/articles/1044
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