男性不妊を改善する日常生活とは
前回は晩婚化が男性不妊の原因にもなっていることをお話ししましたが、そのほかにはどのようなことが原因としてあげられるでしょう。
男性不妊の9割が元気な精子をつくりだすことができない「造精機能障害」です。造精機能障害の種類は以下の3つです。
1 無精子症
精巣の中で精子がつくられているにもかかわらず、精子の通り道がふさがれていることから受精が成立しない「閉塞性無精子症」と、精子自体が存在しない「非閉塞性無精子症」があります。
2 乏精子症
精子はつくられていますが、極端に数が少ない状態です。基準を少しだけ下回る程度でしたら、タイミング法が成功するケースもあります。精子がほとんど見当たらない場合は、人工授精や体外受精を行う必要があります。
3 精子無力症
精子の数に問題はないのですが、質が悪く、あまり元気ではない状態です。卵子の元にたどり着くには十分な運動能力がある精子が必要です。
子の元にたどり着くには十分な運動能力がある精子が必要です。
3つの種類のうち、乏精子症や精子無力症はストレスの影響が大きいことがあります。ですから精子の数も体調によってムラがあることも多いのです。このような症状は、鹿角膠・亀板膠などの動物性補腎薬が有効である場合があります。錠剤や丸剤などの製剤もあり手軽に服用することができます。多くの場合2~3か月で効果が出ることが多いようです。
また、日常生活も影響しますので、以下のようなことに気をつけてください。
食事の改善
1日のカロリー摂取を調整します。とくに肥満傾向にある方は炭水化物を控えるようにしましょう。暴飲暴食や逆に食事を抜くことは避けます。ビタミンC、D、E、亜鉛、カルシウムを十分摂るようにします。
下半身を圧迫しない
下着やジーパンなどで下半身を圧迫しないようにします。下半身を締め付けると血液の循環が悪くなります。また、精子の発育を阻害する可能性もあります。
禁煙
たばこは精子の数、運動量ともに減少します。さらには奇形精子の量が増え、受精能力の低下につながります。
そのほか、大量のアルコール摂取、大量のカフェイン摂取はNG。バイクや自転車に長時間乗るのもよくありません。さらに電磁波に気をつけてください。ラップトップのパソコンを膝の上に乗せて作業するなどもってのほかです。
そして、一番大切なのは規則正しい生活習慣です。睡眠は夜12時までに就寝し最低でも6時間半はとるようにしましょう。
株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生
株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。
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