漢方薬で身体を立て直すことで卵子が元気になりホルモンの分泌も十分になる
コラム 不妊治療
漢方薬で身体を立て直すことで卵子が元気になりホルモンの分泌も十分になる
東洋医学的に卵巣の働きが悪いというのは、卵胞の発育やホルモン分泌の役割を担う、「腎」の力の不足が考えられます。
「腎」とは水分代謝の臓器である腎臓だけではなく、内分泌つまりホルモン分泌や生殖活動を行う役割もあると東洋医学では考えます。
「腎」の力のことを「腎精」というのですが、「精」とは体力や生命力や力強さを意味します。つまり、「腎精」の充実は、若々しい身体の維持、つまり卵巣機能の衰退を遅れさせたり、卵子の状態も安定し、ホルモン分泌も十分になるのです。
漢方薬の材料として用いる生薬には、それぞれアプローチする身体の部位があります。その中で「腎」にアプローチする生薬を中心に配合をしたものが「補腎薬」です。「補腎」とは冒頭に説明した「腎精」を養うことです。ですから、妊活の場合の「補腎薬」は、生殖機能の働きをよくしたり、ホルモンの分泌を盛んにすることができます。
西洋医学の不妊治療ではホルモン量が足りない場合、不足分を補充しますが、東洋医学では本来備わっている卵巣機能を活発にすることで、必要なホルモン量が分泌できる状態にもっていくことをめざします。
そのためには「補腎薬」も必要ですが、併せて生活養生も欠かせません。アンバランスな食事、ストレス、睡眠不足や不規則な生活などは要注意です。
当薬局にいらっしゃる方には、食事に気を遣われている方も多いのですが、食材の特性とその方の体質が合っていないケースもみられます。たとえば冷え性の方が、便秘解消のためにお腹を冷やす性質をも持ったヨーグルトやプルーンなどを毎日摂って冷えを助長しているなどです。
また、仕事のストレスで体調を崩したり、日常生活やご主人に対する不満から気分がすぐれない方も見受けられます。加えて十分な睡眠は妊活に限らず、美容・老化・免疫などはもちろん、体力を回復させるためにも不可欠です。シンデレラタイムといわれるPM10時~AM2時はしっかりと眠って「腎」を養ってください。
漢方薬の役割は、本来備わっている機能を最大限に発揮できるように、体調を整えて元気になる、消耗が大きい体力を補う、機能の働きを妨げる要因を排除することにあります。
「漢方薬で卵子の質が良くなる」というのは、漢方薬が直接卵子の状態を良くするというよりも、加齢を含めたさまざまな負荷により、良質の卵子をつくることができなくなっていた身体を漢方薬で立て直すことにより、結果として卵子の質が良くなるということだと私は考えています。
また最近気になるのは、夫婦関係がいまひとつ妊娠に向かっていない状況についてのご相談が増えていることです。理屈で割り切れないお互いの調和が取れれば充実感が得られ、心と身体のバランスも良くなり、それが結果としてホルモン分泌を良くするのではないかと思うのです。
疲れとストレスを抱えながら忙しく妊活し過ぎている方には、ぜひとも大切な命が宿るご自分の身体を大切にしていただきたいのです。そして赤ちゃんを授かる余裕と温かい気持ちでお過ごしいただきたいと願っています。
ご自身が疲れているのに卵だけは元気ということはないのです。心身が元気であってこそ卵も元気になるのです。
漢方薬の一陽館薬局 かしたに 陽子 先生
女性のための漢方相談専門薬局として、相談スタッフ7名は全員女性。
不妊症・月経不調など女性特有の心身のトラブルについて相談が多く寄せられます。
輝く女性の笑顔のために一陽館薬局だからできること、女性だからこそ分かり合えることがあります。
おひとりお一人お悩みの症状も生まれ持った体質も生活環境も異なるわけですから漢方相談は個別相談が基本であり、その相談自体からオーダーメイドであることは当然のことであるという考えに立ってしっかりとお客さまに寄り添い、サポートしています。
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