卵巣機能に関わる腎の機能を高めるために冷えとストレスの解消を
卵巣機能と年齢の関係を中医学ではどのように捉えているかご存知ですか?テレビの漢方薬のCMでも使われている「女性の体は7の倍数で変化する」という、中医学が考える女性の体の節目があります。この考え方からいうと、理想的な出産の時期は21歳から28歳となり、35歳からは卵巣の老化、つまり、卵子細胞の老化が始まり、卵子が精子と受精しても受精卵の分割がうまくいかなくなったり、着床がうまくいかなくなる傾向になります。
卵子の衰えは42歳を境に飛躍的に進んでいきます。それは肌や髪よりも早いと言えます。ですから、35歳までには第一子をなんとかもうけて欲しいのですが、これはあくまでも理想の話。現代は晩婚化が進み、そうも言えないのが現代の状況です。
つまり、35歳を過ぎて妊活をするときの鍵は加齢による卵巣機能の低下をいかに抑えるかだと言えます。
中医学では卵巣機能は「腎」という生命のエネルギーの源にコントロールされていると考えます。この腎の強さは先天的なものです。初潮が14歳以降だった人は卵巣機能が先天的に弱めであると言えます。しかし、いくら先天的に問題がなかった人でもその後の生活養生で卵巣機能が衰えることがあります。逆に先天的に腎が弱い人でも生活養生で強くすることが可能なのです。
腎に負担を与えるのは冷えとストレスです。先天的に腎の弱い人はもともと冷え性であることが多いのですが、アイスや清涼飲料水など、体温よりも冷たいものを飲み食いしたり、湯船に浸からずシャワーだけで済ませているような生活は冷え性の後天的要因になります。
生足で関節を冷やすのもNGです。冷えは骨と皮しかない関節から入ってきます。五本指ソックス、レッグウォーマーなどで、くるぶし、すね、膝の冷えを予防しましょう。下半身で冷やされた血液やリンパ液が脚の付け根から上半身に戻ってくると、卵巣も子宮も冷えてしまいます。これは手がかじかんでいるのと同じ状態。これでは元気な卵は育たず、受精卵のベッドになる子宮内膜は冷たいコンクリートの床のようになってしまいます。
次にストレスの問題です。ストレスとは生命維持からすると、危機が起きた時ということになります。この危機に対応しようと自律神経の交感神経が優位に働きます。交感神経は体を戦闘状態にします。戦いに必要な筋肉を動かしたり、生命に直接関係のある脳、心臓といった器官の血流を良くするために、毛細血管を縮めて戦いの時には使わない、子宮や卵巣などの器官への血流を絞ります。血液の量は限られていますから、体は自然と血流の優先順位を決めるのです。逆に体をリラックスさせて体全体に血液を送る指令を出すのが副交感神経です。
つまりストレスが慢性化して交感神経ばかりが働く状態が続くと、子宮や卵巣はつねに血液不足となっていることになります。ましてや卵巣・子宮は月経で毎月血液を失い、貧血になりやすい器官です。これでは元気な卵が作れるはずがなく、卵巣機能が低下していくのも当然のことと言えるでしょう。
このような状態の人には溜まったストレスを吐き出す漢方薬を服用してもらい、新たなストレスとため込まないために、カウンセリングを行い、視点を変える考え方のトレーニングを行います。考え方が変わってくると薬の効果もぐーんと上がります。
妊活は妊娠することが最終目的ではありません。赤ちゃんを迎えることで幸せな家族を作るという先の目的があるはずです。それをイメージしながら、小さなことからコツコツ積み上げていくことが本来の妊活ではないでしょうか。
マーシィー稲田薬局「健幸館」 北澤尚雄 先生
赤ちゃんを授かるのに、必要なものは何でしょう? それは植物の種が発芽する時と同じです。光と空気と水と土が必要なのです。光と空気はどんな人にも平等に与えられていますね。次の「水」はとっても大切です。どんな水を飲むのか、私はちゃんと選びたいと思っています。そして最後の「土」がお母さん、お父さんの体質です。植物を育てたことがある人なら誰でも体験していること。「土づくり」は決定的に大切です。あなたに合った「土づくり」始めてみましょう。
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