冷えが女性の体に与える影響とは?【冷え性と妊娠の関係】
インタビュー 妊娠・出産
冷えが女性の体に与える影響とは?【冷え性と妊娠の関係】
多くの女性が悩んでいる冷え性ですが、実は、冷えが不妊の原因になってしまうこともあると言います。冷えは女性の体に一体どんな影響をもたらすのでしょうか。
冷えが女性の体に与える影響とは?【冷え性と妊娠の関係】
2017/4/7 池下育子(いけした女性クリニック銀座)
今回は、いけした女性クリニック銀座の池下育子先生に話をお聞きしました。
▼ もくじ
- 冷えが婦人科系疾患を招くことも
- 冷え性は不妊の原因にもなるので要注意
- 1つでも当てはまったら冷え性の危険性アリ!
- 冷え性の改善は生活習慣の見直しから
- まとめ
冷えが婦人科系疾患を招くことも
血流が悪いことを冷え性と言います。冷え性そのものは病気ではありませんし、冷え性であることが直接、重大な病気につながることもほとんどありません。
とはいえ、放っておくと次のような症状を招く原因になってしまうこともあります。
・ トイレが近い、便秘、下痢、食欲低下といった不定愁訴(ふていしゅうそ)と呼ばれる体調不良
・ 免疫力低下により膀胱炎や腟炎などの炎症を起こしやすくなる
内臓機能の低下により、生理トラブル、PMS、更年期障害、子宮筋腫、子宮内膜症といった婦人科系疾患にかかりやすくなる
・ 手足など体のむくみ
・ 体調不良からメンタル系の病気につながり易くなることも
冷え性は不妊の原因にもなるので要注意
冷え性が直接、不妊の原因にはなりません。ただし、前述したように、冷えによって生殖機能の働きが悪くなり、
黄体機能不全などの着床障害による不妊症
無月経や希発月経などの排卵障害による不妊症
などを引き起こすことは非常に多いと言えます。
一方、不妊症だった方が、生活習慣の見直しと体を温める漢方を毎日飲み続けたことによって、基礎体温が徐々に上がり妊娠したケースもこれまでにいくつも見てきました。
ですから、すべての人にあてはまるとは言えませんが、体温が低いと妊娠しづらく、体温が高いと妊娠しやすいというのは確かにありますね。
1つでも当てはまったら冷え性の危険性アリ!
□手や足の先が冷たい(人と握手した時、自分のほうが冷たいと感じる)
□直接お腹を触ると冷たいと感じる
□平熱が35℃台の時が多い
□コーヒーやお茶、冷たい飲み物をよく飲む
□お風呂に入らず、シャワーで済ませることが多い
□運動をあまりしていない
□痩せすぎと言われる
□太りすぎ、汗っかきとよく言われる
チェックリストの1つでも当てはまったら冷え性の可能性があります。妊活中の女性は得に気をつけましょう。次の章で、冷え性改善のための方法をご紹介します。
冷え性の改善は生活習慣の見直しから
●食事面
冷たい食べ物はできるだけ避け、体を温めるものを食べましょう。
また、辛い食べ物は体を温めるイメージがありますが、汗が出すぎるとかえって体を冷やしてしまいます。刺激の強すぎるものは避けましょう。コーヒーやお茶など利尿作用のあるものも飲み過ぎると体を冷やすので適度な量に。
熱を生み出す筋肉の原料になるたんぱく質は意識的に摂取しましょう。
●運動面
体を適度に動かすことも大切です。こまめなストレッチで血流が良くなります。普段、運動習慣のない人は、こわばった体を時折伸ばすだけでも十分効果が期待できるでしょう。
●生活面
気温の急激な変化も体を冷やす要因となります。季節によっては、屋外と室内の温度差が大きい場合もあります。薄手のカーディガンを持ち歩くなど、重ね着で状況に合わせて臨機応変に体温調整できる工夫をしてください。
また、入浴こそ血行を良くし、体を温める絶好の時間です。シャワーだけで済まさず、夜だけでも38℃〜40℃のお湯にじっくり浸かりましょう。15分以上の半身浴をすれば、じんわり体が温まってきますよ。
池下先生より まとめ
手足の先の冷えだけでなく、お腹を触って冷たいと感じたら冷え性と思って対処しましょう。お腹が冷えていると膀胱、腸、子宮、卵巣の動きを悪くし、それが不妊の原因にもなってしまいますからね。