基礎体温からわかることを教えてください。

基礎体温は体のリズムを知るためのもので、妊娠を希望される女性はもちろん気になると思います。基礎体温は単に数字でみていくのではなく、グラフにしてみることをおすすめします。最近は基礎体温を入れるだけでグラフにしてくれるアプリもあります。グラフで客観的にみると、排卵の時期や高温期が長いかどうかなど大まかなトレンドが見えてきます。ネットや本で紹介されている見本と同じ形にならなくても心配いりません。形は人それぞれです。この方の場合、体温は低めですが正常範囲です。高温期も平均で0.3℃上がっていれば問題ありません。
基礎体温が低い人は妊娠しにくいのでしょうか。

「基礎体温が低い=妊娠しにくい」というわけではないと思います。もともと体温が低い方もいます。排卵後に体温が上昇するのは排卵後に分泌されるプロゲステロンホルモンの作用です。このホルモンが脳にある体温を調節する部位に働きかけ、基礎体温を上昇させます。プロゲステロンホルモンに対する感受性の違いにより体温の上昇が早い人、遅い人がでてきます。感受性は個性なので妊娠のしやすさには関係しません。それでも気になるようであれば、冷えを改善する治療をされてはいかがでしょうか。たとえば、体を温める作用がある「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などの漢方薬を服用することで体調がよくなることもあります。
基礎体温が気になる方はとても多いようです。

日々の数値の上下に一喜一憂してしまいがちですが、細かいことは気にせず、大まかなトレンドをとらえることが大切です。どうしても基礎体温が気になる方は、それがストレスになり、治療がうまくいかなくなる可能性もありますからしばらく計測をお休みしてみましょうと提案しています。排卵日にタイミングを合わせるには、超音波と血液検査で排卵日を予測するのが一番確実です。通院されているのであれば、必ずしも基礎体温は必要ありません。
中村先生より まとめ
基礎体温が低い=妊娠しにくいわけではありません。基礎体温は人それぞれですので細かいことは気にせず、大まかなトレンドをみるためのものと考えましょう。タイミングを合わせるには、超音波と血液検査で排卵日を予測するのがもっとも確実です。

[無料]気軽にご相談ください
中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック)
大阪市立大学医学部卒業。
同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。
≫
なかむらレディースクリニック