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ドクターが解説 !!生殖医療用語「GnRHアゴニスト製剤」

コラム 不妊治療

ドクターが解説 !!生殖医療用語「GnRHアゴニスト製剤」

2017夏 P86-87

2017.5.23

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難しい用語がいろいろと出てくる不妊治療の現場。治療でよく聞く用語だけど、あまり正確に知らないものも多いのでは?勘違いや思い込みを防ぐためにもしっかり確認しておきましょう。クリニックの先生に用語の解説をしていただきました。


GnRHアゴニスト製剤


視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)放出ホルモン(GnRH)に似た構造をもつ合成薬の1つで、点鼻薬と注射薬があります。脳下垂体にあるGnRHの受容体に結合し、作動薬として働きます。子宮内膜症の疼痛緩和や子宮筋腫の病変縮小を目的として、またARTにおける調節卵巣刺激の低刺激法で使われます。
体内でつくられるGnRHよりも受容体と結合する力が強く、作用も高まります。使用初期は受容体の数が増えLH、FSHも多く分泌されます。しかし長期の使用により受容体が減り、反応も弱まってLH、FSHの分泌が抑制するように働きます。そこで、調節卵巣刺激法において採卵前に排卵してしまうことを防ぐ、あるいは卵胞の発育をコントロールする目的で使われています。
点鼻薬を使用するロング法では早発排卵を抑制でき、たくさんの卵子を得られるのですが、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)がある場合には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高まります。





可世木病院(愛知県名古屋市) 可世木 成明 先生

名古屋大学医学部卒業。同大大学院医学研究科博士課程を経て、名古屋大学医学部産科婦人科に入局。名古屋大学医学部助教授、岡崎市立病院産婦人科部長、名古屋第一赤十字病院産婦人科部長を歴任された後、1990年、名古屋市内に医療法人格医会可世木病院を初代院長の父上と共に開業。日本産婦人科医会名誉会員。




 




出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.34 2017 Summer
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