胚盤胞の移植日は固定化されているものですか?
2017/6/19 中村 拓実先生(なかむらアートクリニック)
相談者:みっぽさん(41歳)
生理の周期が短め。移植のスケジュールで妊娠確率は変わる?
32歳のとき、卵巣嚢腫の手術をしました。41歳の現在も子宮内膜症で、子宮筋腫があり、卵巣脳腫もまたできています。不妊治療を始めて2年経ちますが、医師には問題ないと言われています。昨年、年齢のわりにはグレードの良い胚盤胞が3個できました(5AA、5AB、4BA)。2つはホルモン補充周期で移植、あと1つは自然周期で移植しましたが妊娠できませんでした。次の採卵でも胚盤胞が3個できました(5AA、4AB、3BA)。今のクリニックでは、ホルモン補充周期だと移植は22日目と決まっていますが、ホルモン補充周期の場合、着床の窓は絶対ずれないのでしょうか? 私の場合、生理の周期が26日と短めなので、移植日を1日、2日早くすれば確率が変わったりするのでしょうか?
年齢が若くはないので、治療はこれで最後にしようと思っています。
みっぽさんが言う、22日目に移植というスケジュールは変更できるものですか?
一般に、ホルモン補充周期では月経10日目から14日目ごろに子宮内膜の厚さなどをチェックして、移植日を決定します。ホルモン補充周期の移植日を固定している施設もあります。一方、ホルモン補充周期でも着床の窓がずれている可能性があるとの報告もあります。他にも様々な要因を考慮して移植日が決まりますので、担当医に相談してみたらいかがでしょうか。月経周期が短いから移植日を早めれば着床率が上がるということはないと思います。
卵巣嚢腫があることと、今回の着床については関係がありますか?
グレードの良い胚盤胞でも染色体異常の割合は高いため、3〜4回続けて着床しないケースは珍しいことではありません。卵巣囊腫があっても、着床には影響していないと考えられますので、子宮内膜症の治療よりも、今は不妊治療の方を優先されるべきだと思います。
中村先生より まとめ
排卵誘発や胚移植は各施設がそれぞれ工夫した方法で行っています。治療を進めていくうえで、担当医の説明が分かりにくい場合や、疑問に思うことがあった場合は、遠慮なく担当医に相談して、納得のいく治療をしていただきたいと思います。