妊娠すると、いつもより高温期が高くなる?
2017/6/18 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長)
相談者:ともさん(主婦/29歳))
妊娠を目指して毎月頑張っています。
参考に教えていただきたいのですが、妊娠すると高温期がいつもより高くなると聞いたことがあります。高温期に入ってすぐに高温になるんでしょうか?それとも、生理予定日近くになってからグッと体温が上がるのでしょうか?
基礎体温について教えてください。
卵胞(卵子が入っている袋)が成熟して卵子が排卵した後、卵胞は黄体という組織に変化します。黄体からは黄体ホルモンが分泌され、黄体ホルモンが脳にある体温中枢に作用して体温を上げます。これが基礎体温で、体温が二層性になるしくみです。黄体は妊娠が成立しなかった場合、約2週間で消えていき、黄体ホルモンを分泌しなくなります。すると子宮内膜を維持できず剥がれ落ちます。これが月経です。
妊娠すると基礎体温はどう変化しますか?
妊娠が成立すると基礎体温は高温期を保ったままになります。絨毛から分泌されるHCGホルモンが黄体を刺激するため、黄体は消えることなく黄体ホルモンを分泌し続けます。高温期が約3週間続くと妊娠している可能性があります。
妊娠と高温期について教えてください。
妊娠が成立しても、高温期がいつもより高くなることや生理予定日前にぐっと体温が上がるということなど、特別なパターンを取ることは基本的にありません。たとえば、高温期の途中で一旦体温が下がるような場合でも妊娠する可能性はあります。人間の体ですのでさまざまな誤差はあります。基礎体温はあくまでも振り返って確認するためのものです。基礎体温の上がり下がりのパターンだけで妊娠を判断はできません。
中村先生より まとめ
妊娠すると基礎体温は高温期を保ち続けます。高温期が約3週間続く場合は妊娠の可能性があります。高温期がいつもより高くなるといった‘兆候’は基本的にありません。高温期の途中で一旦体温が下がる人もいるなど人さまざまです。