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病院によって胚盤胞移植の判定日が違うのはなぜ?

コラム 不妊治療

病院によって胚盤胞移植の判定日が違うのはなぜ?

2017Webコラム

2017.6.23

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病院によって胚盤胞移植の判定日が違うのはなぜ?


2017/6/23 中村 嘉宏(なかむらレディースクリニック 院長)







相談者:りんりんさん(主婦/32歳)


胚盤胞移植から10日目です。ネットで調べると、10日目で判定する病院もあるみたいなので、私もそうしたいです。私の病院では判定まで採血が2〜3回あるんですが、HCGは調べてないみたいです。E2とPだけです。

先生に聞いたところ、一番確実なのは14日目からといわれました。
でも10日目でHCGが一桁だとほぼ妊娠してないですよね…。

判定日まですごいストレスで、気がおかしくなりそうなので早く知りたいです。
明日、チェックワンファストで調べるつもりですが、病院のやり方にちょっと疑問が出てしまいました。早くわかれば、かなり苦痛な膣座薬もやめられるし、薬も無駄にならないのに…。と思ってしまって。

みなさんの病院はどうでしたか?教えてください。



 


 



胚盤胞移植の判定日について教えてください。


判定日は施設によって移植後10日後から14日後くらいまでと異なりますが、どれが優れているということはありません。それぞれの施設の検査器の特性や、蓄積データにより判定基準値が異なるためです。当院では胚盤胞移植後10日目に血中のβ-hCGを測定し、同時にE2とPの値も確認してホルモン補充量を調整しています。大切なことは、β-hCGの値は、妊娠経過の予測ですので、数値が低くても妊娠が継続することもあれば、数値が高くても化学流産に終わることもあります。お気持ちはよくわかりますが、何事も経過をみないと判断できません。また、早期の妊娠検査薬の使用は精度が低いのでおすすめできません。自己判断で薬の使用を中止することなどは絶対に避けてください。


胚盤胞まで培養したほうが良いのはなぜでしょうか?


年齢が若い方で受精卵が複数個ある場合、胚盤胞まで到達する受精卵がもっとも生命力の強い受精卵ですので、胚盤胞移植が適していると思います。一方、40代になると胚盤胞の到達率が低下したり、体外培養によって途中で成長を止める受精卵もあります。胚盤胞の到達率が低い場合は、初期胚移植をおすすめしています。


新鮮胚移植、タイミング法、人工授精の判定日についても教えてください。


当院の体外受精での判定日は、初期胚であれば移植後12日目で、胚盤胞であれば、10日目です。どちらもβ-hCG、E2、Pの値を測定します。また、タイミング法と人工授精については妊娠5週目です。つまりタイミングをとったり、人工授精の3週間後に妊娠検査薬(尿判定)により判定します。β-hCGの検査は費用が高いことや、体外受精ほどホルモンの調整を必要としないため、少し遅い時期に判定しています。




中村先生より まとめ


体外受精の判定日は施設によって10日〜14日まで異なり、
どれが正しいということはありません。判定数値はあくまでも予測であり、経過観察が必要です。早期の妊娠検査薬で自己判断し、薬の使用を止めることなどは絶対に避けましょう。



 



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お話を伺った先生のご紹介





中村 嘉宏 先生(なかむらレディースクリニック)


大阪市立大学医学部卒業。

同大学院で山中伸弥教授(現CiRA所長)の指導で学位取得。大阪市立大学附属病院、住友病院、北摂総合病院産婦人科部長を経て、2013年より藤野婦人科クリニック勤務。2015年4月なかむらレディースクリニック開院。

なかむらレディースクリニック


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