くりかえす12週までの流産の3割は防ぐことができる
せっかく妊娠したのに流産してしまうと、肉体的にも精神的にもダメージが大きいものです。しかもそれが2回、3回と続き、習慣性流産になってしまうと、受精がうまくいっても「今度もだめになるかも」と、つねに不安がつきまといますよね。
流産の原因を医療機関で調べてもらうことも有効ですが、そこからどのように流産しない体づくりをしていくかが重要となります。
どうしても流産がさけられないのは染色体異常によるものです。もちろん染色体異常にも程度がありますが、ほとんど12週までに結論がでます。
ただし、習慣性流産の3割くらいは染色体異常ではなく卵巣機能不全で、12週までに流産していると、山東中医薬大学高度医療生殖センターの蓮方教授がおっしゃっていました。山東中医薬大学高度医療生殖センターは、IVFやICSIに中医学をプラスするという、私たちが理想としている不妊治療を行なっている施設です。日本の場合は高度医療と中医学の治療は単発で別々に行なっているのが現状です。
蓮方教授のお話からいうと、12週までの流産のうち、3割はそれを避けることが可能だということです。このとこからもわかるように、妊娠前から卵巣機能を高めておく、つまり卵巣の状態をよくしておくことで12週までの流産の3割が防げるのです。
卵巣機能低下を中医学では「腎虚」といいます。卵子の質、精子の質、子宮の質、すべてが腎の良し悪しで決まります。腎には「精血」という、人体の生命活動を維持する栄養物質をいかに充足させるかが重要なポイントになります。年齢とともに腎の精血が不足し、痰湿や瘀血などが入り込んだり、逆に痰湿や瘀血から精血の供給が不足し腎虚になるからです。腎虚になれば流産が起こりやすくなります。つまり、精血が不足すると赤ちゃんを育て上げられないため、痰湿や瘀血を取り除いて精血を補うことが流産には有効です。とくに習慣性流産になっている方は、痰湿や瘀血を取り除いて腎に精血をしっかり補う必要があります。
中医学ではこれらを同時に行うことができるのが大きな特徴です。もちろん染色体異常など、ダメージを受けてしまった卵を中医学で救うことはできません。しかし、卵が発育する140〜150日ほどの間に、「虚血再灌流(きょけつさいかんりゅう)」という、血流が悪い状態から発生する活性酸素がDNAのダメージを与えているとしたら、元気な卵を守ることは可能です。実際に50歳で自然妊娠され出産されたお客様がいることからも、十分に試す価値のある方法と言えます。
虚血再灌流は瘀血とも絡んでいます。つまりできるだけ虚血再灌流を起こさせないようにすることで、染色体異常を防げるケースもあるのです。そのためには、鍼と併用しながら血流量をあげて安定させることです。さらに漢方で腎精や腎血を補います。中医学の鍼と漢方を組み合わせることで、着床障害や流産、さらに卵の染色体のダメージをできるだけ軽くしていきます。習慣性流産の方はもちろん、そうでない方もお腹の赤ちゃんの発育を促すために、週に1度は鍼を打つことをおすすめします。
中医学の素晴らしさ
皆さんは中医学をご存知ですか?
漢方薬や鍼灸治療・薬膳・気功など様々なコンテンツがありますね。特に治療に関わる場合、漢方薬と鍼灸のことを指します。日本では別々に治療するケースが多いのですが、本来の治療では組み合わせることがとても重要です。
1+1は2ではありません。中医学では漢方薬と鍼灸治療の組み合わせることで、とても素晴らしい効果を発揮しています。
漢方薬は患部に届いて初めて効果が出ます。だから、弱った臓器の血流を鍼灸で回復させる。
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株式会社誠心堂薬局代表取締役 西野 裕一先生
株式会社誠心堂薬局代表取締役。 薬剤師・鍼灸師。北里大学薬学部卒。東京医療福祉専門学校鍼灸科卒。中国漢方普及協会会長。日本中医学会評議員。漢方・鍼灸をはじめとする中医学の有用性を啓発・普及させる活動に尽力。著書多数。
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