妊娠にまつわる“言い伝え”、信じる?信じない?
インタビュー 妊娠・出産
妊娠にまつわる“言い伝え”、信じる?信じない?
世の中には妊娠や出産にまつわる噂やジンクスがたくさん存在します。「どうせ迷信に過ぎない」と思ってはいても、妊活・妊娠中はなにかと不安が多いため、こういった“言い伝え”とどのように付き合っていくべきか、宮川医院の宮川智幸先生に伺いました。
質問1: 最近では“妊娠菌”というワードが妊活中の女性の間で話題です。 妊娠菌、またはそれに近いものは実際にありますか?
残念ながら、そのような菌は存在しません。「赤ちゃんを授かった喜びを、おすそ分けする」という気持ちが高じたものでしょう。現代はネット社会で、「どうしたら妊娠するのか」と検索すれば、何らかの情報を得ることが可能です。しかし、その情報は玉石混交で、怪しいものも少なくありません。
ネットの向こうの人は、ほとんどが会ったこともない赤の他人です。信頼に足るかを調べるすべもないのです。例えば、「子宝草を育てたら、赤ちゃんを授かった」という噂にしても、その方はおそらく、決まった時間に植物に水をやれる規則正しい生活の中で、植物を愛でる心身の余裕があったからこそ授かったという可能性はあります。
親しい友人が妊娠したときに、「妊娠菌を分けてー」とおなかを触らせてもらうのは、もしかしたら効果があるかもしれません。妊娠菌のなせる業ではありませんが、母性が目覚めて、「次は私も!」という意欲も湧きます。「大事にしてね」と友人を労わり、優しい気持ちも芽生えるでしょう。でも、それが逆に「なぜ彼女が妊娠して、私はしないの?」といった恨みや妬みにつながると逆効果。ポジティブに受け取るか、ネガティブに受け取るかで、同じ情報もまったく違う効果をもたらすのです。
質問2: 代々受け継がれた、古くからの「言い伝え」の信ぴょう性はありますか?
質問3: 信じてもいい、あるいは信じた方がいい“言い伝え”はありますか?
宮川先生より まとめ
妊娠にまつわる噂のほとんどは“迷信”に過ぎません。願掛け的に楽しみながらトライするのは悪くはないけれど、できなかったからと自己嫌悪に陥るのは禁物です。妊娠の基本は健康の基本と同じで、良い食事、適度な運動、健やかな睡眠、そしてストレスの軽減です。あやしいジンクスに惑わされて、逆にストレスを増やさないように心がけましょう。