あなたは流産がどのくらいの頻度なのかご存知ですか?その数は妊娠した女性の約15%と言われています。しかも妊娠12週未満の「早期流産」が流産する人の約80%を占めます。流産を2回以上くり返すことを「不育症」といいます。
受精の瞬間に流産の原因が生まれる
妊娠において非常に重要な要素は女性の年齢です。年齢とともに卵子の数は減少しはじめ、35歳以降はその減少率は加速します。そのため妊娠率も低下します。また卵子の「質」も低下するため、受精卵の染色体異常の発生率も高くなります。このような質の低下した卵子のまま体外受精を行なっても、染色体異常が発生しやすくなり、流産という結果を招きやすくしてしまうのです。
もちろん問題は女性側ばかりではありません。最近は精子の異常も増えています。男性の年齢が上昇するに従い、精液の量、精子濃度、運動率、正常形態精子が減少していくことがわかっています。つまり、1回の射精で採取できる精子は加齢とともに減っていくのです。男性が一度の射精で採れる精子の数は正常なら億単位ですから、1個だけの卵子とは比べ物にならないほど数が多いので染色体の異常が問題にならなかったのですが、最近はそうとはいえないのが現状です。
また、流産のリスクを減らすために、受精卵の染色体の数を着床前に診断する検査を希望する人におこなっている医療施設があります。しかし、この検査で流産は減るかもしれませんが、妊娠率があがるわけではありません。
鍼灸治療で妊娠に必要な身体の質改善を
元気な卵子、精子はもちろん、受精卵が着床しすくすく育つ環境も妊娠のためには不可欠です。つまりピンポイントではなく、生殖器全体、そして身体全体の機能を上げる必要があるのです。このような治療に効果的なのが「鍼灸治療」です。
不妊症の方に多いのが骨盤内の血流が悪い「瘀血・おけつ」です。瘀血とは滞った血のことです。瘀血のある方は生理不順、生理痛、冷え症、便秘や下痢などをしやすい症状のある方が多いのです。
これらを改善する鍼灸を平均25〜30回、期間にして3〜6か月続けると、症状が楽になってきて、結果、妊娠もしやすくなります。卵子の質をよくするには、母体を強化することが大切です。
医療技術は日々向上していますから、身体全体が健康に整っていれば、体外受精は成功すると言っても過言ではないのです。そのためにも、病院の不妊治療と鍼灸治療を並行して受けることもいいことです。
体外受精の成功率は年齢と共に低下します。「卵の質が低下しているから、しようがない」とあきらめる前に、鍼灸治療で体質改善(母体の強化)を試みてはいかがでしょうか。もちろん、ご夫婦での身体づくりも成功の近道となるでしょう。