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「子どもがいると楽しいだろうな」と考えるも積極的になれず… タイミング法で妊娠すると思っていたけれど、 夫の精子の数が少ないことが判明。 治療への興味もあって顕微授精へ。

コラム 不妊治療

「子どもがいると楽しいだろうな」と考えるも積極的になれず… タイミング法で妊娠すると思っていたけれど、 夫の精子の数が少ないことが判明。 治療への興味もあって顕微授精へ。

2018.2.19

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妊活説明会に参加したものの、まだ他人事だった二人。


最初はそれほど子どもを望んでいなかったマミさんが


歩んできた不妊治療の道のりです。


子どもが欲しい主人と今じゃないと思う私の葛藤


取材に応じてくれたのは、少しお腹のふくらみを感じるくらいの妊娠中期に入ったというマミさん。
ご主人との出会いは恋活パーティで、いわゆる婚活イベント。出会って2週間でつきあいはじめ、その月にはプロポーズされたそう。この時子どもがあまり好きではなかったというマミさんでしたが、「この人と子どもがいる生活ができたら楽しいだろうな」と直感し、理想の家族像が浮かんだのだとか。
とはいえ、結婚後もあまり子づくりに積極的ではなく、「主人は兄弟も多く、子ども好きで、早く欲しがっていました。でも私は二人の時間も楽しみたいし、いずれ…くらいにしか思っていなかったんです」。
そんなふうになんとなく子づくりに対して、のらりくらりとやり過ごしていたのですが、結婚して1年2カ月くらい経った頃、ご主人に「家族というのは子どもがいて、子育てをして成長していくものだと思う。子どもがいなかったら結婚している意味がないよ」と言われたそうです。マミさんは「結婚ってそれだけじゃない…」と意見が合わず喧嘩。
「主人に“働く意味が見いだせない、子どもがいることで仕事も頑張れる”と言われて、もう何も言えなくなりました」とマミさん。“子どもがいたら楽しいのだろうな”と自己暗示をしながら葛藤する日々が続きました。
「私は二人のままでも幸せだと思っていたのですが、主人がかわいそうというか…子づくりへの転機でしたね」
子づくりを決断すると、ご主人から“子どもができたらなかなか旅行にも行けなくなるから、今のうちに行っておこう”と提案が。ディズニーランドが大好きなマミさんを、本場アメリカまで連れていってくれたのです。「本音をいうと、あ~、もうこれで逃げられないなって思いましたね」と苦笑するマミさん。


自然妊娠を望むも…思うようにいかず悩む日々


これまでにも冷えの予防のために、鍼灸院に通っていたマミさん。妊娠にいいといわれるツボを聞き、自宅でお灸をすることも。本格的に妊活に取り組むべく、スマートフォンのアプリを活用して、妊娠しやすい時期を予測し、タイミング法での自然妊娠を期待していました。
「すぐ妊娠すると思っていたのに、毎月生理がきてしまって…。そのたびになんだか悲しくて。私が心の底で妊娠しないことを望んでいるから、なかなか妊娠しないのかもと疑心暗鬼になっていました」
30歳を目前に控えていることもあり、不妊外来を受診してみようかと意識してはいるものの、まだ自分はそこまでしなくても…と悩んでいた時に、県が主催している妊活を応援するプロジェクトで説明会をやっているのを知り、ご夫婦で参加しました。
「説明会で初めて、体外受精や顕微授精という治療法があること、治療や検査に対して県の助成金があることを知りました。ただ、その説明を聞いて、なんとなくタイミング法以外は人工的な感じがしたので、タイミング法でできなければ赤ちゃんは諦めようと、二人で話しました」


夫婦二人で検査を受け、顕微授精への決断


通っていたスポーツジムで先輩女性たちからのアドバイスや、インターネットでも調べて、近くて通院しやすい不妊治療クリニックへ通うことに。「受診する前に説明会に参加するのですが、びっくりしたことにそれが2カ月待ちだったのです。こんなに治療したい人がいるということに驚きました」とマミさん。
説明会後、2回目の受診時にはフーナーテストとAMHの検査。AMHの値が40代という結果にショックを受けつつも、すぐさま精液検査も受けると、精子が少ないことが判明。その検査結果を受けて医師から「顕微授精でしか赤ちゃんは授からないよ」と伝えられました。
「主人はショックだったようですが、もともとタイミング法以外は治療をしないと考えていたので、もう治療は終了かなって思いました」
クリニックの先生からは、顕微授精へのステップアップを促されたそうですが、検査結果を受けて二人で再度話し合うことに。
「主人は子どもが欲しいという気持ちがあったので、『治療は継続してほしい。また顕微授精は高度な医療なので、興味がありやってみたいと思う』と言われました」
さまざまな妊活ブログに、“治療はつらい”と書かれているのを見て“本当につらいの?”という怖いもの見たさもあり、また「事前に費用が40~60万円くらいと聞いていたので、これくらいならチャレンジしてもいいかな」と治療を進めることに。
麻酔が効いていてマミさんは覚えていなかったそうですが、採卵時に過呼吸のようになり、恐怖でかなり叫んでいたと、看護師さんたちに後から聞いたそう。
卵子は17個採卵でき、9個受精しました。
「ここで初めて知ったのですが、採卵した分だけ費用がかさむのです。たくさん採卵できたことをまずは喜びつつも、正直大変だなって思いました」
顕微授精という人工的な治療に抵抗はあったものの、受精したと医師から聞いた時は“子どもを授かるって奇跡なのだ”と改めて感動したというマミさん。その後、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)でお腹が張ったり、情緒不安定でご主人と喧嘩することもあったそうです。


さまざまな不安を抱え、カウンセリングを活用


「一般的に妊活をされる方と比べ、私はそこまで赤ちゃんが欲しいと思っていなかったこともあり、不安な気持ちもあまり人に話せなかった」というマミさん。そんな気持ちを癒してくれたのがクリニック内のカウンセリングでした。感情を素直にぶつけることができて、気持ちを落ち着けることができたのだそうです。
「この時点でこれまでの検査や治療費を一括請求されたのですが、当初言われていた費用の上限を超えていました。これから移植するのに…どれだけかかるんだろうって不安にはなりましたね」
それからまた気持ちの浮き沈みもあり、カウンセラーに「もう流れに任せるしかないね」と背中を押してもらったこともあり、治療を継続。体調を見ながら時期を見計らい、グレードの一番良い卵をお腹に戻しました。
一度で妊娠したことが判明した時は冷静に受け止めつつも、自然と顔がほころび笑顔になったというマミさん。その時の気持ちをあらためて伺うと、「1回で成功したことに驚いて、なんだかふわふわした気分でした。口元が緩み、主人に妊娠を伝えるメールを打つ手が震えていたのを覚えています」。
妊娠初期は眠気やお腹の痛みのようなハリで体調があまり思わしくなかったそうですが、現在は気持ちも落ち着いてきて食欲もモリモリ。「赤ちゃんに本の読み聞かせでもしようかな」と思ったり、「お風呂で“気持ちいいね”ってお腹に話しかけている自分がいます」と少しはにかみながら話すマミさん。
「これからどんな日々が待っているかわかりませんが、今は身を任せようと思います」
また、「悩むなら、できるだけ早く夫婦で検査をしてほしいですね」と取材を締めくくってくれました。




自分の妊活を記録に留めておこうと、「妊活まんが」を記していました。夫婦の心情や治療内容が一目でわかるイラストが描かれています。



 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.37 2018 Spring
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