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治療中のつらかった思い出を、封印していたのかも    子どもってなんでこんなにかわいいんだろう…。 夫婦だけの生活がずっと続くと思っていたけど、 欲しいと思った瞬間から、大変な治療が始まりました。

コラム 不妊治療

治療中のつらかった思い出を、封印していたのかも    子どもってなんでこんなにかわいいんだろう…。 夫婦だけの生活がずっと続くと思っていたけど、 欲しいと思った瞬間から、大変な治療が始まりました。

2018.2.19

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治療中のつらかった思い出を、封印していたのかも


子どもってなんでこんなにかわいいんだろう…。


夫婦だけの生活がずっと続くと思っていたけど、


欲しいと思った瞬間から、大変な治療が始まりました。


夫婦二人、充実した生活。心境に変化が訪れたのは…


あとわずかで2017年が終わろうとしている12月下旬。待ち合わせ場所で会ったAkiさん(44歳)と息子のSoくん(7歳)のほっこりとした雰囲気は、慌ただしい年末のひとときを癒してくれるよう。久しぶりのお天気で、ぽかぽか陽気。せっかくだからと海辺まで足をのばして治療や現在までのストーリーを聞かせてもらいました。
Akiさんが11歳年上のご主人と結婚したのは2001年。おいしい料理が大好きな二人は、県外までグルメ旅行に出かけるなど、結婚当初から充実した日々を過ごしていたそうです。
「主人はすでに自分の生活スタイルが完成していて、そこに私を入れてもらったっていう感じでした。特に子どもが欲しいとか、そういうわけでもなく、二人で仲良く暮らしていくことが当たり前のような気持ちに徐々になっていったような気がします」とAkiさんは振り返ります。
 二人での生活を満喫していた日々のなかで、Akiさんの心境に変化が訪れたのは、姪っ子が誕生したこと。
「それがとてもかわいくて。子どもがいてもいいかな、楽しいかなっていう気持ちが芽生えたんです。ただ、年齢的なことを考えると、本気で子どもを望むなら時間はあまりないなって……」
ご主人に自分の気持ちを伝えてみると「意外にもすんなりと受け入れてくれて」自治体主催の不妊相談の窓口に出向いたAkiさん。担当してくれた大学病院のドクターに若干ぽっちゃり体型だと指摘され、まず1カ月間のダイエット入院に挑戦。この時、結婚から6年が経過していました。


乗り切るために書き続けたダイエット入院の記録


1日目「いよいよ」
今日から入院。残された夫よ、後をよろしく。お掃除頑張ってね。

6日目「うわー少なーい」
朝食をとろうとして、驚きました。2日目から1日摂取カロリーが1200kcalに設定されていたのですが、今日からは1000kcalに。
10日目「しみじみ体験中」
お腹すいてきたかも……。かといって、なにか食べたいってこともない。「食事も治療の一環と認識してるんですねー」と看護師さんは言うんだけど、そんなこともない。たぶん、いま、おもしろがってるんだと思う。私自身にどのような変化があるのか、興味あり。

26日目「2.5倍の幸せ」
今日は食事のたびに、ニヤニヤしっぱなし。朝は「食パンー!たまごの黄身だー!」と叫び、昼は「さしみー!」と叫び、夜は「からあげだー!」と叫ぶ。心の中でね。今日からしばらく1000kcal。米飯は倍の量になり、全体の摂取カロリーは2.5倍になりました。入院6日目に書いた1000kcalの印象と180度違うので、自分でも笑ってしまった。

28日目「ひまでした」
昨日より1.5 kgも増えてた。これが停滞期なんだな。食事では、久々に牛肉が出ました。大げさかもしれないけど、食べられる幸せを、しみじみ感じております。

33日目「ありがとうございました」
午後になり、夫が迎えに来てくれました。病衣を脱ぎ、いつもの服を着たんだけど、やっぱりあんまり変わってないです(^^;) 夕ご飯は夫が大分の郷土料理「りゅうきゅう」と「筑前煮」を作ってくれてました。ありがたいなあ。
〜Akiさん入院日記より抜粋。


取材をきっかけに思い返す。私、実はつらかったんだな…


マイナス5kgのダイエットを終えたAkiさんは、とにかく時間を有効に使うために最初から人工授精もしくは体外受精をしたいと担当のドクターに依頼。大学病院での治療は、第一に料金が安いというメリットがありましたが、最新の治療が受けられるプライベートクリニックとは違い、どうしても治療内容にもその差が出てしまいます。インターネットなどで常に最新の情報をチェックし、毎日の通院の大変さを訴えて自己注射を取り入れてもらうなど、自身の治療に対して積極的に向き合ったAkiさん。
「自己注射は、どこが一番痛くないかなって自分なりに研究したんです。お腹やお尻、ほかにもいろいろな場所に刺してみて、お腹が一番痛くないなってわかりました。針は太くも細くもないサイズがベスト。あまり細すぎると折れそうな気がするでしょ?」
「臨月で入院した時に健康サンダルを履いていたんですよね。そのツボ押しのあまりにもひどい痛みが陣痛よりも勝った瞬間は、自分のことながら苦笑でした」
当時のエピソードを笑顔であっけらかんと語ってくれたAkiさんですが、治療中のメンタルや体調など、実はとてもつらい状態だったようです。
「家族や友人に、ネタっぽく楽しく喋っていたんだけど、今思い返してみれば、起き上がれないほどの体のだるさがあり仕事にも行けなかったり、確実に早く結果が出る治療法でお願いしているつもりなのに生理がきて落ち込んだりもしていたなって……」
高度な治療を受ければ、すぐに子どもができるはず。最初の想像とは違い、なかなか結果が出ない日々。排卵誘発剤の副作用による倦怠感に悩まされながらも3カ月ごとにトライした人工授精は4回、5回と回数ばかりが増え続けるだけで着床してくれる様子はまったくありません。思いつめないようにしていたとはいっても、趣味の時間をつくる気力もなくなり、体は正直に不調を訴えてきます。頭の中も治療のことが大半を占めるようになって、治療の意味さえもわからなくなりかけたAkiさんは、半年間、治療をお休みすることに決めました。


家族が増えたからこそ、夫婦の絆もより深まった


体と心を整える充電期間を経て、これを最後にしようと決めた体外受精。半分は諦めかけていたAkiさんは、結果を聞きに行く時も自分なりに覚悟を決めて医師のもとへ出向きました。
「無事に妊娠できたと言われてもなかなか実感が湧かず、しばらくぼーっとしていました。主人への連絡も、大喜びするというよりもお互いが静かに噛み締めたという感じでしたね」とAkiさん。時間が経つにつれて、お腹の中に自分たちの子どもが宿っていること、そして順調に育っている幸せを感じるようになってきたそうですが、同時に妊娠中の体を絶不調が襲います。
排卵誘発剤の副作用よりもさらにひどい倦怠感、頭がぐるぐると回って起き上がることもできず、一日中布団から出られないことも多々ありました。さらに、40週を超えて、41週目に入って陣痛も消えてしまったため、急遽、帝王切開での出産を余儀なくされました。
それでも、無事に誕生してくれたSoくん。夫婦二人での充実した生活に満足していたはずなのに、今、三人になったからこそ何倍にも幸せに満ちたかけがえのない毎日をAkiさんとご主人は過ごしています。結婚後も続けていたグルメ旅行のパートナーが、お互いから家族へと変わり、時にはご主人とSoくんが男二人旅にも出かけているのだとか。
「Soを産んでから、夫婦の絆も深まったような気がします。私は40代なかばに差しかかってきたけど、まだまだ主人には女性として見てもらいたいと思うようになったし、そのための努力を自分でもするようになったかな!」



 


出典:女性のための健康生活マガジン jineko vol.37 2018 Spring
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