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AIH2回目、精子の状態が良くありません。望みはありますか?

専門医Q&A 不妊治療

AIH2回目、精子の状態が良くありません。望みはありますか?

不妊治療を続けて1年、2回目の人工授精をしたところ、精子の状態があまり良くありませんでした。こちらのお悩みになかむらアートクリニックの中村拓実先生がお応えくださいました。

2018.4.27

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ステラママさん(28才)
AIH2回目、精子の状態が良くありません。望みはありますか。



不妊治療を1年ちょっと続けている者です。本日2回目の人工授精をしてきました。

そこで質問なのですが今回の旦那の精子の状態があまり良くありませんでした。





調整前 → 調整後

精液量(ml)0.9→1.0

濃度(万/ml) 2900 →540

運動率(%) 48 →76

直進率(%) 30 →54





過去2回検査やAIHで数値を出しています。
精液量は毎回1.2や1.3と少ない指摘があるのですがその他がこんなに悪かったのは初めてです。
調整後の濃度540がとても気になります。

もともと私の排卵障害でしばらく誘発剤などを服用していましたが副作用で内膜が薄くなってきたため今は誘発剤をやめ自力で排卵までもっていっています。
なので排卵までに30日近くかかります…旦那には言えませんがやっと人工授精までもってこれたのでこの結果にとてもショックです。この数値でも望みはあるのでしょうか?









中村 拓実先生からの回答(なかむらアートクリニック)



人工授精の際には、提出された精液中の雑菌や動きの悪い精子を除くために遠心分離器などにかけ、雑菌や運動していない精子を除き、良好な精子だけを集めます。調整後の精子濃度は下がります。

ステラママさんが気にされている精子濃度540万/ml、運動率76%は低い値ですが、調整後の精子濃度500万/ml前後で妊娠された方もおります。ただその場合、調整後の運動率は90%を超え、精液量が多い方でした。ご存知の通り、精子の検査値は検査毎に変動します。もし今後も数値が悪ければ、男性不妊の詳しい検査を検討されてみたらいかがでしょうか。




最近は男性不妊の割合が4~5割と言われています。

例えば超音波検査で精巣を詳しく調べてみたら、「精索静脈瘤」という病気が見つかるかもしれません。「精索静脈瘤」を治療したことで、精子濃度が低かったケースでも、その後自然妊娠された例もあります。

普段の生活で男性に心がけていただきたいことは、第一に禁煙、次に熱いお風呂を控える、サウナが好きなら控える…など体温を上げすぎないことなどです。




ステラママさんは排卵誘発剤を服用しておりますが、子宮内膜が薄くなりにくいタイプの排卵誘発剤に切り替えるなど、主治医の先生に相談してみたらいかがでしょうか。




「この数値でも望みがあるのでしょうか?」と心配されていますが、人工授精2回目で、年齢的にも若い方ですので、全体的に見てまだまだ諦める必要はございません。さまざまな手段や検査があります。もし体外受精にステップアップするとしても、男性不妊の検査を受けてからでも遅くはないと思います。







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お話を伺った先生のご紹介

中村 拓実先生 (なかむらアートクリニック 院長)


札幌医科大学卒業。同大学産婦人科教室入局。2005年より木場公園クリニック、2009年よりみなとみらい夢クリニック勤務を経て、2015年11月 なかむらアートクリニック開設。高刺激法、低刺激法、どちらも数多く取り組んだ経験をもとに、患者さんとのコミュニケーションをモットーに、両方の視点からアプローチを探ってくれる優しく穏やかな先生。近隣の方はもちろん、新横浜という土地柄、評判を聞いて静岡などから来院する方もいるそう。

≫ なかむらアートクリニック

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