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知っているようで間違っている? 改めて知りたい妊娠中の過ごしかた 

インタビュー 妊娠・出産

知っているようで間違っている? 改めて知りたい妊娠中の過ごしかた 

妊活、妊娠中の女性の方へ、正しい知識に従って体調管理ができるよう、信じてしまいがちな妊娠中の健康にまつわるお話を、くさなぎマタニティクリニック副院長の齋藤 緑先生に伺います。

2018.3.5

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心身両面の変化を理解する




妊娠は身体、精神の両面に大きな変化をもたらします。


 


まず身体面では、循環血液量が最大通常の約1.5倍に増加し、たくさんの血液を子宮へと供給するようになります。


心拍数も増加し、血液中の白血球数も増加します。子宮に血液が集中するため、他の臓器に血液が回りにくくなり、めまいや頭痛の原因になることもあります。


そして子宮が大きくなるため、周辺にある膀胱(ぼうこう)や胃、小腸などの臓器が圧迫されます。


 


一方、精神面の変化では、母になる喜びと不安が入り交じり、今まで普通にできたことが制限されてイライラする場合もあります。


例えばバリバリ働いていた人が急に眠気におそわれたり、つわりで集中を欠いて仕事量が減ったり、服装が変わってハイヒールが履けなくなることをストレスに感じる方もいます。


さらに、友人とのコミュニケーションにも変化が生じます。


特に、不妊治療中の友人には気遣いが必要…と悩む声をよく聞きます。


また、多くの女性は妊娠すると同時に母性が芽生えて心身や生活ががらりと変わりますが、男性は父性が芽生える変化に乏しいため、夫婦間の考え方にギャップが生じ、夫に不満が募ってしまうこともあるようです。


体重管理と栄養バランス、歯科治療も忘れずに


標準体型の方なら出産時までに10キロ増が目安とされています。


毎月1キロくらいのペースで増えていくのが理想です。


もっとも妊娠後期は自然と体重が増えますから、妊娠前期に増えすぎないよう注意しましょう。


 


 また、妊娠中に特に意識して摂りたい栄養素は鉄分と葉酸とカルシウムです。


妊娠中は貧血になりやすいので、ほうれん草や小松菜、大豆食品などで鉄分を多く摂取しましょう。


葉酸は胎児の神経系の発達に影響を及ぼし、不足すると障害のリスクが高まるといわれています。


当院では、サプリメントなどを利用して妊娠前、妊活の段階から摂取するようにすすめています。


 


そして、歯科治療、特に歯周疾患の治療も忘れずに。これは、歯周病の炎症や感染症が、早産を引き起こす原因のひとつとして挙げられているからです。


無理のない旅行や温泉でリフレッシュを


旅行は、無理のない距離、スケジュールが原則です。母子手帳や保険証を持参し、万が一のために旅先の産婦人科医、病院を調べておきましょう。


海外は、国によっては医療機関の対応が万全とはいえず感染症のリスクも高いので、極力避けてほしいものです。


また飛行機での移動は、航空会社によっては妊娠36週以上の方は申告が必要です。


エコノミー症候群の予防対策や、トイレに近い席に座るなどの配慮を忘れずに。


温泉は2014年に温泉法が改正され、妊婦の入浴も可能になりました。


しかし、後期は浴場での転倒事故や、洗い場の椅子、タオルなどからのヘルペス感染症を防ぐ必要もあります。


妊婦向けのこまやかな配慮がされているツアーやプランを利用すると良いと思います。


赤ちゃんが生まれるとしばらくは旅行や温泉に行く時間もとれませんから、無理のない範囲で妊娠中にリフレッシュをはかるのもいいことです。


お話を伺った先生のご紹介

齋藤 緑先生(くさなぎマタニティクリニック副院長)


広島大学医学部卒業後、聖隷浜松病院、静岡市立病院、静岡県立こども病院などを経て、平成25年よりくさなぎマタニティクリニック勤務。平成28年、副院長に就任。自身の妊娠出産体験も活かしつつ、妊婦さんたちの悩みに寄りそう診療を実践中。趣味はピアノと自然風景の写真を撮ること。リフレッシュ&健康法は水泳。日常診療の中で、胎児超音波のクオリティを向上させ、妊婦さんに役立ちたいと考えている。

≫ くさなぎマタニティクリニック

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