知っているようで間違っている? 改めて知りたい妊娠中の過ごしかた
インタビュー 妊娠・出産
知っているようで間違っている? 改めて知りたい妊娠中の過ごしかた
妊活、妊娠中の女性の方へ、正しい知識に従って体調管理ができるよう、信じてしまいがちな妊娠中の健康にまつわるお話を、くさなぎマタニティクリニック副院長の齋藤 緑先生に伺います。
心身両面の変化を理解する
妊娠は身体、精神の両面に大きな変化をもたらします。
まず身体面では、循環血液量が最大通常の約1.5倍に増加し、たくさんの血液を子宮へと供給するようになります。
心拍数も増加し、血液中の白血球数も増加します。子宮に血液が集中するため、他の臓器に血液が回りにくくなり、めまいや頭痛の原因になることもあります。
そして子宮が大きくなるため、周辺にある膀胱(ぼうこう)や胃、小腸などの臓器が圧迫されます。
一方、精神面の変化では、母になる喜びと不安が入り交じり、今まで普通にできたことが制限されてイライラする場合もあります。
例えばバリバリ働いていた人が急に眠気におそわれたり、つわりで集中を欠いて仕事量が減ったり、服装が変わってハイヒールが履けなくなることをストレスに感じる方もいます。
さらに、友人とのコミュニケーションにも変化が生じます。
特に、不妊治療中の友人には気遣いが必要…と悩む声をよく聞きます。
また、多くの女性は妊娠すると同時に母性が芽生えて心身や生活ががらりと変わりますが、男性は父性が芽生える変化に乏しいため、夫婦間の考え方にギャップが生じ、夫に不満が募ってしまうこともあるようです。