生理期間が短く(長く)なった。量、周期も変わって不安な時、どう対処する?
まとめ
女性の健康
生理期間が短く(長く)なった。量、周期も変わって不安な時、どう対処する?
予定日に生理がこない、だんだん経血が増えてきた、生理痛がひどくなってきたみたい……こんな不調の原因と対策をまとめました。
2018.3.15
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あなたの生理、問題はありませんか?
女性にとっては毎月やってくる面倒な期間が生理(月経)。「来なければいいのに……」と思いがちですが、きちんとやってこなければ、それはそれで体調トラブルのサインであることも多いようです。それだけでなく、生理の状態が変化するのは、体の変化による場合もあるとか。
今回は月経の症状や期間の変化、トラブルについての記事をまとめました。健康な月経の目安などについてもご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
正常な生理期間ってどれぐらい?
生理が来るまでの期間、そして生理の期間には個人差があるといわれますが、そもそも正常な生理の周期とは何日おきが目安なのでしょうか。
“生理の周期は個人差が大きく、25~38日であれば正常な周期とされています。24日以下の周期は「頻発月経」、あまりに長い場合は「稀発月経」ともいわれますが、いつも同じ周期で生理が起きているのであれば、それほど問題ではありません。
ただ、きちんと生理が起こっていても、排卵があるかどうかは別問題です。”
ということで、ご自身の月経周期を確認してみてくださいね。
"生理中のトラブルはいずれも、体調の変化やストレス、年齢などの影響も大きく、成熟した女性なら誰もが経験するものですが、時には病気のサインとして表れる場合もあります。
異常を感じるようなら自己診断は禁物です。産婦人科できちんと原因を突き止め、早めの対処をしましょう。"
スムーズな生理は実現できる? 生理にまつわるトラブルの対処法
さらに、生理そのものの内容についても、どこからが異常と判断されるのかについても知っておきたいですね。
“経血量が異常に多い状態を「過多月経」、反対に、異常に少ない状態を「過少月経」と言います。しかし、経血量については明確な客観的基準はありません。人と比べることもできないため自己判断も難しいですよね。
患者さんには、次のような症状がみられたら、過多月経の判断の目安としてくださいと伝えています。
・うめぼし大の血液のかたまりが混じっている
・夜用ナプキンを昼間でも使う必要がある
・夜は2回くらい夜用ナプキンを替えている”
過多月経は日常生活でも貧血によるめまいなど、つらい症状が出てくるようですね。また、生理後にも不正出血などがある場合には、早めに婦人科を受診したほうがよいようです。
"実は近年、過多月経の治療法はめざましく進展し、新しい治療法がつぎつぎ出てきています。はやければはやいほど、自身の希望に合った治療法を選択することも可能になります。
いずれにしても、経血量が多い気がする、生理の周期や期間、月経痛などに不安を感じる場合は、はやめに健診、もしくは受診してください。
"
生理の出血量が多い原因【これって婦人病のサイン!?】
生理前や終わりかけの時期のおりもの、経血の色が茶色、黒っぽいなどといった場合にも、病気が隠れていることがあるようです。
“問題は量や色、においに異常を感じた時。さらさらで強いにおいが長く続くときは病気のおそれがあります。おりものの色、形状の異常が示す病気は以下の通りです。
■おりものの中にずっと血が混じっている。ピンクや茶色のおりものが出る
⇒不正出血のサイン、子宮ガンやクラミジア頸管炎、子宮頸管ポリープ
■泡状、もしくはクリーム状で、緑黄色、黄色。強い悪臭、外陰部のかゆみを伴う
⇒子宮・卵管の細菌感染、特に淋菌による頸管炎、トリコモナス膣炎、腫瘍性疾患が疑われる
■白く濁る、ヨーグルト状のぼそぼそしたおりものが多く、非常に強いかゆみがある。量も多い。
⇒カンジダ膣炎、
■水っぽいおりものが流れ出るくらい多い
⇒クラミジア頸管炎
■灰色がかった色で水っぽい。魚の腐ったような臭い。強い外陰部のかゆみがある
⇒細菌性膣炎
■赤褐色、茶色、ピンク色で悪臭がある。性交時に出血
⇒萎縮性膣炎、子宮体ガン”
"異常なおりものが出ている方でも実際に拝見するとそれほど心配するほどではないことが大半ですが、それでも子宮体ガンや子宮頸ガンなど大きな病気のサインである可能性があります。気になるようでしたら、必ず婦人科へ行って診察を受けましょう。"
おりものは体のメッセージ
生理の周期が乱れる主な原因は?
月経のリズムの乱れ、また月経以外に不正出血が起こると、妊娠か子宮・卵巣の病気を考えるという人も多いのではないでしょうか。女性ホルモンの乱れが月経の乱れに影響することもあるようです。
“当院に来院する患者さんのお悩みで最も多いのが、生理に関するトラブルです。出血がひどい、痛みが強い、不順などのほか、イライラや気分の落ち込み、むくみなど、生理前の症状を訴える方も少なくありません。精神が不安定になって、なかには泣きながら来られる方もいらっしゃいます。
また、最近増えているのは30~40代の方の不定愁訴。いわゆる“プレ更年期”という状態で、生理不順、頭痛、不眠など、通常は40代以降で出てくる更年期の症状がその前に起こってしまうケースです。
病気ではないけど、月経にも体にも支障が出るこれらの女性の不調は、ホルモンバランスの乱れから来ていることが多くあります。”
“女性ホルモンとは卵巣で作られるホルモンで、「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と、「黄体ホルモン(プロゲステロン)」があります。
●卵胞ホルモン(エストロゲン)……妊娠の準備をするための役割のほか、自律神経のバランスを保つ、血管を広げて動脈硬化を防ぐ、コラーゲンの合成を促成して皮膚の潤いを保つなど、女性として生きていく上で重要な役割を果たしている。
●黄体ホルモン(プロゲステロン)……妊娠継続をサポートする。ただし、生理周期の中で黄体ホルモンの分泌が増えると下腹部痛、腰痛、頭痛、吐き気などPMS(月経前症候群)の不快症状が出る人も。”
"「ホルモンバランスが崩れている」から体調が悪いのではなく、体調が悪い要因があるから、視床下部と卵巣のやりとりがうまく行かず、結果的に「ホルモンのバランスを崩してしまっている」ことが多いわけです。"
ホルモンの「バランス」とはなにか?
生理周期が乱れた時どうすればいい?
さて、月経不順が続いた時の基本的な対策は、まず婦人科を受診して病気の有無を確かめることですが、特別な病気がない場合には、どうしたら改善できるのでしょうか。
それには、低用量ピルを服用するという方法があるようです。
“女性の体では、周期的に排卵が起こることによりホルモンが変動し、卵巣や子宮はダイナミックな変化を毎月繰り返しています。ピルはこの排卵を抑えて卵巣をお休み状態にさせますので、ホルモン変動が抑えられ、月経は規則的かつ少なくなるので、強い生理痛など月経トラブルに良い効果があるんですね。
外因性のエストロゲンとプロゲステロンを長期にわたって投与すると子宮内膜が顕著に萎縮することにより、子宮内膜症の治療に有用であるということがわかっています。
低用量ピル服用者は非服用者に比べて子宮内膜症の発生率が50%も減少し、予防治療効果も。不妊症のリスクでは、ピル服用者では40%低下しています。“
ほかにも、生活習慣の見直しによってもストレスの解消が期待できます。
“お薬による治療のほかに重要なのは、ホルモンバランスや自律神経の乱れを引き起こすストレスを軽減することです。
元気の源は食事ですから、できるだけ糖質・脂質・タンパク質など必要な栄養素をバランスよく摂ることが大切です。それに加え、女性の場合は女性ホルモンと同じような働きをする成分が含まれる大豆製品や、エストロゲンの代謝に必要とされるビタミンB6(ニンニクや鶏肉、魚など)、血流を促すビタミンE(ナッツ類や魚など)を意識して摂るといいですね。
さらに、体を温めて、精神的にもリラックスするには入浴がおすすめです。”
いずれにしても、月経周期の乱れは不調のサイン。病気かも? という不安は新たなストレスになりかねません。早めに婦人科で相談しましょう!
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