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排卵障害でも妊娠できる? 排卵障害の原因や症状、治る方法とは?

まとめ 不妊治療

排卵障害でも妊娠できる? 排卵障害の原因や症状、治る方法とは?

「えっ、私、排卵してない…? 」 自覚症状のない排卵障害の原因と治療、不妊治療への影響をわかりやすくまとめました。

2018.3.20

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※ジネコフリマガ夏号(5/25発刊)特集テーマは「排卵障害」です。


 


不妊状態にはさまざまな原因がありますが、その中でも大きなもののひとつが排卵障害です。女性の体の中では1カ月に1回卵子が成熟し、排卵が起きるようになっていますが、月経が正常な周期であったとしても、排卵がない場合も珍しくはないようです。


もしも排卵していないことがわかったら、その理由について調べることが治療の第一歩につながります。


 


今回は、排卵障害がなぜ起こるのか、そしてどういう治療を行うのかについて、改めて知っていきましょう!




目次



  1. 排卵障害の原因や症状とは?

  2. 排卵障害は治る?

  3. 排卵障害でも妊娠できる?


排卵障害の原因や症状とは?


排卵障害とはどんな状態で、どうやって知ることができるのでしょう? また、排卵障害はどうして起こるのでしょうか? 


私たちは、普段自分の体の中で排卵が起こっているかを知ることはできません。排卵障害は自覚症状がないことがほとんどで、不正出血なども排卵障害そのものではほぼ起こらないため、検査をしない限りは更年期まで排卵があるものと思って暮らしている人がほとんどなのではないでしょうか。


では、卵巣の「正常」「異常」な状態についてご紹介します。


 


“排卵のちから


●正常な場合


脳下垂体より分泌される黄体化ホルモンによって、成熟した卵子が卵巣の外に排卵します。正しく排卵しているかどうかは、基礎体温表で推定することができます。


●異常がある場合


排卵がまったく起きない無排卵、数カ月に一度しか起きない稀発排卵など、排卵障害を起こすことがあります。原因はホルモンの乱れによることが多いと考えられます。”


 


妊活にはまず基礎体温を測って記録することから、と言われますが、これは排卵の有無についても体温からわかることがあるためですね。不妊検査では、ホルモンの値からも卵巣の機能を調べています。


 


“不妊症の検査はいくつもあり、その人に応じた検査を選びつつ、実施する必要があると考えています。まずは、妊娠をつかさどる器官の働きに合わせた検査を行います。順調にいけば、だいたい一回の周期で必要な検査を網羅できると思います。


 


私の手順としてはまず、子宮頸管のクラミジア検査、細菌培養検査(必要があれば子宮頸部細胞診も)を行います。同時に経腟超音波検査にて、子宮や卵巣の状態を観察し、子宮の形や子宮筋腫や卵巣嚢腫などのチェックを行います。次に卵巣機能(視床下部―脳下垂体―卵巣)のチェックのために、採血による各種ホルモン検査やホルモン負荷試験等を行います。“



"妊娠のメカニズムを理解していれば、患者さん自身がどこに不妊の原因があるかを調べようという気持ちになります。ですから私は、初診に時間をかけて妊娠にかかわる体のしくみや、不妊治療の説明をするようにしています。"


不妊治療デビューしました:不妊検査は何をするの?



月経があるのに無排卵となる原因は日常生活にあることも多いようです。


 


“無排卵となる原因の多くは、脳の視床下部や下垂体の機能異常と考えられており、ストレス、ダイエット、急激な体重の変化、激しい運動、喫煙、不規則な生活などといわれています。


排卵が正常に起こるためには、脳が卵巣へと女性ホルモンを分泌するように指令を出し、それを受けた卵巣が卵胞を育てるのですが、脳や卵巣がうまく機能しないと、卵胞の発育や排卵がうまくいかず、月経不順や無排卵月経を引き起こしてしまいます。 ですから、まずは、原因となっているストレスを取り除き、生活スタイルを改善することが肝要です。特に、若いうちの無理なダイエットは、知らず知らずのうちに体に重い負担をかけていることもあり、ホルモンバランスを乱す大きな原因となります。”


 


基礎体温を測る目的に「高温期」「低温期」を知るとよく聞きますが、これは排卵の目安となるからなのです。



"基礎体温では、排卵を境に低温相と高温相という二相性に分かれるのが正常な状態です。排卵が起きると黄体ホルモンが分泌され、基礎体温が上がりますので、高温相があれば、まずは排卵しているといえます。"


「無排卵月経」って何? その症状や治療法は?



ただ、ホルモンの問題のほかにも、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などによって排卵障害が起こる場合もあるので、妊活をこれから始める人はまず一度婦人科で受診するのがおすすめです。



特集 卵のこと、もっと知ろう:PCOSとはどんな病気?



排卵障害は治る?


さて、無排卵月経にはどんな治療を受けられるのか、そして治るのかはとても気になるところです。


前段でご紹介したコラムでは、女性の状況にとって複数の治療方法をご紹介しています。


 


“婦人科で行う治療法としては、妊娠を考えるかどうかで大きく分かれます。 妊娠を考えるのであれば、排卵誘発剤を使って排卵を起こさせるという方法があります。 妊娠をすぐには考えない場合は、ホルモン療法というものがあります。薬によって排卵しているときと同じような状態を作り出すことで、そのリバウンド現象を利用して、その後の自然排卵周期の回復を期待することができます。


 


ホルモン剤などの投与に抵抗がある場合には、漢方薬による体質改善という方法もあります。 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など婦人科的な症状の改善を促す漢方薬は、当院でもよく処方します。 漢方薬によって月経の状態が整ったという症例も数多くあります。”


 


激しいダイエットなどが無排卵月経の原因である場合には、生活習慣の見直しや、バランスの取れた食事など、生活改善も大切と言えそうですね。


排卵障害でも妊娠できる?


排卵障害は妊活や不妊治療にどの程度の影響があるのでしょうか。


不妊治療は卵巣の状態や精子の質など、さまざまな要素を考えながら治療方針をドクターと考えていくのが一般的ですが、排卵障害の場合にはどんな治療の流れになるかを知っておきたいですね。


 


“基本的な検査が終わったら、その後すぐに不妊治療がスタートする」と思われている方が多いかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。選択肢は1つではなく、検査の後はその結果や患者さんのご希望によって、いくつかの方向に分かれます。


当院では、不妊治療に入る場合は、検査で特に問題がない方は「タイミング療法」からスタートします。ただし、ヒューナーテストの結果が悪い場合や、精液の所見があまりよくない場合は、「人工授精」からトライしていただくことになります。ここまではいわゆる一般不妊治療といわれるものですが、卵管閉塞など卵管の状態に問題があったり、精液所見が極端に悪い場合は、一般不妊治療は行わず、高度不妊治療といわれる「体外受精」や「顕微授精」をおすすめする場合もあります。また初診時に、大きな子宮筋腫やチョコレート嚢腫などが見つかった場合は、不妊治療より腹腔鏡手術などの外科的な治療を優先することも。”


“一般不妊治療をする際は、ホルモン療法が加わることもあります。これは排卵が正常な方には必要ありませんが、排卵までの日数が長いなど、排卵に障害がある方や黄体機能不全の方には、ホルモン剤を使いながら調整していくことになります。”



"タイミングは、ご自身でとる場合は基礎体温を目安にされると思いますが、必ずしも体温が下がったところが排卵時期とは限りません。ちょっと上がったところで排卵する方もいれば、なかには上がりきってから排卵する方もいます。多嚢胞性卵巣症候群の方の場合などは、LHチェッカーを使っても、もともとLHが高いので毎日「+」に出てしまうこともあります。
タイミングをなるべく正確に見極めたり、ホルモンの不足や乱れを補うためには、やはり一度受診されて、医師の元でタイミング指導を受けられることをおすすめします。
"


不妊治療はじめて講座【俵 史子 先生】:検査後の治療の流れ



ということで、ホルモン剤の使用と並行して行う不妊治療の可能性は十分なようです。信頼できるドクターと相談しながら効果的な治療に取り組みたいですね。


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