HOME > 不妊治療 > タイミング > 排卵障害の疑いがあります。
HOME > 不妊治療 > タイミング > 排卵障害の疑いがあります。

排卵障害の疑いがあります。

専門医Q&A 不妊治療

排卵障害の疑いがあります。

ピルを服用し生理は毎周期きているが、卵胞が育たず排卵障害の疑いがありステップアップするべきかどうか、御苑アンジェリカクリニックの神藤慧玲先生にアドバイスを伺いました。

2018.5.19

あとで読む




相談者:miiii(26歳)



初潮は11歳で毎月生理がありましたが17歳で止まり、それからは婦人科で処方された薬を服用しないと生理が来なくなりました。

25歳で結婚し、遠方に引っ越したため転院し、同時に不妊治療も始めました。

相変わらずピルを服用しないと生理はなく、検査ではFSHが50を超えていましたが、プレマリンⓇやルトラールⓇなどの服用を4か月ほど続けてFSH10.0、LH5.4になりました。

そこから20日間誘発剤を使用しましたが、7~8㎜の卵胞が左右に1つずつという結果でリセットとなりました。担当医は「体外受精や顕微授精のために体外に出すと卵子にダメージを与えるので、排卵が順調になり、卵胞が育つまで待ってタイミング法を」という方針です。

そこでご相談したいのですが、卵胞を十分な大きさに育てるためにはどんなことが必要でしょうか?また、このままタイミング法を続けるのと、ステップアップするのとはどちらが良いでしょうか?





「排卵を待ってのタイミング法」という方法で治療中です。


このまま同じ治療を望むのであれば、まずは卵胞が育たない原因を探ることが大切です。卵胞が育たないということは黄体機能不全もあるでしょうし、PCO(多嚢胞性卵巣)などもないか、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の数値や甲状腺なども調べてみてはいかがでしょうか。


 


処方されたお薬の名前から推察して、FSHを下げるためにカウフマン療法をなさったのでしょう。無月経の方に対してはスタンダードな治療法ですが、4ヶ月かけて下がったとはいえ、それでもFSH10と高い状態です。


 


また、卵胞が7~8㎜というのはほとんど育っていない状態と同じで、誘発剤を長期間したことが功を奏してないと考えられます。4ヶ月という期間をどのように定められたのかはわかりませんが、半年・1年とさらにカウフマン療法を続け、FSHとLHが十分に下がったのを確認してから、再度誘発剤を使用してみてはいかがでしょうか。


 


ステップアップをするべき?


質問者のmiiiiさんはまだ26歳とお若いのですが、結論から申し上げると早めにステップアップされた方が良いと思われます。体外受精や顕微授精をする際には、FSHの分泌を抑制するお薬(Gn-RHアゴニスト)と排卵誘発剤を使って、卵胞を育てる方法があります。この方法では、FSHが高くても卵胞が十分な大きさに育つ可能性があります。このような治療法を行っているクリニックにご相談されるのも一つの方法だと思います。


 


ご夫婦にアドバイスがあればお願いします。


ご主人の年齢がわかりませんが、精子の運動率31%というのも実はあまり良い数値とは言えません。miiiiさんが排卵できるようになったとしても、この精子の運動率では、タイミング法で1年以内にお子さんを授かるのに十分な値とは言えません。


 


また、miiiiさんの早発閉経の可能性も否定できません。そのような観点からも、早めにステップアップした方が妊娠する確率は高まると考えます。


 


「さらに時間をかけてFSHやLHが下がったことを確認して」と先に申し上げましたが、長期間、同じ治療法を漫然と繰り返しながら結果を待つのは、精神的ストレスにもなりかねません。


クリニックによってそれぞれ方針に違いはありますが、とりあえず1度ステップアップを試してみませんか。


 


ピルの使用について


ピルを服用して生理を促している場合、毎周期ごとにきちんと出血はあるので「排卵している」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は排卵を抑制している状態です。ピルの服用中に起こる出血は消退出血であり、本当の生理ではありません。


 


ピルはメリットもたくさんあるお薬ですが、長期間の連続服用には注意が必要です。女性の性周期を人工的に作りだすお薬なので、本来自身の体で作りださなければならないホルモンを抑制してしまう場合があるのです。その作用が治療として働くのですが、妊娠を望む場合には不利益になることも知っておいていただきたいと思います。


 


ピルで生理を促している方は、半年を目安に婦人科検診を受けることをおすすめします。


 





神藤先生より まとめ



まずは卵胞が育たない原因を探りましょう。

しかし、妊娠を望む場合であれば、なるべく早いステップアップをおすすめします。




[無料]気軽にご相談ください

お話を伺った先生のご紹介

神藤 慧玲 先生(御苑アンジェリカクリニック 院長)


千葉大学医学部卒業。千葉県内および東京都内大学病院、東京山手メディカルセンター、慶愛クリニック、慶愛大木クリニック、北里研究所東洋医学研究所漢方外来陪席を経て、2017年1月御苑アンジェリカクリニックを開院。クリニックではアンチエイジング治療などにも精力的に取り組み、あらゆる年代の女性をサポートしている。

≫ 御苑アンジェリカクリニック

image


あとで読む

この記事に関連する記事

この記事に関連する投稿

女性のためのジネコ推薦商品

最新記事一覧

Page
top