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<妊活知識>「不妊検査」って何を調べる? どんなことがわかる?

まとめ 不妊治療

<妊活知識>「不妊検査」って何を調べる? どんなことがわかる?

不妊検査は、不妊治療の第一歩と言われます。あらかじめ検査の内容と意味を知ることで、治療をスムーズにスタートしませんか?

2018.5.15

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妊活や不妊治療を始めることを考えている人にとって、「不妊検査」というのは聞き慣れなくて、不安を感じるかもしれません。


不妊検査とは一体どんなことを調べる検査なのか、検査を受けることでどんな治療につながるのかについてまとめました。


 


クリニックに行く前に知っておくことで、スムーズに相談ができるようにしたいですね!


不妊検査では何を調べる?


最初に、不妊検査ではどんな項目を調べるのかをご紹介します。


 


“不妊症の検査はいくつもあり、その人に応じた検査を選びつつ、実施する必要があると考えています。まずは、妊娠をつかさどる器官の働きに合わせた検査を行います。順調にいけば、だいたい一回の周期で必要な検査を網羅できると思います。


 


私の手順としてはまず、子宮頸管のクラミジア検査、細菌培養検査(必要があれば子宮頸部細胞診も)を行います。同時に経腟超音波検査にて、子宮や卵巣の状態を観察し、子宮の形や子宮筋腫や卵巣嚢腫などのチェックを行います。次に卵巣機能(視床下部―脳下垂体―卵巣)のチェックのために、採血による各種ホルモン検査やホルモン負荷試験等を行います。


 


排卵期になってきていれば、ヒューナーテスト等を行っていきます。


 


数周期、管理をしても妊娠に至らない場合は、子宮卵管造影検査を行い、卵管の状態をチェックします。”


 


“初診の方でも、事前に本や人から聞いた話によってある程度の不妊の知識を得てから訪れる方もいれば、妊娠のメカニズムを知らない方もいらっしゃいます。妊娠のメカニズムを理解していれば、患者さん自身がどこに不妊の原因があるかを調べようという気持ちになります。”


 


つまり、不妊検査を受けた結果によって最初の治療計画が立てられるため、わからないことはどんどん質問できるよう、準備しておいたほうがよいということですね。



"初診に時間をかけて妊娠にかかわる体のしくみや、不妊治療の説明をするようにしています。また、1カ月でも早く治療を始めるほど成功率は高くなりますから、早いうちに一歩を踏み出すことが大事だと思います。"


不妊検査は何をするの?



不妊症の原因を見つけ、治療につなげるには、まず体の状態を把握することが不可欠です。そのために、初診から約1カ月をかけて、一般的な検査をします。(中略)また、一般的な検査の後、必要があれば精密検査をする場合もあります。”


“不妊治療において重要な意味を持つのが血中ホルモン検査です。排卵や妊娠の成立・維持に影響を持つホルモンが、正常に分泌されているかどうかを調べます。


 


下図に具体的なホルモンの種類と検査でわかることをまとめましたので、参考にしてください。




出典:Hanabusa with Jineko.net


不妊の原因となる多嚢胞性卵巣症候群、黄体機能不全などは、この検査でわかります。これらのホルモンは月経周期に応じてダイナミックに変化しますので、測定時期によって大きく値が異なります。


 


そして、ここ数年で大きく注目されるようになったホルモン検査として抗ミュラー管ホルモン(AMH)の測定が挙げられます。 


 


近年、不妊治療に携わる産婦人科医の多くが、女性の卵巣年齢に注目するようになりました。血液中のAMHを 測ることによって卵巣予備能力がわかるようになってきたのです。これを不妊の情報として役立てることができます。”


 


“MHは卵巣の中にある未熟な卵胞から分泌されています。卵巣の中に、将来排卵されて妊娠する可能性のある卵子を含んだ卵胞がたくさんあると、血液中のAMHが高くなり、卵胞が残り少なくなるとAMHが低くなります。基本的にAMHの値は年齢とともに低下し、卵巣の中の卵子が残り少なくなると検出できなくなります。若い方でも卵巣年齢が進んでいたり、またはその反対の方もいらっしゃいます。”



"この検査は、健康保険が使えないため、全額自己負担となりますが、検査は採血だけで簡単なものです。卵巣年齢が実際の年齢よりも進んでいる場合には、たとえ年齢が若くても早期の妊娠、出産が望まれますので、ぜひとも受けていただきたい検査です。"


血中ホルモン検査|不妊検査



AMHはジネコまとめでも取り上げています。こちらもぜひチェックしてくださいね。



AMHは妊娠しやすさと関係あり?



不妊につながる病気の検査も行う


直接的な不妊の要因についてだけでなく、不妊につながってしまうとされる病気についても検査を行うのが一般的なようです。


 


“妊娠するためにはまず健康であることが大切です。血液検査では、ホルモン検査のほかに、貧血、肝臓の異常、糖尿病の有無などについても調べます。その結果、妊娠のために治療や体質改善が必要な疾患もあるからです。


 


血液検査では、癌の診断や経過観察に有効とされる腫瘍マーカーも参考にします。不妊症とかかわりがあるものはCA125とCA19-9という項目です。卵巣癌などの場合に数値が高くなることがある腫瘍マーカーですが、良性の卵巣嚢腫や子宮内膜症、または子宮腺筋症などの時にも高くなる場合があります。”


 


“ほかに血液検査で重要なものとして、抗クラミジア抗体検査があります。採取した血液でクラミジア抗体価という数値を調べることで、抗体があるかどうかがわかります。


 


卵管性不妊症の原因として、性器クラミジア感染症は最も注意すべき疾患です。原因はクラミジアトラコマチスという微生物で、大きさは細菌とウイルスの中間です。性行為を通じて感染します。子宮頸管や卵管内、その周囲に炎症を起こし、症状が進むと卵管の癒着や閉塞を起こします。”



"クラミジアのほかに、マイコプラズマやウレアプラズマも卵管因子の不妊症の原因となります。"


その他の血液検査|不妊検査



甲状腺ホルモンはどうして調べるの?


さて、最初にご紹介したホルモンの検査項目の中に、甲状腺ホルモンがあります。これはなぜなのでしょうか。


 


“甲状腺は喉の下あたりにあるホルモンを出す臓器です。血液中に分泌される甲状腺ホルモンには糖や脂肪を分解して体に必要なエネルギーや熱を作る働きを持っています。脳や心臓などが正しく動くためにも適切な量の甲状腺ホルモンは欠かせません。また胎児や子どもの脳や体の発育にも深く関係しています。甲状腺の機能に異常があると中枢神経や骨などの成長に深刻な影響が出る可能性があるので注意が必要です。”


 


“甲状腺の病気として有名なバセドウ病は分泌が多すぎる場合、反対に少なすぎる場合は橋本病です。甲状腺の病気で最も多いのがこの橋本病で、若い女性に発症することが多く、女性の8~9人に1人は橋本病とさえ言われています。(中略)甲状腺の病気なのに気づいていない人はたくさんいるのです。たとえば不妊に悩んで検査を受けてみたら甲状腺の病気が原因だったというケースも少なくありません。”


 


甲状腺ホルモンによる病気の人は珍しくないため、あらかじめ検査を受ける必要があるのですね。


 


“妊娠中に甲状腺の病気があると母体に大きな負担がかかるだけでなく、胎児の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、ほとんどの場合は服薬でコントロールできますので治療を行えば心配は要りません。ただし、妊娠期のホルモン値の調整には大変高度な専門性が必要となりますので、甲状腺専門医による治療を強くお勧めします。また、遺伝が強く影響しますので、ご両親や親族に甲状腺の病気の人がいれば特に注意が必要です。”



"甲状腺ホルモンは体調などによって大きく変化します。甲状腺の病気であっても検査時に甲状腺の値が正常範囲内に収まる場合もありますので、不妊治療中は定期的に検査を受けましょう。"


妊娠・出産にも影響?甲状腺ホルモンの異常



いかがでしたか? 不妊検査について知っておくことで、体の状態をしっかりと把握して、先生と相談しやすくなりそうですね。


ご自身が治療の方針に納得するのは、不妊治療の大切なポイントでもあると言われています。治療を始める際に、今回のまとめをぜひ参考にしてみてください。


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