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意外と知らない2人目不妊!【秋山先生に聞きました! これってウソ! ホント? 】

コラム 不妊治療

意外と知らない2人目不妊!【秋山先生に聞きました! これってウソ! ホント? 】

不妊治療が一般的になるなか、知られていない2人目不妊。知らなかった、聞けなかった2人目不妊の実態を秋山先生に聞きました。

2018.5.22

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不妊治療が一般的になるなか、意外と知られていない2人目不妊。これまで知らなかった、聞けなかった2人目不妊の実態について、秋山レディースクリニックの秋山芳晃先生に医師の立場から解説していただきます。




※2018年5月25日発刊「女性のための健康生活マガジン jineko vol.38 2018 summer」の記事です。


 


 





秋山先生より


1人目は順調に妊娠・出産されても、2人目で不妊になってしまうということは珍しくありません。妊娠しやすさにおいてはまだ経験されていない方と条件は同じで、年齢が上がれば厳しくなっていきます。2人目を望まれていて、自然妊娠では難しいとなったら、治療計画は早めに立てましょう。キッズルームを設けていたり、フロアを別にするなど、今はお子さん連れでも安心して通える不妊治療施設も多くあるので、2人目不妊でも諦めないでいただきたいですね。




お話を伺った先生のご紹介

秋山 芳晃 先生(秋山レディースクリニック)


東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学附属病院、国立大蔵病院に勤務後、父親が営んでいた産科医院を継ぎ、不妊症・不育症診療に特に力を入れたクリニックとして新たに開業。

≫秋山レディースクリニック

Q:2人目の不妊治療はいつから始められる?


A:年齢が高い人は断乳をして気持ちを切り替え、早めに次の治療をスタートさせましょう。

第一子を帝王切開で出産された場合、通常1年は空けたほうがよいと考えられていますが、子宮の筋肉がかなり薄くなってしまっていたり、術後に感染症を起こすなど、状況によっては2年くらい空けたほうがよいと判断される先生もいらっしゃるようです。
また、帝王切開の出産後、次回妊娠までの期間が短いと、子宮破裂などのリスクが高まるという報告もあるようですね。
自然に妊娠されるのであれば授乳中であっても差し支えない(仕方がない)と思いますが、不妊治療をするのであれば断乳、または卒乳後が望ましいと思います。
授乳中は妊娠を妨げるホルモンが分泌されている状態になっていると考えられますし、不妊治療で使用する薬剤が母乳を通じて胎児に移行する可能性も高いと思われます。
また、昔は「妊娠初期に授乳をするとオキシトシンというホルモンが出ることで子宮の収縮が起こりやすく、流産しやすい」といわれていましたが、最近は関係ないという否定的な説も出てきているので、その点に関しては、あまり気にされることはないでしょう。
お母さんの体や栄養状態を考えると、第二子の妊娠・出産はだいたい2~4年空けるのが望ましいと考えられていますが、これはあくまでも目安と考えていただいていいかもしれません。
母親の年齢が上がると妊娠しづらくなったり、婦人科疾患のリスクも上昇。高齢で、1人目が不妊だった方は早めに次のスタートを切ったほうがいいでしょう。次の妊娠への治療に集中するためにも、断乳して気持ちの区切りをつけたほうがいいのではないかと思います。


Q:一度出産した人はそのあと妊娠しやすいって本当?


A:妊娠しやすい体質に変わるというデータはありません。年齢とともに卵子の質は同じように低下していきます。

妊娠や出産を経験すると体質が変わったり、子宮の状態がよくなるようなイメージをもつ方もいるかもしれませんが、人工授精の妊娠率の比較などでは1人目を妊娠した方が2人目で飛躍的に妊娠率が上がるということはないようです。
ただ基本的に、一度妊娠・出産できたということはもともと妊娠・出産力があったのだと思いますね。そういう意味では能力が証明されたということではないでしょうか。
詳細に調べたデータがないので、何か体の変化が起こるということは不明で、もしかしたらそのようなこともあるかもしれません。しかし、それよりも確かなのは2人目を妊娠された方は出産後も性交渉を頻繁にもっていたからではないでしょうか。日本人は一度出産すると夫婦間の性交渉が途絶えてしまうというケースが多いようです。
一般不妊治療に臨む方はもちろん、体外受精においてもご夫婦が仲良くしていればストレスが軽減されて、治療がスムーズに進み、それが妊娠へとつながるような気がします。
卵子の老化については、妊娠している期間は排卵をしないので卵子の減少は進みませんが、年齢を経ることで染色体異常が増えるなど質の低下は無視できないと思います。一度妊娠・出産をしてもその条件は経験していない方と同じなので、次のお子さんを望まれているなら早めに計画を立てることが必要だと思います。


Q:2人目不妊治療の諦め時は?


A:漫然と治療を続けるのではなく、ある程度線引きをすることも必要なのでは?

2人目の不妊治療は、1人目の治療の時とはやや違う認識をもって臨むべきだと思います。前回より年齢は進んでいるので、その影響で思うように治療がうまくいかない。ご本人だけでなく、ご主人の加齢が精子の質や量、運動率などに影響する可能性も出てくるかもしれません。
 また、子育てをしながらの通院なので、第一子の時より体力的にも時間的にもきつい。上のお子さんから「弟や妹が欲しい」といわれるストレス……。さらに、2人目になると夫婦間で気持ちのズレが出てくるようで、患者さんのお話を聞いていると、ご主人から「2人目だから体外受精まではやらなくていいよ」といわれたというケースも少なくないようです。
いろいろな面から考えると、第一子の不妊治療の時以上にご夫婦で乗り越えなければならない問題が多くなるのではないでしょうか。
 体外受精をしたくても卵子がまったく採れなくなってしまったなど、目に見えて厳しいという場合は治療を諦めざるを得ないと思いますが、そうではない場合においては諦め時を一概に判断するのは難しいですね。ご夫婦の考え方や経済面、置かれた環境などそれぞれ異なるので、最終的にはご夫婦で決めていただくことになるかと思います。
当院に通われていたある患者さんは「上の子が幼稚園を卒園するまでに妊娠できなかったらやめます」と決断されました。ただ漫然と続けるのではなく、ご夫婦でよく相談してある程度の線引きをし、そこまでは頑張るという気持ちで臨まれたらどうでしょうか。


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