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基礎体温は毎日つける? 測り方と基礎体温表の見方について

まとめ 不妊治療

基礎体温は毎日つける? 測り方と基礎体温表の見方について

毎朝計測する「基礎体温」。3カ月の記録をグラフで見ると、女性の体で起きていることがわかるとか? その秘密をご紹介します。

2018.5.22

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妊活をスタートするにはまず必要となってくるのが、女性自身のバイオリズムの把握といわれています。その第一歩が「基礎体温」の計測と記録です。


「基礎体温と言われても、婦人体温計の正確な測り方もつけ方もわからない」という方にもわかりやすいよう、基礎体温について解説したコラムを厳選してご紹介します。


基礎体温と妊娠の関係


妊娠を望む女性が産婦人科のクリニックを受診すると、まず言われるのが「基礎体温表をつけてください」ということではないでしょうか。


毎朝体温を測って記録するのは面倒と思われがちですが、基礎体温が妊娠にどうつながるか、そして基礎体温表の見方を具体的に知ると、「がんばろう」と思えるかもしれません。


 


“まず、基礎体温表は何のためにあると思いますか? 基礎体温表で最もわかることは排卵しているかどうかです。排卵は卵巣の働きなので、「卵巣の働きがどんな状態か?」をグラフで見ることができるのが基礎体温表の一番の基本として考えましょう。体温の低い時期と高い時期にしっかり別れていれば排卵していると見れます。低い日ばかりが続いていれば排卵していないことがわかるわけです。基礎体温をつけておられる方でよく勘違いされているのが、基礎体温をつけながら排卵時期を推測しようとされている点です。基礎体温の明日も明後日も未来の体温はわからないので、基礎体温の測定では排卵の推定はできないのです。グラフ化された基礎体温表で、体温が高くなったことを確認できて初めて排卵したことがわかります。したがって、あとで振り返った時に、「ああ、この日が排卵だった」と初めてわかるのです。”


 


“治療を始める前3カ月分の基礎体温表は、産婦人科の先生にとって役立つ情報になるので、つけたほうがいいと思います。治療が始まると診察や血液検査の情報も加わるので必要ないことが多いのですが、途中で治療を休む場合は、その間の卵巣の状態を知るためにつけておくといいですね。”



"基本は朝、目覚めた時ですが、測る時間帯は厳密でなくてもいいと思います。(中略)できるだけ毎日測定をしてもらいたいので、「何時でも起きた時に測ればいいや」という気軽な考えでいいと思います。そのほうがストレスなく続けられると思います。"


基礎体温表は必要ですか?



“基礎体温で何がわかるの?


基礎体温は「低温期」と「高温期」の二層に分かれます。


 


低温期とは…


月経初日から排卵を迎えるまでの期間です。


 


高温期とは…


排卵日を迎えてから月経がはじまるまでの期間です。


 


月経リズムが整っている場合、低温期と高温期はそれぞれ約14日間です。高温期の直前に排卵が起きるため、基礎体温を測ることで排卵時期を知ることができます。


なかには低温期と高温期の二層にならない人もいます。その場合、排卵が起こっていない排卵障害など、隠れた婦人科疾患にかかっていることもあります。”



"基礎体温を測ることで隠れた体調の変化に気づくことができます。"


【はじめての基礎体温】 正しい測り方を知りたい!



他にも、妊娠に必要な条件である、子宮内膜の厚さの目安なども基礎体温からつけられるようです。


 


“子宮内膜の厚さを知るにも重要な検査


 


また、妊娠が成立するためには、十分な量の黄体ホルモンが一定期間分泌される必要があります。このホルモンの分泌が不十分であることを黄体機能不全といい、高温相の期間や体温の変動などから、黄体機能不全かどうかがある程度わかります。”



"排卵が起こった後の卵胞(黄体)からは、黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌されます。黄体ホルモンは、基礎体温を上昇させる働きがあるため、排卵前は低く(低温相)、排卵後は高く(高温相)なります。"


基礎体温測定|不妊検査



基礎体温のつけ方


前段でご紹介したコラムでは、基礎体温のつけ方についてご紹介しています。


 


“まず、婦人体温計を準備しましょう。


通常の体温計は36.5℃と小数点第1位で表示されますが、婦人体温計は36.51℃と小数点第2位まで表示されます。基礎体温は小数点第2位までの体温測定を行うため、専用の体温計が必要になります。


 


婦人体温計は家電量販店や薬局に売っています。


体温だけがわかるもの、生理日予測までしてくれるものなど、値段も機能もさまざまなタイプが売っています。ご自身の目的(生理日を把握したい、妊娠したい)などに合わせてお好みのタイプを選ぶようにしましょう。


 


次に、記録するノートもしくはアプリを用意します。


測った基礎体温を記録するためのものです。自分が使いやすいと思えるものを使いましょう。”


 


“基礎体温は起床時に測ります。起きたらすぐに体温計を口にくわえましょう。


このとき、体温計の先は舌の付け根の下に当てます。脇の下の体温測定と異なり、身体の深部体温を反映しているといわれています。舌の上では温度が変わってしまうので、間違えないようにしましょう。


 


また、トイレに行ったり、寝返りをうったり、身体を起こしたりすると体温が変化するため、寝たまま測りましょう。測定が終わったら、ノートなどに記録します。”


 


また、基礎体温以外の情報も併せて記録しておくといいようです。月経開始日なども、診察時までに忘れないよう基礎体温表にメモしておきましょう。


 


“基礎体温は、測ったら必ずグラフにしましょう。グラフにしてみて初めて変化がはっきりわかるからです。1日や2日飛ばしても測れる時に測り続けることが大切です。そして、セックスをした日に必ず白丸をつけること。1カ月たった時にセックスと排卵のタイミングが合っていたかがわかるように記録を続けることですね。それがその後の参考になります。”


“基礎体温では排卵の予測はできません。この日が排卵日だったことを後から知ることができます。基礎体温表をつけていてもセックスのタイミングを推定することは、実はできないのです。”



"自分では正常に生理があると思っていても、実は無排卵での不正出血ということもあります。排卵障害があると、30日周期でも排卵していません。60日周期、90日周期の場合でも同様のことが起こります。"


【特集 : 排卵障害の不妊治療】基礎体温表で排卵日がわかりません。もしかしたら無排卵でしょうか?



基礎体温表(グラフ)の見方


妊娠したときには、基礎体温が普段とは変化するというのはよく知られていますが、他にもわかることがたくさんあるようです。


 


“実は基礎体温の変化から妊娠に関する情報だけでなく、いろいろなことがわかるんです。なかでも一番大切な情報が、卵巣の働き具合です。卵巣は低温期に卵をせっせと作ります。そしていい卵ができると、脳からの指令を受けて、卵を市場に出します。それが排卵。そして卵が市場に出ている期間が高温期です。いい卵ができなかったときには、高温期のグラフがきれいな線にならず、ガタガタになったりします。それは、卵巣の働きがあまりよくないことを示しているんです。”


“基礎体温をきちんと計測していると、生理の周期を正しく把握できるのですが、そのことから左右2つある卵巣の、働き具合の違いもわかります。普通は、左右の卵巣は同じ周期で排卵するのですが、生理の周期が一定ではなく、たとえば28日周期を基本にすると、それより短い周期と交互に生理がくるなどというときは、どちらかの卵巣の働き具合があまりよくないことが推測されます。長い、長い、短い、などというリズムの場合は、どちらかの卵巣が続けて排卵しているのだと思います。卵巣の働き具合をちゃんと知っておくことで、自分が妊娠しやすい体質か、しにくい体質かもわかります。”


人によって平均的な体温の高い低いなどの違いはありますが、一般的なグラフの形を知っておくと参考になりそうですね。


 


“◎ 陣内先生が教えてくれた基礎体温計測のポイント


 


Point1 基礎体温の計測は「だいたい」でOK!


毎日、きっちりと体温を計測することがストレスになっては本末転倒。一番肝心なのは、排卵したあとの1週間の情報です。28日周期なら、真ん中の1週間の、12~19日だけまじめに計測し、ほかの期間は2~3日に1回の計測でもかまいません


 


Point2 早起きが苦手な人は二度寝もおすすめ


基礎体温は、体が動いた瞬間から上がり始めます。また、起きなくても日中になると体温は上がるもの。遅くても7時30分までに計測することが大切です。もし、その時間に起きられないなら、寝たままの状態で一度体温を測り、そのままもう一度眠るのがおすすめです。


 


Point3 低体温の人が増えている!


最近、体温が低くなる傾向が見られます。陣内先生が考える低体温の最低ラインは35.5℃くらい。それより低い場合は、体が冷えている証拠です。冷たい食べ物を控える、靴下をきちんとはくなど、体を温める工夫をしましょう。運動して筋力をつけるのも効果的。


 


Point4 基礎体温で 一喜一憂しない!


基礎体温は、体の健康状態を知るために測るもの。高温期に少し体温が下がったくらいで不安になることはありません。継続して測り、異常が長く続くようなら、お医者さんに相談しましょう。”



"基礎体温をつけていれば、体の異常にも早く気づくことができます。将来的に妊娠を望むのであれば、若いうちから基礎体温を計測する習慣をつけておくことも必要です。"


基礎体温は女性の体のバロメーター



医師の力を借りずに、自宅で体の状態を知るのは難しいものです。効率的に診察を受ける準備として有効であり、異常の兆候を知ったりできる基礎体温は、妊活の強い味方になってくれそうです。肩の力を抜いて、毎朝の習慣として気軽に測りはじめてみませんか? 


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